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2018/07/11 Wed *愚かなり / 萩原健一

20180711straightlight


愚かなり。
この道。
この歩き方。
そいつは。
百も承知。

でも。
この道以外。
この歩き方以外。
そいつを。
選べない。

何を。
好んで。
愚かな者と。
知りながら。
生きさらばえるのか。

そう。
そんな。
悪あがきも。
含めて。
選んでいる。

今更。
他の道。
他の歩き方。
ありはしない。
思いもしない。

それでいて。
時に。
迷い道。
嵌り込んでは。
愚かなり。

『Straight Light』'87年リリース。
萩原健一、ショーケンの(恐らく)12枚目のアルバム。
プロデュースとアレンジは井上堯之で。バックはアンドレー・マルロー。
気心の知れた面子に囲まれて自由にロックするショーケン。
ショーケンの場合、その魅力はライヴでこそ圧倒的に発揮されるのですが。
スタジオ・アルバムとしては『D'erlanger』とこのアルバムが双璧かなと。
ここ数年、久し振りにライヴも行い、積極的に音楽活動を再開していますが。
暫くは、まぁ、色々とあって表舞台から消えかかっていた愚か者なショーケンです。
あまりロックなイメージは無いのかもしれませんが。実のところ日本人のシンガーで。
これほどロックを感じさせる歌を聴かせてくれる人もいないのではないかと。
タイガースとテンプターズ。その時代からライバルだった沢田研二、ジュリーと比較すると。
歌の上手さ、華やかさ、分かりやすさ。総ての面でジュリーに分があるのは間違いなく。
しかし故に、上手い下手を越えた何か、泥臭さ、如何わしさ、一筋縄でいかないところ。
そんな、何とも言葉にし難い。生々しい息遣いを感じられるロックが宿っているかなと。
何故、ここでファルセット?何故、ここでシャウト。その奇異にも思える自由な様。
何ものにも縛られることを拒み、故に生き辛くなってしまうことへの自然な反発。
それが本能として染みついてしまっている。そんな危うい色気に溢れているのです。
時に必要以上に悪態をついて、噛みつきもしてしまう。そうしないと自己を保てない。
ハッキリ言ってしまえば。あまりにも愚かしく、故にあまりにも愛しくなってしまうのです。
堯之さんによる統制の効いた硬質なサウンドと、ショーケンの自由過ぎる歌声。
そいつが絶妙なバランスを保っているところはライヴには無い魅力と言えるかも。
そして。何と言っても「愚か者よ」の存在。まさにショーケンの為にある様なナンバーで。
どこかのジャリタレのヴァージョンとは比較のしようも無いのは言うまでも無いかなと。

愚かなり。
この道。
この転がり方
そいつは。
とうに承知。

でも。
この道以外。
この転がり方以外。
そいつは。
選べない。

何を。
わざわざ。
愚かな者と。
知りながら。
生き伸びようとするのか。

そう。
そんな。
往生際の悪さも。
認めながら。
選んでいる。

今更。
他の道。
他の転がり方。
ある筈もない。
思えもしない。

それでいて。
偶に。
迷い道。
落ち込んでは。
愚かなり。

この道。
この歩き方。
誰でもない。
己で。
選んだ。

この道。
個の転がり方。
他でもない。
己が。
選んだ。

他の道も。
誰かの。
歩き方も。
転がり方も。
選べなかった。

逆らい。
抗い。
噛みつく。
それしか知らない。
愚か者。

外れて。
逸れて。
背を向ける。
それしか出来ない。
愚か者。

そいつを。
選んで。
受け容れて。
それでも。
生きさらばえ、生き延びようと。

なのに。
迷い道。
はまり込んでは。
落ち込んでは。
一筋の光に縋る。

愚かなり。



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