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2017/10/02 Mon *思い出にならない / Rachel Sweet

20171002foolaround


破れていたのか。
ギザギザだったのか。
そもそも。
そいつを。
過去形で語れるのか。

あの時。
あの日。
あの頃。
尖がって。
傷だらけで。

怒って。
泣いて。
刹那で。
切なくて。
脆くて壊れやすい。

そんな。
胸の内は。
いつでも。
波紋が浮かんでいて。
たびたび大きく揺れて。

そんな。
蒼い。
甘酸っぱい。
思いが。
懐かしくならない。

いまでも。
蒼くて。
甘酸っぱくて。
そんな思いが。
思い出にならない。

『Fool Around』'79年リリース。
アクロン出身のレイチェル・スウィート。
スティッフと契約して英国でデビューしたレイチェル。
母国に錦を飾る米国での1stアルバムです。
英国でのそれとはジャケットも、収録されているナンバーにも違いがあって。
ここらは。新たにコロンビアと契約を結んだステッィフの戦略かなと。
英国盤ではクールだったレイチェル。このジャケットではあどけなさを前面に。
この頃、16歳だか、17歳だか。こちらが素顔に近いのかな。
選曲的にも。A面の頭から「B-A-B-Y」「I Go To Pieces」と立て続けで攻めていて。
このキャッチーなナンバーを、シングル曲を惜しまずにアルバムに収録するところ。
ストーンズやビートルズ。更にはその時代のブリティッシュ・ガール・ポップ。
その米国盤アルバムの編集方針を敢えて踏襲しているのだろうなと。
レイチェル自身がジャニス・ジョプリンとドリー・パートンの交雑種だと言う。
その個性的な歌声と、ブロックヘッズやルーモアのメンバーが弾き出すサウンド。
(新たな、メンバーで再録音しているナンバーも含まれている様ですが)
そいつは結構、尖がっているのですが。狙いはブリティッシュ・ガール・ポップの再来だと。
そんなステッィフの戦略がやはり色濃くて。またそれが魅力的でもあるのです。
でもコーラスにリーナ・ラヴィッチと言う毒を忍ばせているのが、またステッィフかな。
それにしても。「B-A-B-Y」「I Go To Pieces」の連発の破壊力は凄まじいなと。
そのオリジナルがリリースされた、その時代へのノスタルジアを掻き立てながら。
更なる魅力が加わって。極上のポップ・チューンに仕上がっているのが何ともご機嫌です。
ただのセンチメンタルなカヴァーには終わっていなくて。蒼く、甘酸っぱくはあっても。
今を生きている、パンクの匂いも纏っている。そこが色褪せない理由なのかな。

破れたまま。
ギザギザのまま。
そうだな。
そいつは。
現在進行形のまま。

この時。
この日。
この頃。
尖がって。
傷だらけで。

哀しくて。
笑って。
刹那で。
切なくて。
危うくて儚くて。

そんな。
胸の奥は。
いまでも。
新たな波紋が浮かんでは。
たびたび大きな波となる。

そんな。
蒼い。
甘酸っぱい。
思いは。
懐かしくならない。

いつでも。
蒼くて。
甘酸っぱくて。
そんな思いは。
思い出にならない。

きっと。
能天気。
きっと。
ネジが外れている。
そんなところ。

時が。
過ぎても。
歳を。
重ねても。
変われない。

何かが。
大きな。
何かが。
欠落している。
そんなところ。

でも。
それは。
大きな。
大切な。
何かを失いたくないから。

破れたまま。
ギザギザのまま。
繕えない。
傷だらけ。
そこにその何かがある。

胸の。
内の。
奥の。
波紋は。
消えることなく、生まれ続ける。

蒼く。
甘酸っぱく。
そんな思いは。
懐かしくならない。
思い出にならない。



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