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2018/02/15 Thu *憧れは / 忌野清志郎

20180215memphis


憧れは。
そのままに。
胸の内に。
秘めて。
それがいい。

そうだな。
そうすれば。
崩れないし。
傷つかないし。
それもいい。

でも。
好きなのだよな。
焦がれているのだよな。
それは。
間違いではないはずだ。

だったら。
少しばかり。
勇気を出して。
ラインを越えて。
やってみると言うのもありだろう。

思うだけで。
胸が熱くなって。
堪らない。
そんな出会いは。
滅多にあるものではない。

焦がれて。
焦がれて堪らない。
そんな。
憧れは。
そのままにしておくには勿体ない。

『Memphis』'92年リリース。
忌野清志郎の2枚目となるソロ・アルバム。
公式にはCDとカセットのみでのリリースだったのですが。
このアナログ盤はプロモーション用に制作されたもの様です。
ブルース・ブラザーズ・バンドの来日時にMCを務め、デモも制作したらしく。
清志郎にはブッカーT&ザ・MGズとのツアーのオファーがあったのだとか。
それをメンフィスでのレコーディングにしようと提案したのが清志郎で。
尤も。清志郎は半分冗談のつもりだったのか、実現することになって大変驚いたとか。
そして興奮と不安を抱えながら憧れの地、メンフィスへと旅立つことになったと。
オーティス・レディングが、MGズに憧れていた清志郎です。その胸中はねぇ・・・
憧れの大先輩たちを前に失礼があってはならないと。日本で制作したデモを持参したとか。
ところが。スティーヴ・クロッパーから、オーティスが好きなら同じ様にやろうと言われて。
オーティスも使用したスタジオで、オーティスとMGズと同様に(ほぼ)一発録音となって。
歌いながら、スティーヴさん達に指示を出す清志郎・・・その姿を思うだけで涙がね・・・
嬉しかっただろうなぁ。憧れの先輩たちに支えられて。憧れたオーティスの様にだから。
そう、このアルバムが素晴らしいのは。何と言っても全体が幸福感に包まれていること。
「世間知らず」とか「高齢化社会」と言ったナンバーでさえも輝いていて。
そう。まるでそれはメンフィスの綿花畑に降り注ぐ陽光の様ですらあるのです。
だから。遺された清志郎のアルバムの名でも、各段に穏やかで優しい表情が感じられるなと。
このアルバムに参加したMGズとメンフィス・ホーンズと共に来日もしていましたが。
あの日、武道館のステージ上で憧れのメンバーに囲まれた清志郎は、終始笑顔で。
まるで夢を実現した子供の様で。あれほど微笑ましく楽しそうな清志郎は初めてだったな。

それから二十年以上が過ぎたある冬の日に行われたブッカーT&ザ・MGズの来日公演。
再発した癌と闘病中の清志郎が飛び入り。嬉しそうに、楽しそうに2曲ほど歌って。
楽屋に引き上げる清志郎に駆け寄って、握手して、頑張ってくださいとの言葉に頷いてくれたのだけど・・・
恐らくは。あれが公に観客の前で歌った最後の夜。そして最後に握手した最後のただのファンは・・・
だから。ボスはただ楽屋に引き上げただけなのだと。またいつか来日してくれると。今でもそう思っているのだ。

憧れは。
そのままに。
胸の内に。
伏せて。
それがいい。

そうだな。
そうすれば。
壊れないし。
恥もかかないし。
それもいい。

でも。
好きで、好きで。大好きで。
焦がれて、焦がれて、焦がし尽くして。
それは。
確かなことなのだから。

だったら。
ほんの少し。
勇気を振り絞って。
扉を開けて。
やってしまうと言うのもありだろう。

思うだけで。
胸が締め付けられて。
堪らない。
そんな出会いが。
あるのは幸せなことなのだ。

焦がれて。
焦がれて堪らない。
そんな。
憧れは。
そのままにしておいたら罪になる。

憧れは。
そのままに。
憧れのままに。
手が届くことの無い。
夢で終わらせてしまおう。

憧れは。
そのままに。
憧れのままに。
懐かしい思い出にしてしまおう。

それが。
できるのなら。
それで。
諦められるのなら。
それでもいい。

それが。
出来ないから。
いまも、いつも。
胸が熱くなって。
胸が締め付けられて。

そこまで。
焦がれて。
好きで。
間違いないと。
確かだと思えるのなら。

勇気を出して。
ラインを越えて。
勇気を振り絞って。
扉を開けて。
やってしまおう。

その。
出会いは。
滅多にない。
そのままでは。
勿体ない。

憧れは。
そのままに。
秘めずに。
伏せずに。
近づこうと、やってみるのがいい。



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