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2018/04/23 Mon *薔薇の / Fleetwood Mac

20180423englishrose


薔薇の。
棘に。
触れたのは。
指を。
傷つけたのは。

いつだったか。
いつの日だったか。
とうの昔に。
流れた血も乾き。
傷口も塞がり。

微かな。
痛みも。
記憶から。
消え去った。
それなのに。

ふと。
その。
感触が。
蘇り。
心に小波を立てる。

見つめる。
その指先には。
傷跡も無ければ。
血も流れてはいない。
それなのに。

胸の。
柔らかなところ。
そこが微かに。
そして確かに。
痛みを発している。

『English Rose』'69年リリース。
フリートウッド・マックの米国での2枚目のアルバム。
英国での2枚目と3枚目のアルバム。それにシングルのみでリリースされたナンバー。
それらからなる全12曲の編集アルバムで。ブリティッシュ・ブルース・バンドとしての。
フリートウッド・マックの何たるかを手っ取り早く知るには絶好のアルバムかとも。
それにしても。この強烈なジャケット。幼い子供ならひきつけを起こすのではと。
ミック・フリートウッドの女装姿(?)だそうですが。いやはやなんともこのセンス。
この狂気とひねくれた笑いのセンス、強烈な毒を内包しているところ。
それこそが。この時代のフリートウッド・マックの個性であり、最大の魅力であると。
ピーター・グリーン、ジェレミー・スペンサー、そしてダニー・カーワンと。
3人の異なる個性の持ち主であるギタリストを擁して。それぞれが競い合うことで。
独特のブルースを奏で始め、更にはその枠を超えて飛翔しようとするものを生み出してと。
特に。人一倍、繊細で感受性も強かったと言われるグリーンが。プレッシャーと闘いながら。
より高く、より自由にと。創造の幅を広げていくその過程は苛烈な葛藤もあった様で。
それが己の内側に向くこともあった様で。それが時には自家中毒に近い症状をも呼んで。
やがて。グリーンは破滅の道を歩むことになるのですが。そこに至る寸前、紙一重のところ。
そこで生み出された狂気と、毒を内包しているナンバー、「Albatross」等が輝いていると。
ブルースを希求しながらも。どうにも英国ならではの曇った陰りからは逃れられない。
その狭間で揺れ動くグリーンの心の動き、葛藤。そんなものがどうにも堪らないのです。
そんなものが、どうにも、そう薔薇の棘の様に胸のどこかに刺さって抜けないのです。
その棘が、遅効性の毒の様に。じわじわと効いてくる。それこそがグリーンの。
そしてフリートウッド・マックのブルースで。それはどうにも英国的でもあって。
『英吉利の薔薇』と言う邦題も、実に何とも直訳ながらも秀逸だなと思わされもするのです。

薔薇の。
香に。
触れたのは。
唇を。
寄せたのは。

いつだったか。
いつの日だったか。
とうの昔に。
纏った残り香も薄れ。
唇も乾き。

微かな。
惑いも。
記憶から。
消え去った。
それなのに。

ふと。
その。
感覚が。
蘇り。
心に波紋を起こす。

なぞる。
その唇は。
濡れてもいなければ。
香りも上ってはこない。
それなのに。

胸の。
柔らかなところ。
そこが微かに。
そして確かに。
微熱を宿している。

薔薇の。
棘に。
香りに。
触れたのなら。
触れてしまったのなら。

一度でも。
それに。
そんなものに。
触れたのなら。
触れてしまったのなら。

例え。
血は。
乾き。
残り香は。
薄れても。

例え。
傷口は。
塞がり。
唇は。
乾いても。

微かな。
痛みが。
ふと。
その感触が。
蘇る。

微かな。
惑いが。
ふと。
その感覚が。
蘇る。

胸の。
柔らかなところ。
そこが微かに。そして確かに。
痛みを発している。
微熱を宿している。

薔薇の。
棘に。
香に。
触れてしまったら。
その毒からは一生逃れられない・・・



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