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2017/12/05 Tue *旧い奴、旧い男 / 萩原健一

20171205nekkyolive


旧い奴である。
旧い男である。
そいつばかりは。
どうしようもなく。
変えようとも思わない。

好きなもの。
愛するもの。
憧れるもの。
そんなものは。
例外なく時代遅れ。

そいつは。
如何ともし難く。
そして。
それでいいのだと。
腹を括っている。

平成すらも。
終わろうかと言う。
この時代になっても。
そう。
昭和の中にいる。

己の。
根っ子は。
規範は。
矜持は。
あの時代に作られた。

いまどき。
流行らなかろうが。
廃れていようが。
いまも。
胸が熱くなるのだからしかたがない。

『熱狂雷舞』'79年リリース。
萩原健一、ショーケンの2枚組ライヴ・アルバム。
テンプターズ、PYGとしてもライヴ・アルバムはありましたが。
ソロとなってからは初めてのライヴ・アルバムで。
'78年~'79年の全国ツアーから、東京、横浜、大阪、名古屋で収録されたと。
バックを務めるのは柳ジョージ&レイニー・ウッド。3管のホーンも加わって。
大野克夫、速水清司がゲストで参加しているナンバーもあります。
さて。ショーケンです。マカロニ、そして小暮修、アニキのショーケンです。
その歌声、溢れ出る、滲み出る空気がどうしようもなくロックであり、昭和なのです。
その演技、その役柄のままに。その生きざまそのものが掟破りでアウトロー。
そんなショーケンの歌声も。また掟破り、アウトローそのもので。
原曲など知ったことではない、決まり事に構うことはないとばかりに。
フェイクしまくる、崩しまくる。恐らくは毎回、毎回異なっていたのではと。
あまりと言えば、あまりなのですが。そのアウトローな突き抜け方こそがロックなのだと。
「大阪で生まれた女」とか「酒と泪と男と女」とか。ベタな歌を歌いながらも。
決してカラオケなどにならないどころか、危うい色気を放ってみせる。
ここに、ロック・シンガー、ショーケンの真骨頂があるのです。この過剰で過激な男振り。
規制されることも、去勢されることも拒み。安易な優しさに逃げることも許さない。
どんなに孤独だとしても。群れる安全よりも、死と隣り合わせの自由を選ぶ。
もはや時代遅れどころか、昭和と共に逝ってしまった絶滅危惧湯の類だろうと思われて。
でも。その歌声、その空気、その匂い。その危なさにこそ焦がれてしまうのです。
何故なら。その危うさ、そしてそれ故の愛しさ、儚さ、切なさこそがロックだろうと。
この妙に小綺麗で、清潔で、表面だけ取り繕った様な世の中、時代だからこそ。
ショーケンの、決して飼い馴らされないロックが一際、胸の奥に突き刺さるのです。
旧い奴で、旧い男で。そんなロック馬鹿でいいのだと背中を蹴とばされるのです。

旧い奴である。
旧い男である。
そいつばかりは。
どうにもならない。
どうしようとも思わない。

惹かれるもの。
魅せられるもの。
焦がれるもの。
そんなものは。
揃いも揃って時代遅れ。

そいつは。
抗い様もない。
そして。
それがどうしたと。
腹を決めている。

平成すらも。
終わることになった。
この時代になっても。
そう。
昭和の中を生きている。

己の。
根源は。
基軸は。
気韻は。
あの時代を生きている。

いまどき。
鼻にもかけられなかろうが。
見向きもされなかろうが。
いまも。
胸が震えるのだからしかたがない。

外れていようが。
逸れていようが。
己が。
信じているのなら。
それだけのこと。

踏み外そうが。
弾き出されようが。
己が。
信じるものがあるなら。
それだけのこと。

安易に。
垂れ流される。
愛とか感動とか。
優しさとかに。
馴染めなくて。

小綺麗で。
清潔で。
表層的な。
社会に。
窒息しそうで。

規制と。
去勢と。
尻尾を振ることと。
引き換えの安全など。
欲しいものかと。

虚勢でも。
孤独でも。
野垂れ死にと。
隣り合わせででも。
自由を選ぶのだと。

旧い奴である。
旧い男である。
流行らなかろうが。
廃れていようが。
そうなのだからしかたがない。



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