« 2018/12/05 Wed *ノイズの向こう側 / The Kinks | トップページ | 2018/12/07 Fri *来る、きっと来る / Marianne Faithfull »

2018/12/06 Thu *半月 / Small Faces

20181206ogdensnutgoneflake


半分。
輝いて。
半分。
闇の中。
半月。

その輝き。
その中に。
何を見るのか。
何を感じて。
何を思うのか。

その輝き。
そいつに誘われて。
その下へと、その中へと。
月明かりに魅せられて。
期待に胸を膨らませ。

そんな時。
ふと。
囁きかける声。
その方向へと顔を向けても。
何も見えはしない。

その声は。
闇の中から。
密やかに囁きかける。
見えているものだけ。
それだけでいいのかと。

何も見えない。
それは。
恐ろしくはあるけれど。
それが故に。
また、誘われもするのだと。

『Ogdens' Nut Gone Flake』'68年リリース。
煙草缶を模した円形の変形ジャケットでも知られている。
そんな、スモール・フェイセスのイミディエイトでの2枚目となるアルバム。
そして純粋なオリジナル・アルバムとしては最後となったアルバムでもあります。
スモール・フェイセスのオリジナル・アルバムと言うのは3枚しかないのですね。
デッカ、イミディエイトと。契約に翻弄されて。更には急激な時代の流れの中で。
モッズ・バンドから、サイケでポップなバンドへと生まれ変わって。
やがて軋轢からスティーヴ・マリオットが脱退と。激動を生きたバンドだったと。
さて。そのアルバム。A面は従来のR&B由来の泥臭さとハードさを残しながらも。
更にポップへと進化を遂げたご機嫌なナンバーを、畳みかけてくる様が圧巻で。
インストの「Ogdens' Nut Gone Flake」からの「Afterglow」への流れのカッコ良さとか。
「Lazy Sunday」の突き抜けた緩い感じとか。何とも堪らないものがあります。
そしてB面は。半月の光の無い、その闇の中にある半分。それを探しに出かける男の物語。
スタンと名付けられたその男の冒険譚を年老いた語り部が語ると、そんなコンセプトで。
より、サイケに。ある意味での狂気を描く、そんな新境地を鮮やかに展開しています。
当時の流行に乗ったと言えば、そうなのでしょうが。決して小難しくも大袈裟にもならずに。
ストレンジな香りを漂わせながらもポップなナンバーの連発で語ってみせるところ。
そこに粋で伊達なモッズである、スモール・フェイセスならではの魅力があります。
その矜持が揺るがないところ。それはまたどうにも英国ならではの香りを漂わせてもいて。
このアルバム。全英チャートを何週間か連続で制覇しているのですが。米国ではさっぱりと。
そこが。マリオットとかには物足らなかったのかもですが。それ故の愛しさもあるかなと。
改めて。じっくりと耳を傾けると。その確かで高い演奏技術にも気づかされて。
短命が故の魅力。それがあるのは認めつつも。もう少し、物語の先を聴きたかったかなと思わざるを得ません。

半分。
闇の中。
半分。
輝いて。
半月。

その闇。
その中に。
何を見ようと。
何を感じようと。
何を思おうとするのか。

その闇。
そいつに誘われて。
その下へと、その奥へと。
闇の深さに魅せられて。
戦きに胸を高鳴らせ。

そんな時。
ふと。
歌いかける声。
その方向へと顔を向ければ。
何もかもが明白で。

その声は。
光の中から。
穏やかに歌いかける。
見えているものだけ。
それだけでいいのだと。

何もかもが見える。
それは。
安らかではあるけれど。
それが故に。
また、疑いもするのだと。

輝くもの。
それだけで。
成り立つ世界が。
あるものかと。
いつも、心が騒いでいる。

月明かり。
その下の。
その明るさの。
その外には。
何があるのかと。

月光。
その光の。
届かない。
その外には。
何が蠢くのかと。

半分に。
切り取られた。
闇の中にも。
世界はあるのかと。
いつも、心が惹かれている。

月明かり。
そんなものの。
明るさの。
その外にこそ。
なにかがあるのだと。

月光。
その光など。
及びもしない。
その外で蠢くものに。
会いたいのだと。

半分。
輝いて。
半分。
確かに深い闇の中。
半月。

見てはならない。
感じてはいけない。
そこに。
呼ばれてやまない。
魅せられてやまない。



web拍手 by FC2

|

« 2018/12/05 Wed *ノイズの向こう側 / The Kinks | トップページ | 2018/12/07 Fri *来る、きっと来る / Marianne Faithfull »

001 British Rock」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 2018/12/06 Thu *半月 / Small Faces:

« 2018/12/05 Wed *ノイズの向こう側 / The Kinks | トップページ | 2018/12/07 Fri *来る、きっと来る / Marianne Faithfull »