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2018/06/29 Fri *仮暮らし / David Bowie

20180629lodger


仮暮らし。
いつでも。
どこでも。
そんな感覚が。
抜けぬまま。

何を。
していても。
何処に。
いても。
不意に。

実感が。
抜け落ちて。
輪郭が。
曖昧になって。
薄れゆく。

あぁ。
そうなのだと。
いまも。
ここも。
そうなのだと。

己の。
実在を。
確信できない。
そのままに。
いるのだと。

思い出し。
呆然と。
立ち尽くし。
総てが止まる。
仮暮らし。

『Lodger』'79年リリース。
所謂、ベルリン三部作の最後の一枚とされるデヴィッド・ボウイのアルバム。
確かに引き続きブライアン・イーノが参加し、その匂いは濃厚なものの。
実際には当時の西ドイツで録音は行われておらず。また全曲がヴォーカル入りとなって。
前二作、『Low』『Heroes』とは趣が異なると言うか、一線を画しているかなとも。
少なくとも。ボウイの中では既に次への胎動が生まれていたのではないかと思われます。
生涯に渡って。変容を続けたボウイ。どうにも、ひとところに止まることが出来ずに。
常に、いまではない、ここではない。いつか、どこかを探し求めていた様な。
恐らくは多分に。飽きっぽい性格だったのかとも思われて。その止まらないところが。
その動き続け、移動し続けるところが。それが魅力的だったのだと思わされますが。
特にこのアルバムは。ボウイ自身にも過渡期との意識が強かったのかなとも。
それがアルバム・タイトルにも、そして内容にも反映している気がしてならないかな。
どうにも。落ち着きのない浮遊感。それが居心地の悪さを感じさせて、刺激的でもあり。
また、同時に。その落ち着かない、定住しない感が、心地よくも思えると言う。
どうにも始末に負えない。そんな言ってみればボウイらしい魅力に溢れたアルバムかな。
明らかにイーノに傾倒、依存して。その濃度が最高潮に達したところで。醒めてしまって。
その最後を、イーノの匂いを濃厚に纏ったアルバムで締めくくりながら。心、ここにあらず。
そう、ボウイと言う人は。熱中している様で、熱狂の渦の中にいる様で。いつでも。
そこからは、その中心からは離れている、距離をとっている。その距離感が絶妙であって。
そこには。構想時と制作時、制作時と発表時。その僅かな間にも変容し続けてしまう。
そんなボウイならではの浮遊する、移動する感覚、意思が働いていたのかなとも。
生涯、間借人、仮暮らし。やはり異星から仮初、地球に滞在していたのかとも思ってしまうのです・・・

仮暮らし。
いつでも。
どこでも。
そんな感触が。
消えぬまま。

何を。
しようとも。
何処に。
いようとも。
不意に。

実体が。
消え去って。
陰影が。
微妙になって。
崩れゆく。

あぁ。
変わらないのだと。
いまも。
ここも。
同じことなのだと。

己の。
実存が。
明確にならない。
そのままで。
いるのだと。

思い知らされ。
自失で。
立ち止まり。
総てが失われる。
仮暮らし。

定まること。
落ち着くこと。
そんなものを。
望んではいない。
求めてもいない。

定まらぬ。
落ち着かぬ。
そのことの。
心地よさに。
惹かれてもいる。

ただ。
曖昧に。
薄れゆく。
輪郭を。
目にする度に。

ただ。
微妙に。
崩れゆく。
陰影を。
目にする度に。

実感が。
抜け落ちて。
実在を。
確信できない。
己に。

実体が。
消え去って。
実存が。
明確にならない。
己に。

その。
選んだ。
選ばれた。
身を思ってみる。
仮暮らし。



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