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2018/06/26 Tue *この地下室 / T. Rex

20180626dandyintheunderworld


理性。
常識。
それが。
どうした。
どれ程のものだ。

本当に。
そんなものが。
必要だと。
思っているのか。
信じているのか。

百歩、譲って。
その必要性は。
認めたとして。
己にとっては。
意味のあるものだとは。

思いもしない。
信じなどしない。
そもそも。
理性とは何なのだ。
常識とは何なのだ。

誰が。
決めるのだ。
誰に。
決められるというのだ。
馬鹿馬鹿しい。

そんな。
愚かしさとは。
遠く離れて。
地下室の静寂の中で。
一杯の珈琲を味わっていたい。

『Dandy In The Underworld』'77年リリース。
図らずも最後の一枚となってしまったT.レックスのアルバム。
予言通りに30歳を前にして旅立ってしまったマーク・ボラン。
それによってラスト・アルバムになってしまったわけですが。
マークには、その予感があったのか。それともその先を見据えていたのか。
パンク・ロックの勃興期でもあり。シーン全体の原点回帰の潮流に刺激されたか。
実に数年振りに。マークの書くナンバーも、そしてそのサウンドも。
必要以上の装飾を剥ぎ落して。ボラン・ブギーのシンプルな骨格が表面へと。
そこには再起を賭けたマークの、前向きな意思が確かに感じられると。
しかし。一方で。どこか諦念にも通じる。醒めた寂寞の様なものも漂っているかなと。
新たにミラー・アンダーソン、トニー・ニューマン、そしてハービー・フラワーズと。
錚々たる実力者を迎えて再編されたバンドが奏でるブギーは躍動していて。
ボラン・ブギーに新たな生命を与え。マークの歌声にも張りがあると。
そう。だから。必要以上の厚ぼったさを打破して。十分に刺激的ではあるのですが。
それでも。どうにも。どこか。一線を引いていると言うか。距離があると言うか。
それこそ。地下室、地下世界から。歌い奏でる己自身を突き放して眺めている感覚があって。
パンク・ロックに刺激を受けて。ツアーに同行させたダムドを支援したりもしながら。
本能的に。その潮流も一過性であると。根本的、根源的な変化が訪れることはないと。
そんなことを悟っていたのではと思われる。そんなものを感じずにはおられないのです。
勿論、それはブローニュの森で魔女と取引をした期限が迫っていたからではなくて。
言わば、自意識過剰の権化とも言えるマークだからこそ持ちえた視点があってのことかと。
そこが時代の潮流をも、躊躇いもなくしたたかに利用してしまえるボウイとの違いかな。
華やかな電気の鎧の内側に。自閉的な個を抱えていたマーク。その佇まいにどうにも惹かれたりするのです。

社会。
世界。
それが。
どうした。
どれ程のものだ。

本当に。
そんなものが。
存在すると。
思っているのか。
信じているのか。

百歩、譲って。
その存在は。
認めたとして。
己にとっては。
実存するものだとは。

思えもしない。
信じられもしない。
そもそも。
社会とは何なのだ。
世界とは何なのだ。

誰が。
創ったのだ。
誰に。
創られたというのだ。
馬鹿馬鹿しい。

そんな。
愚かしさからは。
遠く隔てられて。
地下室の静寂の中で。
一編の物語に耽っていたい。

誰かの。
理性も。
誰かの。
常識も。
どうでもいい。

誰の。
理性も。
誰の。
常識も。
意味などなさない。

誰かの。
社会も。
誰かの。
世界も。
どうでもいい。

皆の。
社会も。
皆の。
世界も。
実存などしない。

いま。
この時。
この地下室で。
一杯の珈琲。
それだけでいい。

いま。
この時。
この地下室で。
一編の物語。
それだけがいい。

この地下室。
その静寂。
それさえ守られるなら。
それを守る為なら。
躊躇いなく引鉄を弾くだろう。

だから。
触れるな。
近寄るな。
立ち入るな。
この地下室に。



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