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2017年6月

2017/06/27 Tue *夜の生き物 / Patti Smith Group

20170627easterusorg


どうしてかって。
それは。
そう。
そうさ。
この時を待っていたからさ。

この時に。
この時間に。
ならないと。
スイッチが入らない。
そうなのだ。

どうにも。
眩い。
明るい。
温かい。
陽光とやらは。

苦手と言うか。
似合わないと言うか。
くすぐったいと言うか。
その下じゃ。
生きている感じがしない。

だから。
帳が下りて。
漆黒に染められて。
闇が支配する。
この時を待っていたのさ。

そう。
闇の中。
そこでだけ。
生きている実感が湧いてくる。
夜の生き物なのさ。

『Easter』'78年リリース。
パティ・スミス・グループの3rdアルバム。
ロバート・メイプルソープによるジャケットが印象的で。
凛とした柔らかさ。そんなものを感じさせて。
それがこのアルバムの内容、そして前作までとの違いを表しているかなと。
そう。このアルバムでパティは明らかに変化、変容していて。
それは角がとれたとか、丸くなったとか。そんな次元とは違うところで。
表現に対する姿勢、表現に向かう姿勢、そして表現方法が自然な流れで変わり始めて。
それを素直に受け容れ、真摯に向き合い。それを届けようとするパティの在り様。
それが、しなやかな猫科の肉食獣を、その気高さと優雅さと獰猛さを思わせるのです。
研ぎ澄まされた爪と牙は隠したまま。静かに穏やかに、その時を待ち。
その時が来るや、爪と牙を剥き出しにして、一撃で止めを刺してしまう様な。
そんな美しい危うさ、攻撃性を感じ。それに魅入られてしまうのです。
アルバム・タイトル、タイトル曲「Easter」に。そして「Because The Night」にも。
そんな危険で美しい獣へと変わりゆく己に対するパティの思い、覚悟を感じるのです。
ポップになったとの一言では済まされない。ロックンロールとしてのパワーが増していて。
それはパティのヴォーカル、そしてバンドのサウンドの成長故の成せる業なのか。
表層的には穏やかながら。その実、底知れない様な凄味を身につけていて。
「Because The Night」はそんなパティとバンドだからこそ成り立っているかなと。
スプリングシティーンが歌っていたら。凡庸なヒット曲で終わっていたと思わせてしまう。
そんなパティの深い歌声には、やはり痺れ、そして魅入られるしかないのです。
そして、その歌声に。夜の、闇の。そこにしか存在しない温かさを感じもするのです。

どうしてだって。
それは。
そう。
そうさ。
この時しかないからさ。

この時が。
この時間が。
やってこないと。
目が醒めない。
そうなのだ。

どうにも。
陽気で。
華やぐ。
平和に過ぎる。
お天道様とやらは。

不得手と言うか。
そぐわないと言うか。
もどかしいと言うか。
その下じゃ。
生きている心地がしない。

だから。
逢魔が過ぎて。
墨が流れ、溢れ。
暗が闊歩する。
この時でないと駄目なのさ。

そう。
暗の中。
そこでだけ。
生きた心地でいられる。
夜の生き物なのさ。

眩い。
明るい。
温かい。
陽光とやらが。
支配する。

その時は。
その間は。
隠れて。
密やかに。
潜ったままで。

陽気で。
華やぐ。
平和に過ぎる。
お天道様とやらが。
闊歩する。

その時は。
その間は。
逸らして。
装って。
偽ったままで。

帳が下りて。
漆黒に染められて。
闇が支配する。
スイッチが入る。
その時を待って。

蠢き。
這い出し。
舌なめずりをしながら。
動き出す。
動き回る。

逢魔が過ぎて。
墨が流れ、溢れ。
暗が闊歩する。
その時を待ち侘びて。

震え。
脱け出し。
胴震いをしながら。
駆けだす。
駆け回る。

そう。
闇の中でだけ。
変化し、変容し。
己を取り戻せる。
夜の生き物なのさ。



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2017/06/26 Mon *こいつでなきゃ / Lou Reed

20170626rockandrollheart


あれでもない。
それでもない。
そうなのだ。
こいつでなきゃ。
駄目なのだ。

あれもいい。
それもいい。
でも。
やっぱり、こいつが。
最高なのだ。

理屈でもなく。
理由などもなく。
言葉にしようと思えば。
できるのだろうが。
意味はない。

小難しく。
考えてみようと思えば。
考えられないこともない。
しかし、そいつは。
お門違いで。

この。
身体に。
染みついてしまっている。
その。
感覚を信じるだけ。

この。
精神の。
柔らかいところに宿ってしまっている。
その。
思いを信じるだけ。

『Rock And Roll Heart』'76年リリース。
ルー・リードのアリスタ移籍第一弾となったアルバム。
ルーと言うとRCAのイメージが強くて。
また後にはRCAに復帰してもいるのですが。
当時のルーはRCAに対して相当に腹に据えかねていた様で。
そのRCAから解放されて、これからは自由にやれるのだとの喜びに溢れたアルバム。
溢れすぎてしまって、詩的でない、哲学的でない、詰めが甘いとの批評もある様ですが。
どうなのでしょう。確かに高い文学性、冷静な視線。それがルーの魅力ではありますが。
それと同じくらいに、ロックンローラーとしてのルーも魅力的なのは間違いがないので。
ここは、ルーと一緒に素直に喜んで。そのロックンロールに酔いしれればいいと。
そう思うのですが。どうもルーのファンと言うのは難解なことが高尚だと勘違いしている。
そんなタイプが多い様で。そんなファンには簡単に過ぎる、単純だってことなのかな。
さて。ルーのロックンロールと言っても。ストレートな所謂ロックンロールばかりでなく。
シンプルなコードを用いながら、曲調はバラエティに富んでいたりするのですが。
その総てに共通しているのが。通奏低音として流れているのが解放感と喜びで。
聴いていると。本当にRCAからの解放が嬉しくて堪らなかったのだろうなと。
総てのナンバーのギターをルーが一人で弾いているのが、このアルバムの特徴でもあって。
ルーの他のアルバムには必ずギタリストが参加しているのだとか。弾きたかったのだなと。
ルーのアルバムにしては各曲が比較的なコンパクトなところにも。
兎に角。作りたい、歌いたい、弾きたい。その希求、欲求が溢れている様が表れていて。
突き動かされるまま、衝動のまま。そこにルーの身体と精神の根底にあるもの。
その本質が感じられる気がするのです。己が根幹には揺るぎのないロックンロールへの思いがあるのだとね。

あれではない。
それではない。
そうなのだ。
こいつでなきゃ。
面白くないのだ。

あれはいい。
それはいい。
でも。
やっぱり、こいつが。
ご機嫌なのだ。

理屈でも。
理由でも。何でも。
語ろうと思えば。
語れるのだろうが。
意味もない。

高尚に。
見せようと思えば。
見せられないこともない。
しかし、そいつは。
見当違いで。

この。
身体に。
染みついてしまっている。
その。
匂いを信じるだけ。

この。
精神の。
深いところに宿ってしまっている。
その。
愛しさを信じるだけ。

外見とか。
形式とか。
そんなものは。
どうでも。
よいこと。

理屈とか。
理論とか。
そんなものも。
どうでも。
よいこと。

言葉になろうが。
なるまいが。
語れようが。
かたれまいが。
どうでもよくて。

小難しさ。
そんなものとは無縁で。
高尚さ。
そんなものは必要なくて。
そんなもので。

この身体に。
染みついているか。
この精神に。
宿っているか。
それだけ。

その。
感覚を。匂いを。
思いを。愛しさを。
信じるだけ。
だから。

あれでもない。
それでもない。
そうなのだ。
こいつでなきゃ。
駄目なのだ。



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2017/06/25 Sun *達観など / Iggy Pop

20170625lustforlife


どうにも。
こうにも。
どうなったところで。
達観など。
できそうもない。

ここが。
いまが。
正念場。
乗り越えられるか、どうか。
そんな時だと。

わかっていても。
その事実を。
突き付けられて。
嫌と言うほど。
身に沁みてはいても。

あらゆる。
欲望から。
切り離されることなど。
解き放たれることなど。
捨て去れることなど。

できない。
できそうもない。
できる筈もない。
生臭く。
生々しく。

欲望に。
忠実に。
その命ずるままに。
這い回る以外に。
生き方を知らないのだ。

『Lust For Life』'77年リリース。
イギー・ポップの2枚目となるソロ・アルバム。
前作である『Idiot』も同年のリリースで。兄弟アルバムと言うか。
同時に録音されたものを2枚のアルバムに分けたのではないかと思うのだけれど。
デヴィッド・ボウイの指揮の下。カルロス・アロマーにセイルズ兄弟も参加して。
イギーとボウイの蜜月であるベルリン時代を代表するアルバムであると。
まぁ、実際にボウイの影響力は大きいと言うか。ボウイ絡みでなければ。
ここでイギーがシーンに再浮上することはなかったのだろうけれど。
それは飽くまでも。きっかけと言うか。触媒に過ぎないのでは無いかと思われて。
恐らくは共作とされているナンバーのソングライティングも、無機質なサウンド作りも。
主導権を握っているのはボウイで。そのフィールドはボウイに寄っているのですが。
イギーのヴォーカルは、歌声は。それをものともしないと言うか。我、関せずと言うか。
その生々しさ。その強烈な匂い、その圧倒的な存在感。イギーはイギーでしかなく。
決してそこまでラウドでもヘヴィでもないのに。凄まじい破壊力を放っていて。
何だか。言い方は悪いのですが。ボウイの計算が小賢しく感じられてしまうかなと。
勿論。イギーとしても。ボウイと組むことがチャンスであること。それは意識していて。
でも。歌い始めると。もう。計算とか意識とかではなくて。その身に沁みついている。
歌うという事。それだけに向かってしまう。その欲求に、欲望に対して正直である様。
その様の圧倒的な生々しさが放つ匂いが、それ以外の総てを凌駕してしまっていると。
このアルバムからのナンバーを後にボウイも自らやっていますが。正直、毒にも薬にもで。
そして。そのことは恐らくはボウイ自身も自覚していただろうなと。
ボウイはイギーに憧れを抱いていた部分があったと思われて。それがイギーの匂い。
どうしても消せない、拭えない、その生々しい匂い。それに自分も魅せられているのです。
ここまで。いつまでも。どこまでも。表現欲求に正直で素直である。そんなイギーが堪らなく魅力的なのです。

どうしても。
こうしても。
どうしたところで。
達観など。
できるものでもない。

いま。
既に。
期限を。
切られてしまって、どうにも。
そんな時だと。

わかっていても。
その事実は。
受け容れていても。
否が応でも。
思い知らされていても。

総ての。
欲望を。
切り離すことなど。
封じ込めることなど。
捨て去ることなど。

できない。
できそうもない。
できる筈もない。
生臭くても。
生々しくても。

欲望に。
素直に。
その求めるままに。
のたうち回る以外に。
生き方を知らないのだ。

切り離され。
解き放たれ。
捨て去られ。
諦念と。
忘却の内に。

何も。
追わず。
求めず。
惑わされず。
見送るだけ。

切り離し。
封じ込め。
捨て去り。
脱却と。
忘我の内に。

何も。
見ず。
聞かず。
感じず。
動かされず。

限られた。
時の中で。
乗り越えねばならない。
壁を前に。
達観できれば。

苦もなく。
何もなく。
静かに。
穏やかに。
過ごせるものの。

どうにも。
こうにも。
どうなったところで。
達観など。
したくもない。

匂う限り。
香る限り。
感じる限り。
追い続ける。
求め続ける。

生臭くて。
構わない。
どこまでも。
生々しく。
その限りを尽くして。

欲求に。
欲望に。
忠実に。
素直に。
這い回り、のたうち回る。

ここに及んでも。
どこに及んでも。
そんな生き方しか知らない。
達観など知る筈もない。
達観などしたくもない。



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2017/06/21 Wed 相応しく / Thin Lizzy

20170621badreputationukorg


渾名。
異名。
二つ名。
そんなものが。
ついて回る。

どうやら。
そいつは。
どうにも。
消えないらしい。
拭えないらしい。

紛れて。
馴染んで。
隠れている。
そのつもりでも。
隠し切れないらしい。

まるで。
暗闇の中で。
一人だけ。
月明りに照らされて。
踊っているかの如く。

浮いている。
異なっている。
故に。
目につく。
気に掛かる。

それならそれで。
その距離感を。
その立ち位置を。
利用するだけ。
生かしてみせるだけ。

『Bad Reputation』'77年リリース。
シン・リジィの通算で8枚目なるアルバム。
ブライアン・ロバートソンが一時的に脱退して。
それ故にジャケットもロバートソンも除いた3人となっています。
ロバートソンは3曲のみ参加していて。シン・リジィの武器であるツイン・リード・ギター。
その3曲を除いては、スコット・ゴーハムがダビングして一人二役をこなしています。
これがなかなか奮闘していて。ロバートソンやゲイリー・ムーアの陰に隠れがちな。
ゴーハムのギタリストとしての実力の程を知らしめるアルバムとなっています。
尤も。バンドとしての不安定な状況を反映してか。全体に地味な印象は拭えないのですが。
その抑えた、溜めている感じが。ある種の内に秘めた凄味を生んでいるかとも思えます。
哀愁や郷愁を漂わせるメロディ、それをハードに流麗に奏でるシン・リジィ。
その世界を想像し、創造へと描き上げる、フィル・リノット。この頃のフィルは絶好調で。
リリシズムにも過ぎない、ただハードなだけにも過ぎない。そこが絶妙な塩梅で。
そんなナンバーを、淡々とも感じさせる雰囲気で表現している。そこに迫力が生まれている。
そう。だから地味ながらも、シン・リジィが最も充実していた時期の傑作なのですよね。
「Dancing In The Moonlight (It's Caught Me in Its Spotlight)」なんてナンバーは。
まさにシン・リジィならではで。ここでのフィルの歌声、ベースは絶品で。
その証左の様なナンバーかなと。実に何ともシン・リジィはシン・リジィなのだよなと。
アルバム・リリース後のツアーにはロバートソンも復帰して。
その模様も収められた『Live & Dangerous』をリリースするもそれを最後に完全に脱退。
ゲイリーを迎えた『Black Rose (A Rock Legend)』もまた素晴らしいアルバムでしたが。
直ぐにゲイリーも脱退して。そこからはただのヘヴィ・メタル・バンドに成り下がって・・・
アイルランドの英雄と異名に相応しかったのは『Black Rose (A Rock Legend)』まで。
そしてその二つ名が最も輝いていたのはロバートソン在籍時代だったのかなと思ったりもするのです。

渾名。
異名。
二つ名。
そんなものを。
背負っている。

どうやら。
そいつは。
どこまでも。
ついて回るらしい。
下ろせないらしい。

潜んで。
装って。
隠している。
そのつもりでも。
見え隠れするらしい。

そう。
暗闇の中で。
一人だけ。
月明りに囚われて。
踊っているかの如く。

浮き上がってしまう。
放ってしまう。
故に。
見過ごせない。
注意を引かざるを得ない。

それならそれで。
その距離から。
その立ち位置から。
仕掛けるだけ。
活かしてみせるだけ。

渾名。
異名。
二つ名。
要は。
悪名。

そんなものが。
どこまでも。
ついて回る。
消せず。
拭えず。

そんなものが。
どこまでも。
ついて回る。
背負って。
下ろせず。

紛れようにも。
馴染もうにも。
潜もうにも。
装おうにも。
どうにもならない。

隠せない。
隠し切れない。
否。
隠すつもりなど。
ありはしない。

渾名。
異名。
二つ名。
要は。
悪名。

相応しく。
そいつを友にして。
月明りも友にして。
一人で。
踊りながら微笑んで。

相応しく。
その距離感を。
その立ち位置を。
利用するだけ。
生かしてみせるだけ。



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2017/06/20 Tue *取り敢えずダンス / Marc Bolan

20170620danceinthemidnightjp


眠れない。
眠りたくない。
そんな夜。
そんな真夜中。
取り敢えずダンス。

やるせない。
やり場がない。
そんな気持ちを。
胸に抱えて。
取り敢えずダンス。

どうしても。
どうにも。
こうにも。
ならないと知りながら。
取り敢えずダンス。

雨の予感。
風の予感。
嵐の予感。
包まれたまま。
取り敢えずダンス。

思わぬ展開。
思い通りにならない。
思いが届かない。
ため息一つ。
取り敢えずダンス。

諦めきれずに。
それでも。
無理矢理に。
断ち切らなくてはと。
取り敢えずダンス。

『Dance In The Midnight』'83年リリース。
マーク・ボランの未発表音源を集めた編集アルバム。
この日本盤のジャケットは英国盤とは異なる独自のものです。
当時、ボランの音源の権利はファン・クラブを運営していた夫妻の下にあって。
(そう言えば。今は、どうなっているのでしょうね?・・・)
次々と未発表音源やら、未発表ライヴやらがアルバムとしてリリースされて。
没後、数年にして時ならぬT.レックス、ボラン・ブームが起きたりしていて。
日本でも。オリジナル・アルバムの再発に続いて。それらのアルバムがリリースされて。
更には、次々とCMに起用されたりもして。ちょっとしたブームになっていました。
このアルバムには完全未発表だった音源が10曲収録されているのですが。
録音された時期は不明で。T.レックス名義ではなくてボラン名義なのがヒントなのかな。
想像するに。T.レックス用にマークが個人で録音していたデモ音源が元ネタで。
それに新たに、エレキとかストリングスを被せたり、重ねたりしたのだろうなと。
そう。一時期のジミヘンにも多くあった、まぁ、言わば完全に墓場荒らし的な商法・・・
なのです、が。これが不思議とボランだとそれほど腹が立たないと言うか、許せてしまう。
自分自身を、キャッチーでキッチュな玩具に仕立てて。世界を魅了して、駆け抜けた。
そんなボランだから。素材として遊ばれるのも楽しんでいるのではないか・・・
そう思えるから、聴く側としても。一緒に楽しめてしまうからなのかな。
ある意味では、凄くボランらしいアルバムとして捉えることもできるかもしれません。
あの「Stand By Me」のカバー以外は、総てボランのオリジナル・ナンバーなのですが。
「Solid Gold Easy Action」の別バージョンも含めて如何にもボランらしくて。
そのいい意味でのチープなところ。やっぱり、好きだなぁと、そう思わされて。
また「Stand By Me」が。これまたチープで、見事なまでにヘロヘロで。
もうね。大好きだなぁと。笑いながら、取り敢えず踊ってみたくなるのです。いいなぁ、マーク・ボラン。

眠れない。
眠れそうもない。
そんな夜。
そんな丑三つ時。
取り敢えずダンス。

やっていられない。
やりようもない。
そんな気持ちが。
胸に一杯で。
取り敢えずダンス。

どうしたって。
にっちも。
さっちも。
いかないと知りながら。
取り敢えずダンス。

雨の予感。
風の予感。
嵐の予感。
確信に変わる中。
取り敢えずダンス。

思わぬ素振り。
思い通りにいかない。
思いがすれ違い。
天を仰いで。
取り敢えずダンス。

諦めはしない。
それでも。
今夜のところは。
切り替えなくてはと。
取り敢えずダンス。

実のところ。
存外に。
重い。
心を抱えながら。
取り敢えずダンス。

実のところ。
想定外に。
深い。
傷口を眺めながら。
取り敢えずダンス。

実のところ。
想像以上に。
覚束ない。
足下に戸惑いながら。
取り敢えずダンス。

それでも。
それだけの。
思いが。
あったのだと。
取り敢えずダンス。

それでも。
そこまでの。
覚悟が。
あったのだと。
取り敢えずダンス。

それでも。
それまでの。
衝撃を。
受けるのだと。
取り敢えずダンス。

夜の闇の中。
微かな星の明かり。
道程は見えなくても。
君の存在を思えれば、感じられればと。
取り敢えずダンス。



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2017/06/19 Mon *渦中こそが / The Sensational Alex Harvey Band

20170619sahbstoriesukorg


物語には。
始まりがあれば。
終わりもある。
まぁ。
そんなところで。

終わりがあるから。
いいのか。
そうでないのか。
そこは意見が分かれるところ。
そうかもしれないが。

いま。
一つの物語が。
終わろうとしている。
それは確かなことで。
それを否定しようとも思わない。

寧ろ。
新しい物語を。
語り始めようとする。
書き始めようとする。
その背中を押したい気分ではあるけれど。

いま。
この時は。
暫し。
あの頃に戻って。
あの頃の物語を振り返ってみよう。

物語には。
始まりがあれば。
終わりもある。
そして。
その間、渦中こそが面白い。

『SAHB Stories』'76年リリース。
センセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンド(SAHB)の7枚目のアルバム。
オリジナル・アルバムとしては6枚目となるのかな。
確か、この年には2枚のオリジナル・アルバムをリリースしていて。その2枚目。
このアルバムのリリース後にアレックスが体調を崩して一時離脱。鬼の居ぬ間にと?
残りのメンバーで『Without Alex』なる洒落のきついアルバムをリリースしているので。
結果として第一期SAHBとしての集大成的な位置に置かれることにもなったかなと。
そう考えると意味深なアルバム・タイトルですが。どこまで意図していたかは不明かな。
ティア・ガスなる、ブリティッシュ・ハード・ロック・バンドに。
稀代のトリック・スター、アレックス・ハーヴェィが合流して生まれたSAHBですが。
兎に角。アレックスはキャリアも長い上に。その嗜好性も実に幅広くて。
スキッフルやブルース。更には俳優としてのキャリアもあって。その何でもありの劇場性。
それがSAHBの個性で。それを裏打ちしていたのが元ティア・ガスの面々の高い技量で。
特にギタリストの、ザル・クレミンソンの硬質な音質によるリフがカッコいいのですが。
そんなザルに対抗意識を燃やしたのか。このアルバムではキーボードを重用していて。
しかもシンセサイザーではない、エレピなサウンドが今までとは異なる印象を与えるかな。
曲調もミドル・テンポなナンバーが多くて。朗々と歌い上げるアレックスにはお似合いかと。
その一方で。ザルによるナンバーはいつにも増して硬質なロックであったりするとろ。
その異なる個性の対比が、SAHBの物語をドラマティックに盛り上げてきたのですが。
その対比もあまりにも明確になり過ぎると。物語の方向性も、結末も変わってしまう。
そう考えると。次作でのアレックスの欠席が惜しかった、痛かったなと。
ここまでの物語を振り返る時間があった上で、次のアルバムを制作出来ていれば。
このアルバムの世界、物語を新たに展開させた形での、第二期SAHBもあったかなと。
まぁ、そうそう。予想通りの展開には収まらないから、物語と言うのは面白いとも言えるのですけどね。

始まった。
物語には。
終わりがやってくる。
まぁ。
そんなものだから。

終わってくれるから。
いいのか。
そうでないのか。
そこは趣味が分かれるところ。
そうかもしれないが。

いまも。
一つの物語が。
終わりを迎えようとしている。
それは確かなことで。
それに抵抗しようとも思わない。

寧ろ。
新しい物語を。
語り始めることを決めた。
書き始めることに決めた。
その背中に拍手を送りたい気分ではあるけれど。

そう。
この時は。
暫し。
あの頃を振り返って。
あの頃の物語を語り合ってみよう。

始まった。
物語には。
終わりがやってくる。
そして。
そこに至る、渦中こそが面白い。

物語の。
始まりの。
その。
きっかけは。
何であったのか。

その。
きっかけも。
実のところ。
それぞれに。
それぞれで。

粗筋も。
章立ても。
起承転結の。
書き方も。
収め方も。

異なっていながら。
時に重なり。
時に寄り添い。
時に距離を置き。
紡ぎ合っていく。

展開にも。
得手不得手。
文体にも。
得手不得手。
補いあいながら。

始まった。
物語を。
転がして。
渦の中へと。
飛び込み、引き寄せ。

方向性を。
模索しながら。
結末を。
想像しながら。
もがき、苦しみ、それを楽しみ。

そうだね。
第一章は終わったかも知れないが。
続きはありそうで。渦中にはいるようで。
やっぱり渦中こそが。
それこそが面白い。



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2017/06/18 Sun *今がその時 / Status Quo

20170618nevertoolateukorg


遅かれ。
早かれ。
その時は。
確実に。
やってくる。

そいつだけは。
そいつばかりは。
見事なばかりに。
公正で。公平で。
嫌にもなるが。

ならば。
もう遅いとか。
もう手遅れとか。
そんなご託を。
並べている間も惜しい。

今から。
やれること。
今だから。
やれること。
そいつをやるだけのこと。

その時まで。
歩むだけ。
駆けるだけ。
とことん。
楽しむだけ。それだけ。

遅すぎるなどと。
逸機だと。
認めるのは。
容易いこと。
ならば。認めなければいい。

『Never Too Late』'81年リリース。
ステイタス・クォーの14枚目のオリジナル・アルバム。
ハード・ブギーに心を決めてからは毎年の様にコンスタントにアルバムをリリース。
それも総てを全英アルバム・チャートのTOP10内に送り込んでいて。
このアルバムも見事に全英2位の座に輝いています。その絶大なる人気は想像以上で。
あのライヴ・エイドでも英国側のトップ・バッターとしてステージに上がり。
ロック版マダム・タッソーの館?では入り口で観客を出迎えていました。
大袈裟ではなく。ビートルズやクイーンと比肩しうる英国の国民的バンドなのですよね。
時の流れ、時代の潮流など気にも留めない、ものともしないステイタス・クォーですが。
このアルバムの前は若干ですが、ポップに傾いたと言うか、日和っていた感じもあったかな。
(あくまでも、ステイタス・クォーにしては、ですけどね・・・)
このアルバムでは針を落とした瞬間にゴツゴツとしたハードなギターが聴こえてきて。
そこにキャッチーなメロディが乗ってと。そうそう。これがステイタス・クォーだぜと。
思わず。ガッツ・ポーズをしたくなる納得の、品質保証の金太郎飴サウンドが楽しめます。
確か、このアルバムを最後にオリジナル・ドラマーが脱退しているはずで。
それも含めて。今からでも遅くないとばかりに、原点を思い出すとの意味もあったのか。
なんと「Carol」をやっていたりもします。これをやったらネタがバレバレだろうと。
そんな危惧も何のその。実に堂々と、そして楽しく、ハードなブギーを決めています。
迷いを断ち切った、迷いの無くなったステイタス・クォーには恐いものなど無いだろうなと。
時代遅れだとか、時代錯誤だとか。その時代なんてものは誰が決めるものなのかと。
引き際だとか、潮時だとか。その時なんてものを誰かに決めさせてたまるものかと。
何かね。そんな覚悟と言うか。決意表明にも聴こえてくるアルバムなのですよね。
それにしても。このジャケットのセンスはなぁ。その無頓着さもまたステイタス・クォーらしくはありますが。

遅かれ。
早かれ。
その時は。
間違いなく。
訪れる。

そいつだけは。
そいつばかりは。
公正で。公平で。
でも。いつなのか。
不安にもなるが。

ならば。
もう遅いからとか。
もう手遅れかもとか。
そんな言い訳を。
考えている間も惜しい。

今でも。
やれること。
今こそ。
やれること。
そいつをやるだけのこと。

その時まで。
転がるだけ。
賭けるだけ。
とことん。
面白がるだけ。それだけ。

遅すぎたなどと。
逸機だと。
認めるたなら。
そこでお仕舞い。
ならば。認めなければいい。

時の流れなど。
気にしている。
その間が勿体ない。
そんな時など。
必要ない。

時代の潮流など。
気に留めている。
その間も勿体ない。
どんな時代でも。
関係ない。

遅かれ。
早かれ。
やってくる。
訪れる。
その時までは。

遅いも。
早いも。
いつが。
その時かは。
己が決めるだけ。

遅れているのか。
並んでいるのか。
時代を。
どう扱うかも。
己が決めるだけ。

今だから。
やれること。
今こそ。
やれること。
そいつをやるだけのこと。

歩む。
駆ける。
転がる。
賭ける。
それだけのこと。

遅かれ。
早かれ。
ならば。
楽しむだけ。それだけ。
面白がるだけ。それだけ。

今がその時。認めるだけ。決めるだけ。



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2017/06/17 Sat *過剰防衛 / Motörhead

20170617overkill


嗅覚が。
触覚が。
感じている。
告げている。
危ないと。危ういと。

今は。
未だ。
小さな波紋。
でも。
見過ごしたら。

やがて。
そう遠くない先に。
大きな脅威。
そんなものに。
化ける可能性が高いと。

だから。
今のうちに。
消してしまおう。
摘み取ってしまおう。
先手必勝。

攻撃は。
最大の防御。
いつでも。
どこでも。
そうとは限らないが。

この感じは。
この匂いは。
危なすぎる。
危うすぎる。
叩きのめしてしまうに限る。

『Overkill』'79年リリース。
モーターヘッドの2ndアルバム。
アルバム・タイトルの通りに過剰なまでに。
過激な攻撃、突撃、爆撃を繰り広げるモーターヘッド。
このトリオとは思えない傍若無人な暴れ振りと駆け抜けていく感覚。
これこそがモーターヘッドの真骨頂と言えるかなと。
針を落とした瞬間に先制攻撃を喰らわされ。もうそのまま撃たれ続けるみたいな。
手数の多い連打もあれば、フットワークも軽い思わぬ角度からの一撃もあれば。
一撃入魂、一撃必殺の様な重量級の止めを刺しにくる一撃もありと。
その畳み掛ける様な攻撃の前では、ガードもディフェンスも役に立たなくて。
それこそガードを固めていても。その上から、それごとブッ飛ばされる感じです。
これで単調なら、面白くも何とも無いのですが。凡百のデスメタルとは異なり。
リフや、フックに味が、変化があって。ヘヴィにしてキャッチーでもあると。
そこに実は長いキャリアを誇るレミーならではの強みを感じたりもします。
決して無謀な突撃を仕掛けている訳では無く。確かな戦略、戦術があるのですよね。
それが成せるのも、圧倒的な技量と、そして体力があるからで。
結局は電車道を突っ走られて、一気に土俵下に飛ばされることに変わりはないのですが。
そのことが、心地良い、快感ですらある。そこには味と言うか、何と言うか。
そのサウンドに血が通い、筋が通っている。だからこそ生々しいまでのリアルさがあり。
それが。ただうるさいだけの。独りよがりの勘違いしたものにはなっていないのですね。
それでも。爆音、轟音であることには間違いは無く。その無双のド迫力。
そいつがモーターヘッドの最大の魅力であることは間違いが無くて。それが痛快、爽快なのです。

嗅覚が。
触覚が。
震えている。
粟だっている。
危ないと。危ういと。

今は。
未だ。
小さな綻び。
でも。
見過ごしたら。

やがて。
そう遠くない先に。
大きな亀裂。
そんなものに。
成長する可能性が高いと。

だから。
今のうちに。
塞いでしまおう。
消し去ってしまおう。
先手必勝。

制する者は。
先んじる。
いつでも。
どこでも。
そうとは限らないが。

この感じは。
この空気は。
危なすぎる。
危うすぎる。
叩き潰してしまうに限る。

結界に。
入られる前に。
否。
近づかれる前に。
その前に。

先手必勝。
先制攻撃。
有無をも言わせず。
叩きのめす。
叩き潰す。

小さな波紋だから。
小さな綻びだから。
見過ごさず。
摘み取ってしまう。
消し去ってしまう。

化ける前に。
成長する前に。
驚異が。
亀裂が。
生まれる前に。

嗅覚の。
触覚の。
発する。
警報に。
その響きに従って。

撃ちまくり。
ブッ放し。
ブッ飛ばし。
圧倒的に、一方的に。
攻めまくり、壊滅させてしまおう。

過剰防衛。
そいつが。
必要な時がある。
それでしか守れないものがある。
ならば。躊躇いなくやるだけさ。



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2017/06/16 Fri *越境者たらん / Eric Burdon & War

20170616ericburdondeclareswar_2


越境者たらん。

肌の色とか。
目の色とか。
生まれたところとか。
そんなものなど。
ものともしない。

性別とか。
年齢とか。
肩書とか。
そんなものも。
ものともしない。

そんな。
柔軟で。
屈強な。
心を宿して。
越えていきたい。

構えることなく。
怯むことなく。
力むこともなく。
軽やかに。
越えていきたい。

寄らず。
巻かれず。
おもねることもなく。
迷わずに。
越えていきたい。

越境者たらん。

『Eric Burdon Declares War』'70年リリース。
エリック・バードン&ウォーの記念すべき1stアルバム。
そう。西海岸を代表するファンク・バンドとして知られているウォー。
そのウォーを世に出したのは、かのアニマルズのエリックだったのですね。
英国はニュー・キャッスル出身のエリック。アニマルズとして世に出て。
成功を手にするものの。メンバー間の不協和音もありあっけなく解散してしまい。
大西洋を渡って米国に渡り、新たなメンバーを集めてアニマルズを再編して。
フラワー・ムーブメントやサイケデリック・サウンドに影響を受けた活動を展開。
やがて。その活動にも限界を感じて。原点であるブラック・ミュージックに最接近。
知人に紹介されたアフリカ系米国人のバンドのライヴを観て感銘を受けて。
ハーモニカ奏者のリー・オスカーと共に加入を申し出て。バンド名を改名させて。
ここにウォーが誕生して。世に出ることになったのですね。
どうもエリックと言う人は影響されやすい上に、思いったら即行動に移す人の様で。
モントレー・ポップ・フェスティバルを観に行って感化されて。
「Monterey」なるナンバーをリリースして。アニマルズの方向性も変化させてと。
そんな前歴がある。言わば、恐れをしらない越境者なのですよね。
ファンクの波を浴びたら、もう兎にも角にも自分でもやらずにはおれなかったのかなと。
そんなエリックにとっては、肌の色の違いとか、国籍の違いなんて問題にはならないと。
何の躊躇いも、違和感もなく飛び込んで、溶け込んで。牽引する勢いで熱く歌っています。
まだ完全には融合出来ていない部分もあって。探り合っている様も感じられるのですが。
それがまたスリリングだったりもして。それこそが魅力だったりもします。
アルバム2枚だけで離脱するエリックですが。その越境精神が残した成果は決して小さくはなかったかなと。

越境者たらん。

感じ方とか。
考え方とか。
育ったところとか。
そんなものなど。
ものともしない。

思想とか。
信条とか。
経歴とか。
そんなものも。
ものともしない。

そんな。
柔らかくも。
揺るがない。
魂を友として。
越えてしまいたい。

頑なにならず。
脅えることなく。
強いることもなく。
さり気なく。
越えてしまいたい。

群れず。
数を頼まず。
驕ることもなく。
考えずに。
越えてしまいたい。

越境者たらん。

溝も。
柵も。
壁も。
誰かが作るのではない。
己が作ってしまうのだ。

楔も。
間も。
境も。
誰かが作ったのではない。
己が作ってしまったのだ。

肌の色。
目の色。
生まれたところ。
それが。
何だと言うのだ。

性別。
年齢。
肩書。
それに。
どれ程の意味があると言うのだ。

思想。
信条。
経歴。
それに。
どれ程の意味があると言うのだ。

感じ方。
考え方。
育ったところ。
それが。
何だと言うのだ。

寄って。
巻かれて。
おもねて。
拒絶する。
排除する。

群れて。
数を頼んで。
驕るにまかせて。
差別する。
排撃する。

裸の王様。
裸の女王様。
裸の神様。
そんなものになど。
なりたくはない。

越境者たらん。

人の振り見て我が振り直せ。



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2017/06/15 Thu *往生際悪く / Smokey Robinson & The Miracles

20170615makeithappen


何かが。
起きるかも。
しれない。
だから。
まだまだ。

諦めずに。
そう。
始まったばかりかも。
だから。
往生際悪くいこう。

勿論。
そんなに。
簡単ではない。
楽なんかではありゃしない。
茨の道かも。

でも。
だからこそ。
顔で笑って。
心で泣いて。
涙は見せないで。

大丈夫さ。
どうってことはないと。
何の根拠も無いけれど。
陽気に振る舞って。
笑いながら。笑われながら。

何かが。
起きるかもしれない。
その日まで。
素顔は秘して。
笑いのめしてやろうかと。

『Make It Happen』'67年リリース。
モータウンの契約第一号アーティストであったスモーキー・ロビンソン。
ミラクルズを率いてヒットを飛ばすと共に、ソングライターとしても貢献。
副社長としてモータウンの経営陣に加わるなど大活躍をみせます。
そんなスモーキーとミラクルズのライヴや企画盤も含めると通算11枚目のアルバム。
どうしてもグループとしてはテンプテーションズやフォー・トップス。
更にはシュープリームスやマーサ&ヴァンデラスと比較すると地味と言うか。
何だか、一歩下がっていた様な感じも受けるのですが。恐らくその辺りは。
経営者としてのスモーキーの、経営戦略みたいな判断が働いていたのかも、とか。
後、どうしようもなくモータウンなサウンド、プロダクションで聴かせながらも。
その実、その二つ名の由来となったスモーキーな歌声が独特の個性、魅力となっていて。
王道だと思われている他のグループとは少し差異がある、その辺りも楽しんでいたかなと。
まぁ、それはうがち過ぎかもしれませんが。このアルバムにしても実に魅力的ながら。
所謂、ポップに弾けまくるものではないので。リリース直後はあまり話題にならなかったと。
それが、あの名曲「The Tears Of A Clown」が'70年に英国で大ヒットとなって。
何と全英チャートの1位に輝いて。逆輸入の形で米国でも全米チャートを制覇して。
モータウンは急遽アルバム・タイトルを『Tears Of A Clown』に変えて再リリースして。
アルバムそのものもヒットしたと。まぁ、如何にモータウンらしい話もあるのですが。
スモーキーは忸怩たる思いだったのか、それとも当然のことと悠然と構えていたのか。
どうも。後者の様な気がするのですよね。己が才能や信念には揺るぎない自信があって。
時間はかかったけれど。起こるべくして起こることが起きただけだと。微笑んでいた。
どうにも。そんな気がしてならないのですよね。本当に自信に満ち溢れているので。

何かが。
起こせるかも。
しれない。
だから。
簡単には。

ぶれずに。
そう。
始まったばかりなのだ。
だから。
往生際悪くいこう。

勿論。
そんなに。
単純ではない。
長い、長い闘いになるのだろう。
断崖絶壁かも。

でも。
そんな時こそ。
顔で笑って。
心で泣いて。
涙の跡は見せないで。

大丈夫さ。
何とかなるだろうと。
理論も何もないけれど。
馬鹿笑いでもして。
遊びながら。遊ばれながら。

何かが。
起こせるかもしれない。
その日まで。
本心は秘して。
遊び尽くしてやろうかと。

何かの。
終わりは。
何かの。
始まり。
そう思えばいい。

終わったのなら。
終わらせようとするのなら。
始めればいい。
始めてしまえばいい。
そう決めればいい。

茨の道。
長い、長い闘い。
笑って。
笑いのめして。
楽しんでやろう。

涙は。
その轍は。
心の。
奥底に。
しまい込んで。

滑稽に。
おどけて。
笑って。
笑われて。
悠然と。

ぶれない。
ぶらないでいられる。
その自信が。
あるのなら。
あると思えるのなら。

諦めず。
しぶとく。
終わりも。
始まりに変えて。
往生際悪くいこう。



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2017/06/14 Wed *恋をしましょう、恋をして / Wilson Pickett

20170614iminlovejp


恋をしましょう。
恋をして。
歌だ。
酒だと。
過ごしましょう。

今夜。
この時。
このひと時。
浮いた、浮いたで。
過ごしましょう。

浮世の。
あれやこれや。
あれもこれも。
そこから。
開放されて。

歌に酔いしれ。
酒に酔いしれ。
笑って。
はしゃいで。
楽しんで。

その空気。
その匂い。
その総てを。
受け止めて。
受け容れて。

恋をしましょう。
恋をして。
歌だ。
酒だと。
過ごしましょう。

『I'm In Love』'68年リリース。
ウィルソン・ピケットのアトランティックでの4枚目のアルバム。
今回載せているのは日本での初発売時のもので、日本独自ジャケットとなっています。
オリジナルの3ピースのジャケットに身を包んで微笑むピケットもいいのですが。
こちらの革のベストにサテン?のシャツのピケットも色気があっていいかなと。
さて。このアルバム。ボビー・ウォマックが曲作りとギターで全面的に参加していて。
言わば、ラスト・ソウル・マンと称された2人ががっぷり四つで組んだアルバムなのです。
ピケットとボビー。手が合うと言うか、息が合うと言うか。その両方かな。
特にボビーならではのミディアム、スローなナンバーにおけるピケットの歌が素晴らしく。
鋼の喉を持つと言われた、そのシャウター振りは控えめに、抑えつつ。
シンガーとして成熟期を迎えていた。その貫禄のほどがひしひしと感じられるのです。
特に「I'm In Love」「I've Come A Long Way」と言ったスロー・バラードにおいては。
聴く者の胸の奥を鷲掴みにして、強く、そして深く揺さぶるが如くの歌声で。
思わず、そしてじんわりとこみ上げてくるものを抑えることが出来なくなってしまうと。
そこには作者であるボビーの思いも込められていると思われて。
サム・クックの未亡人と結婚したことで複雑な立場に追いやられていてボビー。
それでも変わらぬ夫人への思いを託したと思われる、そんなナンバー。
それを、その思いをも受け止め、受け容れたピケットによる魂の歌声なのですからね。
ラスト・ソウル・マン同士の魂の連携によるアルバム。堪らないなぁと。
勿論、ジャンプ・ナンバーでの超ド迫力の乗りは変わらずに素晴らしいピケットです。
ミディアム、スロー、ジャンプ。どれも素晴らしい、魂のこもったアルバム。
こいつを楽しまない、こいつに恋をしない。そんな野暮な理由は、ありはしないのです。

恋をしましょう。
恋をして。
歌だ。
酒だと。
騒ぎましょう。

今夜。
この時。
このひと時。
浮いた、浮いたと。
騒ぎましょう。

浮世の。
あんなこと、こんなこと。
どれもこれも。
まとめて。
ブッ飛ばして。

歌に呑まれて。
酒を呑み乾して。
笑って。
泣いて。
楽しんで。

その空気。
その匂い。
その総てに。
愛しさを感じて。
恋心を抱いて。

恋をしましょう。
恋をして。
歌だ。
酒だと。
騒ぎましょう。

浮世の。
渡世の。
様々な。
義理だとか。
柵だとか。

そんなもの。
ひとまず。
おいておきましょう。
離れてしまいましょう。
忘れてしまいましょう。

今夜。
この時。
このひと時。
歌に酔いしれ。
酒に酔いしれ。

今夜。
この時。
このひと時。
受け止めて。
受け容れて。

浮世の。
あれやこれや。
あれもこれも。
まとめて。
ブッ飛ばして。

歌に呑まれて。
酒を呑み乾して。
この世の総てに。
愛しさを感じて。
恋心を抱いて。

恋をしましょう。
恋をして。
歌だ。
酒だと。
過ごしましょう。

今夜。
この時。
このひと時。
俺は。
恋に落ちている。



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2017/06/13 Tue *あぁ、もう / Carla Thomas

20170613thebestofcarlathomas


あぁ。
もう。
なんで。
こんなに。
こんなにも。

幼いと言うか。
拙いと言うか。
子供じゃあるまいし。
もう少し。
何とかならないかと。

素直と言えば。
素直。
単純だと言えば。
単純。
それが過ぎはしないかと。

大人だろうと。
総てを。
知れとか。
総てを。
理解しろとも。

そんなことは。
言いはしない。
求めもしない。
けれども。
少しはそこのところは。

まぁ。
一から。
噛んで含める。
そのこと自体は。
嫌いだとは言わないけれど。

『The Best Of Carla Thomas』'69年リリース。
スタックスのアイドル、歌姫、カーラ・トーマスの編集アルバム。
ヒットした「Gee Whiz」「B-A-B-Y」にオーティス・レディングとのデュエットまで。
スタックスに残されたカーラの代表曲が14曲選ばれて収められています。
ご存知の様に、あのルーファス・トーマスの娘であるカーラ。
そのキュートなルックスはルーファスとは・・・まぁ、それは置いておくとして。
その歌声も実にキュートで可愛らしくて。デビューした頃は学生だったのかな。
初心な恋のときめきを歌った「Gee Whiz」とか、呼びかける様も愛しい「B-A-B-Y」とか。
この辺りのナンバーにその魅力が一番よく表れているかなとも思われます。
「Gee Whiz」ってのは、あぁ、とか。もう、とか。そんな意味合いの感嘆詞だそうで。
恋の喜び、胸のときめき。そんなものを素直に歌にしたのだろうなと。
このナンバーはカーラの手によるオリジナルで。その才気も感じることができます。
キャリアを重ねるにつれて。ムーディーなスロー・バラードなども歌っているのですが。
流石だなとは思わせる反面、どこか成熟し切れていない感じが残っていたりもして。
やはり、ソウル・クイーンと言うよりは。アイドル、歌姫のイメージが強いかな。
確か、'70年代半ばには学業の道に戻って。その後に法律関係に進んだとかなので。
その。ある意味で素人っぽさが残っているところ。それがカーラの個性、魅力かなとも。
まぁ、最初はルーファスとのデュエットでデビューしているカーラですからね。
恐らくは、親娘デュオを売りにしたかったルーファスによる強引な勧誘だったのかも。
だから。どこかお父さんにお付き合いしている、仕方ないなぁみたいなところもあったかと。
でもね。「Gee Whiz」って言うのは初期のスタックスを支えた大ヒット曲ですからね。
わからないと言うか。カーラにはそれだけの魅力と才能があったと言うことなのですよね。

あぁ。
もう。
なんで。
こんなこと。
こんなことも。

幼稚と言うか。
稚拙と言うか。
大人なのだから。
もう少し。
何とかしましょうよと。

わかりやすいと言えば。
わかりやすい。
見え見えと言えば。
見え見え。
それが過ぎはしないかと。

大人なのだから。
総てを。
耐えろとか。
総てを。
譲れとも。

そんなことは。
飲まなくていい。
強いるつもりもない。
けれども。
少しはそこのところは。

まぁ。
殆ど。
仮名にカナ振る。
そのこと自体は。
嫌いだとは言わないけれど。

しかし。
どうして。
こうも。
幼いと言うか。
拙いと言うか。

物事は。
そうは。
簡単でも。
単純でも。
無くて。

総てが。
思いのままに。
ならない。
進まない。
そんなもので。

だから。
押してみるとか。
引いてみるとか。
飲んでみるとか。
譲ってみるとか。

そんな。
駆け引き。
根回し。
配慮。
調整が必要なのだと。

素直で。
わかりやすくて。
それは。
それでいいけれど。
限度、塩梅、落としどころがあるだろうと。

あぁ。
もう。
なんで。
こんなに。
こんなにも。

子供で。
子供だらけで。
だから。
亀の甲より年の劫。
そいつが生きるのではあるけれど。

あぁ。もう(笑)。



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2017/06/12 Mon *その間、そのすき間 / The Isley Brothers

20170612betweenthesheets


その間に。
そのすき間に。
埋もれて。
隠れて。
溺れて。

そのままで。
そのままに。
過ごせたら。
どんなに。
幸せだろうかと。

そんな思いに。
囚われたら。
捕えられたら。
動けない。
動きたくない。

もう。
何も考えず。
もう。
何もかも忘れて。
そうしてしまいたい。

被って。
包まって。
握りしめて。
しがみついて。
遮断して。

朝の訪れを。
月曜日とやらが。
起こしに来るのを。
拒んで。
その間に。そのすき間に。

『Between The Sheets』'83年リリース。
『シルクの似合う夜』なんて邦題が冠されていたアイズレー・ブラザーズのアルバム。
Tネック・レーベルでの、そして所謂3+3体制での最後となったアルバム。
この、何ともすいたらしいと言うか、エロティックなジャケットが象徴する様に。
熱い、熱いファンキーなナンバーを売りにしてきたアイズレー・ブラザーズですが。
このアルバムの前、何枚かは商業的には苦戦をしいられていたとのことで。
大胆にも、何とも、思いっきりメロウなブラコン路線へと舵を切ってみせたと。
その熱さはそのままの、蕩ける様に甘く、そしてエロティックなサウンドと歌声が受けて。
タイトル・ナンバー「Between The Sheets」共々アルバムも大ヒットを記録したのでした。
その「Between The Sheets」はメロウなイズレー・ブラザーズを代表するナンバーで。
身も心も預けて、癒されながらそのまま、蕩けてしまいたくなる、そんな甘さが堪りません。
'90年代以降、やたらとサンプリングされているので。誰でも一度は耳にしているかと。
それによって。どうにも安っぽいイメージが付いてしまったのは否めないところですが。
(だから、サンプリングとかはね。安易と言うか、ろくでもないと言うか・・・)
アイズレー・ブラザーズによるオリジナルの素晴らしさは、だからこそ再認識されるべきで。
ただ甘いだけでなく。ここまでの心地よさを生み出せるその根本にあるもの。
長いキャリアに裏打ちされた足腰の強さ。どんなグルーヴも生み出せる精神の柔軟さ。
だからこそ。筋金入りのエロスを感じさせることが出来るのだと、そこが肝なのですよね。
この時代ならではの、薄っぺらなシンセ・サウンドが興を削ぐ瞬間もあったりするのですが。
熱く、そして芯の通った強いギターが聴こえてくると。それをも忘れさせるものもあって。
そこを見誤ると、聴き逃すと。ただ甘いだけ、流行りに乗っただけとの勘違いを生むかも。
まぁ、確かに。その甘さの中で、間で。蕩けたまま眠っていたい誘惑に駆られはしますが。

その間に。
そのすき間に。
埋もれて。
隠れて。
溺れて。

そのままで。
そのままに。
過ごせたら。
どんなに。
幸せだろうかと。

そんな思いに。
囚われたら。
捕えられたら。
動けない。
動きたくない。

もう。
何も考えず。
もう。
何もかも忘れて。
そうしてしまいたい。

被って。
包まって。
握りしめて。
しがみついて。
遮断して。

朝の訪れを。
月曜日とやらが。
起こしに来るのを。
拒んで。
その間に。そのすき間に。

その。
甘美で。
淫靡な。
世界から。
離れたくなどない。

その。
優雅で。
隠微な。
時間から。
離れたくなどない。

そのままで。
そのままに。
埋もれて。
隠れて。
溺れて。

そのままで。
そのままに。
囚われて。
捕らえられて。
虜になって。

何も考えず。
何もかも忘れて。
被って。
包まって。
握りしめて。

何も考えず。
何もかも忘れて。
遮断して。
拒んで。
閉じこもって。

朝など。
月曜日の朝など。
無視して。
その間に。そのすき間に。
立てこもっていたいのだ。

月曜日の朝など来なければいいのにさ(笑)。



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2017/06/11 Sun *飄々と虎視眈々 / Grin

20170611allout


にやりと。
軽妙な。
笑みを浮かべながら。
そろそろと。
ぶらぶらと。

力まず。
声高にならず。
身を躱しながら。
さらりと。
受け流しながら。

四角四面は。
遠慮して。
杓子定規に。
陥らない様に。
そこには気を配りつつ。

その実。
そのことには。
その一点には。
全力投球で。
挑んでみる。

飽くまでも。
素知らぬ振り。
そいつを。
気取る。
余裕だけは忘れずに。

飄々と。
虎視眈々。
そんな姿勢で。
そんな足どりで。
挑んでみる。

『All Out』'72年リリース。
ニルス・ロフグレン率いるグリンの3rdアルバム。
飄々とした感もある、フットワークの軽さ。
そんなギター、そして活動のスタイルが魅力的なニルス。
若くしてニール・ヤングのアルバムにも参加していて。
クレイジー・ホースのギタリストにとの勧誘もあったそうですが。
それはそれ。これはこれ。自らの活動の主軸はこのグリンに置いていたと。
またグリンがあったからこそ、ニールとの活動でも妥協することは無かったと。
しなやかでありながら、したたかでもある。そんなニルスの佇まいがいいなと。
ニールに限らず、様々なミュージシャンから引っ張りだこだったと思われますが。
それには感謝しつつも。自らを見失うことは無い様にと。
グリンなどと言う、人を食ったバンド名、そしてこのアルバムのジャケット。
そのユーモアの影に潜む、骨太な覚悟のほど。それこそがニールの本質かなと。
故に。アコースティックなナンバーが多いこのアルバムも、実にロックンロールで。
その小気味よさ、気風のよさ。それがストレートに反映されるギター。
そのサウンド、そのメロディが実に何とも風通しがいいのですね。
この風通しのよさは、グリンの、そしてニルスのソロ・アルバムにも共通していて。
ニールも、そしてスプリングスティーンもそんなニルスを必要としたのだろうなぁ。
このアルバムにはキャシー・マクドナルドがゲストとして参加していて。
そのシャウトとニルスのギターの絡みが、独特の魅力を生み出してもいて。
そのセンスにニルスの才能、そして飄々としているだけではない策士振りを感じもします。
なかなか評価されない存在ですが。決して忘れることのできない、グリン、そしてニルスなのです。

にたりと。
意味深な。
笑みを浮かべながら。
ぶらぶらと。
そろそろと。

硬くならず。
固くもならず。
身を翻しながら。
さらりと。
受け渡しながら。

既定路線は。
遠慮して。
固定観念に。
陥らない様に。
そこには目も配りつつ。

その実。
あることには。
ある一点には。
全力投球で。
臨んでみる。

飽くまでも。
余興の範囲。
そう。
嘯く。
芝居だけは忘れずに。

飄々と。
虎視眈々。
そんな佇まいで。
そんな足並みで。
臨んでみる。

笑みに。
目元に。
口元に。
本音は。
出さずに。

笑みで。
目元で。
口元で。
本質は。
秘めて。

そろそろと。
ぶらぶらと。
身を躱しながら。
さらりと。
受け流しながら。

ぶらぶらと。
そろそろと。
身を翻しながら。
さらりと。
受け渡しながら。

飽くまでも。
余興の範囲と。
素知らぬ素振りで。
装いながら。
嘯きながら。

その実。
このことには。
この一点には。
全力投球で。
挑んでみる。臨んでみる。

飄々と。
虎視眈々。
そんな。
身構え。心構え。
そいつが好きなのだ。



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2017/06/10 Sat *魂の辺土で / Janis Joplin

20170610joplininconcert


恋をせずにはいられない。

わかっている。
駄目なのだと。
無理なのだと。
否、何よりも。
危ういのだと。

そう。
手を伸ばしても。
届く筈も無い。
伸ばした指の先を歩いている。
その差は縮まらない。

そう。
叫んでも。
聞こえる筈も無い。
枯らした声の先で笑っている。
その間は埋まらない。

初めて。
その姿を目にした時。
その声を耳にした時。
瞬時に。
その絶望を理解したのだ。

それでも。
伸ばしてしまう。
叫んでしまう。
追いかけてしまう。
惹かれてしまったのだから。

恋に落ちずにはいられない。

『Joplin In Concert』'72年リリース。
その死後に編集されたジャニス・ジョプリンの2枚組ライヴ・アルバム。
あの『Cheap Thrills』は実は疑似ライヴだとの説が有力らしいので。
ジャニスのライヴ音源としてはこのアルバムが初めて公式にリリースされたもの。
1枚がビッグ・ブラザー・ホールディング・カンパニーとのライヴで。
もう1枚がフル・テイルト・ブギー・バンドとのライヴとなっていて。
その対比、そのどちらの魅力も堪能できる編集となっています。
よく知られる様に。ビッグ・ブラザー・ホールディング・カンパニーは学生ノリで。
その演奏はお世辞にも上手いとは言えなくて。そのぎこちなさが味ではあると。
一方、フル・テイルト・ブギー・バンドは腕利きのミュージシャンの集まりで。
その演奏技術の高さ、奏でられるサウンドのレベルはかなりのものがあると。
どちらを従えて歌うジャニスが好きかと言うのは、昔から色々と言われてきていますが。
ビッグ・ブラザー・ホールディング・カンパニーとのが、楽しそうだと言う声もあれば。
あまりにもジャニスが頭幾つも抜き出ていて。バック・バンドとして機能していないとも。
フル・テイルト・ブギー・バンドをバックにしたジャニスは十二分に実力を発揮していると。
ただ、どうにもその関係がドライで一体感を感じられないと言う声もあったりします。
結論。どちらもいい。どちらでもいい。どちらを従えてもジャニスはジャニスなのです。
このアルバム(に限りませんが)に針を落とすと。いつも感じるのはジャニスの特異性。
そのあまりにも圧倒的で、独特で。そして天性のものとしか思えない唯一無二の歌声。
その心のあり様、そして魂の求めるまま、そのままを歌にしてしまっている様。
特に女性シンガーの例えとしてよく使われるジャニスですが。とんでもない間違いで。
ジャニスはジャニス一人。ジャニスはジャニスでしかないのです。それを痛感するのです。
だから。確かにフル・テイルト・ブギー・バンドのが、力量を引き出していたとしても。
申し訳ないけれど。そんなことは些細なことで。ジャニスが歌っている。それが総てだと。
ジャニスの歌声が聴こえる、それだけで心の中が、魂の辺土が、揺さぶられ、震える。
それは実のところ、恐ろしいことでもあるのだけれど。魅せられずにはいられないのです。ジャニスに恋をせずにはおられないのです。

恋をせずにはいられない。

わかっている。
いけないのだと。
あり得ないのだと。
否、何よりも。
脆いのだと。

そう。
伸ばした手の先は。
何も掴むことは無いと。
伸ばした指は宙を泳ぐだけ。
虚しく泳ぐだけ。

そう。
声を枯らした叫びは。
その背中にも届きはしないと。
枯れた声は宙に響くだけ。
虚しく響くだけ。

初めて。
その笑顔を目にした時。
その歌声を耳にした時。
瞬時に。
その絶望を理解したのだ。

それでも。
伸ばしてしまう。
叫んでしまう。
追いかけてしまう。
魅入られてしまったのだから。

恋に落ちずにはいられない。

手にしたいとも。
得ようとも。
思わない。
手にする、得る。
それだけが総てではない。

勝敗でも。
白黒でも。
ありはしない。
そんなものじゃない。
それを超えるものもある。

届かないなら。
縮まらないなら。
埋まらないなら。
止めておけばいい。
諦めてしまえばいい。

掴めないなら。
泳ぐだけなら。
響くだけなら。
止めておけばいい。
諦めてしまえばいい。

それでも。
その。
絶望を理解しながら。
惹かれてしまったのだ。
魅入られてしまったのだ。

優等生なら。
偽善者なら。
傍観者なら。
何も感じることも無い。
何かを受け容れることも無い。

そんな奴には。
なりたくない。
そんな奴には。
なれもしない。
だから。

声には出さず。
心の中で。
魂の辺土で。
恋をせずにはいられない。
恋に落ちずにはいられない。



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2017/06/09 Fri *人は見た目が / The J. Geils Band

20170609thejgeilsbandukorg


雁首揃えて。
つまらなさそうな顔で。
眠たそうな顔で。
頭は回らず。
頭は固く。

そんな。
顔からは。
頭からは。
面白いことなど。
生まれて気はしない。

既成概念も。
固定概念も。
ブッ飛ばそう。
ぶっ壊そう。
そこから始めよう。

先ずは。
顔を洗って。
頭を切り替えて。
そんな一撃を。
ぶち込んで。

目を覚まして。
頭を働かせて。
身も心も。
再生させて。
生まれ変わらせて。

その。
顔つきを。
顔ぶれを。
生き生きと。
輝かせよう。

『The J. Geils Band』'70年リリース。
J.ガイルズ・バンドの記念すべき1stアルバム。
この。顔つき。顔ぶれ。もう、これで勝負ありと言いたくなるかな。
そうです。人は見た目が100%、総てなのだと。そんなところで。
これで。内容が悪いわけないだろうと。そう断言できてしまうカッコ良さ。
男の、野郎の顔は、こうでなきゃいけないと。その見本が集まっているかな。
オリジナルが5曲。ブルースやR&Bのカバーが6曲の全11曲。
収録時間35分弱に凝縮された黒光りするロックンロール。そいつが堪らないのです。
何よりも、カッコいいこと。伊達で粋であることを貫いたJ.ガイルズ・バンド。
その姿勢は、このアルバムで既に確立されていて、変わることは無かったのだなと。
EMI移籍後はセス・ジャストマンが変な色気を出し過ぎたきらいはありますが。
アトランティック時代のJ.ガイルズ・バンドはもう、本当にご機嫌なのです。
「Homework」「First I Look At The Purse」と続く当たりなんて失神もので。
その軽快で、シンプルにしてソウルフルなビートは、誰にも真似できないかな。
改めてJ.ガイルズのギター。その小難しいことを一切排除したセンスに殺られます。
そして「Ice Breaker」「Sno-Cone」と2曲のインストで吹き荒れるブルース・ハープ。
そのカッコ良さ、凄まじさ。マジック・ディックには誰も敵わないよなと。
そんなメンバーがいてこそ。ピーター・ウルフの気障な歌声も冴えわたるのですよね。
衣装が汚れるからとウッドストック出演のオファーを断ってしまったJ.ガイルズ・バンド。
その拘り、その意気地。それがこのジャケットに。そしてサウンドに表れているのです。
好きなものは、とことん好きで。決めたことは、ぶれずに貫き通す。その覚悟のほど。
それが伊達で、粋で。カッコいいと。そんなロックンロールが面白くない訳が、ご機嫌でない訳はありません。

雁首揃えて。
つまらなさそうな顔で。
眠たそうな顔で。
頭を回す気もなければ。
頭の固さにも気づかない。

そんな。
顔とは。
頭とは。
おさらばしない事には。
生きている意味もない。

前例とかも。
慣習とやらも。
ブッ飛ばそう。
ぶっ壊そう。
そこから始めよう。

先ずは。
顔を作ろう。
頭も整えよう。
そんな一撃を。
ぶち込んで。

目を見開いて。
頭を回転させて。
身体と精神の隅々まで。
再生させて。
生まれ変わらせて。

その。
顔つきを。
顔ぶれを。
ギラギラと。
輝かせよう。

カッコから。
入ろう。
カッコを。
つけてみよう。
そこから始めよう。

古い。
疲れた。
草臥れた。
顔も頭も。
身も心も。

脱いでしまおう。
捨ててしまおう。
ブッ飛ばそう。
ぶち壊そう。
再生させよう。

見得でも。
ハッタリでも。
伊達でも。
構いはしない。
思いっきり決めて。

いい顔をしよう。
いい顔になろう。
そうすれば。
何かが変わる。
何かが生まれる。

いい顔つき。
いい顔ぶれ。
そこには。
何かが寄ってくる。
何かが惹きつけられる。

人は見た目が。
大切だ。
人は見た目が。
物語る。
そいつは侮れない。

ギラギラと。
黒光りして。
殺気を放って。
面白いことを。
生み出そう。



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2017/06/08 Thu *交差点に立つ / Santana

20170608caravanserai


ものが。
人が。
情報が。
行き交う。
その中心。

あっちから。
来るもの、来る人。
こっちから。
行くもの、行く人。
交わされる情報。

出会い。
触れ合い。
すれ違い。
それぞれの場所から。
それぞれの場所へ。

止まらず。
澱まず。
されど。
交わり。
混ざり。

新たな。
何ものかを。
生み出す。
その。
契機とするべく。

行路の。
交差路の。
宿主として。
結合点として。
交差点に立つ。

『Caravanserai』'72年リリース。
サンタナがその世界を広げた、4枚目となるアルバム。
メンバーの交代や、新たなメンバーの加入。
そして何よりも、カルロス・サンタナの意識の変化。
それらが、相互に作用し合い、影響を及ぼし、新たなものを生み出した。
そんな生命力、活力に溢れている、そして穏やかに語りかけてくるアルバム。
元々はサンタナ・ブルース・バンドと称して、ブルースの影響が色濃く。
そこにマリアッチの父を持つカルロスが率いたからこそのラテンへの接近があり。
所謂ラテン・ロックの雄として大人気を博していたサンタナ。
しかし、そこに止まることなく。更に新たなものを貪欲に取り入れて。
サウンド的には、ジャズやフユージョンへの接近を試みていて。
その背景には、精神世界へ興味を抱き積極的に宗教にも傾倒していくカルロスの姿勢。
それがあったのだと思われます。バディ・マイルスと共演、マイルス・ディヴィスとも接近。
アルバムに針を落とすと虫の声が聴こえてきて。サックスやウッド・ベースが奏でられる。
あの、怒涛の、情熱のラテン・ロックは何処へいったのだと戸惑うのですが。
実のところ、カルロスの情熱は些かも衰えても、変わってもいなくて。
ただ、その表現に新たな要素が加わり、また表現するものも新たになっていったと。
この、何でもありに近い。雑多なものを次々に取り込んでいく積極的な交雑性。
それこそがサンタナの最大の魅力なのだろうなと思われるのです。
あらゆる音楽が行き交う、その交差点に立って。積極的に交流して咀嚼して整理して。
年齢も出自もそれぞれの雑多とも言えるメンバーを結び付けて率いて新たな世界へと。
たぶんに。ヒッピー文化や、フラワー・ムーブメンとへの失望からの反動。
それにより精神世界へと歩み寄ってしまった側面もありながら。神さえも取り込んでしまう。そこがらしいかな。

ものが。
人が。
情報が。
集まってくる。
その真ん中。

あっちから。
来たもの、来た人。
こっちから。
行ったもの、行った人。
交わされた情報。

出会って。
触れ合って。
すれ違いながら。
それぞれの世界から。
それぞれの世界へ。

止まらせず。
澱ませず。
されど。
交わらせ。
混ぜて。

新たな。
何ものかを。
生み出す。
その。
契機を創るべく。

行路の。
交差路の。
宿主となり。
結合点となり。
交差点に立つ。

流れを止めず。
澱みを作らず。
新たな。
流れの。集まりの。
契機を。

怯まず。
怯えず。
拒まず。
追わず。
あらゆるものを。

出会わせ。
触れ合わせ。
取り込んで。
咀嚼して。
整理して。

交差する。
雑多な。
ものも。
人も。
情報も。

受け止め。
受け容れ。
されど。
混沌とした。
坩堝にはならぬ様。

ものが。
人が。
情報が。
行き交う。集まる。
その中心。その真ん中。

行路の。
交差路の。
宿主としてありながら。
結合点としてありながら。
交差点に立つ。立ち続ける。



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2017/06/07 Wed *風に吹かれている / Eagles

20170607ontheborderusorg


あそこと。
ここ。
向こうと。
こちら。
その境目。

その上に。
立って。
行くか。
戻るか。
そんなことを。

考えて。
暫し。
右へ。
左へ。
ふらふらと。

境目。
そいつを。
越えるべきか。
止まるべきか。
そいつが問題で。

でも。
その実。
答えなど。
決まっていて。
選択の余地はない。

あそこへ。
向こうへ。
越境しなくては。
生きられない。
そんな境界線の上で。

『On The Border』'74年リリース。
イーグルスの転換点ともなった3枚目のアルバム。
米国を代表するロック・バンド、イーグルス。それに異は無いけれど。
初期のイーグルスの視線は明らかに英国を向いていて。
その活動も英国に重きを置いていて。録音も英国で行われていたと。
それが。このアルバムにおいて、その制作過程で変化が表れて。
プロデューサーがグリン・ジョーンズからビル・シムジクに交代となり。
録音もロンドンからロサンゼルスへと変更され。新たにドン・フェルダーが加入して。
新たな地平への境界線の上に立ち。そして越境していく様が捉えられているアルバム。
商業的にはなかなか上昇気流を捉えずいたイーグルスが漸く飛翔し始めるのもここからで。
初期のカントリーの香りが濃厚なナンバーと、ハードにロックするナンバー。
その対比と、同居。それによって生まれるメリハリの強さが新たな魅力となっている。
ただ。得たものがあれば、失われたものもあって。成功の階は、また崩壊の始まりでもあり。
既に。このアルバムには、それまでのイーグルスにあった絶妙なバランス。
民主的な共同体の幻想とでも呼ぶべきものが、崩れ始めているのが感じられたりもする。
夢が失われつつあった時代に。敢えて夢を、幻想を抱かせようとしたものの。
自らがそれに殉ずることが出来なくなり、現実を受け入れることで、現実に受け入れられる。
それを妥協と呼ぶのか、覚悟と称えるのか。それは難しいところではるのだが。
境界線から向こう側へと、止まらずに踏み出す。それを成しえた者だけが手にできるもの。
表現できるものがあるのであろうと。そんな緊張感が心地よく響くのは事実なのだろう。
ややも、すれば。甘さに過ぎそうな「The Best Of My Love」が素晴らしいのは。
その緊張感が故の、束の間の安らぎの様なものを見事に表現しているからにほかならなく。
転換点にあった。まさに越境する瞬間のイーグルスだけが持ちえた魅力の産物なのである。

あそこか。
ここか。
向こうか。
こちらか。
その境目。

その上に。
座って。
行けるのか。
やめておこうか。
そんなことを。

考えて。
暫し。
首を回して。
脚をばたつかせて。
ぶらぶらと。

境目。
そいつを。
越えられるのか。
越えられないのか。
そいつが問題で。

でも。
答えなど。
初めから。
決まっていて。
選択の権利などない。

あそこへ。
向こうへ。
越境しなければ。
朽ちるのみ。
そんな境界線の上で。

今のまま。
このまま。
それも。
それでも。
悪くはない。

でも。
今のまま。
このまま。
そこには。
先はない。

緩やかに。
穏やかに。
朽ちて。
やがては。
死に至る。

座して。
死を待つ。
死んだ様に。
生きる。
そいつを望まないのなら。

あそこへ。
向こう側へ。
境目を。
越えて。
踏み出すしかない。

選択の。
余地も。
権利も。
ありはしない。
越えていくしかない。

あそこへ。
向こうへ。
越境する為に。
やってきた。
そんな境界線の上で。

風に吹かれている・・・



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2017/06/06 Tue *夢みる頃を / Traffic

20170606shootoutatfantasyfactoryuko


夢を。
見るのは。
いいけれど。
いつまでも。
見てもいられない。

夢の中。
流されて。
溺れてしまうのは。
それは。
魅惑的ではあるけれど。

現に。
現にも。
籍がある以上。
意を決し。
目覚めねばならぬ時もある。

どんなに。
後ろ髪を引かれても。
それだけが。
そこだけが。
総てではないと知っているのだから。

それでも。
目覚めるのは。
離れるのは。
それなりに。
一仕事でもあって。

夢みる頃を。
とうに過ぎても。
夢に。
幻想に。
一撃を放つのは大変なのだ。

『Shoot Out At Fantasy Factory』'73年リリース。
六角形の変形ジャケットが印象的なトラフィックのアルバム。
トラフィックのオリジナル・アルバムとしては5枚目になるのかな。
トラフィックと言うのも。難儀と言うか。メンバーの変遷の激しいバンドで。
一旦は2枚のアルバムを残して解散。メンバーそれぞれが活動を始めて。
スティーヴ・ウインウッドはブラインド・フェイスを結成するも敢え無く空中分解。
仕方なくソロ・アルバムの制作を始めるも。旧知のメンバーが集まって来て。
恐らくはレコード会社の意向もあってトラフィックとしてそのアルバムをリリース。
そこから、後期トラフィックとして考えると、その3枚目に当たるアルバムでもあると。
ここでもメンバー・チェンジがあって。リック・グレッチとジム・ゴードンが脱退して。
ウインウッド、ジム・キャパルディ、クリス・ウッド、リーボップの4人に。
デヴィッド・フッドに、ロジャー・ホーキンス。マッスル・ショールズのリズム隊が参加と。
あのサウンドに憧れてマッスル・ショールズで録音をした連中は数知れずですが。
正式にメンバーに加えてしまうなんて荒業を使ったのはトラフィックぐらいのものかなと。
それでいて録音は僅か数週間の滞在で、ジャマイカで敢行していると言う。
この何とも。一見、無軌道とも思える探求心と言うか冒険心と言うか。恐れをしらない所業。
その声高ではない、もの静かな危うさみたいなもの。それこそが後期トラフィックの。
そしてこの時代のウインウッドの最大の魅力なのかもしれません。
常にレベルの高いアルバムをリリースしながら。決して同じ地平と止まろうとしない。
一度見た夢は、もう終わったものとして。次の夢を求めて撃ち殺してしまう様な感じかな。
リーボップのパーカッション、そしてデヴィッドとロジャーのリズム隊。そのうねり。
それを時に味方につけ、時に対峙するウインウッドのヴォーカル。その素晴らしさ。
そして。如何に米国南部に接近しようとも、あるいは取り込もうとしても。
どうしようもなく英国的なところが、その絶妙なせめぎ合い具合が何とも堪らないのです。

夢を。
見るのは。
いいけれど。
いつまでも。
見ていられるものでもない。

夢の中。
囚われて。
沈んでしまうのは。
それは。
甘美的ではあるけれど。

現に。
現にも。
縁がある以上。
思い切り。
目覚めねばならぬ時もくる。

どんなに。
残り香に誘われても。
それだけで。
そこだけで。
終われないと知っているのだから。

それでも。
目覚めるのは。
断ち切るのは。
それなりに。
一大事でもあって。

夢みる頃を。
どれだけ過ぎても。
夢に。
幻想に。
一撃を放つのは大変なのだ。

夢を。
見ずには。
いられない。
それが。
例え、ひと時だとしても。

夢だけを。
見ては。
いられない。
所詮。
それは、ひと時だけのもの。

夢の中。
流されて。
溺れてしまいたい。
囚われて。
沈んでしまいたい。

それは。
あまりにも。
魅惑的で。
あまりにも。
甘美に過ぎて。

現に。
現にも。
籍が。
縁が。
あったとしても。

後ろ髪を。
引かれてしまいたい。
残り香に。
誘われてしまいたい。
このまま目覚めずにいたい。

それだけが。
そこだけが。
総てでないなどと。
終われもしないのだと。
知らなければよかったか。

夢みる頃を。
どこまで過ぎても。
夢に。幻想に。
それを産み出し続ける己に。
一撃を放つのは耐え難いのだ。



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2017/06/05 Mon *もどかしい / Faces

20170605longplayerdef


どうにも。
こうにも。
その。
この。
あぁ、何と言うか。

悪くはない。
ぶれてもいない。
通じてはいる。
そいつは。
確かだと思うのだけど。

なにか。
噛み合わない。
どこか。
ずれている。
それが引っ掛かる。

もっと。
いけるはず。
できるはず。
そいつも。
確かだと思えるだけに。

あと少し。
もう少し。
踏み出せれば。
共振できれば。
もっと転がせる筈だと。

あぁ。
この感じ。
なんとも。
歯痒くて。
そう、もどかしいのだ。

『Long Player』'71年リリース。
なんとも愛すべき、フェイセスの2枚目となるアルバム。
レーベル面が見える特殊ジャケットでリリースされたのですが。
こんな、メンバーの後ろ姿を用いたジャケットも存在したのですね。
恐らくは。オリジナルのジャケットではどこのバンドかわからない・・・とか。
そんなことをレコード会社が考えたのかな。単なる再発盤の可能性もありますが。
さて。ラフで、ルーズで、そしてリリカルでもあって。そんな雑多さも魅力なフェイセス。
このアルバムにはライヴを含めて4種類の音源が収録されていて。
ストーンズ所有のモービル・ユニットを利用した録音もあり。塑像するに。
綿密な計画を立てての制作と言うよりは、いつでも思いついた時に録音して。
ある程度の量になったらアルバムでもリリースするかと。そんな緩い感じだったのではと。
そんな取り組み方、歩き方が。千鳥足のロックンロール・バンド、フェイセスらしいかなと。
真摯に歌うことを楽しんでいるロッド・スチュワートのヴォーカル。
決してテクニシャンではなく、ヘタウマとも言えるギターを陽気に聴かせるロン・ウッド。
そんな2人に、ロニー・レーン、イアン・マクレガン、ケニー・ジョーンズが絶妙に絡むと。
結構、スカスカなサウンドなのですが。その穴だらけ、間の多いところがご機嫌で。
フリーとはまた別なのですが。弾くばかり、埋めるばかりが能じゃないのだよと。
そんなロックンロールの事実、真実を教えてくれる、感じさせてくれるフェイセスなのです。
特にライヴの2曲「Maybe I'm Amazed」と「I Feel So Good」がその真骨頂かなと。
ライヴならではのグルーヴを遺憾なく発揮した、フェイセス流のロックンロール。
「恋することのもどかしさ」なる邦題でも知られる「Maybe I'm Amazed」なんて絶品で。
常に。ある意味では。いま一つ、あと一歩が足りない、もどかしいとも思えるフェイセス。
でも。その、もどかしさが残るところ。その塩梅が愛すべきものだったのだなと。そう感じるのです。

どうにも。
こうにも。
そこが。
ここが。
う~ん、何と言うか。

まずくはない。
間違ってもいない。
開きかけている。
そいつは。
確かだと思うのだけど。

なにか。
しっくりこない。
どうも。
腹落ちしない。
それが気に掛かる。

もっと。
いかなくては。
やらなくては。
そいつも。
確かだと思えるだけに。

あと少し。
もう少し。
飛び込めれば。
共感できれば。
きっと転がり始める筈だと。

あぁ。
この感じ。
痒いところに。
手が届かない。
そう、もどかしいのだ。

悪くはない。
まずくもない。
通じてはいる。
開きかけてもいる。
そいつは。確かなのだけど。

もっと。
あと少し。
もう少し。
いけるはず。できるはず。
そいつも。確かなので。

どうにも。
こうにも。
あぁ、何と言うか。
う~ん、何と言うか。
もどかしい。

なんとも。
歯痒くて。
痒いところに。
手が届かない。
もどかしい。

噛み合わない。
ずれている。
しっくりこない。
腹落ちしない。
もどかしい。

踏み出して。
共振を。
飛び込んで。
共感を。
転がせる様、始められる様。

焦らずに。
少し時間をかけて。
絶妙な塩梅の。
距離感をみつけて。
それからだと思いつつも。

もどかしい。



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2017/06/03 Sat *そこにライヴが / The Rolling Stones

20170603livetherollingstonesdeluxe


何故、山に登るのか。
そこに、山があるから。
何故、ライヴに行くのか。
そこに、ライヴがあるから。
それだけさ。

ご機嫌な。
空気が。
匂いが。
仲間たちが。
ロックンロールが。

そこに。
あるのさ。
そこで。
呼んでいるのさ。
それだけで十分なのさ。

あの。
メロディ。
あの。
ビート。
そいつを思うだけで堪らない。

そいつに。
痺れたい。
そいつに。
殺られたい。
だから駆けつけるのさ。

何故、山に登るのか。
そこに、山があるから。
何故、ライヴに行くのか。
そこに、ライヴがあるから。
それだけさ。それ以外に何がある。

『Live! The Rolling Stones Deluxe』'73年リリース。
キング・レコードお得意の日本独自のローリング・ストーンズの2枚組編集アルバム。
アルバム・タイトル、ジャケット、そしてリリースされた年から安易に推測できますが。
そうです。あの、幻となった初来日公演の来日記念盤として企画されたもので。
なんと大胆にも『Got Live If You Want It !』と『Get Yer Ya-Ya's Out !』をカップリング。
1枚目が『Got Live If You Want It !』で、2枚目が『Get Yer Ya-Ya's Out !』そのままで。
ジャケットは『Get Yer Ya-Ya's Out !』の裏ジャケの流用となっていて。
裏ジャケが『Got Live If You Want It !』のジャケットの流用となっていると言う。
あの時代、大らかで、何でも許された時代ならではの産物と言えるアルバムなのです。
姑息なのは。ライナーではその2枚のアルバムには一切触れていなくて。
更にはライナーに載っているカタログからも、その2枚のアルバムを除外しているところ。
ストーンズの初来日、そいつに思い切り便乗しようと言う・・・流石はキング・レコード。
今となっては、意味のない。当時ですら意味があったのか疑わしい代物ではあるのですが。
このジャケットが結構好きで。ストーンズのライヴの雰囲気を上手く捉えていると言うか。
ストーンズのライヴを生で観るなんてことが。夢のまた夢だった時代には。
『Get Yer Ya-Ya's Out !』に針を落として、その裏ジャケを見つめて想像を逞しくしていて。
ストーンズは圧倒的にライヴが素晴らしいのだとの評価は既に定着もしていたので。
確かに『Got Live If You Want It !』と『Get Yer Ya-Ya's Out !』は相当に聴いていたので。
ストーンズのライヴを、まとめて疑似体験したい、予習したいって人には便利だったのかも。
その昔、部屋に転がり込んでいたストーンズ・ファンのお姉さんも持っていたしなぁ。
音質とか考えると。好んで針を落とそうとも思わないし。実際、殆ど落とさないのですけど。
一度針を落としてしまうと。なんだかんだで。結局は繰り返し聴いていたりもして。
そこにストーンズのライヴが、ライヴ・アルバムがある。それが如何に魅力的なのかを物語ってはくれるかな。

何故、人を愛するのか。
そこに、人がいるから。
何故、ライヴを愛するのか。
そこに、ライヴがあるから。
それだけさ。

何とも言えない。
空気が。
匂いが。
仲間たちが。
ロックンロールが。

そこに。
あるのさ。
そこで。
手招きしているのさ。
それだけで十分なのさ。

あの。
ギター。
あの。
リズム。
そいつを思うだけで堪らない。

そいつに。
震えたい。
そいつと。
響き合いたい。
だから駆けつけるのさ。

何故、人を愛するのか。
そこに、人がいるから。
何故、ライヴを愛するのか。
そこに、ライヴがあるから。
それだけさ。それ以外に何がある。

あの。
メロディ。
あの。
ビート。
そいつが聴こえてきたなら。

あの。
ギター。
あの。
リズム。
そいつが伝わってきたなら。

大人しくなんか。
じっとしてなんか。
いられない。
駆けつけるだけ。
飛んでいくだけ。

痺れたいのさ。
殺られたいのさ。
震えたいのさ。
響き合いたいのさ。
それだけなのさ。

あの。
空気。
匂い。
仲間たち。
ロックンロール。

呼んでいる。
手招きしている。
そいつを思うだけで堪らない。
それだけで十分なのさ。
それ以外に何がいる。

何故、山に登るのか。
そこに、山があるから。
何故、ライヴに行くのか。
そこに、ライヴがあるから。
それだけさ。それだけでいいのさ。



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2017/06/02 Fri *道程の入り口 / Van Morrison

20170602hardnosethehighway


楽あれば苦あり。
苦あれば楽あり。
どちらなのか。
どちらでもいいが。
苦なんてなければないで。

それに。
こしたことはない。
わざわざ買ってでる様な。
そんな。
価値などありはしない。

楽できるなら。
楽だけで。
済ませられるのなら。
それでいい。
それだけのことなのだ。

どうしても。
避けられない。
そんな時は。
苦を楽に変えてしまえばいい。
そんな闘いを楽しめばいい。

言うほど。
簡単ではないかもしれないが。
そんな心持ち。
それひとつで。
案外と変わるものもある。

ならばと。
楽を求める。
闘いの旅路の。
その道程の入り口について。
アクセルを踏み込んでみる。

『Hard Nose The Highway』'73年リリース。
何やら奇妙なジャケットも印象的なヴァン・モリソンのアルバム。
当時の邦題は『苦闘のハイウェイ』だったとか。う~ん。何ともね。
愛妻と離婚して。精神的には辛い時期を過ごしながら。
自宅には念願のスタジオを完成させ。信頼の置けるミュージシャン達を招集。
かのカレドニア・ソウル・オーケストラを結成し、レコーディングにライヴにと。
精力的な活動をみせた時期のアルバム。その精力の裏側には葛藤、苦闘があったと。
今から振り返ると、このアルバムと次作となる『It’s Too Late To Stop Now』での。
スタジオとライヴでの、ある意味で頂点を極めた成果に至る闘いも感じられて。
故に、その後のヴァンの振幅の大きくなる一連のアルバムも感じ方が変わるかなと。
さて。精神的な苦痛をも力に変えて、力になると信じて自らを奮い立たせて。
望んだ録音環境と、制作に対する自由を得て。その総てを注いだヴァンの熱き思い。
A面頭の「Snow In San Anselmo」でいきなりアクセルが思い切り踏み込まれていて。
『Astral Weeks』で挑んだことを、更に高度に推し進めようとしているかの様で。
ソウルに、ジャズに、クラッシクに。それらを緩急自在に操り融合させてしまったかと。
そんな真にプログレッシブと言えるサウンドを操りながら歌うヴァンは圧巻の一言です。
その圧倒的で、確かに届くヴァンの歌声の存在感。その素晴らしさは、もう。
それ以外のナンバーでもヴァンの歌声の素晴らしさは変わらないのですが。
サウンドは実に心地よいソウルなもので。腕達者なメンバーによる隙の無い演奏と共に。
歌い上げるヴァンも、実に気持ちが良さそうで。それ故に「Snow In San Anselmo」とは。
落差があるのも確かなのですが。何でも当初は2枚組にする予定もあったとのことで。
苦闘の証とも言える、プログッレシッヴな世界をアルバム1枚分出すことは控えたのかな。
そんな妥協もあったのかもしれませんが。それを差し引いても尚、素晴らしいのです。

楽あれば苦あり。
苦あれば楽あり。
そんなものだと。
誰が言ったかはしらないが。
苦なんてなければないで。

それに。
こしたことはない。
年齢になど関係なく買う様な。
それほどの。
価値などありはしない。

楽できるなら。
楽だけをして。
済むのであれば。
それがいい。
それだけのことなのだ。

どうしても。
やむを得ない。
そんな時は。
苦も楽の内に取り込んでしまう。
そんな闘いを楽しめばいい。

言うほど。
簡単ではないかもしれないが。
そんな心構え。
それひとつで。
存外に変わるものもある。

ならばと。
苦を取り込む。
闘いの旅路の。
その道程の入り口を通りながら。
アクセルを更に踏み込んでみる。

あれも。
これも。
それも。
些か。
手に余る。

あれは。
これは。
それは。
些か。
頭が追いつかない。

余るほど。
扱える。
握れる。
こいつを。
活かさない手はない。
楽しまない手はない。

追いつかないほど。
考えられる。
動かせる。
こいつを。
活かす頭はある。
楽しむ頭はある。

些かの。
試行錯誤。
紆余曲折。
それも。
また楽しいと。

そう。
思える。
感じられる。
度量があれば。
そう装えれば。

ならばと。
楽なものさ、と。
闘いの旅路の。
その道程の入り口を後にして
アクセルを思い切り踏み込んでみる。



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2017/06/01 Thu *燃え上がれるか、火がつけられるか / Bad Company

20170601burninskyukorg


燃えるか。
燃えられるか。
どこまで。
本気で。
燃え上がれるか。

変化の時。
何かが始まる時。
そんな時。
燃えなかったら。
いつ燃えるのかと。

一応は。
そのつもりで。
身構えて。
臨んで。
挑んではいるのだが。

どうも。
何と言うか。
反応が。
手応えが。
物足りないのだと。

否。
悪くはない。
それどころか。
なかなかいいのだけど。
そうなのだけど。

火は。
つかない。
炎は。
上がらない。
燃えてはこない・・・かな。

『Burnin' Sky』'77年リリース。
バッド・カンパニーの4枚目のアルバム。
この頃、ポール・ロジャースは日本人女性と結婚していたので。
それがジャケットの鉢巻と法被姿に繋がったのだと思われるのですが。
この似合っているのか、似合っていないのか。その微妙な感じ。
そいつが内容を表してしまっている様にも思われるところが微妙なアルバム・・・かな。
以前のアルバム。特に最初の2枚と比較すると曲調にも変化が表れていて。
ポールの望みだったのかはわかりませんが、ソウルに接近した様なナンバーが多くて。
それはそれで。ポールですから。そのソウルフルな歌声は素晴らしいのですが。
聴く者が、ファンがバドフィンガーに求めていたものとは若干の齟齬がある様な。
フリーが米国で商業的な成功を収められなかった、その反省からか。
米国制覇を目指して、如何にも大陸的な大らかさを持ち込んだバッド・カンパニーですが。
それでも。消すに消されぬ英国の香りがあって。その絶妙な塩梅が愛されていたのですが。
それが、ソウルに接近することで。その英国の残り香を消してしまったかなと。
そこが何とも惜しまれるかな。いいナンバーもあるのですが歯痒さが残るのですよね。
後、恐らくはこの頃からバンド内での主導権争いと言うか、人間関係にも変化があって。
メンバー4人の共作となっているナンバーもあって。しかもポールが歌っていなくて。
民主的な運営を試みたのでしょうが。残念ながら裏目に出てしまっているかなと。
それでもB面は、これぞバッド・カンパニーと思わせてくれる瞬間も多々あるのですけどね。
アルバム・タイトル、そして内ジャケ、レーベルの燃える様な真紅の色合いとは異なって。
どうにも、燃え切らない、燃え上がらない。燻っている感じは残ってしまうかな。
まぁ、バドカンは1stと2ndに尽きるってことなの・・・かな、結局は。

燃えるか。
燃えられるか。
どこまで。
本気に。
火がつけられるか。

変革の時。
何かを始められる時。
そんな時。
火がつかなかったら。
いつつくのかと。

一応は。
そのつもりで。
心して。
向き合って。
挑んではみるのだが。

どうも。
何と言うか。
触発されるもの。
挑発してくるもの。
感じられないのだと。

否。
易くはない。
それどころか。
なかなか難しくはある。
そうなのだけど。

燃えては。
こない。
炎は。
上がらない。
火はつけられない・・・かな。

変化の時。
変革の時。
この時。
そいつを。
待っていたのだけれど。

確かに。
不安もあり。
けれども。
それを超える。
期待があり。

何かが。
始まる。
何かを。
始められる。
その時だと。

けれども。
今一つ。
否。
今二つ、三つ。
火がつかない。

火種は。
用意した。
火薬庫に。
投げ込んだ。
それなのに。

燻ったまま。
そのまま。
燃えてこない。
燃え上がらない。
爆発しない。

何かが。
足りない。
形は変わった。
姿は変わった。
でも肝心な何かは・・・

燃えるか。
燃えられるか。
炎は。
上がらない。
燃えてはこない・・・かな。


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