« 2017/06/26 Mon *こいつでなきゃ / Lou Reed | トップページ | 2017/06/28 Wed *燃えている / Kiss »

2017/06/27 Tue *夜の生き物 / Patti Smith Group

20170627easterusorg


どうしてかって。
それは。
そう。
そうさ。
この時を待っていたからさ。

この時に。
この時間に。
ならないと。
スイッチが入らない。
そうなのだ。

どうにも。
眩い。
明るい。
温かい。
陽光とやらは。

苦手と言うか。
似合わないと言うか。
くすぐったいと言うか。
その下じゃ。
生きている感じがしない。

だから。
帳が下りて。
漆黒に染められて。
闇が支配する。
この時を待っていたのさ。

そう。
闇の中。
そこでだけ。
生きている実感が湧いてくる。
夜の生き物なのさ。

『Easter』'78年リリース。
パティ・スミス・グループの3rdアルバム。
ロバート・メイプルソープによるジャケットが印象的で。
凛とした柔らかさ。そんなものを感じさせて。
それがこのアルバムの内容、そして前作までとの違いを表しているかなと。
そう。このアルバムでパティは明らかに変化、変容していて。
それは角がとれたとか、丸くなったとか。そんな次元とは違うところで。
表現に対する姿勢、表現に向かう姿勢、そして表現方法が自然な流れで変わり始めて。
それを素直に受け容れ、真摯に向き合い。それを届けようとするパティの在り様。
それが、しなやかな猫科の肉食獣を、その気高さと優雅さと獰猛さを思わせるのです。
研ぎ澄まされた爪と牙は隠したまま。静かに穏やかに、その時を待ち。
その時が来るや、爪と牙を剥き出しにして、一撃で止めを刺してしまう様な。
そんな美しい危うさ、攻撃性を感じ。それに魅入られてしまうのです。
アルバム・タイトル、タイトル曲「Easter」に。そして「Because The Night」にも。
そんな危険で美しい獣へと変わりゆく己に対するパティの思い、覚悟を感じるのです。
ポップになったとの一言では済まされない。ロックンロールとしてのパワーが増していて。
それはパティのヴォーカル、そしてバンドのサウンドの成長故の成せる業なのか。
表層的には穏やかながら。その実、底知れない様な凄味を身につけていて。
「Because The Night」はそんなパティとバンドだからこそ成り立っているかなと。
スプリングシティーンが歌っていたら。凡庸なヒット曲で終わっていたと思わせてしまう。
そんなパティの深い歌声には、やはり痺れ、そして魅入られるしかないのです。
そして、その歌声に。夜の、闇の。そこにしか存在しない温かさを感じもするのです。

どうしてだって。
それは。
そう。
そうさ。
この時しかないからさ。

この時が。
この時間が。
やってこないと。
目が醒めない。
そうなのだ。

どうにも。
陽気で。
華やぐ。
平和に過ぎる。
お天道様とやらは。

不得手と言うか。
そぐわないと言うか。
もどかしいと言うか。
その下じゃ。
生きている心地がしない。

だから。
逢魔が過ぎて。
墨が流れ、溢れ。
暗が闊歩する。
この時でないと駄目なのさ。

そう。
暗の中。
そこでだけ。
生きた心地でいられる。
夜の生き物なのさ。

眩い。
明るい。
温かい。
陽光とやらが。
支配する。

その時は。
その間は。
隠れて。
密やかに。
潜ったままで。

陽気で。
華やぐ。
平和に過ぎる。
お天道様とやらが。
闊歩する。

その時は。
その間は。
逸らして。
装って。
偽ったままで。

帳が下りて。
漆黒に染められて。
闇が支配する。
スイッチが入る。
その時を待って。

蠢き。
這い出し。
舌なめずりをしながら。
動き出す。
動き回る。

逢魔が過ぎて。
墨が流れ、溢れ。
暗が闊歩する。
その時を待ち侘びて。

震え。
脱け出し。
胴震いをしながら。
駆けだす。
駆け回る。

そう。
闇の中でだけ。
変化し、変容し。
己を取り戻せる。
夜の生き物なのさ。



web拍手 by FC2

|

« 2017/06/26 Mon *こいつでなきゃ / Lou Reed | トップページ | 2017/06/28 Wed *燃えている / Kiss »

002 American Rock」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/188094/65466518

この記事へのトラックバック一覧です: 2017/06/27 Tue *夜の生き物 / Patti Smith Group:

« 2017/06/26 Mon *こいつでなきゃ / Lou Reed | トップページ | 2017/06/28 Wed *燃えている / Kiss »