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2017年7月

2017/07/28 Fri *昔とった杵柄 / John Lennon

20170728liveinnewyorkcityukorg


ブランク。
そんなもの。
ものともしない。
そう。
思っていても。

いざ。
杵柄を。
とってみたら。
思うように。
振るえなくて。

あれ。
おかしいなと。
こんな筈ではと。
内心では焦りながら。
何でもない顔で。

取り敢えず。
昔と同じように。
振り上げて。
構えてみたら。
それだけで。

それなりに。
効いてしまうから。
それが。
また。
性質が悪いのだけれど。

それなりに。
効いているうちに。
ひそかに。
リハーサルを繰り返して。
取り戻そうと。

『Live In New York City』'86年リリース。
'72年のMSGでの公演で収録されたジョン・レノンのライヴ・アルバム。
当時のニュー・ヨーク市長が提唱した事前イベントの一環で行われたもので。
ジョンの他にも、ロバータ・フラックとかスティーヴィー・ワンダーも参加していて。
2種類リリースされた映像版では、その姿を観られるものもあったと記憶しています。
当時のジョンは滞在許可とか、盗聴騒ぎとかでアメリカ当局と争っていたころで。
従って労働ビザも下りなくて。慈善活動でノー・ギャラとのことで実現したのだとか。
ビートルズ解散後、初めてのフル・サイズの単独ライヴだった筈で。
しかも結果的にはこれがジョンにとっては最後の単独ライヴとなってしまったのですよね。
流石のジョンも。そのブランクは大きくて。特に前半は調子が悪いのが明白で。
聴いていると。ジョン自身の苛立ちが伝わって来て。正直、辛いものもあるのですが。
業を煮やしたジョンが、思わず、ようこそリハーサルへ・・・とMCしていたりもします。
この本音を隠そうとしないところ、それを皮肉の効いたジョークにしてしまうところ。
その人間臭さが、ジョンの魅力なのですよね。あまりにも正直に過ぎるけれど。
しかし。そこはジョン。後半になると盛り返してきて。技術的な面はともかくとして。
その熱量はマックスに近いところまで沸騰していると思わせる辺りが、堪らないかなと。
それが顕著なのが「Cold Turkey」に「Hound Dog」なのが。ロックンローラーだなと。
その瞬間は。そうですねハンブルグ時代にとった杵柄を思わせるものがあるかな。
実際のライヴではオノ・ヨーコが金切り声でコーラス?をつけていたのですが。
それは編集で見事にカットされていて。賛否あるでしょうが。正しい判断かなと思います。
さて。このアルバム。昼夜二公演から選択されたテイクで編集されているらしいのですが。
元になった音源があるなら。その二公演それぞれの完全版をリリースしてもいいのではと。
度重なるベスト・アルバムのリリースや、リマスター音源とかで金儲けするよりも。
他にやるべきことがあるだろうと。強くそう思うのですけどね・・・

ブランク。
そんなもの。
どうってことない。
そう。
思っていても。

いざ。
杵柄を。
とってみたら。
思うように。
扱えなくて。

あれ。
変だなと。
こんなものではと。
内心では焦りながら。
そしらぬ顔で。

取り敢えず。
昔と同じように。
振り下ろして。
響かせてみたら。
それだけで。

それなりに。
動かせてしまうから。
それが。
また。
宜しくはないのだけれど。

それなりに。
動かせているうちに。
ひそかに。
リハーサルを積み重ねて。
戻ってこようと。

ブランク。
そいつは。
自分で。
思っている以上に。
厄介で。

ブランク。
そいつは。
自分で。
感じている以上に。
重たくて。

それでも。
そいつが。
ありながらも。
取り敢えず。
何とかなるのは。

昔とった杵柄。
そいつが。
大きかったから。
その残像が。
効いているから。

そのことに。
感謝しつつ。
そのことに。
馴れ過ぎないうちに。
取り戻そう。

そのことを。
利用しつつ。
そのことに。
溺れてしまわないうちに。
戻ってこよう。

昔とった杵柄。
そいつを磨いて。
腕も磨きなおして。
自在に。
扱えるように、振るえるように、ね。



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2017/07/27 Thu *好きなもの / Robert Palmer

20170727somepeoplecandowhattheylike


好きなこと。
好きなもの。
好きなら。
もっと。
好きになろう。

呆れられようと。
後ろ指をさされようと。
そんなことには。
お構いなしに。
好きになろう。

誰の時間でもない。
自分の時間だ。
好きでもないこと。
好きでもないもの。
そんなものには目もくれず。

好きなことをやろう。
好きなものを手にしよう。
その為なら。
躊躇いなど。
捨て去ってしまおう。

やりたいのだから。
ほしいのだから。
その気持ちに。
制御などする必要はない。
従う以外に何がある。

好きなこと。
好きなもの。
その為の。
覚悟があるなら。
もっと、もっと好きになろう。

『Some People Can Do What They Like』'76年リリース。
ロバート・パーマーのおそらく3枚目となるソロ・アルバム。
ニュー・オーリンズに憧れ、魅入られ。ミーターズとも録音したロバート。
このアルバムでは同好の士とも言えるリトル・フィートのメンバーに声を掛けて。
ローウェル・ジョージ以外のメンバーをバックに歌うことに成功しています。
しかも、リトル・フィートのナンバーをカバーしていたりして。
いくら好きだからと言っても。普通はそこまでやらないだろうと思うのですが。
この、臆面の無さと言うか、何も気にせずに我が道をいくところ。
飄々としたイメージがありながら、実は相当な頑固者と思われるロバートらしさかなと。
自分の好きな音楽を、好きなようにやって、歌って。それで何が悪い、文句があるかと。
潔いと言うか、開き直っていると言うか。いずれにしろ実に楽しそうに歌っています。
その歌の上手さ、歌声の魅力には定評のあるロバート。何とも心地よく響きます。
ミーターズや、リトル・フィートの弾むサウンドを向こうに回してこれだけ歌える。
そんなヴォーカリストは、限られると。その中でもロバートは傑出しているかな。
この頃のロバートは、評価は高いものの。商業的には大きなブレイクには至っていなくて。
レコード会社からのプレッシャーもあったと思うのですが。我、関せずなんですよね。
誰が何を言おうと。好きなことをやれる奴はやれるのだと。俺がそうなのだと。
アルバム・タイトルには、そんなロバートの自負が表れているかなとも思います。
この女の娘を相手に、なにやら怪しいゲームをしながら、にやけているジャケットも。
常に唇の端に微笑を浮かべて歌っていそうな、そんなロバートのイメージに合っていて。
好きなこと、好きなもの。それをやるだけ、それを手にするだけ。それだけのこと。
そんなに目くじらを立てるなよと。そんな人を小馬鹿にした感じ、それすらも。
嫌味にならないところがロバートの、最大の持ち味にして魅力かもしれません。

好きなこと。
好きなもの。
好きなら。
ずっと。
好きでいよう。

馬鹿にされようと。
陰口をたたかれようと。
そんなことには。
お構いなしに。
好きでいよう。

誰の人生でもない。
自分の人生だ。
好きでもないこと。
好きでもないもの。
そんなものとは関わらず。

好きなことをやろう。
好きなものを手にしよう。
その為なら。
自制心など。
捨て去ってしまおう。

やりたいのだから。
ほしいのだから。
その思いを。
抑制などする必要はない。
抗う理由などどこにある。

好きなこと。
好きなもの。
その為の。
覚悟が出来ているなら。
ずっと、ずっと好きでいよう。

誰が。
どうした。
誰かは。
どうした。
それがどうした。

普通が。
どうした。
普通は。
どうする。
それがどうした。

世間が。
どうした。
世間は。
どう見る。
それがどうした。

好きなこと。
好きなもの。
ただ。
好きなだけ。
それだけ。

好きなこと。
好きなもの。
好きなら。
もっと。
好きになろう。

好きなこと。
好きなもの。
好きなら。
ずっと。
好きでいよう。

何がどうでも。
好きなら。
好きなことをやれるのだ。
好きなものを手にできるのだ。
そう、信じるだけのこと。



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2017/07/26 Wed *常に、常で / Darrell Banks

20170726heretostay


徒に。
揺れることなく。
ぶれることなく。
乱れることなく。
常にあること。

時の流れ。
人の流れ。
同じ様でいて。
止まらず。
変わりゆく。

その中に。
身を置いて。
心を浮かべて。
揉まれながら。
洗われながら。

揺れることも。
ぶれることも。
乱れることも。
たまさかには。
あったとしても。

いつでも。
どこでも。
変わらないもの。
変わってはならないもの。
そんなものがある。

ここに。
身の芯に。
心の底に。
そんなものが。
常にあること。

『Here To Stay』'69年リリース。
ノーザン・ソウル・シンガー、ダレル・バンクス。
その2枚目にしてスタックス傘下ヴォルトでの初めてのアルバム。
そしてその生涯において最後となってしまったアルバム。
ニュー・ヨーク出身で、デトロイトで活動を始めたダレルです。
ディープで、貫禄すら感じさせる歌声の持ち主であり。
その一方でノリの良さもある。そんな懐深く、幅広い魅力のあるダレル。
1作目ではモータウンを意識したかのアップテンポなナンバーのノリの良さ。
それがやや前面に出ていましたが。このアルバムではミディアムからスローにおける。
繊細で、丁寧に歌い上げる。そのディープで貫禄、そして熱さのある歌声の魅力。
そちらに力を入れている感じもあって。録音はデトロイト、そしてメンフィスでも。
それもあってか、ノーザン・ソウルの範疇に止まらず、サザン・ソウルのテイストもあって。
ヴォルトからのリリースと言うこともあって、そうオーティス・レディングの後継者。
その座を巡るレースにダレルも名乗りを上げたのではないかと思える感じもあって。
また、それに相応しい歌声を聴かせてくれている、そんなアルバムとなっています。
残念ながらこのアルバムの翌年、サム・クック同様に謎の多い非業の最期を迎えてしまい。
その事が、実に惜しまれてならない。それほどの魅力がこのアルバムにはあるのです。
ヴォルトでの2枚目のアルバムの制作に着手していて。録音も始まっていて。
スティーヴ・クロッパーが制作にあたっていたと言うのですから、尚更です。
ニュー・ヨーク、デトロイト、メンフィス。流離ながらも魅力溢れる歌声を聴かせてくれた。
そんなダレルの芯には、底には。繊細に丁寧に向き合う姿勢があったのだろうと。
そんな姿勢、思いと常に共にあったダレル。その歌声はいつまでも自分の傍らにあるのです。

安易に。
揺れることなく。
ぶれることなく。
乱れることなく。
常であること。

時のあり様
人のあり様。
変わらぬ様でいて。
絶えず。
移りゆく。

その中に。
身を呈して。
心を晒して。
巻き込まれて。
弾かれて。

揺れそうに。
ぶれそうに。
乱れそうに。
なることが。
あったとしても。

いつでも。
どこでも。
変わらないもの。
変えられはしないもの。
そんなものがある。

ここに。
身の芯に。
心の底に。
そんなものと。
常であること。

変わるものもある。
変わらなければならないものもある。
それを。
受け容れなければならない。
そんな時もある。

時は。
人は。
こちらとは関係なく。
流れていく。
様変わりしていく。

その中に。
身を置いて。
心を浮かべて。
身を挺して。
心を晒して。

揺れそうに。
ぶれそうに。
乱れそうに。
なることも。
あるのだと。

揺れることも。
ぶれることも。
乱れることも。
たまさかには。
あるのだと。

それでも。
悪戯には。
安易には。
変わらないのだと。
変わりはしないのだと。

そう。
そこに。
確かなものが。
常にあれば。
常であれば。

何も慌てることなどありはしない。



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2017/07/25 Tue *また始まる / Ester Phillips

20170725burnin


また。
始まる。
そして。
ここも。
燃えている。

灼熱の。
煉獄。
そいつから。
逃れる術など。
ありはしないらしい。

ならば。
腹を決めて。
灼熱の。
煉獄に。
飛び込んで。

燃えて。
燃えて。
内部から。
焦げるまで。
燃やし尽くしてしまおう。

毒は。
毒を以て。
ならば。
熱は。
熱を以て。

また。
始まる。
そして。
また。
燃え上がる。

『Burnin'』'70年リリース。
エスター・フィリップスのライヴ・アルバム。
アルバム・タイトルに偽り無しの熱いエスターの歌声。
それを支え、盛り立てる凄腕のミュージシャン達。
キング・カーティス、コーネル・デュプリー、リチャード・ティー、チャック・レイニー・・・
当時のアトランティック・ソウルの数々の名盤を創り上げた黄金のメンバー。
カーティスはアレンジ、そしてプロデュースと総監督として活躍しています。
(尤も。ホーン・セクションそのものはスタジオでのオーバー・ダビングの様ですが)
ジョニー・オーティスに見初められて天才少女シンガーとしてデビュー。
リトル・エスターとして活躍するも薬物中毒などで低迷して。
アトランティックへ移籍して復活を遂げたと。そんな時期のライヴですからね。
エスターの歌声にも力が入り、それこそ熱く、熱く燃え上がらんばかりだったりします。
ソウル、ジャズ、ブルースと。ジャンルやカテゴリーを超越した歌声を聴かせるエスター。
そして、それを支える、多彩でありながら統一感のあるサウンドを聴かせるメンバー。
その一体となった様、そこに熱いアトランティック・ソウルの全盛期を感じます。
エスターの歌声には少し癖があり。時に、がなっている様に感じられる瞬間もあるのですが。
その力業の様にも思える熱い歌声を、客席に熱さはそのままにスムーズに届かせる。
そんな凄技をさり気なくやってしまうカーティスやデュプリーの力量もあって。
全体としては落ち着いた感も与えながら。ここぞで、その熱さが、それこそ燃え上がり。
恐らくはそう広くはない客席を、そしてスピーカーの前の聴く者をも共に燃え上がらせる。
数あるソウルのライヴ・アルバムの中でも極上の一枚であると思います。
一度は地獄を見たエスター。その再びの始まりを記したアルバムでもあります。

また。
始まる。
そして。
やはり。
燃えている。

灼熱の。
煉獄。
そこから。
逃れる道など。
探せそうもない。

ならば。
腰を据えて。
灼熱の。
煉獄に。
居続けを決めて。

燃えて。
燃えて。
内部から。
崩れ落ちるまで。
燃やし尽くしてしまおう。

毒を。
食うなら。
ならば。
熱に。
中てられるなら。

また。
始まる。
そして。
やはり。
燃え上がる。

また。
始まる。
そう。
また。
戻ってくる。

また。
始まる。
そう。
いつもが。
始まる。

逃れる術も。
逃れる道も。
ありはしないらしい。
さがせそうもない。
ならば。

また。
始まる。
いつもの。
灼熱の。
煉獄。

そいつに。
こちらから。
飛び込んで。
ここぞと。
居続けて。

燃えて。
燃えて。
焦げるまで。
崩れ落ちるまで。
燃やし尽くしてしまおう。

また。
始まる。
いつもが。
始まる。
そいつを、燃やし尽くしてしまおう。



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2017/07/24 Mon *異郷にて / Various Artists

20170724motortwonrevueinparis


異郷にて。

普段と。
異なる。
離れた。
空気の中。
匂いの中。

だからこそ。
感じるものがある。
出会えるものがある。
確かに。
存在する。

目には。
見えない。
映らない。
なにものかが。
呼んでいる。

その声の。
する方へ。
する処へ。
呼ばれるままに。
赴くままに。

その。
温かさ。
優しさ。
そこに生まれるものがある。
そこで始まるものがある。

異郷にて。

『Motortown Revue In Paris』'65年リリース。
モータウンが行っていたパッケージ・ショー、モータウン・レビュー。
その模様を収録したライヴ・アルバムの第三弾にあたるもので。
アルバム・タイトル通りに、パリで収録されています。
参加しているのはシュープリームス、ミラクルズ、マーサ&ヴァンデラス。
そしてスティーヴィー・ワンダーの綺羅星の如き4組で。
バックを担当しているのはアール・ヴァン・ダイク率いるソウル・ブラザーズ。
そう、今ではファンク・ブラザーズとして知られる名うてのミュージシャン達で。
勿論、あのジェイムス・ジェマーソンも参加していて。あのベースが響いています。
海賊盤かと思う程の音質で。リリースを意識しての録音だったのか疑問も残るのですが。
その音質が、かえって生々しく。当時のライヴの雰囲気を伝えてくれています。
時期的にはシュープリームスが一番、勢いのある頃だったのですかね。
「Stop In The Name Of Lobe」や「Baby Love」を生き生きと歌っています。
ミラクルズや、マーサ&ヴァンデラスは古参らしく貫禄のあるステージで。
声も若いスティーヴィーは、日の出の勢いの成長過程にあるのが感じられると。
実に、その、よく考えられている顔ぶれ、取り合わせだなと思うのですが。
それもこれも。それだけのタレントを揃えていたからで。
そう考えるとスタックス同様に、モータウンの底力を思い知らされるのですよね。
今から50年以上前に。大西洋を越えて、本場のソウル・レビューを欧州に輸出していたと。
その事実の持つ、意味とか意義は。もっと語られてもいいし、忘れてはならないなと。
そして。異郷、異境でステージに立った、ライヴを行った。
モータウンのスター達の目に映った光景、胸に浮かび、過った思い。
そんなものを、想像してみたくなるのですよね。どんな、出会いがあったのかなとかね。

異郷にて。

日常と。
異なる。
離れた。
空気に触れて。
匂いに包まれて。

だからこそ。
震えるものがある。
響き合うものがある。
間違いなく。
存在する。

手には。
取れない。
触れられない。
なにものかが。
呼んでいる。

その声の。
導く方へ。
誘う処へ。
招かれるままに。
趣くままに。

その。
新しさ。
懐かしさ。
そこで生まれるものがある。
そこから始まるものがある。

異郷にて。

普段と。
異なる。
離れている。
それが。
呼び起こすもの。

日常と。
異なる。
離れている。
それが。
目覚めさせるもの。

そんな。
目には。
見えない。
手にも。
取れない。

なにものかが。
呼んでいる。
招いている。
誘っている。
任せてしまえば。

空気の中。
風の中。
呼び起こされて。
目覚めて。
そのままに。

温かく。
優しく。
新しく。
懐かしく。
そのままに。

感じる。
震える。
響き合う。
そんな。
出会いが生まれる。

異郷にて。



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2017/07/20 Thu *余韻か、残り香か / The Mar-Keys

20170720lastnight


昨夜の。
余韻か。
残り香か。
そいつが。
纏わりついている。

その。
熱が。
享が。
足下を。
浮つかせている様で。

その。
信が。
情が。
足下を。
落ち着かせてもいる様で。

どのみち。
そう。
いつまでも。
続きはしない。
そいつは確かなのだが。

足下が。
足どりが。
軽くなって。
今なら。
ステップも踏めそうで。

昨夜の。
余韻でも。
残り香でも。
今しばらくは。
共にあろうかと。

『Last Night !』'61年リリース。
ご機嫌なインスト、「Last Night」の大ヒット。
それを受けて制作されたマーキーズの1stアルバム。
そしてこのアルバムがスタックスとしても記念すべき最初のアルバムでした。
さて。元々は侯爵を意味するマーキー、その集まりを名乗っていたマーキーズ。
メンバーには、スティーヴ・クロッパー、ドナルド・ダック・ダン、ウェイン・ジャクソン。
そして更にはドン・ニックスと。後のスタックスを語るに欠かせない顔ぶれが揃っていたと。
元々はハイスクールの同級生が集まった学生バンドで。やがてメンフィスでは顔になり。
そして、ツイストのビートを取り入れた「Last Night」の大ヒットで一躍スターにと。
ただ、諸説あるみたいですが。その「Last Night」にはスティーヴしか参加していないとか。
(しかも、スティーヴさん。ギターではなくてピアノを弾いているのだとか?)
やがてMGズとしてスタックスの屋台骨を支えるスティーヴや、ダック・ダンですしね。
マーキーズをメンフィス・ホーンズへと発展させるウェインもいたのですからね。
このアルバムでは、既にMGズの片鱗がそこ、かしこに聴かれ、感じられもするので。
少なくとも「Last Night」以外の録音には皆が参加していたと思いたいのですけどね。
ただこのアルバムのリリースと前後してスティーヴが脱退していますし。
2ndアルバムのリリース後にはダック・ダンも脱退しているので。その辺りはね。
「Last Night」以降はヒットもなくて。メンバーもそこまでは拘ってはいなかったかも。
兎にも角にも。未だサザン・ソウルの黎明期で。R&Bからの分科の途上とも言えて。
しかしながら。そのシンプルで、タイトで。体の芯から痺れる様なビートは絶品で。
MGズの、メンフィス・ホーンズの、そしてスタックス・サウンドの原点。
それは間違いなく、ここに、このアルバムにあったのだなと思わされて。そうだなぁ。
MGズにも、メンフィス・ホーンズにも、スタックス・サウンドにもこのアルバムの余韻、残り香があるのです。

昨夜の。
余韻か。
残り香か。
そいつに。
抱きとめられている。

その。
熱が。
享が。
身体を。
火照らせている様で。

その。
信が。
情が。
精神を。
覚醒させてもいる様で。

どのみち。
この。
状態は
常態にはなり得ない。
そいつは確かなのだが。

身体が。
精神も。
軽くなって。
今なら。
ビートも刻めそうで。

昨夜の。
余韻でも。
残り香でも。
今しばらくは。
共に踊っていようかと。

余韻。
残り香。
そいつは。
余りにも。
甘くもあって。

余韻。
残り香。
そいつは。
確かに。
危うくもあって。

依存するのは。
耽溺するのは。
そいつは。
望むところでは。
ありはしないけれど。

その。
熱が。
享が。
信が。
情が。

もたらすものが。
なにものかを。
動かすのなら。
作るのなら。
生み出すのなら。

そんな。
可能性を。
身体が。
精神が。
感じているのなら。

昨夜の。
余韻でも。
残り香でも。
今しばらくは。
共にあろうかと、踊っていようかと。

思わなくもなくはない・・・かな・・・



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2017/07/19 Wed *悪い奴ほど / James Brown

20170719superbad


悪い奴ほど。
よく笑うし。
よく喋るし。
よく食べるし。
よく飲むし。

タフに。
ラフに。
パワフルで。
でも。
ジェントルで。

両腕を広げて。
懐深く。
慌てず。
騒がず。
悠然と。

ピンチの。
ひとつやふたつ。
どうってことないぜと。
笑い飛ばして。
事に臨む。

細かいことは。
気に留めず。
でも。
細やかな。
気を遣い。

おくびにも出さず。
かたをつけたら。
さっさと忘れて。
明日の為に今日も飲む。
悪い奴ほど、ね。

『Super Bad』'71年リリース。
キング・レコード時代の最後を飾ったジェームス・ブラウン、JBのアルバム。
この時期のJBのアルバムにはよくあった疑似ライヴ・アルバム仕立てで。
内容も、色んなセッションからの寄せ厚めだったりするのですが。
冒頭に配された「Super Bad Part1,2,and 3」、この超ド級のファンク・チューン。
その一発、その一撃で勝負あり。もう、問答無用にカッコいいのですね。
キャットフィッシュとブーツィーのコリンズ兄弟を擁するオリジナルJBズ。
もう、その凄まじさにド肝を抜かれ、腰が抜けて・・・本当に凄まじいのですよね。
とてつもない太さでうねりを上げる、ブーツィーのベースがとんでもないし。
引っ掻くかの様に、痙攣するかの様に、カッティングするキャットフィッシュのギター。
鋭く切り込むサックスを先頭とした、分厚いホーン・セクションの豪快なこと。
そして、それらを従えたJBのクールに叫ぶ歌声。そのスリリングなことといったら。
もう、背筋を電流が走り、前進が震え、魂も震える。そんな色気のある究極のカッコ良さ。
世に数多あるファンク・チューンの中でも五指に入る、否、一、二を争う傑物です。
もうね、滅茶苦茶に悪そうですからね。でも、それって滅茶苦茶にカッコいいという事で。
何故、この時期のJBとJBズが特別な存在なのか。この一曲で思い知らされます。
ハッキリ言うともうこの一曲と、このジャケットだけで十二分以上に価値があって。
他のナンバーに関しては、特に語ることも無い。そんなアルバムだったりもするのですが。
「Let It Be Me」は、本来はバラードであるところを敢えてアップ・テンポにしていて。
ヴィッキ・アンダーソンとのデュエットも決まっていて、聴かせるかな。
まぁ、なんだかんだで。「Super Bad Part1,2,and 3」、の勢い、カッコ良さに圧倒されて。
そのまま引きずられて、一気に聴かされてしまうアルバムとも言えるのかな。
兎に角。一にも二にも。「Super Bad Part1,2,and 3」の超絶な悪さ、カッコ良さに酔いしれられればそれでいいのです。

悪い奴ほど。
よく遊ぶし。
よく楽しむし。
よくブッ飛ぶし。
よく面白がるし。

タフさに。
ラフさに。
パワフルさに。
自負はあって。
それ以上にジェントルで。

穏やかに微笑んで。
心広く。
焦らせず。
追い込まず。
悠々と。

リスクの。
ひとつやふたつ。
たいしたことではないぜと。
笑って、安心させて。
事に臨ませる。

些末なことには。
目もくれず。
でも。
肝要なことは。
きっちり押さえて。

何でもない顔をして。
見届けたら。
さっぱりと忘れて。
明日の為に今日も飲む。
悪い奴ほど、ね。

悪い奴ほど。
色々と。
知っている。
やっている。
積んできている。

悪い奴ほど。
色々と。
知らされて。
やらされて。
つまされてきている。

悪い奴ほど。
色々と。
知ってしまって。
やらかしてしまって。
沁みている。

だから。
タフで。
ラフで。
パワフルで。
ジェントルで。

だから。
懐深く。
心広く。
慌てず、騒がず。
悠然と、悠々と。

おくびにも出さず。
何でもない顔をして。
笑い飛ばして。
笑って、安心させて。
終わったら忘れて。

悪い奴ほど。
よく遊んで。
よく楽しんで。
よくブッ飛んで。
よく面白がって。

明日の為に今日も飲む。
そんな悪い奴で、いつづけたいのさ(笑)。



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2017/07/18 Tue *そんな存在 / Peter Tosh

20170718mysticman


学校とか。
教師とか。
そんなものは。
おそらくは。
何の役にも立たないと。

守ってもくれないし。
指し示してもくれないし。
自由とか。
自主とか。
そんなものの対極にあって。

権威が好きで。
権力に弱くて。
人を縛るとか。
人に命令するとか。
そんなものに喜びを感じている。

総てが。
総てではないだろうけれど。
だいたいが。
そんなものであろうと。
そう気づいた時から。

肩書とか。
年功とか。
権威とか。
そんなものを。
笠に着てしか、ものを言えない。

そんな輩には。
決して屈しないぞと。
とことん。
弄してやろうと。
闘ってやろうと、そうしてきたのだ。

『Mystic Man』'79年リリース。
ピーター・トッシュの5枚目となるソロ・アルバム。
ローリング・ストーンズ・レコードからは2枚目となるのかな。
ステッピング・レザー、歩く剃刀とも称されたトッシュ。
アイランド・レコードにソロ・アルバムのリリースを拒否されて。
ただのバック・コーラス扱いされることを拒否してウェイラーズを脱退。
自らのレーベルを立ち上げて、過激なメッセージを発し続けて。
そして、ローリング・ストーンズ・レコードへと移籍。
キースやミックとの共演も果たして。より広い世界へと出ていくことに成功。
この時代のトッシュに関しては。歌声も、サウンドも。綺麗に、優しくなり過ぎて。
過っての様な切れ味に欠けて、物足りないとの声も多くある様です。
確かに、裏ジャケットで一輪車に興じているトッシュの表情の穏やかさと言ったら・・・
コーラスや、ホーン・セクション。エレピにシンセも聴かれ。聴きやす過ぎるかなとも。
でも。その本質は、その芯は変わっていないのですよね。
優しく歌いかけるトッシュ、そのメッセージは変わらずに鋭く。
それを根底で支えているスライ&ロビーのリズム隊の弾ける迫力は流石の一言です。
タイトル・ソングでもある「Mystic Man」で。自分は自然だけを信じると歌い。
世の中のありとあらゆる権威や、欺瞞に疑問を呈して、従わないぜと宣言するトッシュ。
自然と、その力。それに対する畏敬や畏怖を忘れずに。不自然で理不尽な抑圧を否定する。
誤解を恐れずに言えば。ストーンズの名声や影響力をも利用して。
己が信じるところを、広く世界に問おうとしたトッシュ。なかなかの策士でもあります。
それが嫌味にならないのは。トッシュの自然で、強靭な意思がそこにあるからで。
信じるもの、従うもの。それは自然の声と己が胸の内の声だけ。そこが魅力的で。権力側には脅威だったと。

神様とか。
仏様とか。
そんなものは。
おそらくは。
何処にも存在していなくて。

何処かの誰かが。
ある意図のもとにでっち上げて。
自由とか。
自主とか。
そんなものを抑圧する側にあって。

権威が好きで。
権力に弱くて。
そんな人々を。
恫喝して支配する。
そんなものに喜びを感じている。

総てが。
総てではないだろうけれど。
殆どが。
そんなものに過ぎないと。
それが見えてしまった時から。

教義とか。
金科玉条とか。
威光とか。
そんなものを。
虎の威を借りてしか、人と向き合えない。

そんな輩には。
決して靡かないぞと。
とことん。
馬鹿にしてやろうと。
逆らってやろうと、そうしてきたのだ。

空にも。
風にも。
匂いがある。
声がある。
心がある。

海にも。
山にも。
匂いがある。
声がある。
心がある。

自然は。
遥か昔から。
ただ。
そこにあるだけ。
それだけ。

それだけで。
静かに。
そして。
力強く。
この世の理を示すだけ。

そこには。
肩書も。
年功も。
権威も。
存在しえない。

そこでは。
教義も。
金科玉条も。
威光も。
何の意味も持ちえない。

そこにあるだけ。
それ以外の。
何も、意味もない。
そんな存在だけを信じている。
そんな存在だけを受け容れている。

そんな存在でありたいのだ。



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2017/07/17 Mon *なにもかも / Third World

20170717ninetysixintheshade


なにもかも。

なにもかも。
この夏の。
ここ数日の。
暑さのせいに。
するつもりはないけれど。

ここまでだと。
ここまでくると。
なにもかも。
この暑さのせいだと。
そう思いたくもなる。

これだけ。
眩むほど。
溶けるほど。
忘我に陥るほど。
それほどの熱波。

そいつを。
身にも。
心にも。
浴びているのだ。
おかしくもなるだろうと。

言い訳してみたくもなる。
忖度してみたくもなる。
いい気になるなよと。
いいように。
つかってやりたくもなるのだ。

なにもかも。

『96°In The Shade』'77年リリース。
サード・ワールドの2枚目となるアルバム。
当時の邦題は『華氏96度』だったと記憶していますが。
これは摂氏に読み替えると35度以上、36度未満くらいかな。
日陰でもそんなにあるのか。ジャマイカと言うのは暑い国だなぁと。
そう感じた記憶があるのですが。今や、日本もねぇ・・・やれやれだな。
さて。サード・ワールドと言うと。どんどんそのサウンドがソフトになって。
いつのまにか。特にコアなレゲエ・ファンの間での評価は地に落ちた感もありますが。
このアルバムでは。サウンドは心地よいものの。歌われているのは骨太な内容で。
収録されている6曲、そのうち5曲がメンバーの手によるオリジナルなのですが。
中でも「1865」なるナンバー、こちらも邦題は「華氏96度」だったかな。
1865年に起きたジャマイカ事件。支配者である英国に対する反乱を指導して。
逮捕され、処刑されたポール・ボーグルについて歌われたレベル・ソングであり。
その処刑された暑い日、そして暴動の引き金ともなった旱魃をもたらした暑い日々。
その残酷なまでの暑さと輝きを歌い。またどれだけ暑くても眩しくても倒れはしないと。
暑さと輝きの中に希望を見出そうともする、そんな強い意志の滲む歌なのです。
サウンドも、歌声も。あくまでも穏やかに、優しく。決して暗さは感じさせないものの。
強い芯が一本通った、骨太なもので。そこにこの時代のサード・ワールドの魅力があります。
何でもメンバーの一人がジャマイカの副首相だかの息子だったそうで。
そんなところも、コアな(心の狭い)なファンからは敬遠される一因でもあるのでしょうが。
逆に言うと。そのクールなサウンドと佇まいは。そんな上流階級のメンバーがいることで。
裏打ちされていたと言うか、その覚悟のほどが分かる様な気もするのですけどね。

なにもかも。

なにもかも。
この夜の。
この瞬間の。
熱さのせいに。
するつもりはないけれど。

ここまでだと。
ここまでのものだと。
なにもかも。
この熱さのせいだと。
そう感じたくもなる。

これだけ。
震えるほど。
痺れるほど。
忘我に達するほど。
それほどの熱気。

そいつを。
身にも。
心にも。
浴びているのだ。
叫びだしたくもなるだろうと。

言い訳なんか必要ないぜと。
忖度なんか思いもしないぜと。
もっと、もっと。
いい気になってくれよ、いい気にさせてくれよと。
我が儘もいいたくなるのだ。

なにもかも。

日陰に。
いても。
眩むほど。
溶けるほど。
逃げ場などありはしない。

容赦ない。
暑さに。
我を忘れて。
墜ちてしまう。
その前に。

地下の。
片隅で。
震えるほど。
痺れるほど。
ご機嫌な空気の中に。

容赦ない。
熱さに。
我を忘れて。
達してしまおう。
どこまでも。

この社会の。
この世界の。
あれや。
これや。
そんなものに。

屈さない。
敗けられない。
だから。
こんな。
暑さなんか。

叫ばずに。
拳を突き上げずにいられない。
そんな。
熱さで。
ブッ飛ばしてしまおう。

なにもかも。

俺達の思いひとつなのさ。



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2017/07/16 Sun *歩く姿は・・・ / Judy Mowatt

20170716blackwoman


立てば。
芍薬。
座れば。
牡丹。
歩く姿は、百合の花。

何を。
していても。
どんな。
姿でも。
心、惹かれるのだけれど。

歩く・・・動いている。
その時の。
凛として。
しなやかな。
生命の香りが漂う様な。

そんな時の。
姿は。
仕草は。
何とも魅力的で。
目が離せなくなってしまう。

何かを。
引き受け。
何かに。
向かい。
真摯に歩みながら。

陽性の。
笑顔と。
明るさと。
それを忘れはしない。
その佇まいが、纏う香りが好きだ。

『Black Woman』'79年リリース。
ジュディ・モワットの2枚目となるソロ・アルバム。
ピーター・トッシュとバニー・ウェイラーを失ったウェイラーズ。
そんなボブ・マーリーの窮地を救ったのがアイ・スリーズで。
マーシャ・グリフィス、リタ・マーリー、そしてジュディの3人組で。
その力強く、温かく、優しい。そんなコーラスがマーリーを支えていました。
マーシャや、リタはアイ・スリーズ参加前に既にソロ・アルバムをリリースしていて。
それなりにキャリアを重ねていたのに対して。ジュディはアイ・スリーズがデビューかな。
ソロ活動を始めたのも同時期で。このアルバムのリリース時にはボブは未だ存命だったと。
アイ・スリーズの中でも。最も若く、最も美しく。そして聡明だったと言われるジュディ。
ボブの影響もあったのでしょうが。人種間の問題や、女性の権利の問題にも関心が高く。
「Black Woman」はその歴史を知って衝撃を受けたと言うアフリカ系米国人奴隷の問題。
それを、深い慈愛と共に静かに、しかし鋭く告発し問題提起する歌となっています。
人種、性別、その他あらゆる謂れのないものによる格差や抑圧に毅然と立ち向かう。
そこにはやはりボブの姿が重なり。ボブのナンバーのカバーもあれば。
「Joseph」と言う、ボブに捧げられたジュディによるオリジナルも収録されています。
ジュディは自らプロデュースも手掛けていて。そこに歌声同様の凛とした意思を感じます。
そんなジュディをサポートしているのが公私に渡るパートナー、フレディ・マクレガーで。
楽曲の提供から、各種楽器の演奏と。それこそ八面六臂の活躍をみせています。
ただ。レコード会社の意向なのか。全体にややライトでコンテンポラリーな仕上がりで。
このジャケットも、ブラック・コンテンポラリーのスターに仕立て上げようみたいな。
そんな路線に乗せられることを拒否して。更に力強く自らの道を行くことになるジュディ。
その姿は更に、美しく、強く、温かく、優しく凛として。好きにならずにいられないのです。

立てば。
芍薬。
座れば。
牡丹。
歩く姿は、百合の花。

何を。
していても。
どんな。
姿でも。
心、震えるのだけれど。

歩く・・・振る舞っている。
その時の。
強く。
優しい。
生命の香りが漂う様な。

そんな時の。
姿も。
仕草も。
何とも美しくて。
目を奪われたままになってしまう。

何かを。
決めて。
何かに。
臨み。
真摯に闘いながら。

揺れる。
笑顔と。
明るさと。
それが消えることは無い。
その佇まいが、漂う香りが好きだ。

いたずらに。
声高にならず。
いたずらに。
主張もせず。
それなのに。

その。
存在。
その。
生命力。
その、強さ。

そこから。
生まれる。
温かさ。
優しさ。
そして、美しさ。

そこに。
咲いているだけ。
そこに。
いるだけ。
それだけで。

その。
凛とした。
身と心の。
美しい、
佇まい。

歩き。
動き。
振る舞う。
その度に。
仄かに香る。

目が離せない。
目を奪われたまま。
心、惹かれて。
心、震えて。
その香りを思っている。

その存在が、愛しくて堪らない。



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2017/07/15 Sat *一番大事なもの、大切なもの / Black Uhuru

20170715blacksoundsoffreedom


だって。
一番大事なもの。
それは。
自由、自由。
それ以外に何がある。

だから。
何者にも。
邪魔などさせない。
何事にも。
阻ませなどしない。

別に。
例えば。
形式とか。
ただの手順とか。
そんなものは。

どうにでも。
なるものは。
本質には。
関わらないものは。
好きにすればいい、譲りましょう。

でも。
思いとか。
志しとか。
本質のところは。
好きにはさせない、譲りはしない。

だって。
一番大切なもの。
それは。
己が、己であること。
それ以外に何がある。

『Black Sounds Of Freedom』'81年リリース。
ブラック・ウフルーの代表作の一枚とも呼べるアルバム。
元々は『Love Crisis』として'77年にリリースされた1stアルバムを。
世界進出に向けて新たにリミックスして一部選曲も変えたアルバムとなります。
ブラック・ウフルーが結成されたのは'74年と存外に古くて。
その頃、廃れかかっていたハーモニー・シンギングに拘って活動を続けていたと。
ウフルーと言うのはスワヒリ語で自由を意味するそうなので。
バンド名に、その何があっても自分達の思いを貫こうとする強い意志を感じるかな。
『Love Crisis』は非常にレアなアルバムなので。聴いたことがなくて。
このアルバムでのリミックスがどれほど効果的だったのかはわからないのですが。
あのスライ&ロビーが弾き出す、強靭でかつ柔軟なレゲエ・ビート。
それに乗って、心地よく、優しく、そして真っ直ぐに届いてくるハーモニー。
そのわかりやすさ、伝わる力の強さ。そこにリミックスの力もあるのだろうなと。
ハーモニーへの拘り、そして自由への希求を歌う。その本質は見失うことはなく。
されど。より広い世界へ打って出る為の挑戦は躊躇せず。装いの変化も受け入れる。
このしなやかな強さ。それこそがブラック・ウフルーの最大の武器であり、魅力であり。
それが、ローリング・ストーンズにも評価されツアーに帯同することになったと。
そして、したたかにその機を逃すことなく打って出た。その姿勢がね、好きなのです。
ストーンズのオープニング・アクトを務めたこと。ロック・ファンにも支持されたこと。
それをもってして。ブラック・ウフルーは変質したと。レゲエとは呼べないと。
そんな評価をする人達も少なからず存在した様でが。なんなのだろうなと。
どうでもいいことと、そうじゃないこと。その違いがわからない、わかろうともしない。
それって。自らの可能性や、自由を。自ら放棄しているのと同じだと思うのですけどね。

だって。
一番大切なもの。
それは。
自由、自由。
それ以外には何もいらない。

それを。
邪魔しようとするなら。
何者でも容赦はしない。
阻もうとするなら。
何事でも乗り越えてみせる。

別に。
例えば。
名目とか。
ただの外形とか。
そんなものは。

どうでも。
いいものは。
本質には。
関わらないものは。
好きにしてくれればいい、拘りません。

でも。
願いとか。
誇りとか。
本質のところは。
口出しもさせない、崩しはしない。

だって。
一番大事なもの。
それは。
己が、己でい続けること。
それ以外に何がある。

一番。
大事なもの。
大切なもの。
それさえ。
忘れなければ。

後は。
どうにでもなる。
どうでもいい。
別に。
凝り固まる必要もない。

一番。
大切なもの。
大事なもの。
それが。
伝えられるのであれば。

別に。
形式とか。
名目とか。
別に。
拘る必要もない。

強く。
優しく。
強靭に。
柔軟に。
やるだけのこと。

選ぶのは。
決めるのは。
何者でもない。
何事でもない。
他の誰でもない。

一番。
大事なもの。
大切なもの。
それは。
自分を縛り過ぎないことかもね。



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2017/07/13 Thu *どっちもどっち / Junior Murvin

20170713policeandthieves


どいつも。
こいつも。
どっちも。
どっち。
そうなのだから。

些細なことで。
下らないことで。
いがみ合うとか。
争うとか。
やめたらどうだ。

出し抜こうとか。
足を引っ張ろうとか。
そんな事に。
労力を使うなよ。
時間も使うなよ。

隣の芝生なんて。
見ても仕方がない。
自分を誰かと。
比べても意味がない。
所詮、似たり寄ったり。

誰だって。
腹が立つ時もあれば。
魔がさす時もある。
いちいち目くじらをたてるなよ。
あんたにだってあるだろう。

絶対的な、悪もなければ。
絶対的な、善もありはしないのさ。
どっちもどっち。
どいつも、こいつも.
意味のない争いなど止めてしまえ。

『Police & Thieves』'77年リリース。
ジュニア・マーヴィンの、リー・ペリー制作下での初めてのアルバム。
個性的なファルセットを駆使した歌声が何とも魅力的なマーヴィン。
秀逸なレヴォリューション・ソングで代表作である「Police & Thieves」の素晴らしさ。
クラッシュがカバーしたことで世界的にも知られることになり。
更にはレゲエとパンクの接近、融合を促進したとも言われる「Police & Thieves」です。
権力と、それに抵抗している様で実はただ己の欲望を満たそうとしているだけの輩。
そんなどっちもどっちの奴等が、この社会を、この世界を壊しちまうのだと。
そんな強烈なメッセージを、ファルセットに乗せて軽やかに歌ってしまうマーヴィン。
その軽やかさが、風を巻き起こし、風となって世界中に伝えられたのです。
他のナンバーも含めて、その粒ぞろいな事と、それを引き立てる絶妙なサウンド。
そして奇を衒わずに。真正面から、穏やかに歌いかけるマーヴィン。
この見事なバランスにより、その歌声も、そしてメッセージもストレートに伝わってくる。
ここらはリー・ペリーの手腕によるところも大きかったのだろうなと思います。
レゲエの範疇を越えて、総ての圧力や暴力に屈しない人々のアンセムとなった。
そんな「Police & Thieves」を作り、歌い、世に届けたマーヴィン。その功績の大きさ。
それだけでなく。時を同じくしてボブ・マーレイ&ウェイラーズにも参加して。
後期のウェイラーズをギタリストとしても支えていくのですからね。凄いなと。
遡れば早くから渡英して。キーフ・ハートリー・バンドに新風を吹き込んだりもしていて。
その軽やかな歌声同様に、マーヴィン自身のフットワークも軽やかだったのだなと。
こんな重苦しい時代だからこそ。尚更にその軽やかさに惹かれ、そして後に続きたいと思ったりするのです。

あいつも。
あんたも。
どっちも。
どっち。
そうなのだから。

些末なことで。
どうでもいいことで。
こそこそと。
騙し合いとか。
やめたらどうだ。

蹴落とそうとか。
先回りして嵌めようとか。
そんな事に。
どれだけの労力を。
どれだけの時間を。

絵に描いた餅なんて。
食べられる筈もない。
必要以上に。
欲張っても意味がない。
所詮、似た者同士。

誰だって。
優しい気持ちになる時もあれば。
愛が零れる時もある。
いちいち勘ぐるなよ。
あんたにだってあるだろう。

絶対的な、真もなければ。
絶対的な、偽もありはしないのさ。
どっちもどっち。
どいつも、こいつも.
意味のない争いなど止めてしまえ。

誰かが。
より多くを得れば。
誰かの。
取り分は少なくなる。
そうかもしれない。

でも。
多いからって。
総てを消化できるのか。
少ないからって。
満たされないのか。

でも。
その結果は。
その位置は。
いつまでも同じだとは。
限らない。

そんなもの。
そんなところ。
些細なこと。
些末なこと。
そんなものに囚われるなよ。

隣の芝生の。
その青さは。
あんたの庭の。
芝生には。
似合わないかもしれないぜ。

絵に描きたい。
餅は。
あんたと。
誰かでは。
そもそも異なるかもしれないぜ。

なんにしろ。
どいつも。
こいつも。
どっちもどっち。
そんなものだから。

下らないことで。
どうでもいいことで。
争うとかやめたらどうだ。
本当の敵は他にいる。
本当の夢は他にあるのさ。



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2017/07/12 Wed *向き合って、面と向かって / The Kinks

20170712facetofacemono


何かを読んでも。
何かを見ても。
誰かから聞いても。
どう手を尽くしても。
そこには限界がある。

本であろうが。
ネットであろうが。
メールであろうが。
あるいは。
電話であろうが。

何かが。
挟まっている。
間にある。
その存在が。
曇らせるものがある。

だから。
面倒でも。
手間はかかっても。
最後は。
向き合うしかない。

向き合って。
面と向かって。
対峙して。
聞かない事には。
見てみない事には。

信じてはいけない。
鵜呑みにしてはいけない。
皮算用してはいけない。
そいつだけは。
変わらないのだ。

『Face To Face』'66年リリース。
そのジャケットも不思議な印象を残すキンクスのアルバム。
この4枚目のアルバムから、いよいよレイ・デイヴィスのあの個性。
奇妙にねじれて、多分にひねくれて。でも愛情に溢れたあの世界が前面にと。
何か直接的なきっかけがあったのか。何から影響を受けたのか。定かではないものの。
ストレートなロックンロール、ブリティッシュ・ビートなナンバーが減って。
フォーク、トラッドを思わせるナンバーや。サイケデリックを思わせるナンバーとか。
ジャケットに描かれている如く。急に多彩になり、幅を広げ始めたなと感じます。
思えば。ここら辺りからレイとデイヴ・デイヴィスの確執も始まっているのかな。
電話のベルや雷の音がSEとして挿入されているナンバーもあるのですが。
実は商業的成功を手にして。初めて録音期間を数か月与えられたアルバムだったとかで。
ここぞとばかりに。レイとしてはアルバム一枚まるまるコンセプト・アルバムにしようと。
その着想、構想に夢中になって。本来は総ての曲間に何らかのSEが入る予定だったとも。
ところが。先行シングル「Sunny Afternoon」がヒットして。レコード会社は方向転換。
「Sunny Afternoon」が売れている間に何としてもアルバムもリリースしようと。
話が違うと抗議するレイの意向を無視して。アルバムの制作を急がせて完成させたと。
レイの志し、試みは半ばで挫折させられて。言わば未完の形で世に出てしまったのですね。
それを恨みに思ってではないでしょうが。結構サウンドは粗くて。デモみたいなものも。
まぁ、その粗さがレイの描く物語にリアリティを与えているのが皮肉な効果かなと。
様々な曲調、でもどのナンバーにも少しひねくれたキャッチーで、ポップなメロディがある。
そんなキンクスの骨格もよくわかるのです。「Sunny Afternoon」なんて最たるものかな。
このアルバムも、またキンクス・ファンにとっては堪らなく愛しい一枚なのですね。
それにしても。レイもねぇ、レコード会社と向き合って、対峙して話してれば・・・結果は同じだったかもですが。

何かを読んだだけでは。
何かを見ただけでは。
誰かから聞いただけでは。
どう頭を働かせても。
そいつは限界というもので。

どんな本でも。
どんなネットでも。
どんなメールでも。
あるいは。
電話でどれだけ話しても。

総てが。
あるわけでも。
正しいわけでもない。
その存在が。
眩ませるものもある。

だから。
面倒だろうが。
手間がかかろうが。
最後は。
向き合ってみる。

向き合って。
面と向かって。
対峙して。
開かせない事には。
語らせない事には。

信じられるものではない。
鵜呑みになどできるものではない。
皮算用などしてはならない。
そいつだけは。
確かなことなのだ。

予習は。
必要。
予備知識も。
必要。
手を尽くして。

頭を働かせて。
考察して。
予測して。
結果に対して。
推論を立てて。
でも。
それは。
あくまでも。
仮定の話。
事実はそこにはない。

本を捨て。
メールも捨て。
ネットから離れ。
電話も切って。
立ち上がり。

相手の下へ。
ノックして。
扉を開けて。
会釈して。
握手して。

向き合って。
面と向かって。
対峙して。
そこで感じられるもの。
そこにあるもの。

それこそが。
事実。
それこそが。
結論。
結果。

だから。
面倒でも。
手間はかかっても。
向き合って。
面と向かって。

茹だる様な夏の午後でもね。



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2017/07/11 Tue *引っ掻き傷の・・・ / The Rolling Stones

20170711crackinup


めちゃめちゃだ。
壊れそうだ。
でも。
泣くだけ泣いたら。
笑い飛ばしてやろう。

また。
はみ出して。
また。
叩かれて。
はじき出されて。

もう。
何度目かは。
わからないけど。
今度は。
かなりのものだぜと。

この。
社会を。
世界を。
崩そうとしやがる。
壊そうとしやがる。

その。
強烈で。
理不尽な。
悪意には。
唖然とするけれど。

まったく。
参りそうになるけれど。
諦める前に。
黙り込む前に。
引っ掻き傷の一つや二つ。

『Crackin’ Up』'86年リリース。
BBC音源から編集されたローリング・ストーンズの海賊盤。
手を変え、品を変えリリースされているストーンズのBBC音源なので。
殊更にこのアルバムならではなんて音源、目玉はないと思われますが。
このジャケット。英国以外の。例えばオランダとか当時の西ドイツとか。
その辺りで独自にリリースされた編集盤だと言われれば信じてしまいそうな。
そんなセンス、遊び心がいいかなと。裏ジャケも如何にもで。いいのですよね。
音質や音量にばらつきがあるのは。まぁ、それも海賊盤の醍醐味と言うことで。
全部で19曲が収録されていて。総てがラジオやテレビに出演時の音源ですが。
何でも。当時の英国では出演時に所謂口パクが許されてなかったらしく。
その為に、出演の為に演奏し録音されていたのですよね。故に貴重な音源が残っていて。
オフィシャルでリリースされているナンバーも。異なるフレーズとかの発見があるし。
何と言っても「Crackin' Up」「Hi-Heel Sneakers」「Don't Lie To Me」とか。
オフィシャルではリリースされていないナンバーが聴けるのが楽しみなのですよね。
このアルバムに収められているのは'63年~'65年頃の音源になるのかな。
初期の勢いのある、勢いに任せたストーンズの生々しい様が堪りません。
ビートルズのBBC音源がオフィシャルでリリースされて。以来ブームもあったりして。
数多のBBC音源がオフィシャルになっているのに。ストーンズにはその兆しも無くて。
ここ数年。ライヴ音源のアーカイブ化には熱心なミック社長も触手が動かないのかなと。
不思議なのですけどね。商売になるのは火を見るより明らかなのですけどね。
アレン・クラインとの権利関係はクリアになったと思うのですが。他に障害があるのかな。
何にしろ。それまでのシーンに一石を投じた、傷をつけて、ひび割れを生じさせた。
そんな生々しく、猛々しいストーンズに。アルバムタイトル通りに参らされて、そして奮い立たせられるのです。

むちゃくちゃだ。
崩壊寸前だ。
でも。
溢れる涙は。
笑いに変えてやろう。

また。
出すぎて。
また。
潰されて。
引き摺り下ろされて。

もう。
何度目かも。
覚えてもいないけど。
今度は。
それなりのものだぜと。

この。
社会が。
世界が。
崩れようとしている。
壊れようとしている。

その。
愚鈍で。
無自覚な。
従順さには。
辟易とするけれど。

まったく。
参ったほうが楽なのかと。
投げ出す前に。
座り込む前に。
引っ掻き傷の一つや二つ。

あぁ。
もう。
敵わないよと。
諦めて。
投げ出して。

あぁ。
もう。
勝手にしろよと。
黙り込む。
座り込む。

唖然とする。
強烈で。
理不尽な。
悪意が支配する。
そんなもの。

辟易とする。
愚鈍で。
無自覚な。
従順さが蔓延する。
そんなところ。

ひっくり返って。
壊れるにまかせて。
涙を流して。
笑うしか無くて。
ここまでかと。

そうして。
参ってしまえば。
思う壺。
参らされてしまえば。
楽なのだろう。

そいつは。
どうにも。
こうにも。
面白くない。
腹に落ちない。

だから。
どこまでも。
一石投げて。
ひびが入るまで。
引っ掻き傷の一つや二つ、三つや四つ・・・

参ったしたら、そこで終わりだからな。



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2017/07/10 Mon *夜が来る / Them

20170710themusorg


さぁ。
夜が来る。
血がざわめく。
その時間が。
やって来る。

陽が落ち。
帳が下り。
空が。
街が。
色を変えていく。

ここからが。
今からが。
己の時間。
漸くと。
目が覚めて。

身震いひとつ。
這い出して。
舌なめずりひとつ。
這い回って。
そろそろと。

今夜は。
何を。
狙おうか。
決めようか。
仕留めてみせようか。

夜の。
闇の。
血の。
匂いが。
五感を刺激する。

『Them』'65年リリース。
副題にある様に「Here Comes The Night」をフューチャーした。
ゼムの米国における1stアルバムです。
「Gloria」も収録されていて。その2曲が目玉だったのでしょうか。
特に「Here Comes The Night」は英国ではオリジナル・アルバム未収録で。
シングル・ナンバーを臆面もなくA面頭にもってくる選曲。
そしてこの趣味のいいのだか、わるいのだかのジャケットが米国らしいなと。
当時の制約通りに全12曲と。英国盤より曲数が少ないのも特徴です。
さて。ヴァン・モリソンを擁したゼムです。ヴァンがいてこそのゼムです。
現にヴァン以外のメンバーは流動的で。スタジオ・ミュージシャンも参加してと。
(あのジミー・ペイジがギターを弾いているナンバーもあるのだとか)
結局は、ヴァンの才能が傑出していたが為に。その歌声を聴かせる為のユニットと。
そうならざるを得なかったのでしょうが。まぁ、致し方なかったかなと。
このアルバムでも。針を落とした瞬間、ヴァンの歌声が聴こえてきた瞬間、その瞬間に。
勝負ありで。胸倉掴まれて、胸を揺すぶられて。そのまま惹き込まれてしまうのです。
未だ若いヴァンの歌声。後の深みや、味わい。有無をも言わせぬ説得力はないものの。
その熱さ、激しさ。そのソウルフルな歌声は。既に聴く者を魅了して止まないものだと。
これだけの歌声、そんなヴォーカリストがいれば。それは主役になるよなと。
決してバンドの体を成していないとは言えなくて。そのサウンドも熱いのですが。
あまりにもヴァンの熱量、それが突出しているのも紛れもない事実なのですよね。
寒いアイルランドから出てきた、飛び切り熱い魂の歌声。その熱さは。
真夏の熱帯夜を思わせて。更にはあまりの熱風でかえって涼しく感じてしまう様な。そんな歌声なのです。

また。
夜が来る。
血が蠢く。
その時間が。
またやって来る。

陽が消え。
闇が支配し。
空が。
街が。
色を失っていく。

これからが。
それからが。
己の時間。
漸くと。
体も覚めて。

身震いしながら
吐く息も荒く。
唸り声ひとつ。
うろつき回って。
ぞろぞろと。

今夜は。
誰を。
狙うのか。
決めるのか。
仕留めてみせるのか。

夜の。
闇の。
血の。
ざわめきが。
六感をも刺激する。

さぁ。
また。
夜が来る。
血がざわめく。
血が蠢く。

その時間が。
やって来る。
その時間が。
また。
やって来る。

陽が落ちる。
帳が下りる。
陽が消え。
闇が支配する。
その時間。

空が。
街が。
色を変え。
色を失う。
その時間。

漸くと。
目覚めて。
這い出し。
這い回り。
うろつき回り。

身震い。
舌なめずり。
吐く息も荒く。
唸り声ひとつ。
蠢動する。

何を。
誰を。
狙うのか。
決めるのか。
仕留めるのか。

夜の。
闇の。
血の。
匂いが。
五感を、六感をも刺激する。

夜が来る。


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2017/07/09 Sun *一人十色 / Originalsoundtrack

20170709quadropheniaostrsd


十人十色。
それならば。
不思議も無いが。
一人十色。
そこまではいかないが。

何色も。
様々な色が。
胸の内で。
浮かび上がり。
流れ出す。

揺れて。
乱れて。
せめぎ合い。
滲んで。
混じって。

その。
具合が。
塩梅が。
波紋となって。
胸の内で広がり始める。

どの。
色が。
どのくらい。
叫んでいるのか。
呼んでいるのか。

そいつが。
今日の顔を。
今日の心を。
今日の色を。
日替わりの様に変えていく。

『Quadrophenia』'79年リリース。
同名映画の2枚組サウンドトラック・アルバム。
邦題は『さらば青春の光』・・・まぁ、それは置いておくとして。
モッズをテーマにしながら、普遍的な若者の葛藤と苦悩を描いている・・・
言葉にすると陳腐になると言うか、表現する術を持ち合わせていないと言うか。
兎に角。モッズが好きなら必見、そうでなくても必見。そう。
どうしようもない怒りとか、わけのわからない焦燥とか、急き立てられる思いとか。
言い様の無い抑圧感とか、どうにもならない息苦しさとか、拭いきれない恐怖とか。
そして。それでも震える両膝に力を込めて立ち上がり、拳を握りしめて立ち向かう姿。
そんなものが、ものの見事に捉えられている、描かれている映画なのです。
映画の基になっているのが、フーの2枚組アルバム『Quadrophenia』邦題『四重人格』で。
そこに描かれていたピート・タウンゼントの内面を映したとも言われる世界であり。
そしてそれをそれぞれに投影された4人のメンバーによるサウンドだったりします。
このアルバムに収められている原典『Quadrophenia』、『四重人格』からのナンバーは。
ジョン・エントウイッスルによりリミックスされ、ベースは再録音されたナンバーもあり。
更には新曲も3曲収録されていて。それらにより新鮮さと迫力が増しているかな。
(残念ながら、3曲の内キース・ムーンは1曲しか参加できなかったみたいですが)
フーの前身であるハイ・ナンバーズとしてのナンバーも1曲収録されていて。
更には4面にはジェイムス・ブラウンやらブッカー・T&MGズやらと。
モッズが聴いたり、踊ったりしていたと思われるナンバーも収録されていて。
映画が描いた時代の空気、匂い。そんなものを音だけで見事に再現するアルバムで。
あのラスト・シーン、そこで示唆されている様に。物語は今も続いていて。
それぞれがそれぞれの物語を生きている。そのサウンドトラックともなっているのです。

十人十色。
それならば。
戸惑いもしないが。
一人十色。
そいつはなかなかに。

何色も。
様々な色が。
胸の奥で。
生まれては。
動き出す。

上がって。
下って。
競い合い。
侵して。
交わって。

その。
度合が。
加減が。
濁流となって。
胸の内で渦を巻き始める。

どの。
色が。
どのくらい。
求めているのか。
欲しているのか。

そいつが。
今日の顔に。
今日の心に。
今日の色に。
日替わりの様に表れてくる。

怒り。
焦り。
そいつが。
色を成して。
迫りくる。

恐れ。
諦め。
そいつが。
色を失い。
消えようとする。

せめぎ合い。
競い合い。
波紋となり。
濁流となり。
混沌と。

それでも。
立ち向かおうと。
絶ち続けようと。
そんな色が。
蒼白く染め上げる。

様々な色が。
胸の奥で。
生まれては。
胸の内で。
浮かび上がり。

どの色が。
そう、どの人格が。
どのくらい。
叫んでいるのか。呼んでいるのか。
求めているのか。欲しているのか。

十人十色。
ならぬ。
一人十色。
そんなもので。
日々、生々流転と定まらない。



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2017/07/05 Wed *粒揃い / Small Faces

20170705greatesthitstheimmediateyea


粒は。
悪くない。
大きさも。
輝きも。
揃っている。

研き様も。
あれば。
磨き甲斐も。
ある。
なんだけど。

どうにも。
いま一つ。
活かしきれていない。
輝かせられていない。
そんなもどかしさ。

活かす機会を。
輝ける場を。
何とかして。
与えて。
広げていきたい。

その。
思いを。
抱いてはいても。
形にならない。
そんなもどかしさ。

粒を。
素材を。
その魅力を。
最大限に引き出す。
それが使命だからこそ。

『Greatest Hits The Immediate Years 1967-1969』'14年リリース。
CDボックスの一部としては以前からリリースされていたらしい音源の中から。
タイトル通りにイミディエイト時代のシングル盤としてリリースされた17曲を選んで。
総てシングル盤用のモノラル・マスターで収録したスモール・フェイセスの編集アルバム。
スモール・フェイセスの編集アルバムも星の数ほどあって。粗製乱造気味なのですが。
このアルバムは、そのマスターへの拘り具合と素晴らしい音質もあって。
ここ数年のスモール・フェイセスの編集アルバムの中では最も優れた一枚かなと思います。
ザ・フーと共にモッズを代表するバンドだったスモール・フェイセスです。
デビュー当初はデッカと契約して。順調にヒットを連発するも契約関係で揉めてしまい。
アルバム2枚(実質的には1枚半?)でデッカを飛びだして移籍先を探すこととなり。
縁あって。あのアンドリュー・ルーグ・オールダムのイミディエイトと契約して。
従来のモッズ・バンドらしい、ビート感とソウルフルな味わいは残しつつ。
急速に音楽性の幅を広げて。サイケデリックな側面も見せたりしつつその勢いは持続して。
「Here Comes The Nice」「Itchycoo Park」「Tin Soldier」「Lazy Sunday」とヒット曲を連発。
なりは小柄ながらも、顔役を意味するフェイスを名乗るだけのことはあるのだと。
スティーヴ・マリオット、ロニー・レーン、イアン・マクレガン、ケニー・ジョーンズと。
山椒は小粒でじゃありませんが。その粒揃いの才能を輝かせてみせたのでした。
ただ惜しむらくは。イミディエイトが所謂インディー・レーベルだったこともあってか。
米国ではまったくと言っていいほどに評価されなかったと。そこが勿体なかったかなと。
まぁ、あまりにも英国的な香りが濃厚だったってことも影響しているとは思いますが。
恐らくはその不満もあって、マリオットが脱退して、解散、フェイセスとして再編されてと。
その辺りに。どうにも、もどかしさと言うか。もっと輝けたのではとの思いが残るかな。
結局それは、フェイセスに関しても感じてしまうことではあるのですけれどね。

大きさも。
輝きも。
期待を抱かせる。
粒が。
揃っている。

研き様に。
よっては。
大化けしそうで。
磨き甲斐も。
あるのだけれど。

活かしどころが。
輝かせどころが。
いま一つ。
出てきそうで出てこない。
そんなもどかしさ。

活かす機会を。
輝ける場を。
何としてでも。
設けて。
高めていきたい。

その。
思いは。
皆、感じているのに。
旨くはいかない。
そんなもどかしさ。

粒を。
素材を。
その能力を。
最高の成果に結びつける。
それが使命だからこそ。

今のまま。
そのまま。
それでも。
悪くはない。
そうなのだが。

今のまま。
そのまま。
それでは。
勿体ないと。
思われて。

今のまま。
そのまま。
そこで充足するのは。
違うのではないかと。
惜しまれて。

今のまま。
そのまま。
そのことに。
慣れてしまうのが。
恐ろしくて。

研きたい。
そう。
思わせられたなら。
そう。
思うなら。

何とかして。
今よりも。
活かしたい。
輝かせたい。
それは譲れない。

粒は。
悪くない。
大きさも。
輝きも。
揃っているからこそ。



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2017/07/04 Tue *陽気で、猥雑で、意味深な / Koko Taylor

30170704kokotaylor


朝も。
昼も。
夜も。
のべつまくなし。
やる気がしない。

こう。
暑くちゃ。
こう。
蒸しちゃ。
否、そうでなくても。

気だるくて。
眠気が醒めなくて。
それこそ。
一日中でも。
ゴロゴロしていたい。

ゴロゴロと。
ダラダラと。
半分、夢の中。
半分だけ目覚めて。
時間だけが過ぎていく。

欲しいものも。
したいことも。
やりたいことも。
無くもないのだが。
どうにも、こうにも。

その気にさせてくれる。
目覚めさせてくれる。
火をつけてくれる。
そんなものを探して。
夢うつつで彷徨っている。

『Koko Taylor』'69年リリース。
クイーン・オブ・ブルース、ココ・テイラー。
その記念すべき初めてとなるチェスからのアルバム。
ウィリー・ディクソンに見初められてチェスと契約したココ。
陽気で、猥雑で。そして意味深な、「Wang Dang Doodle」を与えられ。
楽しくて、そしていけない大騒ぎのパーティーの様子を艶やかに豪快に歌って大ヒット。
一躍、チェスの、そしてシカゴ・ブルースの人気者の一人となりました。
その後もコンスタントに活動するものの。例によってチェスはなかなかアルバムを作らず。
「Wang Dang Doodle」のヒットから三年経って漸く、このアルバムと。
このアルバムの為に新たに録音されたナンバーも数曲あるみたいですが。
「Wang Dang Doodle」を始めとして既にシングルとしてリリースされたナンバーが中心で。
言わば、ベスト・アルバム的な性格も帯びていて。豪快なココの歌声が堪能できます。
またウィリーを始めとして。バディ・ガイ、マット・マーフィー、ウォルター・ホートンと。
腕利きのメンバーがバック・アップしていて。’60年代中期~後期の。
ソウルにも接近していた時代のチェスのシカゴ・ブルース・サウンドも楽しめます。
ウィリーは余程ココに熱を上げていたとみえて。その歌声まで披露していてくれます。
シカゴ・ブルースを代表する女性ヴォーカリスとにはビッグ・ママ・ソーントンがいますが。
世代の違いもあるか。ド迫力ながらも、可愛らしさも漂うところがココの魅力でしょうか。
また、ソウルの匂いを振りまきながらもあくまでもブルージーなところ。
そこが、ソウルを歌わせたら限りなくソウルフルになるエタ・ジェイムスとの違いかなと。
何にしろ。この本人に似ても似つかぬジャケットは、やり過ぎではありますが。
一晩中、夜通しでも一緒に騒いでいたくなる、そんな艶っぽい可愛らしさがココの歌声にはあるのです。

朝も。
昼も。
夜も。
のんべんだらりと。
やる気にならない。

そう。
暑さのせいも。
そう。
蒸しているせいも。
勿論、ありはするけれど。

気も萎えて。
生気が呼び起こされず。
それこそ。
一日中でも。
グダグダしていたい。

グダグダと。
デレデレと。
半分、死んだ様に。
半分だけで生き長らえて。
時間だけを費やしていく。

欲しいものも。
したいことも。
やりたいことも。
あるにはあるのだが。
どうしても、こうしても。

その気になれる。
目が覚める。
火が燃え上がる。
そんなものを探して。
半死半生で彷徨っている。

そうだ。
こんな。
朝には。
昼には。
夜には。

兎にも角にも。
浮き立たせてくれる。
浮足立させてくれる。
そんな声が必要だ。
そんな誘いが必要だ。

さぁ。
目を覚まして。
心に火をつけて。
体にも火をつけて。
出ておいでと。

さぁ。
生気を呼び起こして。
精器を呼び覚まして。
全身に漲らせて。
出ておいでと。

艶やかで。
婀娜で。
大騒ぎな。
夜を。
一緒に過ごそうと。

そんな。
逆らえない。
豪快で。可愛らしい。
声を。誘いを。
待っている。

陽気で。
猥雑で。
意味深な。
声を。誘いを。
待っている。



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2017/07/03 Mon *愉快指数 / Clifton Chenier

20170703thekingofzydeco_2


暑いし。
蒸すし。
月曜日だし。
もう。
不快指数が上がりっ放し。

こんな日は。
こんな夜は。
何も考えず。
ただただ。
楽しくなる様に。

買い出しをして。
台所に立って。
包丁を片手に。
リズムをとる様に。
刻みながら。

鍋に。
お湯を沸かして。
煮込んで。
油をひいて。
焼いて。

器を。
取り出して。
盛り付けて。
食卓に。
並べる頃には。

鼻歌のひとつも。
口ずさんで。
さぁ。
飲んで。食べて。笑って。
愉快指数を上げてやろう。

『The King Of Zydeco』'81年リリース。
ザディコの王様、クリフトン・シェニエの二つ名を冠したアルバム。
そのキャリアに於いて数多くのライヴ・アルバムを残しているシェニエ。
このモントルーでのライヴ・アルバムはその中でも晩年の姿を捉えたアルバムかな。
どうも。'70年代後半からは体調を崩しがちだった模様で。
それまで精力的に行っていたライヴの回数も減っていたのだとか。
そう考えると。ジャケットのシェニエ。微笑んではいるもののやや疲れてはいるかなと。
確かに。その演奏も幾分テンポを落とした感じで。以前の火を吹く感じでは無いかなと。
でも。そこは王様ですからね。絶妙な味わい、ニュアンスに富んだ演奏で。
A面頭の「Jambalaya」が終わるころには客席から歓声が飛んでいます。
自らのアコーディオンに、ギター、ベース、ドラムス、そしてウォッシュ・ボードと。
ザディコを奏でる、楽しむ、楽しませる最小限の編成で。上々のステージを展開しています。
比較的小規模の会場での収録だったのか。ウォッシュ・ボードの音がよく聴こえるのですが。
その、チープ(失礼)でチャカチャカした音色が、何ともいい味を出していて。
饒舌なシェニエのアコーディオンに巧みに合の手を入れるかの如くで、楽しいのですよね。
元々。フランス系の移民の宴会、パーティーで踊る為の音楽から始まっているザディコです。
その魅力と言うか、求められるところを王様であるシェニエは知り尽くしているのですね。
楽しんでなんぼ、楽しませてなんぼ、躍らせてなんぼ。そんなザディコの本質。
そいつを心憎いまでに、美味しく料理して。さぁ、召し上がれと提供してくれるのです。
MCにフランス語が頻繁に混ざるところから。客席には同胞も多かったのか。
ステージが進むにつれて。どんどんと盛り上がって。愉快指数が上昇していきます。
王様は、その晩年も。聴く者の心をよくわかる、気さくな賢王であったのだと。嬉しくなるのです。

暑いし。
蒸すし。
月曜日だし。
もう。
不快指数が上がりっ放し。

こんな日は。
こんな夜は。
何も考えず。
ただただ。
楽しくなる様に。

買い出しをして。
台所に立って。
包丁を片手に。
リズムをとる様に。
刻みながら。

鍋に。
お湯を沸かして。
煮込んで。
油をひいて。
焼いて。

器を。
取り出して。
盛り付けて。
食卓に。
並べる頃には。

鼻歌のひとつも。
口ずさんで。
さぁ。
飲んで。食べて。笑って。
愉快指数を上げてやろう。

買って。
作って。
歌って。
盛って。
あぁ、愉快だなと。

飲んで。
食べて。
歌って。
笑って。
あぁ、愉快だなと。

気温は。
下げられない。
湿度も。
下げられない。
それがどうした。

暑くても。
蒸しても。
旨ければ。
美味しければ。
それでいい。

暑くても。
蒸しても。
楽しければ。
笑えれば。
それでいい。

だから。
何も。
考えず。
思わず。
惑わされず。

ただ。
ひたすらに。
歌う様に。
踊る様に。
愉快指数を上げてやろう!



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2017/07/02 Sun *見る前に / Snooks Eaglin

20170702outofnowhere


見る前に。
見える前に。
撃て。
とにかく。
撃ってしまえ。

ここが。
何処なのか。
なぜ。
此処なのか。
それはわからなくても。

それが。
いつなのか。
なぜ。
いまなのか。
それはわからなくても。

下手な。
考えなど。
いりはしない。
此処で。いま。
撃ってみるのだ。

何処にもない。
此処にもない。
でも。
だからこそ。
撃ってしまえば。

何処かから。
ひょっとしたら。
此処から。
何かが生まれるかもしれない。
だから。見る前に。

『Out Of Nowhere』'89年リリース。
スヌークス・イーグリンのブラック・トップでの2枚目のアルバム。
ニュー・オーリンズ出身の盲目のギタリスト、スヌークス・イーグリン。
僅か一歳で失明し、五歳の時にはギターを手にしていたと言われるスヌークス。
スヌークスと言うのは悪戯っ子との意味だそうで。陽気な子供だった模様です。
'50年代前半、十代の頃には既にプロとしての活動を始めていて。
様々なバンドに加入したり、様々なアーティストのバックを務めたり。
そして勿論、ソロとしても活動していて。一説ではレパートリーは1,000曲以上とも。
ブルース、ジャズ、そしてニュー・オーリンズ・R&B。そんな枠には収まらない。
幅広いレパートリーを自在に奏で、歌い。活動の場を広げていたと思われますが。
結構、気儘な性格でもあったらしく。なかなかレコーディングの機会には恵まれずに。
アルバムを意識してのレコーディングは、ブラック・トップと契約してからだったかなと。
そして、遂にその超絶的な技巧を思う存分に発揮して、評価も広まることとなったと。
このアルバムでも。その人間ジューク・ボックスとも言われた魅力が全開になっていて。
もろ、ニュー・オーリンズ・R&Bなナンバーもあれば。ジャズのスタンダードもあり。
更にはアイズレー・ブラザーズのカバーもあれば、インストもありで。
そのどれもが、実に生き生きと響いてくるのが堪らないなと。確かに超絶なのですが。
決して頭でっかちの、技巧に走るタイプではなくて。感じるままを奏でる感覚派かなと。
勿論、そこは高い技術があってこそ、なのでしょうが。気の向くまま、赴くまま。
それをギターで余すところなく表現することのできる、その煌めく様が実に見事です。
まるで。そうマシンガンを連射しているかの如くに次から次へ音が飛んいくのです。
歌はね、決して上手くはないのですが。レイ・チャールズを思わせる瞬間もあって。
どうにも温かく、優しく。そして悪戯っ子の面影があってね。また良いかなと。

見る前に。
見えてしまう前に。
撃て。
どうでも。
撃ってしまえ。

ここが。
何処であるのか
なぜ。
此処であるのか。
それはわからなくても。

それが。
いつくるのか。
なぜ。
いまこようとしているのか。
それはわからなくても。

下手に。
考えたところで。
変わりはしない。
此処で。いま。
撃ってみるのだ。

何処にもありはしない。
此処にもありはしない。
でも。
だったら。
撃ってしまえば。

何処かから。
ひょっとしたら。
此処から。
何かが始まるかもしれない。
だから。見る前に。

何処にもない。
此処にもない。
ないのなら。
生めばいい。
変えてしまえばいい。

何処でもない。
此処でもない。
ないのなら。
作ればいい。
変わってしまえばいい。

下手な。
考えとか。
計算とか。
絵図とか。
その前に。

ここが。
何処でも。
此処が。
何処でも。
とにかく。

いまが。
いつでも。
いつが。
いまでも。
とにかく。

撃ってしまえ。
撃ってみるのだ。
撃ってしまえば。
何かが生まれるかもしれない。
何かが始まるかもしれない。

だから。
見る前に。
見える前に。
見えてしまう前に。
撃て。撃ちまくれ。



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2017/07/01 Sat *先達 / Muddy Waters

20170701singsbigbill


先達。
そう。
余程のことで無い限り。
何事にも。
その道の先人がいる。

先に。
行ったから。
歩んだから。
それだけで。
偉いと言うものでも。

その。
生き方。
歩き方。
それが。
総てと言うのでも。

そんなものでは。
無いけれど。
その道を。
最初に歩き始めた。
歩いて切り拓いた。

その。
事実。
その。
一点.
そこに敬意を払いながら。

先達の。
背中を。
轍を。
追いながら。
自分なりの道を、歩き方を思う。

『Sings Big Bill』'60年リリース。
シカゴ・ブルースの先駆者、先達、ビッグ・ビル・ブルーンジー。
そのビッグ・ブルのナンバー、レパートリーを歌ったマディ・ウォーターズのアルバム。
ビッグ・ブルの死後に録音されているので、追悼企画として録音、リリースだったのか。
ジェイムス・コットン、オーティス・スパンも加わったバンド・スタイルで。
当時としては最先端のエレクトリック・シカゴ・ブルースとして聴かせてくれています。
第二次世界大戦前からシカゴで活躍していたビッグ・ブル。後進達の面倒も見ていた様で。
サニーランド・スリムの伝手でシカゴに出てきたマディも、そんな一人だったのでしょう。
公私に渡って、手本であり見本であったビッグ・ブルへの畏敬の念を感じたりもします。
ビッグ・ブルもエレキを手にしていたものの。ファンからはフォーク・ブルースを求められ。
結果、その評価と言うか、知られているスタイルはアコースティックなものだったりします。
そんなビッグ・ブルの無念?を晴らそうとの思いもマディにはあったのかもしれません。
それは、ちょっと感傷に過ぎるのかな。いずれにせよ真摯に丁寧に奏でられています。
どこをどう切っても。どこから聴いても。エレクトリック・シカゴ・ブルースでしかなくて。
マディ・ウォーターズ・バンドのアルバムとしても真っ当なアルバムになっているところ。
実は、そこにこそ。ビッグ・ブルのシカゴ・ブルースに対する功績の大きさの証があって。
下手な小細工をせずに。いつも通りに、真正面からやってみせたマディ。流石だなと。
ロバート・ジョンソンがいて、ビッグ・ブルがいて、そしてマディがいて。
そしてローリング・ストーンズや、エリック・クラプトンや、ジョニー・ウィンターへと。
そんな受け継がれていくもの、受け渡されていくもの。そんなものを感じてしまいます。
新しい音楽、新しく思える音楽。でもそこには先達の影が、脈々と流れているものがあると。
そんな影や、流れているものへの敬意や愛情は、決して忘れてはならないと思うのです。

先達。
そう。
余程の大凡のものには。
何事でも。
その筋の先人がいる。

先に。
見つけたから。
やったから。
それだけで。
偉いと言うものでも。

その。
見かた。
やりかた。
それが。
総てと言うのでも。

そんなものでは。
無いけれど。
そいつを。
最初に見つけて。
とにかくやってみた。

その。
事実。
その。
一点.
そこに憧憬を抱きながら。

先達の。
手元を。
技を。
盗みながら。
自分なり見かた、やり方を思う。

歩き続けて。
やり続けて。
ふと。
気づく時が。
ある。

あそこを。
歩いているのは。
あそこに。
いるのは。
誰なのだろうと。

この道を。
その先を。
歩いているのは。
いっているのは。
誰なのだろうと。

既に。
誰かが。
あるいていたのだと。
やっていたのだと。
気づかされ。

軽く。
失望しながらも。
その背中に。
その轍に。
勇気をも与えられ。

いつか。
追いつこうと。
追い抜こうと。
そして。
受け継いでいこうと。

先達。
その存在に。
敬意を払い、抱き。
己は己なりに。
歩んでいこうと思うのだ。



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2017/06/30 Fri *切り捨て御免 / Mickey Baker

20170630wildestguitar


切り捨て御免。

何を。
今更。
ごちゃごちゃ。
言っているのやら。
言わせているのやら。

既に。
決まったこと。
終わったこと。
それも。
筋を通した上でのこと。

それを。
後出しじゃんけんで。
なんやかやと。
そいつは。
ただの我儘でしょうが。

悪いが。
ごね得などは。
認めません。
させません。
ならないことも浮世にはあるもので。

あまりにも。
仁義を欠く様な。
道を外れる様な。
真似をしでかそうと言うのなら。
問答無用で。

切り捨て御免。

『Wildest Guitar』'59年リリース。
ミッキー・ベイカーの全編インストによるアルバム。
この見つめていると右手が動きそうなジャケットが何とも素晴らしいなと。
そもそもはジャズの人で。ピー・ウィー・クレイトンに影響されてブルースに転向。
でもジャンルには囚われずに。様々なセッションで名を馳せて。
ミッキー&シルヴィアなるデュオでR&Bの分野でヒット曲もある多彩なミッキー。
その柔軟性と、凄腕が評価され、そして重宝されたのだろうなと。
さて。このアルバムがどの様な経緯で企画され、実現に至ったのかはわからないのですが。
A面頭がいきなり「Third Man Theme」で驚かされるのですが。
それ以外にも「Night And Day」とか「Autumn Leaves」とかまで演奏していて。
この辺りの選曲からするとレコード会社主導の安易なイージー・リスニング企画課とか。
しかしながら。漸くピンで主役の座を得て張り切っているミッキーのギターが素晴らしく。
ジャンルとか、企画意図とか。そんなものは問答無用の鋭く、切れ味のいいサウンドで。
それこそ、切り捨て御免とばかりに片端から切り倒し、切りまくっている様で痛快です。
とても安易に聞き流せない、ギラギラとして、豪快でもあり。何ともカッコいいギター。
奏でられるリフや、フレーズがまた決まりまくっていて。堪らないのですよね。
恐らく時代的にはヴェンチャーズよりも前ですからね。何と革新的だったことかと。
う~ん、一人デンデケデケデケ、と言ったところで。しかもブルージーでジャージーでと。
いやぁ、こんなギターが弾けたら。本当に爽快で、痛快で。楽しいだろうなと。
なんでも晩年はフランスに移住して。シルヴィ・ヴァルタンやフランソワーズ・アルディ。
そんな方々のバックも務めていたそうなので。本当に才能豊かな、異能のギタリストかな。
このジャケット、そしてアルバム・タイトルに偽り無しの傑作なのです。

切り捨て御免。

何を。
いつまで。
あれやこれやと。
悩んでいるやら。
悩ませているのやら。

既に。
決したこと。
かたのついたこと。
それも。
得心したはずのこと。

それを。
卓袱台を返そうと。
なんだかんだと。
そいつは。
ただの臆病風でしょうが。

悪いが。
朝令暮改などは。
許しません。
させません。
ならぬ堪忍も浮世にはあるもので。

あまりにも。
義理を欠く様な。
理を乱す様な。
真似をしでかそうと言うのなら。
問答無用で。

切り捨て御免。

浮世で。
凌ぎを得て。
世を渡るのなら。
そこには。
決まりがあるもので。

仁義でも。
義理でも。
何でもいいが。
欠いちゃならない。
そいつはお約束。

道は。
外れ過ぎちゃならない。
理は。
乱し過ぎちゃならない。
そいつもお約束。

自明でも。
暗黙でも。
そこのところは。
変わらない。
忘れちゃならない。

一から。
十まで。
語られなくても。
感じられることがある。
知るべきこともある。

融通もしましょう。
折れもしましょう。
だけれども。
やってはならない。
そいつをやろうと言うのなら。

刀を引き寄せ。
鯉口を切って。
抜き身でもって。
真正面から。
問答無用で。

切り捨て御免。

ご用心(笑)。



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