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2018/11/19 Mon *天辺回る頃 / Maria Muldaur

20181119mariamuldaur


天辺を。
回る頃。
今日と明日が。
交差する頃。
漸くと。

緩み。
解れる。
そんなものを。
促してくれる。
ものがある。

それは。
空気だとか。
匂いだとか。
そして、何よりも。
音楽だったりする。

取り敢えず。
終わったのだから。
お疲れ様でしたと、見送って。
宜しくと、迎えよう。
そんな頃合いだよねと。

未だ。
昂っているけれど。
もう肩の力を抜いて。
いいのだと。
そうしようと。

囁き、告げてくれる。
そのものの。
温かい懐に抱かれて。
漸くと。
弛緩へと向かい始める。

『Maria Muldaur』'73年リリース。
マリア・マルダーの初めてのソロ・アルバム。
当時の邦題は『オールド・タイム・レディィ』だったとか。
まぁ、マリアの歌声、音楽性を表現したかったのでしょうが。
そのまま、原題のままでも良かったのではないかと思います。
イーヴン・ダズン・ジャグ・バンド、そしてジェフ&マリア・マルダーとして。
グッド・タイム・ミュージック、オールド・タイム・ミュージックを追求してきたマリア。
その成果が結実した、何とも心温まる、心安らぐ。そんな素敵なアルバムとなっています。
ライ・クーダーやエイモス・ギャレットを筆頭にした腕利きのメンバーが奏でるサウンド。
その極上の、そして気の置けないサウンドをバックに歌うマリア、その歌声。
マリアと言うのは、とても歌の上手い人だと思うのですが。それ以上に。その歌声が帯びた。
とても艶のある、とても色気のある、官能的とも言える色香が印象に深く残るのです。
それが、けしてわざとらしくも、あざとくもなく。ごく自然に漂い、伝わってきて。
抱きしめられる、包まれる。その時の、その瞬間の温かさ、優しさときたら。
もう、何ものにも代え難い魅力に溢れていて。惹かれる、そのままに、素直にと。
そのまま、抱かれて、包まれて。たゆたっていたいなと、心から思ってしまうのです。
そんなに力むことも、必要以上に熱くなることも。必要ないのだと。それでいいのだと。
そんな弛緩が、弛緩したままの時間が許されるところも、時もあるのだと。
得も言われぬ艶やかさで、促し、誘ってくれるマリアです。逆らう術など知らないのです。
大ヒットした「Midnight At The Oasis」なんてね。もう、本当に蕩けてしまいそうで。
そう。少し疲れた。そんな真夜中。天辺を回る頃。マリアの歌声が聴こえてきたのなら。
それだけで。何もかも忘れて。緩やかに。懐かしい、至福の世界へと時を遡れる気さえする。それ程の歌声です。

天辺を。
回る頃。
今日があしたに。
繋がる頃。
漸くに。

弛み。
溶けだす。
そんなものを。
誘ってくれる。
ものがある。

それは。
灯りだとか。
香りだとか。
そして、何よりも。
歌声だったりする。

兎にも角にも。
受け渡したのだから。
ありがとうと、受け取って。
どういたしましてと、手渡そう。
そんな時分だよねと。

未だ。
火照っているけれど。
もう心の鍵を開けて。
いいのだと。
そうしなさいと。

囁き、呼んでくれる。
そのものの。
温かい声に包まれて。
漸くと。
弛緩が広がり始める。

あぁ。
こんなにも。
吸い込まれるなんて。
促されるままに。
そのままに、そのままで。

あぁ。
ここまでも。
吸い込むなんて。
誘われるままに。
そのままで、そのままに。

取り敢えず。
終わったのだから。
兎にも角にも。
受け渡したのだから。
もう、そこまででと。

肩の力を抜いて。
心の鍵を開けて。
昂りも静めて。
火照りも冷まして。
そうして、ゆっくりと。

促されるままに。
緩んで。
解して。
そのままに。
抱かれてしまおうと。

誘われるままに。
弛んで。
溶けだして。
そのままに。
包まれてしまおうと。

その空気、その匂い。
その灯り、その香り。
その奏でられるもの。
その歌われるもの。

天辺を。
回る頃。
オアシスの畔に腰かけて。
弛緩していく。
懐かしい、何処かへと、帰っていく。



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