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2017/05/24 Wed *閉ざされる自由 / カルメン・マキ&OZ

20170524tozasaretamachi


閉じていく。
閉じられていく。
その予感に。
慄き。
立ち尽くさずにはいられない。

確かに。
少し前から。
否。
遥か昔から。
その予感はあったのだが。

夕立前に。
急激に膨らむ。
黒雲の様に。
押しとどめようも無い力で。
閉じられていく。

閉じられる。
その扉の隙間から。
微かな光が。
見えているうちに。
何とか止めなければと。

そう。
思い。
焦り。
苛立ち。
そして慄くのだが。

どうやら。
あまりにも。
この街は。この社会は。
群れ集う人々は。
気づいてもいないらしい。それとも。

『閉ざされた町』'76年リリース。
カルメン・マキ&OZの2ndアルバム。
1stアルバムリリース後にカルメン・マキと春日博文以外のメンバーが交代して。
ベースには川上茂幸、ドラムスには久藤賀一、キーボードには川崎雅文と言う布陣に。
但しサウンド的には1stから大きな変化は無く。より深化したのかなと感じます。
よりハードに、よりヘヴィに。そしてより壮大に。そんな超ド級のサウンド。
そして。より繊細さになったかとも思われるメロディを歌い上げるカルメン・マキ。
その歌声の迫力・・・存在感の前には立ち尽くすしかない、震えるしかないと。
「Introduction」と「Epilogue」なる短いインストに挟まれた5曲、全7曲の構成。
当然、1曲、1曲は長尺になるのですが。決して冗長になることはなくて。
更に。その壮大さ、重厚さ、そして存在感は決して曲の長さによるものではなくて。
1曲、1曲の熱量、質量。あるいは密度。そんなものの熱さ、重さ、高さが生んでいるのか。
それ程に。1曲、1曲の。サウンド、歌声、そして歌詞と。その総てが圧し掛かってきます。
このアルバムはロスアンゼルスで録音されているのですが。カリフォルニアの青い空・・・
そんなものは微塵も感じられなくて。米国のスタジオの技術を駆使することによって。
カルメン・マキ&OZの持つ、そのスペックをフルに発揮、表現させようとしたのかなと。
その試みは功を奏して。カルメン・マキ&OZが規格外の存在であることを証明したと。
アルバム・タイトル、そして「閉ざされた町」の歌詞がそのイメージを増幅させるのか。
圧倒的な存在の前に、ひれ伏さざるを得ない様な。そんな重み、その息苦しさ。
しかしそれが、その重みが心に響き、そして臓腑を抉る様に忘れられないものを残していく。
それだけのアルバム、それだけの音楽、歌に出会えたことを感謝したくなるのです。
今も歌い続けているマキさん。その歌声の存在感は変わらぬどころか増すばかりで。
昨年ライヴで聴くことができた「閉ざされた町」は。今のこの時代、この社会だからこそ。
尚更に、その意味合いを増して鳴り響いている様に感じたのでした・・・

閉じられる。
閉じられてしまう。
その予感の。
高まりに。
立ち尽くさずにはいられない。

確かに。
いつからか。
否。
ある日から。
予感は確信に変わりつつあったのだが。

夕暮れ時。
一気に空を染める。
夕焼けの様に。
押しとどめる術もない無い力で。
閉じられていく。

閉じられる。
その扉の隙間から。
微かな希望が。
聞こえているうちに。
何とか止めなければと。

そう。
思い。
震え。
粟立ち。
それでも声にするのだが。

どうやら。
あまりにも。
この街は。この社会は。
群れ集う羊達は。
気づいてもいないらしい。それとも。

気づかない振り。
見ない振り。
聞こえない振り。
そいつが得策だと。
そんな思い違いが蔓延し。

扉を。
閉じようとするものに力を貸し。
扉が。
閉じる速度を加速させる。
その危うさ。その恐ろしさ。

そいつは。
巧みに。
隠されたのか。
愚かに。
隠そうとしているのか。

夕立は。
いつかは止む。
黒雲も。
いつかは消える。
けれども。

夕陽は。
いつかは沈む。
夕焼けも。
いつかは色を失う。
けれども。

閉ざされた扉。
そこからは。
光は二度と見えない。
希望は二度と届かない。
永遠に。

この街が。
この社会が。
崩れる。
壊れる。
その序曲が流れる中。

閉じられる。
街、社会。
そして。
閉じられる。
自由。

それを。
目の当たりにして。
慄き。
立ち尽くさずにはいられない。
閉じられる自由・・・



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