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2018/11/01 Thu *拾う者、捨てる者 / Etta James

20181101losersweepers


何を。
拾い。
何を。
捨てるか。
それが問題だ。

何かが。
落ちていれば。
落ちてくれば。
労せずして。
手に入るのなら。

みすみす。
見逃す手は無い。
拾い。
手に取り。
我がものとする。

その期を。
捉えて。
生かせるか。
そいつは。
結構な。分かれ道にもなる。

ただ。
落ちている。
そのものが。
拾い。手にした。
そのものが。

本当に。
己にとって。
必要なのか、否か。
そいつを。
見極められるなら、でもある。

『Losers Weepers』'71年リリース。
エタ・ジェイムスの10枚目となるスタジオ・アルバム。
この後に、深刻な酒と薬物中毒に陥ることになるエタです。
この頃には既に症状は表れていたと思うのですが。その影響を微塵も感じさせない。
その迫力、特にバラードにおける重量級の迫力に背筋が震える思いがします。
まぁ、その迫力の裏には進む中毒症状への恐れもあったのかもしれませんが。
さて。エタと言えば件の映画でも描かれていた出生の問題もあって。
幼くして養父母に育てられる様になり、教会で歌って早くから名を上げるも。
養母が亡くなった十代前半にはかなり荒んだ生活を送るなど起伏に富んだ道を歩んで。
その後、ガールズ・グループを結成して活動。そしてソロとして歌い始めて。
やがて、チェスとの契約を得て。成功への階段を駆け上がっていくことになると。
エタを見出してチェスに紹介したのはムーングロウズのハーヴィ・クーファだったとか。
ハーヴィは後にモータウンでマーヴィン・ゲイやスピナーズも発掘していますから。
その慧眼には恐れ入りますが。エタの歌には若くしてそれだけのものがあったのだなとも。
さて。エタと言うと怒涛とも言える直情径行な、攻めては寄せる歌声にその真骨頂があると。
その攻撃に身も心も晒してこそエタならではの醍醐味が味わえるのですが。
このアルバムのエタ。その思い、感情をひと時、グッと溜め込んで、そして吐露する。
そんなスローな、バラードを中心とした攻め手を展開していて。これがまた何とも。
溜め込んだ分だけ、その思い、感情の前には。もう平伏すしかないかなと思わされて。
Finders keepers, losers weepersと言う諺から着想を得たと思われる「Losers Weepers」と。
その続編とされる「Weepers」の二曲が続くA面の終わりなどもう放心ものなのです。
題材は勿論、色恋沙汰だと思われ。エタを相手にするのは相当な覚悟がいるだろうなと。
そしてやがて中毒症状との壮絶な闘い。チェスとの契約切れ。長いブランクと再起と言った。
その後のエタの波乱万丈な生き様と、その度の分かれ道を思ったりもするのです。

何を。
捨て。
何を。
拾うか。
それが問題だ。

何かが。
増えれば。
増え続けて。
どうにも。
手に余るのなら。

むざむざ。
放置してはおいけない。
捨てる。
手から放し。
我と縁を切る。

その期を。
誤らず。
生かせるか。
そいつは。
存外な。分かれ道にもなる。

ただ。
捨て去る。
そのものが。
捨てた。手放した。
そのものが。

本当に。
己にとって。
不要なのか、否か。
そいつを。
見極められるなら、でもある。

拾うもの。
そいつが。
何であるのか。
何になるのか。
そいつを信じられるか。

拾う時。
その時。
何が起きるか。
何を起こせるか。
そいつに賭けられるか。

捨てるもの。
そいつが。
何であったのか。
何に変わるのか。
そいつを断じられるか。

捨てる時。
その時。
何が起きるか。
何を起こさずに済むのか。
そいつに託せるのか。

落ちている。
落ちてくる。
そのものを。
拾わない手は無い。
だが、それが総てでも無い。

落とさずに。
落とさぬ様に。
そのものは。
落とさずに、捨てること。
だが、それが総てでも無い。

拾う者。
捨てる者。
要は。
その覚悟、その信念。
そいつが、道を決めるのだ。



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