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2018/11/02 Fri *流浪、浮浪 / Lowell Fulsom

20181102tramp


放浪。
浮浪。
その思いは。
未だに止まず。
胸を揺さぶる。

別に。
ここでいい。
ここでもいい。
その筈なのに。
いつも。いつまでも。

ここではない。
どこかへの。
思い。
そいつが。
消えることはなく。

宛もないのに。
フラフラと。
探しに。
求めに。
出ていきたくなる。

何も。
背負い込んだこの身で。
傷ついたこの身で。
そんな思いなど。
忘れてしまえばいいものを。

どうにも。
そうは。
いかないらしい。
そいつが。
生まれついての性分らしい。

『Tramp』'67年リリース。
オクラホマ生まれ、テキサス育ちのローウェル・フルソン。
あのB.B.キングをして、眠れる巨人と言わしめたローウェル。
'50年代にはチェスで数々のヒットを放っていたローウェルですが。
時代の流れと共に他のブルース・マン同様に、雌伏の時を過ごすことを余儀なくされ。
しかし。進取の気質に富んでいたローウェル。その間も虎視眈々と機会を窺い。
いち早くファンクのリズムとコード進行を取り入れた「Tramp」のヒットによって。
再びチャート・バスターとしての地位に返り咲き、このアルバムの録音、制作に至ったと。
兎に角。ブルースなど過去の遺物として葬り去られようとしていた時期に。
何とも痛快なナンバーをR&BチャートのTOP5に叩き込んでみせたわけで。
言わばファンク・ブルースの先駆けでもあり、あっという間に多くのカヴァーを生み出して。
そのまま、ブルースのスタンダードとして定着させてと。その存在を改めて知らしめたと。
実は、その後もヒップホップの世界でもサンプリングとして頻繁に取り入れられていて。
「Tramp」はブルースのみならず、ブラック・ミュージックを代表するナンバーなったと。
それをやってのけたのが。当時四十代後半、戦前から活躍していたローウェルだった。
この事実が、また何とも痛快で。確かな力量に裏打ちされた新たな挑戦。
それこそファンクだろうと、ロックンロールだろうと呑み込んで、咀嚼して、消化して。
新たなものとして再生してしまう。その度量の大きさ、懐の深さは只者ではない証で。
それこそ歴戦の強者ならではのなせる技。巨人、未だ健在なりと唸らざるを得ないのです。
ジャケットで、Tramp、浮浪者に扮して何とも言えないいい表情を見せているローウェル。
浮浪者が美女二人を侍らせてにやけてみせる、その洒落っ気も貫禄のなせるところかなと。
流浪、浮浪しながら。常に挑み続けたその姿勢こそ、ブルースそのものかなと思ったりもするのです。

放浪。
浮浪。
その思いは。
止むことを知らず。
胸を締め付ける。

別に。
これでいい。
これでもいい。
そう決めたのに。
いつも。いつまでも。

これではない。
なにかへの。
思い。
そいつが。
失せることはなく。

宛もないのに。
フラフラと。
捜しに。
見つけに。
立ちたくなる。

何も。
抱え込んだこの心で。
傷だらけのこの心で。
そんな思いなど。
消してしまえばいいものを。

どうにも。
それでは。
済まないらしい。
そいつが。
生まれ落ちての性分らしい。

放浪する者。
その心を。
忘れること。
そいつが。
できたのなら。

浮浪する者。
その心を。
消すこと。
そいつが。
でみたのなら。

少しは。
落ち着いて。
腰も据わって。
穏やかに。
過ごせるのかもしれない。

少しは。
冷静に。
原も括れて。
安穏と。
生きられるのかもしれない。

されど。
何かを。
探しに。
求めに。
その思いは分かち難い。

なれど。
何かを。
捜しに。
見つけに。
その思いも別れ難い。

放浪。
浮浪。
その中でこそ。
その路上でこそ。
輝くものが己の糧である限り。



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