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2017/09/20 Wed *憧れながらも / John Kay

20170920forgotensongsandunsungheroe


名前を。
残すのは。
残せるのは。
ほんの一握り。
選ばれたかどうかは別にして。

残った。
名前が。
語られる。
軌跡が。
真実かどうかは別にして。

名前の。
残る。
語られる。
英雄に。
憧れながらも。

知っている。
わかっている。
歴史を。
人の営みを。
築き、継いできたのは。

英雄だとは。
英雄だけだとは。
限らないのだと。
名もなき。
民草でもあるのだと。

残されていない。
語られていない。
そこにあるものに。
目を向けていたい。
忘れないでいたい。

『Forgotten Songs & Unsung Heroes』'72年リリース。
ステッペン・ウルフのリーダー、ジョン・ケイの1stソロ・アルバム。
当時ステッペン・ウルフでの活動に限界を感じていたらしいジョン。
活動を休止させて、ソロ活動へと乗り出しています。尤もアルバムを2枚リリースして。
その後は再びステッペン・ウルフとして活動を始めているので。
そのソロでの活動、ソロ・アルバムの存在自体あまり知られていないかもですが。
さて。元祖ヘヴィ・メタルとも言われたステッペン・ウルフのハードなサウンドと一変。
アコースティックを中心としたアーシーなサウンドをバックに歌うジョンです。
オリジナル・ナンバーもありますが収録曲の殆どがカヴァーだったりもします。
まぁ、異なることをやるからのソロ・アルバムですからね。それにしても印象が違うなと。
言わば、スワンプ・ロックとも言えそうなサウンドに乗るジョンの歌声は内省的でもあって。
穏やかでありながら、どこか孤高なものを感じさせるもがその個性かなと。
ジョンはドイツ出身で。父親は戦士。母親と共に東ドイツから西ドイツへと亡命して。
更にその後にカナダに亡命して。そこで成長してバンド活動を始めるのですが。
相当な苦難を体験してきたと思われて。それ故の影と、そして逞しさと温かさ。
そんなものが、その孤高な歌声の裏側に潜んでいる気もするのは、うがち過ぎですかね。
ただアルバム・タイトル。そしてロバート・ジョンソンやハンク・ウィリアムスのカヴァー。
そこに。移民と言う流浪の民、そしてブルースやカントリーと言う土着の音楽。
流離の身である自身が、大地に根を張ろうとする意志と、その葛藤みたいなものを感じて。
また、多くの先人達。そして自分の後に続くのであろう者達に思いを馳せていたかなと。
そして。自身も含めて。その殆どが名も無き、歴史に残らない、語られも、歌われもしない。
そんな民草であることへの諦念と、それが故の強い自負をも感じたりもするのです。

名前を。
残すのは。
残せるのは。
ほんの一握り。
それは勝者により選ばれる。

残った。
名前は。
語られる。
軌跡は。
それは勝者により創られる。

名前を。
残される。
語られる。
英雄に。
憧れながらも。

知っている。
わかっている。
歴史を。
その礎を。
築き、繋げてきたのは。

英雄譚だとは。
造られた物語だけだとは。
限らないのだと。
名もない。
民草の物語でもあるのだと。

残されていない。
語られていない。
そこに流れているものに。
耳を傾けていたい。
忘れないでいたい。

名もあり。
華もあり。
物語られる。
そんな英雄に。
憧れながらも。

雄々しく。
華々しい。
壮大な。
英雄譚に。
魅せられながらも。

残っていない。
輝いてもいない。
語られもしない。
そこにも。
物語はあるのだと。

残されない。
輝かない。
語られない。
そこにこそ。
事実はあるのだと。

ほんの一握り。
選ばれた。
そんな者以外にも。
確かに。
物語はあるのだと。

ほんの一握り。
造られた。
そんな話以外にも。
確かに。
事実はあるのだと。

英雄に。
憧れながらも。
誰が、営みを、継いできたのか。
誰が、礎を、繋げてきたのか。
忘れてはならない。



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