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2018/11/20 Tue *収容所 / Kathi McDonald

20181120insaneasylum


歪んでいようが。
曲がっていようが。
否、だからこそ。
収まる場所。
そんなものが必要なのだ。

恐らくは。
好んで。
歪んだわけでも。
曲がったわけでも。
ありはしない。

それどころか。
そもそも。
果して、本当に。
歪んでいるのか。
曲がっているのか。

そいつは。
自分には。
分かりはしない。
否、恐らくは。
誰にも分かりはしないのだ。

でも。
世間とやらとは。
少しばかり。
相性が悪くて。
どうやらはみ出している。

そんな。
心にも。心にこそ。
受け容れてくれる。
避難できる。
収容所が必要なのだ。

『Insane Asylum』'74年リリース。
キャシー・マクドナルドの初めてのソロ・アルバム。
当時の邦題は『精神病棟』だったのかな。今だったらどうなのだろう。
まぁ、当時の和訳としては間違いではないのですけれどね。
バック・シンガー、セッション・シンガーとして豊富なキャリアを誇るキャシー。
マッド・ドッグス&イングリッシュメンの一員でもあったし、デラニー&ボニーとか。
フレディ・キングのアルバムにも参加していて。そしてストーンズとも縁があって。
『Exile On Main St.』での「All Down The Line」でのシャウトは強烈な印象があります。
ジャニス・ジョプリンの後任としてビッグ・ブラザー&ホールディング・カンパニーも参加。
それだけの魅力的で、迫力のある歌声の持ち主だったのですよね。
デビューのきっかけが面白くて。アイク&ティナ・ターナーのライヴを最前列で観ていて。
歌詞をど忘れしたティナの代わりに客席から歌っていてアイクに見初められたのだとか。
アイケッツに誘われたものの。既にメンバーだった友達の仕事を奪いたくないと辞退して。
バック・シンガー、セッション・シンガーして活動を開始して。たちまち売れっ子に。
業界で如何に評価が高かったかは、ニルス・ロフグレンやらロニー・モントローズらが参加。
ノン・クレジットですが、ポインター・シスターズにタタワー・オブ・パワーもとね。
更にはニール・ヤングがバッファロー・スプリングフィールド時代の未発表曲を提供し。
スライ・ストーンもノン・クレジットで参加してキャシーと掛け合いで歌声を披露していて。
如何にキャシーが、その歌声が評価され、愛されていたかが感じられます。
その歩みから。どしてもジャニスと比較されてしまうキャシーではありますが。
ジャニスよりも、そうだな。よりストレートで、そして高音の伸びに個性があるかなと。
勿論、そのシャウトは迫力十分で。聴く者を惹きつけて止まないだけの魅力に溢れています。
それだけに。例えば。致し方なかったのでしょうが。件のバンドには参加しなくてもねと。
このアルバムでも「To Love Somebody」をカヴァーしていますが。それもどうかと。
比される、似ている。それは武器にもなりますが。折角の個性を目立たなくもするわけで。
スライを圧倒している「Insane Asylum」でのファンキーで、タフで、ドスの効いた歌声。
それをもっと押し出せていたらなと。人と、誰かと異なっていても構わないのですから。
それ故に、素晴らしいのだし。受け容れてくれる、収めてくれる場所は、誰にでもあると思うのですけどね。

尖がっていようが。
捻くれていようが。
否、だからこそ。
収まる場所。
そんなものは必要なのだ。

誰だって。
好んで。
尖がったわけでも。
捻くれたわけでも。
ありはしない。

それどころか。
そもそも。
果して、本当に。
尖っているのか。
捻くれているのか。

そいつは。
自分では。
決められはしない。
否、恐らくは。
誰にも決められはしないのだ。

でも。
社会とやらとは。
少しばかり。
折り合いが悪くて。
どうやら外れてしまっている。

そんな。
身にも。身にこそ。
受け容れてくれる。
避難できる。
収容所が必要なのだ。

人と。
誰かと。
違うから。
異なるから。
それだけで。

世間とやら。
社会とやら。
そいつと。
相性が悪くて。
折り合いが悪くて。

それで。
居心地が悪いとか。
苛立ちが募るとか。
疎外感を感じるとか。
そうだとしても。

無理に。
理由も無く。
矯正などされたくない。
強制もされたくない。
そこは譲れない。

己の。
個性とか。
矜持とか。
そんなものを。
捨てるほどの価値はない。

ただ。
時に。
そんな孤独や。
そんな不安に。
揺らがないでもない。

だから。
こんな身でも、心でも。
受け容れてくれる。
避難できる。
収容所が必要なのだ・・・収容所があるのだ。



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