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2017年8月

2017/08/18 Fri *魔法の匂い / James Booker

20170818neworleanspiaowizardlive


魔法の。
匂いがする。
確かに。
そこには。
何かがあるのだ。

何も変わらない様で。
何も特別ではない様で。
さり気ない顔をして。
でも。
漂うものには。

何か。
不思議な。
特別な。
そんなものが。
感じられて。

そいつに。
誘われて。
引き寄せられて。
陽の当たる通りを。
夜の街を。

歩いてみたくなる。
彷徨ってみたくなる。
何があるのかと。
何が起きるのかと。
好奇心を刺激される。

そんな。
魔法の匂いが。
そんな匂いを発するものが。
この世界には。
確かに存在するのだ。

『New Orleans Piano Wizard: Live !』'81年リリース。
ニュー・オーリンズの独創的なピアニスト、ジェイムズ・ブルッカー。
その二枚目となるアルバム。そして初めてのライヴ・アルバム。
僕師の息子として生まれ、幼少期からゴスペルに親しむ一方で。
正規の教育を受けたのか、独学なのか。クラシックの技法も身に付けて。
ブラック・ミュージックとクラシック。それを融合させたかの様な特異なスタイル。
十代以降半には既にプロとして頭角を現して。クラシックのピアニストにも絶賛された。
そんなジェイムズですが。薬物関係で服役するなどトラブルも多かったので。
長らく広く一般的な知名度を得るには至らなかったのですが。
かのニュー・オーリンズ・ジャズ・アンド・ヘリテッジ・フェスティバルで熱演して。
その評判から欧州ツアーへと旅立ち。その際にスイスでのピアノ・コンテストで見事に優勝。
このアルバムはそのコンテストでの演奏を収めたもので。その超絶的なピアノと。
一曲目で魅せられ、引き寄せられて。熱狂が高まっていく客席の様が捉えられています。
アルバム・タイトル通り、まさに魔法使いか魔術師の如く自由自在に鍵盤を操るジェイムズ。
A面頭からの「On The Sunny Side Of The Street」「Black Night」この二曲でやられます。
どんな状況で針を落としても、陽の匂いや、闇の匂いに包まれてしまうのですよね。
奇才、鬼才、天才。否、やはり魔法使いにして魔術師だったのかと思わされます。
その魔法にかけられて、酔いしれることのなんと心地よいことかと。堪りません。
さて。この欧州ツアーで何かがあったのか。この後のジェイムズは迷走し、低迷してしまい。
表舞台から姿を消してしまうのです。薬物に溺れ、酒に溺れ。精神を病んで。
殆どまともな活動も出来ないままに。オーヴァードーズで旅立ってしまうのです。なんとも。
言わば、ジェイムズの魔法が輝いていたその最後の時間がこのアルバムにはあると。
それがなんとも切なく、そして愛しくもあるのですよね。いつまでも魔法の時間の中に、とね。

魔法の。
匂いがする。
間違いない。
そこには。
何ものかがあるのだ。

いつもと同じ様で。
いつも通りの様でいて。
何でもない顔をして。
でも。
漂わせるものには。

何か。
摩訶不思議な。
特異な。
そんなものが。
感じられて。

そいつに。
呼ばれて。
逆らえなくて。
陽の当たる通りを。
夜の街を。

追っていきたくなる。
探索してみたくなる。
何かがあるぞと。
何かが起きるぞと。
刺激された好奇心が蠢く。

そんな。
魔法の匂いが。
そんな匂いを発するものが。
この世界には。
間違いなく存在するのだ。

不思議なもの。
怪しいもの。
妖しいもの。
そんなものに。
惹かれてしまう。

摩訶不思議なもの。
危ういもの。
脆いもの。
そんなものに。
魅せられてしまう。

陽の当たる通りでも。
夜の街でも。
そんな匂いを。
その匂いを。
感じることができる。

陽の匂いにも。
闇の匂いにも。
刹那で。
切ない。
魔法がかけられている。

誘われたなら。
呼ばれたのなら。
否。
誘われるまでもなく。
呼ばれるまでもなく。

何があるのかと。
何が起きるのかと。
何かがあるぞと。
何かが起きるぞと。
彷徨いながら、追っていく。

魔法の。
匂いがする。
間違いなく、確かに。
そこには。求めているものが。
何かがあるのだ。何ものかがあるのだ。



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2017/08/17 Thu *空と大地の間 / Taj Mahal

20170817musicfuhya


あの日の。
空も。
青かったのか。
白い雲が。
浮かんでいたのか。

あの日も。
そう。
きっとこうして。
空を見上げて。
腰を下ろして。

何ともない。
何ともならない。
思いを。
持て余して。
あてどなく。

時の、流れる。
時の、過ぎゆく。
そのままに。
任せて。委ねて。
そのうちに。

思いなど。
何処かへ。
霧散するかの様に。
姿を消したかの様に。
跡形も無くなって。

ただ。
空と。
大地と。
自分だけを。
それだけを感じながら。

『Music Fuh Ya' (Musica Para Tu)』'77年リリース。
今も精力的に活動しているタジ・マハールの代表作として名高いアルバム。
一般的にはブルース・マンとして知られる、語られる事の多いタジですが。
確かに。そのルーツにはブルースがあるものの。早くから幅広い音楽性を感じさせて。
多様と言うか、雑食と言うか。兎に角 。一筋縄ではいかない、食えないところがあって。
そこが。タジのタジたる所以とも思われて。黒いライ・クーダーとも称されたとも。
タジとライは元々、同じバンドにいたので。その嗜好、志向が似ていても不思議は無いかな。
そんなタジの個性、魅力が遺憾なく発揮されているのがこのアルバムなのですよね。
ブルース、ソウル、ジャズ、レゲエ、カリビアン、そしてハワイアンと。実に幅広くて。
まるで、ブラック・ミュージックの見本市かと言うくらいの網羅性の高さ。
タジのやっている、目指しているのは汎用的なブラック・ミュージックなのだと実感します。
その汎用性の高さが、何とも言えない心地良さを生み出していて。酔いしれてしまうのです。
針を落としていると。何も考えずにいられると言うか、何もかも忘れられると言うか。
それはジャンルやカテゴリーの違いなど気にも止めない。囚われもしない。
そんなタジの大らかで自由な音楽性によるものなのだろうなと、思わざるを得ないかなと。
ともすれば。そのアプローチが学究的に過ぎると言われることもあるタジですが。
決して、ただの頭でっかちなものに終始していないのは明らかで。それはタジの姿勢。
音楽に対する真摯な愛情に裏打ちされた学究であることと。その実践が伴っているところ。
ちゃんと魂と、そして肉体の存在を感じさせるところ。それがあるからなのかなと。
そして。多分に。魂と肉体の存在。特に肉体の存在を強く感じさせることができるのは。
やはり、タジの出自にルーツに求められるわけで。ブルースのその先へと向かった。
そのことは必然でもあり、強みでもあったのだろうなと。その強みの生み出す心地良さ。
空を、大地を思わせる存在感の心地良さ。そこに惹かれて止まないのです。

あの日の。
大地も。
青かったのか。
地平線が。
見えていたのか。

あの日も。
そう。
きっと同じ様に。
空の下で。
足の裏に感じて。

何でもない。
どうにもならない。
思いを。
扱いかねて。
あてもなく。

時の、流れる。
時の、過ぎゆく。
そのままで。
任せる。委ねる。
そのうちに。

思いなど。
何処へともなく。
流浪するかの様に。
形を無くしたかの様に。
消え失せてしまって。

ただ。
空と。
大地と。
自分だけを。
その存在だけを感じながら。

あの日の。
空の青さも。
雲の白さも。
憶えてはいない。
思い出せない。

あの日の。
大地の青さも。
地平線の丸みも。
憶えてはいない。
思い出せない。

持て余していた。
扱いかねていた。
その思いも。
憶えてはいない。
思い出せない。

ただ。
あの日も。
こうして。
空を見上げていた。
腰を下ろしていた。

ただ。
あの日も。
こうして。
空の下にいて。
足の裏に感じていた。

時の、流れるままに。
時の、過ぎゆくままに。
いらぬ思いは。
跡形も無くなって。
消え失せてしまって。

ただ。
空と。
大地と。
自分だけを。
その存在だけを感じていた。

そして。
あの日と同じ。
空と大地の間に。
今日も。
自分を感じている。



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2017/08/15 Tue *図太く、しぶとく / Bo Diddley

20170815bigbadbo


太く。
短く。
駆け抜けてしまう。
そいつが。
カッコいいなと。

その実。
憧れていたのだが。
どうにも。
こうにも。
太くもないし。

何よりも。
もう。
どうにも。
短いとは。
言えなくなって。

そもそも。
夭折とやらとは。
縁が無かったのだと。
そんなタイプでは。
無かったのだと思い知らされ。

今のままじゃ。
このままじゃ。
中途半端だなと。
このまま終わるのも。
あれだよなと。

ならば。
もう。
図太く。
しぶとく。
それしかないかなどと。

『Big Bad Bo』'74年リリース。
ボ・ディドリーの24枚目(?)のアルバム。
チャック・ベリー等と比較しても。
そのアルバムの枚数が多いのは。まぁ、収監されなかったからと言うのもあるし。
それだけ人気があった。ボ・ディドリー・ビートの需要があったと。
そして終始一貫としてチェスと契約していたと言うのも存外に大きいのかも。
単に面倒だったからかもしれないけれど。その律義さは何となくボらしいかな。
さて。ボと言えば。そのワン&オンリーなビート。そいつに尽きると。
そいつは間違ってはいない、大義ではその通りなのだけれど。
それだけで。長い間、生き延びられる、生き残れるわけもなく。そこはしたたかに。
ちゃんと時々で。その時代に合わせた変化も見せているのだなと。
特に'70年代に入ってからは。一部ではボのファンク時代とも言われているらしく。
ビートに敏感であったボらしく、恐らく一番刺激的であったであろうファンク。
そいつに接近して、取り入れて。更には換骨奪胎して。新たなファンクを生んでいると。
その旺盛で貪欲な食欲と。強靭な胃袋。そこにこそボの魅力の何たるかがあるかな。
明らかに以前とは異なるサウンド、リズム、ビート。でも、ボ・ディドリーでしかない。
そう、このアルバムで聴かれるもの。それはボ以外の何ものでもないのですよね。
頑固、頑迷(と言ってしまおう)なファンの中にはこの時代のボを無視するむきも多いとか。
でも。ボにとっては。そんな事はどうでもいいと言うか。ものともしないと言うかね。
誰が何を言おうが、何と言おうが。やりたい様に、やりたい事をやるのだと。
そうすれば。それがボ・ディドリー・ビートに、それがボ・ディドリーになるのだと。
この類まれなタフネスが生み出すファンク。そいつがご機嫌にならないわけがないと。
大きく、悪く・・・図太く、しぶとく。その逞しさに痺れてしまうのです。

細く。
長く。
歩き続けるのが。
そいつが。
勝ちかなと。

その実。
思いもするのだが。
どうにも。
こうにも。
細いとも言えないし。

何よりも。
そう。
どうにも。
長くできるほど。
器用でもなく、巧くもなく。

そもそも。
無事これ名馬やらとは。
縁が無かったのだと。
平穏無事では。
済まないのだと思い知らされ。

今のままじゃ。
このままじゃ。
帯に何とか、襷に何とかだなと。
このまま素知らぬ顔も。
あれだよなと。

ならば。
そう。
図太く。
しぶとく。
それしかないだろうと。

その時。
その一瞬。
熱くなれなきゃ。
燃えられなきゃ。
楽しくない。

そいつを。
その場限りと。
忘れて。
お終いとするのは。
面白くない。

先を。
考えて。
今を。
見送り。見逃すのは。
あり得ない。

先は。
先で。
未だ見ぬ何かに。
出会いたい、触れたい。
いつまでも。

今が。
今日が。
無ければ。
楽しくなければ。
始まらない。

先が。
明日が。
無ければ。
面白くなくては。
仕方がない。

だから。
もう。
今も。先も。
いつでも。
楽しく、面白く。

図太く。
しぶとく。
俺の鼓動を。
刻み続ける。
それしかないのだな(笑)。



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2017/08/14 Mon *何処から、何処へ / Steve Miller Band

20170814recallthebeginningajourneyf


何処から来て。
何処へ行くのか。
そいつは。
もはや。
知る由もない。

よしんば。
知ったところで。
そのことに。
何の意味が。
あると言うのか。

例え。
それが。
楽園を追われた。
その道行だとして。
今更引き返す術もない。

所詮。
無から始まった。
塵芥の如きもの。
道があるだけでも。
有難い。

向う脛にも。
この心にも。
数多の傷を受けながら。
元々、気楽なもの。
それを思えば。

何処から来て。
何処へ行くのか。
そいつは。
もはや。
どうでも構いはしない。

『Recall The Beginning…A Journey From Eden』'72年リリース。
スティーヴ・ミラー・バンドの7枚目(?)となるアルバム。
出自はブルース。その名もスティーヴ・ミラー・ブルース・バンドであって。
バディ・ガイのオープニング・アクトを務めたこともあったとか。
初期のメンバーにはボズ・スキャッグスもいて。オーソドックスなブルース・ロックを。
やがて。時代の影響を受けて。グレイトフル・デッド等とも共演をしていくうちに。
サイケデリックに接近したり、セッション色が色濃くなったりと。
よく言えば自由気ままに、悪く言えば掴みどころの無いのが個性とも見なされて。
精力的にツアーを行うも、商業的な成功とは縁がなく。メンバー・チェンジも激しくて。
このアルバムでは遂にパーマネントなドラマー不在のトリオ編成となっていたりもして。
収められているナンバーもよく言えば多彩、悪く言えば節操がないと言ったところ。
で、面白いのは。ミラーのヴォーカルを聴いていると。まるでそんなことは些細なことと。
気にも留めていないかの不思議な浮遊感があって。実に何とも自由な空気を感じるところ。
腹が座っていたのか。実際は忸怩たるものがあっても、それを表に出さなかったのか。
自由な空気は、その手によるナンバーの伸びやかでキャッチーなところにも感じられて。
どこか微妙に奇妙なではあるものの。突き抜けた何かがあって。それが魅力的。
次作にあたる、『Joker』での大ブレイクの萌芽は既にこのアルバムにあったかなと。
「Heal Your Heart」ではあのジェシ・エド・デイヴィスがギターを弾いていますが。
何でもレコーディング中にも関わらずスティーヴ・ミラー・バンドはツアーに出てしまって。
それでミラーが弾き残したのを代役としてジェシが弾いたのだとも言われていて。
拘りが無いと言うか、自由と言うか。やはり何とも浮遊する、漂泊の人なのかなと。
その道が見えていたのか、それとも意にも介していなかったのか。その捉えどころの無さに惹かれたりします。

何処から来て。
何処へ行くのか。
そいつが。
どうであれ。
変わりはしない。

どうであっても。
こうであっても。
そのことに。
意味など。
ありはしない。

例え。
それが。
楽園を追われた。
その結果だとしても。
今更戻る意思もない。

所詮。
零から始まった。
一滴の如きもの。
流れがあるだけでも。
有難い。

身にも。
この心にも。
数多の矢を受けながら。
元々、気軽なもの。
それを思えば。

何処から来て。
何処へ行くのか。
そいつが。
どうであれ。
何も変わりはしない。

傷を負う。
そんな日もあれば。
癒される。
そんな日もある。
そんな繰り返し。

表に出たと。
喜べば。
裏に出て。
臍を噛む。
そんな繰り返し。

陽の光が。
心地よい日もあれば。
月の明かりが。
懐かしい日もある。
そんな繰り返し。

勝った。
負けたと。
一喜一憂したところで。
結果は五分と五分。
そんな繰り返し。

流れる雲を追いながら。
糾える縄の如しと。
嘯いて。
昨日から今日へ。
今日から明日へ。

気楽に。
気軽に。
浮かんで。
漂って。
終わりの訪れるまでは。

何処から来て。
何処へ行くのか。
そいつに。
答えなど。
必要ない、ありはしない。そんなもの。



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2017/08/13 Sun *熱病の如く / Hot Tuna

20170813yellowfever


好きなものは。
どこまでも。
いつまでも。
好きで。
大好きで。

それこそ。
寝ても。
醒めても。
それだけが。
頭の中に。

浮かんで。
巡って。
延々と。
変わることなく。
絶えることなく。

時に。
僅かな。
変化が訪れることも。
程度の。
差が浮かび上がることも。

それでも。
夢の中でも。
現でも。
それだけを。
追い求めて。

それこそ。
熱病の如く。
とりつかれ。
魘され。
甘美の渦の中へと。

『Yellow Fever』'75年リリース。
ホット・ツナの6枚目(?)となるアルバム。
ジェファーソン・エアプレインの別動隊としてスタートしたホット・ツナ。
ギター&ヴォーカルのヨーマ・コウコネンとベースのジャック・キャサディ。
この頃には既にホット・ツナの活動に専念していたのだと思います。
ドラムスを加えたトリオ編成でパーマネントに活動し始めた後のアルバムです。
兎に角。コウコネンの何とも下世話で変態的ですらあるギター、そしてヴォーカル。
一聴すれば、すぐにそれとわかる強烈な個性が何とも堪りません。
ワン・パターンと言えばワン・パターンなのですがこれほど癖になるのもそうはないかな。
基本的にはオーソドックスなブルース、ブルース・ロックなのですが。
どうにもコウコネンの手に掛かると、どこか妙だったりもするのですよね。
ここらはやはり、サンフランシスコのドラッグ・カルチャーから出てきたところなのかな。
ワン・パターンではありますが、それなりに時代の影響は受けていて。
このアルバムに収めらえているナンバーは形式としてはブルースをはみ出ているのですが。
もう形式云々ではなくて。その魂と言うか佇まいがどうにもブルースなのです。
結構エレキが唸りを上げていてハードだったりするのですが。
その勢いだけを恃まない、その勢いに流されない。骨格であるブルースが息づいていると。
そのしつこさ、しぶとさに。下世話なまでの矜持を感じてしまったりして。
その矜持の熱さに中てられて熱病にとりつかれたかの如くのめり込んでしまうのです。
シンセを使ったナンバーもあって。それがまた下世話で如何にもなんですよねぇ。
この何とも下世話なジャケットがまたね、内容を見事に表現しています。
バナナとツナでフィーバーですからねぇ・・・何の隠喩であるかはねぇ・・・いいなぁ、ホット・ツナ。

好きなものは。
どこまででも。
いつまででも。
好きで。
大好きで。

それこそ。
寝ていても。
醒めていても。
それだけが。
胸の中に。

染みついて。
棲んで。
延々と。
変わりはしない。
絶えもしない。

時に。
僅かに。
揺さぶられることも。
濃淡が。
陰影を描き出すことも。

それでも。
夢の中にあっても。
現にあっても。
それだけを。
追い続けて。

それこそ。
熱病の如く。
とりつかれ。
魘され。
狂気の渦の中へと。

熱く。
ただ。
ひたすらに。
熱く。
その中に。

身を置いて。
心も置いて。
熱病の如く。
とりつかれ。
渦のただ中へと。

巻き込まれ。
引き込まれ。
回りながら。
落ちていく。
堕ちていく。

好きなものは。
いつまでも。
どこまでも。
好きなだけ。
大好きなだけ。

寝ても。
醒めても。
それだけが。
頭の中。
胸の中。

それだけが。
浮かんで。
巡って。
染みついて。
棲んで。

甘美の。
狂気の。
渦の中で。
追い求めて。
追い続けて。

変わらない。
矜持と共に。
熱病の如く。
とりつかれ。
魘され。

それが心地よい・・・



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2017/08/10 Thu *仲間に / Johnny Winter

20170810letmein


そこに。
意思が。
あるのなら。
そうならば。
そうであるのなら。

そこに。
矜持が。
あるのなら。
そうならば。
そうであるのなら。

そこに。
共感が。
あるのならば。
そうならば。
そうであるのなら。

そこには。
そこでは。
何か。
いいことが。
ある、起きるかもしれない。

そこには。
そこでは。
どこか。
面白い奴等が。
いるかも、集まるかもしれない。

そうならば。
そうであるのなら。
仲間に。
入りたい。
入れてもらいたい、かもしれない。

『Let Me In』'91年リリース。
ジョニー・ウィンターのポイントブランク移籍第一弾アルバム。
メジャーであるMCAと契約していたジョニーでしたが。
エリック・クラプトンの二番煎じの様なことを要求されて。決別して。
言わばインディーであるポイントブランクと契約して。
これでもかとばかりに。ジョニーによるジョニーらしいジョニーの為のアルバムをと。
ドクター・ジョンやビリー・ブランチをゲストに迎えて。
ブルース・クラッシックも、そしてオリジナルも。遠慮会釈なしに弾きまくっています。
売れるとか、売れないとか。誰それの路線だとか、誰それに倣うとか。
そんな下らない事から解き放されて。自由奔放、縦横無尽に弾きまくるジョニー。
やっぱり。ジョニーはこうでないといけないのです。弾き過ぎる、熱過ぎる。
そうだとしても。それがジョニー、それがジョニーのブルースなのです。
そこに意思があれば、そこに矜持があれば。そこに共感が呼び起こされるのです。
ジョニーのアルバムに針を落とす時、聴きたいのはジョニーでしかないのですから。
ポイントブランクなる会社はそこのところがよくわかっていたのだろうなと。
恐らくは余計な口出しはしないで。ジョニーのやりたいままに任せたのだろうなと。
だからこそ、ジョニーも楽しそうで、面白そうで。もう乗りに乗っていて。
どこまでいくのだよって程に。弾きまくり、飛ばしまくっているのです。
そして心地よくなって。余裕綽々のスロー・ブルースも聴かせてくれると。こうでなきゃ。
テンション高く、故に渋くはなく。でもくどいけど。それがジョニー、ジョニーのブルース。
その意気、その粋。そいつに共鳴して。ジョニーについていきたい、仲間になりたい。
そんな思いに駆られる。そんな紛れもないジョニーによるジョニーのアルバムなのです。

それが。
意気で。
あるのなら。
そうならば。
そうであるのなら。

それが。
粋で。
あるのなら。
そうならば。
そうであるのなら。

そこに。
共鳴が。
あるのならば。
そうならば。
そうであるのなら。

そこには。
そこでは。
何か。
嬉しいことが。
ある、起きるかもしれない。

そこには。
そこでは。
どこか。
楽しい奴等が。
いるかも、集まるかもしれない。

そうならば。
そうであるのなら。
仲間に。
入れたい。
入れてしまいたい、かもしれない。

意思が。
あるか。
感じられるか。
そいつが。
問題で。

矜持が。
あるか。
感じられるか。
そいつも。
問題で。

あれば。
感じられれば。
そこに。
共感が。
生まれる。

意気で。
あるか。
感じられるか。
そいつが。
問題で。

粋で。
あるか。
感じられるか。
そいつも。
問題で。

あれば。
感じられれば。
そこに。
共鳴が。
生まれる。

いいことが。
嬉しいことが。
ある。
起きる。
それならば。

面白い。
楽しい。
奴等がいる。
集まる。
それならば。

仲間に。
入りたい。
入れたい。
なりたい。
そんなところ、かもしれない(笑)。



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2017/08/09 Wed *見てみよう、見ていよう / The Rascals

20170809seeukorg


翼があれば。
羽ばたければ。
この空を.
この空気を。
その中を飛んで。

あの海へ。
あの海原へと。
その時。
何が見えるのだろう。
何を感じるのだろう。

目を閉じて。
思い浮かべて。
空想の翼を。
そいつを羽ばたかせて。
飛び立とう。

この身は。
ここに残して。
そのままで。
この心を。
飛翔させて。

空の彼方へ。
広がる海原へ。
雲と波の。
空と海の。
その狭間で。

何を。
見るのだろう。
何が。
見えるのだろう。
見ていよう。

『See』'69年リリース。
ラスカルズとしては3枚目のオリジナル・アルバム。
ヤング・ラスカルズ時代から通算では6枚目となるのかな。
ブルー・アイド・ソウルを代表するバンドだったヤング・ラスカルズ。
徐々にその音楽性に変化が表れて。バンド名からヤングがとれて。
ソウルフルではあるものの、よりハードに、そしてサイケデリックに。
同じところに止まることは好まずに、新たな世界へと飛び続けたと。
そこにはフラワー・ムーブメントや、ビートルズら英国勢の影響もあったかなと。
特にリーダーであったフェリックス・キャヴァリエは進取の気質に飛んでいた様で。
積極的に新たな時代に反応し、それを単に真似るのではなく自らのものにしようと。
消化しながら、元来のソウルフルな持ち味との融合を図っていたのかなと。
この頃にはヒンズー教に傾倒していたりもしたらしく。シタールを導入したナンバーも。
それがかなりラーガ・ロックな雰囲気を醸し出していて。世界の広がりを感じさせます。
面白い取り組みだなと思うのですが。結果的に他のメンバーとの溝を生んだとも。
決して抹香臭くは無くて。十分にキャッチーでもありロックとして、ポップスとして。
十分に成り立っているのですけどね。まぁ、変化は好まれないことが多いからなぁ・・・
それはそれとして。キャヴァリエの歌声の素晴らしいこと。何とソウルフルなことか。
どんなサウンドでも、どんなメロディでも。キャヴァリエが歌うことで。
総て一級のブルー・アイド・ソウルとして成立してしまうのですね。稀有な歌声であると。
それが変化の足枷になっていると感じられもするのは皮肉なものですが。
ジャケットに用いられている印象的なルネ・マグリットの絵画。何故マグリットだったのか。
ラスカルズ、キャヴァリエが見ていた、に見えていた、世界。それを観たいなと思わされるのです。

翼があれば。
羽ばたければ。
この空を.
この空気を。
その中を飛んで。

あの海へ。
あの海原へと。
その時。
何が見えるのだろう。
何を感じるのだろう。

目を閉じて。
思い浮かべて。
空想の翼を。
そいつを羽ばたかせて。
飛び立とう。

この身は。
ここに残して。
そのままで。
この心を。
飛翔させて。

空の彼方へ。
広がる海原へ。
雲と波の。
空と海の。
その狭間で。

何を。
見るのだろう。
何が。
見えるのだろう。
見ていよう。

見てみよう。
見ていよう。
心は閉ざさず。
心に翼を。
そいつを羽ばたかせて。

覆いかぶさる。
この空。
この空気。
そんなものに。
負けることなく。

目を閉じて。
思い浮かべて。
この空の中へ。
この空気の中へ。
飛び立とう。

空の彼方へ。
広がる海原へ。
そこまで。
どこまで。
飛翔しよう。

空と海。雲と波。
その狭間に。
何があるのか。
その狭間で。
何が起きるのか。

そこで。
その時。
何を感じるのか。
何を思うのか。
何が変わるのか。

見てみよう。
見ていよう。
心を縛らず。
心の翼を。
そいつを羽ばたかせて。



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2017/08/08 Tue *耽ってしまおう / The Lovin' Spoonful

20170808daydream


耽ってしまおう。
なにもかも。
忘れて。
なにもかも。
投げ出して。

夢の中へ。
夢の中へと。
その中に。
もぐりこんで。
隠れて。

あれとか。
これとか。
色々な。
物事は。
どうでもいいこととして。

だって。
こんな気候で。
こんな季節で。
他にどうしようが。
あると言うのだろう。

こんな好機を。
逃す手はない。
見送るなんて。
そんな勿体ないことなど。
できはしない。

白日夢。
なんと心地よい。
なんと罪深い。
なんと甘美な。
耽ってしまおう。

『Daydream』'66年リリース。
ラヴィン・スプーンフルの2ndアルバム。
かの名曲「Do You Believe in Magic」が大ヒットして。
一躍人気者となったラヴィン・スプーンフル。同曲を擁した1stアルバムも大ヒット。
その勢いのままに制作されたのがこのアルバムと、タイトル・ナンバー「Daydream」で。
これらもまたもや大ヒット。その地位を揺るぎないものとしたのでした。
カヴァーも多かった1stアルバムと比べてオリジナルの割合が高くなったアルバムで。
その独特の、何とも言えないふわふわと浮かんで揺れる様な個性が明確になっています。
元々はとあるフォーク・グループが分裂して結成されたラヴィン・スプーンフルですが。
(因みに。分裂した片割れが、あのママス&パパスになったのだとか)
中心メンバーのジョン・セバスチャンとザル・ヤノフスキーの嗜好とセンスの表れなのか。
単なるフォークでもなく、単なるロックでもなく、そしてフォーク・ロックでもなく。
様々な音楽のエッセンスを実に巧みに取り入れた独特のサウンドが心地よくて。
これはもう、ラヴィン・スプーンフル・ミュージックとしか言いようが無いかなと。
結構、泥臭くなりそうなナンバーもあるのですが。それすらも都会的でもあって。
その絶妙な塩梅に、ジョンとザルの豊かな才能の煌めきを感じることができるのです。
軽妙で、洒脱で。そして皮肉が効いていると言うか、毒を含んでいるところ。
そう、単なる心地よい音楽、単なる懐かしい音楽に陥らないところも流石と思わされて。
「Daydream」に顕著なまさに白日夢みたいな不思議な浮遊感と。
実は結構、際どい感じもある歌詞など。何とも妖しい魅力に満ちていたりするのですよね。
そいつに囚われて。そいつの虜になって。耽ってしまうのは危険だなとも思うのですが。
その危うさにこそ、惹かれるので。ここは何もかも忘れて、聴き惚れて、耽るのが正解かなとね。

耽ってしまおう。
なにもかも。
忘れて。
なにもかも。
放り出して。

夢の中へ。
夢の中へと。
その中に。
潜んで。
棲んで。

あれとか。
これとか。
様々な。
事象は。
どうでもいいことにして。

だって。
こんな気候で。
こんな季節で。
他にどうしろと。
言えるのだろう。

こんな好機を。
逸するなど。
見逃すなど。
そんな贅沢なことなど。
許されない。

白日夢。
どこまで心地よい。
どこまで罪深い。
どこまで甘美な。
耽ってしまおう。

この気候。
この季節。
こんな好機。
願ってもない。
おあつらえ。

あれとか。
これとか。
何もかも。
忘れて。
消して。

色々な。
物事も。
様々な。
事象も。
総てまとめて。

その。
理由も。
事情も。
投げ出して。
放り出して。

ただ只管に。
この好機を。
それだけは。
逃すことなく。
逸することなく。

夢の中へ。
夢の中へと。
その中に。
逃げ込んで。
閉じこもって。

白日夢。
なんと心地よい。
なんと罪深い。
なんと甘美な。
耽ってしまおう。

白日夢。
どこまで心地よい。
どこまで罪深い。
どこまで甘美な。
耽ってしまおう。



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2017/08/07 Mon *ヒーローに憧れて / Marc Bolan & T.Rex

20170807zincalloyandthhiddenriderso


ヒーローに憧れて。

幼い頃。
ガキの頃。
世界は。
単純で。
掌の中で。

ポーズをとって。
掛け声をかけて。
変身できれば。
ヒーローになれれば。
それで大丈夫だと。

悪い奴等は。
ブッ飛ばせるし。
奴等の企みなんて。
叩き潰せると。
そう信じていた。

友達も。
あの娘も。
俺が守ってやるのだと。
俺にも守れるのだと。
そう思っていた。

世界とやらが。
単純ではないと。
誰が悪いのか。
わからなくなった。
そんな今でも。

ヒーローに憧れて。

『Zinc Alloy And The Hidden Riders Of Tomorrow』'74年リリース。
『ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー』なる邦題が冠されていた。
T.レックスとしては5枚目、マーク・ボラン&T.レックスとしては初のアルバム。
何でも来日時に『仮面ライダー』を観たボランがいたく感動したとかで。
そこからズィンク・アロイなるヒーロー、キャラクターを思いついたのだとか。
この着想の段階で。既にデヴィッド・ボウイの後塵を拝していると言うか。
それまで迷いなくボラン・ブギーをかき鳴らして踊り続けてきたボランだったのですが。
新たなコンセプトを探し始めて、足下が怪しくなってきたと言うか。そうなのですよね。
T.レクスタシーと言われた熱狂的なブームも去りつつあり。退潮期に入っていたと。
そしてボランの試行錯誤が始まったアルバムなのかなと。そう感じざるを得なくて。
もうグラム・アイコンとしてのT.レックス、ボランではいられなくなって。
それで、大胆にブラック・ミュージック、ソウルに接近していたりするのですよね。
あのグロリア・ジョーンズも参加していますが。女性コーラスを初めて導入もしていて。
相変わらずキャッチーで、バラエティに富むナンバーに新たな色を着けようとしていると。
その意気やよし、なのですが。ちょっと力が入り過ぎて空回りしてしまっているかな。
そのせいか。このアルバムを最後にトニー・ヴィスコンティがプロデュースから退いて。
メンバーとの関係も修復不可能となって。やがて一人、また一人と脱退してしまうと。
魔女と取引してまで(?)手に入れた成功のヴィジョンが音を立てて崩れ始めて。
こんな筈じゃなかったと言うボランの焦りが顕わで。それが興を削いでしまっているのか。
その中にあって白眉なのが「Teenage Dream」で。十代の見果てぬ夢を歌い上げた。
そのナンバーが纏う純粋で、そして白日夢の如き儚さ、それ故の美しさ。
そこには紛れもなく。ボランならではの美学、魅力が光り輝いているのです。
ヒーロー、ロック・スターに憧れて。最後までヒーロー、ロック・スターたらんと足掻いたボラン・・・好きなのです。

ヒーローに憧れて。

幼い頃。
ガキの頃。
道程は。
真っ直ぐで。
掌の上で。

空高くジャンプして。
相手をめがけて。
キックできれば。
ヒーローになれれば。
それで大丈夫だと。

悪い奴等を。
倒しさえすれば。
世界の平和は。
実現できるのだと。
そう信じていた。

友達も。
あの娘も。
俺を待っているのだと。
俺も待っているのだと。
そう思っていた。

道程とやらが。
真っ直ぐではないと。
何処へ行けばいいのか。
わからなくなった。
そんな今でも。

ヒーローに憧れて。

ヒーローに。
なりたかった。
変身したかった。
変身できるのだと。
そう信じていた。

ヒーローに。
なりたかった。
悪を倒したかった。
悪を倒せるのだと。
そう思っていた。

世界は単純で。
道程は真っ直ぐで。
掌の中で。
掌の上で。
友達も、あの娘も。

ヒーローに。
なれなかった。
変身できなかった。
できるわけもなかった。
世界は崩れた。

ヒーローに。
なれなかった。
悪を倒せなかった。
悪を見失った。
道程は閉ざされた。

幼い頃の。
ガキの頃の。
馬鹿げた夢は。
儚くも。
砕け散った。

夢は消えて。
複雑で。
無味乾燥な。
世界だけが広がり。
道程だけが続き。

それでも。
未だ。
馬鹿げていようとも。
心の片隅では。
いつの日かと、夢みているのだ。

ヒーローに憧れて。



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2017/08/06 Sun *心の港 / Rod Stewart

20170806vagabondheart


浮いて。
沈んで。
揉まれて。
そんな。
揺れる心。

そいつが。
ふと。
何気なく。
気軽に。
寄れるところ。

そんなものが。
あるのと。
ないのでは。
まったくもって。
大違いで。

どんなに。
浮かぼうが。
沈もうが。
揉まれようが。
揺れようが。

何かで。
何処かで。
ふと。
思い出して。
気づいて。

寄ってみれば。
そいつで。
それだけで。
見失っていたものを。
もう一度、この手にと。

『Vagabond Heart』'91年リリース。
ロッド・スチュワートの17枚目(?)となるソロ・アルバム。
'80年代以降のロッドのアルバムとしては数少ない聴く価値のあるアルバム。
『Unplugged』等の企画ものを除けば、あの『Foot loose & Fancy Free』以降としては。
唯一、ロッドの真摯な歌心を感じられるアルバムと言っても過言ではないかなと。
そう、中途半端なフランク・シナトラ擬きではないロッドがここにはいます。
ロッドの魅力は。何と言ってもあの歌声と、そしてカヴァーのセンスにあるのですが。
どうにも一時期から、何を勘違いしたのかすっかりスーパー・スター気取りで。
否、スーパー・スターであることは疑う余地もないのですが。それはそれとして。
やたら大袈裟と言うか、装飾過多な生き方がそのまま歌い方にも伝播してしまって。
歌心が微塵も感じられない、駄作を連発し続けていたロッド。迷走もいいところでしたが。
前年に亡くなった父親に捧げられたこのアルバムでは。思うところもあったのか。
サウンドこそ、まだ多分に余計なものが削ぎ落されてはいないなと感じられますが。
その歌声は、その対象である楽曲に真摯に向き合い、真摯に表現するものとなっています。
ここまで迷いの無い、ここまで真っ直ぐなロッドの歌声。そう、その気になれば。
凡百のヴォーカリストなどは寄せ付けない、それだけの傑物であるのです。
「Broken Arrow」「It Takes Two」「Have I Told You Lately」「Downtown Train」と。
そのカヴァーの選曲、そしてその解釈、見事に自らのものにしてしまうその咀嚼力。
その底力が遺憾なく発揮されているのも、真摯な姿勢、思いがあってこそのことで。
それが故に、ティナ・ターナー、テンプテーションズと言ったゲストを迎えたナンバーも。
ただの顔見世に終わらない、魅力的な出会いとなっているのです。
揺れる、流離う。そんな心、思い。それがあるべきところ、あるべき港に戻ったのだと。
そんなことを感じさせるアルバムなのです。まぁ、また直ぐに迷走しだすのですけれどねぇ・・・

浮いて。
沈んで。
揉まれて。
そんな。
流離う心。

そいつが。
ふと。
無意識に。
気を置かず。
拠れるところ。

そんなものを。
知っているのと。
ないのでは。
まったくもって。
大違いで。

どんなに。
浮かぼうが。
沈もうが。
揉まれようが。
流離おうが。

何かで。
何処かで。
ふと。
誘われる様に。
感じるままに。

拠ってみれば。
そいつで。
それだけで。
見失っていたものを。
もう一度、この胸にと。

また。
襲われて。
また。
繰り返して。
何回目になるのか。

何回。
何十回。
何百回。
襲われるままに。
繰り返すままに。

浮いて。
沈んで。
揉まれて。
そんな。
揺れる心。

浮いて。
沈んで。
揉まれて。
そんな。
流離う心。

どんなに。
どれだけ。
浮かんでも。
沈んでも。
揉まれても。

そう。
どんなに。
どれだけ。
揺れても。
流離っても。

寄れる。
拠れる。
そんな。
ところがある。
港がある。

それを。
知っているから。
見失っても。
いつでも、この手にと。
いつでも、この胸にと。

心の港がある限りはね。



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2017/08/05 Sat *撃鉄上げて、銃把握って / Savoy Brown

20170805jackthetoad


誰にも。
何にも。
それなりの。
存在意義は。
あるのだと。

そう。
思わなければ。
信じなければ。
どうにも。
やりきれないと。

例え。
己が。
とるに足らない。
ものだと思っても。
それならそれで。

そいつを。
売りにして。
二つ名にするくらいに。
腹を据えて。
撃鉄を上げて。

臨んでしまえば。
なんとかなる。
なんとかせざるを得ない。
そうすれば。
道が開けることもある。

そんな。
ぎりぎりの。
土壇場の。
悪あがき。
生き残るコツはそんなもの。

『Jack The Toad』'73年リリース。
サヴォイ・ブラウンの10枚目となるアルバム。
ブリティッシュ3大ブルース・バンドの一つサヴォイ・ブラウン。
他の二つ、フリートウッド・マックやチキン・シャックと同様に。
メンバー・チェンジの激しかったサヴォイ・ブラウン。
なんたって。2枚目の段階でキム・シモンズ以外は全員が新メンバーだったと。
その後は殆どアルバム毎にメンバーの一部、あるいは全員が替わって。
ヴォーカルはクリス・ユールデン、ロッド・プライス、デヴィッド・ウォーカーと。
地味ながらも実力者揃いだったのですが、前作でデヴィッドも脱退。
このアルバムからはジャッキー・リントンが新たに参加しています。
早速、楽曲を提供したり、キムと共作したりと前面に出て活躍しています。
前述の3人と比較するとソウルフルでもブルージィーでもないジャッキーですが。
その声質に合わせのかの様な、ラフで、タフで。そしてキャッチーなナンバー。
ブルース・ロックはブルース・ロックなのですが。スワンプ・ロックの風味もあるかな。
そう。ちょっと地味なロッド・スチュワートがブリティッシュ・スワンプをやっている様な。
その軽やかとも言える乗りの良さは、サヴォイ・ブラウンらしくはないものの。
なかなかにご機嫌で、なかなかに魅力的でもあるのです。まぁ、B級なのですけどね。
でも、そのB級ならではの臭味もね、それはそれで味わいがあるのです。
それでもって。変わらずにブルージイーに弾きまくるキム。その我が道をいく様がまた。
決して巧くもなく、ワン・パターンと言えばワン・パターン。でもそこに意義があると。
泥臭く、足掻きながらも。撃鉄上げて、銃把握って、決闘に挑む。美学とも言えない美学。
今でも独りでサヴォイ・ブラウンの看板を背負っているキム。こんな男がいてもいいかなと。

誰でも。
何でも。
それなりの。
存在理由は。
あるのだと。

そう。
思わないことには。
信じないことには。
どうでも。
やっていられないと。

例え。
己が。
一寸程度の。
存在だと思っても。
それならそれで。

そいつを。
逆手にとって。
悪名とするくらいに。
腹を決めて。
銃把を握りしめて。

臨んでしまえば。
なんとでもなる。
なんとでもなってしまう。
そうすれば。
底を打てることもある。

そんな。
ぎりぎりの。
往生際の。
悪いところ。
生き延びるコツはそんなもの。

生き残りたいなら。
生き延びたいのなら。
意義も。
理由も。
生み出すしかない。

生き残るため。
生き延びるために。
意義も。
理由も。
認めさせるしかない。

世界に。
社会に。
誰かに。
誰よりも。
自分に。

売りものなど。
不格好で構わない。
武器など。
不出来でも構わない。
信じられればそれでいい。

どう見られるかなど。
どう思われるかなど。
そんなことは。
振り切って。
打ち捨てて。

悪名だろうと。
何だろうと。
売りにできる。
二つ名を。
手に入れられれば。

切り裂きでも。
早撃ちでも。
無くてもいい。
鈍く、しぶとく。
悪あがきしながら。

往生際は。
とことん悪く。
底を打つ、そのために。
道を開く、そのために。
撃鉄上げて、銃把握って。



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