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2018/11/21 Wed *集いし者は / Delaney & Bonnie

20181121home


そこに。
その場所に。
集いし者は。
それが。
誰であろうと。

上下もなければ。
分け隔てもない。
ただ。
グラスを傾け。
音楽に身を任せ。

男であろうと。
女であろうと。
そうでなかろうと。
誰も。
気に留めもしない。

一人であろうと。
二人であろうと。
そうでなかろうと。
何の。
変りもありはしない。

ただ。
その空気が。
それが漂わせる。
何ものかに。
惹かれてしまう。

それだけで。
言葉を重ねなくても。
集いし者は。
共にあり。響き合う。
そんな場所。

『Home』'69年リリース。
デラニー&ボニーの2枚目となるアルバム。
その実。エレクトラからリリースされた1枚目の『Accept No Substitute』よりも先に。
スタックスにてこのアルバムを録音、制作されながらも。一度はお蔵入りとなって。
『Accept No Substitute』の成功後に、改めてリリースされることとなったのでした。
スタックスと言うのは。例えばハウス・バンドであるブッカー・T&MGズが象徴する様に。
当時としては珍しく、人種間の壁も低く、分け隔てなく自由な空気があったのですが。
公民権運動の激化や、キング牧師の暗殺等。時代の流れがそれを許さなくなってきてと。
その最中にヒットしたのが「It's Been a Long Time Coming」と言うナンバーで。
そのエモーショナルな歌声は、ラジオ局のDJ、そして聴衆にも黒人が歌っていると。
そう信じられていたと。そして開催されたライヴに現れたのが白人のデュオであったと。
そう、デラニー&ボニーが歌っていたのでした。白人だと分かって。微妙な空気が流れて。
ラジオ局はオン・エアを止めて。スタックス社内でも意見が割れて、発売中止に。
そしてデラニー&ボニーはスタックスを離れざるを得なくなってしまったと。
何とも悲しい話ですが。それが当時の(今も変わらない・・・)米国の現実であったと。
さて。その「It's Been a Long Time Coming」をA面の1曲目に収めたこのアルバム。
ブッカー・T&MGズや、アイザック・ヘイズ、そしてメンフィス・ホーンズ等。
その手練れ達の奏でるサウンドは、そうオーティス・レディングやサム&デイヴのアルバム。
それらと変わることはなく。そしてデラニーとボニーの歌声もまた実にソウルフルで。
如何にデラニーとボニーが、ソウルを消化吸収し、自らの血肉としていたかと思わされます。
特に、あのアイケッツ初の白人メンバーであったボニーの歌声はまさにソウルそのもので。
ジャンルとか、カテゴリーとか。そもそも人種とか。そんなものに意味などないのだと。
そいつを嫌と言う程に体感させてくれるのです。それだけのものがあるのです。だからこそ。
人種を越えて、才能が集っていたスタックスの失われた自由な空気が惜しまれてならないのです。

ここに。
この場所に。
集いし者は。
それが。
誰であろうと。

貴賤もなければ。
分け隔てもない。
ただ。
グラスを重ね。
音楽に心も任せ。

年嵩であろうと。
若輩であろうと。
年齢不詳であろうと。
誰も。
気に掛けもしない。

馴染みであろうと。
初めてであろうと。
その間であろうと。
何の。
違いもありはしない。

ただ。
その空気が。
それが感じさせる。
何ものかに。
魅せられてしまう。

それだけで。
言葉を尽くさなくても。
集いし者は。
共にあり。受け容れる。
そんな場所。

集いし者は。
ただ。
そこに惹かれ。
そこにある。
それだけのこと。

集いし者は。
ただ。
そこに魅せられ。
ここにいる。
それだけのこと。

性別も。
年齢も。
何ものも。
分け隔てる。
壁にはなりはしない。

何かによる。
何かを言い訳にした。
上下もなければ。
貴賤もなければ。
何の差別もない。

その空気が。
その場所が。
好きなだけ。
それだけでいい。
そんな場所。

この空気が。
この場所が。
愛しいだけ。
それだけで許される。
そんな場所。

集いし者は。
ただ。
共にあり。響き合う。
共にあり。受け容れる。
それがいい・・・



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