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2018/10/01 Mon *時と場所を / Otis Rush

20181001rightplacewrongtimejp


時と場所を。
そいつを。
そいつさえ。
誤らなければ。
随分と違っていたのだろうなと。

そう思う。
そんなことが。
稀にある。
否、度々ある。
そんなところ。

ここに。
この場所に。
いること。
そいつは。
間違いでは無いと。

ここで。
この場所で。
こうしていること。
そいつも。
理には適っていると。

それどころか。
適材適所。
望まれて。選ばれて。
そいつを。
楽しんでさえいるかもしれない。

だが。
何故、それが。
いまなのだと。
何故、あの時ではなかったのかと。
そんな思いがふと過る。

『Right Place, Wrong Time』'76年リリース。
‘71年に録音されながらキャピトル・レコードがお蔵入りにしてしまった音源。
そいつをオーティス・ラッシュ、本人が買い取り漸く陽の目を見たアルバム。
当時、日本ではP-VINEが発売権を獲得して。この独自ジャケットでリリースされたと。
前年である'75年に初来日公演が実現していて。相乗効果でかなり話題になったのだとか。
ラッシュと言う人は。本当に不思議なくらいに録音の機会や契約に恵まれなかった人で。
コブラであれ程の鮮烈なデビューをしながら。その後チェス、デュークと塩漬けにされて。
特にアルバム単位の録音は、その最初が'69年になってからだったりもして。
その時にニック・グレイヴナイツと言う、素晴らしい理解者と知り合い手応えを得て。
再び、そのニックをプロデュースに迎えての意気込みに溢れた録音がこのアルバムでした。
勿論、コブラのラッシュは必殺ですし。チェスやデュークにも素晴らしい録音はありますが。
後年にアルバムとして纏められたコブラも含めて総てシングルを前提としての録音で。
最初からアルバムとして、ラッシュのブルースを聴かせようとしたのはこれが二枚目。
そして。恐らくは。ラッシュのアルバムとしての録音で言えばこれが最高傑作かなと。
ニックとの息も合って。ラッシュが実に伸びやかに弾き、そして歌っていると。
元来が、内に秘めた情念を一気に爆発させるかの如きブルース。それがラッシュで。
その最たるものがコブラ時代なのですが。あまりにも内に秘めたものが重すぎたりもして。
(まぁ、自分などは。その重さも含めてコブラのラッシュが大好きなのですが・・・)
その点、このアルバムに於けるある意味で吹っ切れたかの伸びやかさは新鮮でもあると。
ラッシュとしては異色なブルック・ベントンのカヴァー、「Rainy Night In Georgia」なども。
その気持ちよさそうな表情が浮かぶかの様でもあり。好調振りが窺えるのです。
それだけに。何故。これだけのアルバムがお蔵入りになったのかと。実に悔やまれます。
繊細で、そして恐らくは人の良さ、欲の無さが裏目出ることも多かったらしいラッシュ。
この録音後は長く低迷状態に陥ってしまって。ことスタジオ・アルバムに限って言えば。
次にまともなアルバムがリリースされたのは'90年代半ばに入ってからだったと言う・・・
時と場所を。神様が誤らなければ。時と場所をラッシュ本人が選べたならばと思ってしまうのです。

時と場所を。
そいつを。
そいつさえ。
選べたならば。
随分と異なっていたのだろうなと。

そう感じる。
そんな瞬間が。
稀に訪れる。
否、度々襲われる。
そんなところ。

ここに。
この場所に。
辿り着いたこと。
そいつは。
悪くはなかったと。

ここで。
この場所で。
こうしていられること。
そいつも。
幸せなことではあると。

それどころか。
水を得た魚。
求められて。嵌って。
そいつを。
面白がってさえいるかもしれない。

だが。
何故、それが。
いまになってなのだと。
何故、あの時ではなかったのかと。
そんな思いがふと滾る。

あの時だろうが。
いまだろうが。
結果的に。
良かったと思えるなら。
それでいいのかもしれない。

あの時だろうが。
いまだろうが。
結果など。
同じ様なものだった。
そうなのかもしれない。

でも。
例えそうだとしても。
どうしても。
拭えない思いが残る。
そいつに囚われる。

あの時。
ここに。
この場所に。
辿り着けたのなら。
いられたのなら。

そうしたら。
あるいは。
あの場所が。
この場所になっていた。
そんなこともあったかもと。

あの時。
この思いに。
気がつけていたのなら。
この場所は。
必要なかったのかもしれない。

時と場所を。
そいつを。
そいつさえ。
誤らなければ。選べたのならば。
そいつが小骨の様に引っ掛かる・・・



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