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2018/09/30 Sun *夏が終わる / 真島昌利

20180930natsunonukegara


夏が終わる。
夏が往く。
やっと解放されるのかと。
暑さが骨身に染みた。
体は言うけれど。

未だに。
尻尾がとれない。
蒼いままの。
心はどこかで。
名残を惜しんでいる。

夏は。
はしゃがせる。
昂らせる。
その暑さと。
その空の青さと。

そいつは。
そんな夏の匂いは。
いつまでも。
幾つになっても。
心を弾ませる。

だから。
体がついていけない。
そんな季節を迎えても。
夏が去るのは。
未だに寂しいのだ。

きっと。
この切なさを。
重ねる度に。
何かを失いながら。
ここまで生き延びてきたのだろう。

『夏のぬけがら』'89年リリース。
真島昌利、マーシーの初めてのソロ・アルバム。
この2枚組アナログ盤がリリースされたのは2017年だったかな。
一応、リマスターされているみたいですが。それ程の音質の違いは・・・
まぁ、その辺りは環境や、好みにもよりますからね。ヴォーカルが前に出ているかな。
さて。結論から言うと。自分がマーシーを好きなのは、信頼しているのは。
ブルー・ハーツよりも、ハイロウズよりも、クロマニヨンズよりも、何よりも。
このアルバム、そこに描かれている世界があるからなのです。断言できるな。
ブルー・ハーツは衝撃的で。特にマーシーの詞にはやられたなと思ったのですが。
何処かで一歩退いてもいて。一緒にライヴを観に行ったある娘の一言が象徴していて。
高校生でこれを聴いていたら、後戻りできないくらいにハマっていたよねと。
そう。既に社会に出ていた自分達にとっては何処か過ぎてきた世界で。故に眩しいのかと。
そんな時に。このアルバムがリリースされて。聴いた瞬間から、もう言葉を失って。
こうきたかと。これをやるかと。やられたなと。悔しいけど、敵わないなと。
マーシーとは、ほぼ同年代、同学年みたいなものなので。そうなのだよなと。
だからこそ、感じられる、受け止められる、共にあれる世界があるのだなと。
特に、ここに描かれている、恐らくはマーシーの十代が反映されているであろう、その世界。
その匂いとか、その空気とか、その情景とか。こいつは、こいつばかりは同年代ならではの。
その特権だなと。あの夏の終わりに、見上げた青い空、白い雲、そして夕焼け。
そんなものが、見事に歌われている、描かれている。それが胸に刺さり、震わせるのです。
一瞬にして。あの日、あの時、あの町に帰れてしまうのです。勿論、実際には違うものの。
同じ、似通った空の下で、空気の中で、匂いを感じて駆け抜けてきたのだなと。
あまりにもノスタルジックに過ぎるとの批評もあった様ですが。それがそうしたと。ロックンロールなんて。
所詮はノスタルジックで、切ないものだと。それを真正面から描いてみせたマーシー、大好きなんだよなぁ・・・

夏が終わる。
夏が逝く。
やっと解放の時が来たのだと。
暑さに消耗させられた。
体は言うけれど。

未だに。
夏休みが恋しい。
ガキのままの。
心はどこかで。
別れを惜しんでいる。

夏は。
駆け出させる。
騒がせる。
その暑さと。
その雲の白さと。

そいつは。
そんな夏の残り香は。
いつも。いまも。
幾つになろうが。
心を跳ねさせる。

だから。
体がもちはしない。
そんな年齢になっても。
夏が去るのは。
未だに哀しいのだ。

きっと。
この哀しさを。
重ねる度に。
何かを喪いながら。
いままで生き延びてきたのだろう。

夏が終わり。
夏が去り。
新たな季節が。
新たな息吹が。
やって来る。

その巡り。
その繰り返し。
そいつが繋ぐもの。
そいつが紡いできたもの。
それもまた、大切なのだと。

それは。
そのことは。
体にも、心にも。
染みる程に。
感じている、知っている。

それでも。
それだから尚。
夏は。
その匂いは。
特別なのだ。

空の青さ。
雲の白さ。
熱気、喧騒。
そして。
一瞬の静寂。

その中に。
終わらない何かを。
終わらせたくない何かを。
永遠を見てしまった。
それは幻に過ぎないとしても。

夏が往く。
夏が逝く。
秋が訪れ。
秋が深まる。
夏が終わる。

惜しまずにはいられないのだ…



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