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2018/12/17 Mon *ふたりぼっち / Dave Mason

20181217alonetogether


誰もいない。
見回しても。
その息吹もない。
本当に。
誰もいない。

そう。
俺と。
あの娘と。
それだけ。
ふたりだけ。

何故。
何で。
考えてはみるものの。
答えなど。
出そうにもない。

ただ。
どうやら。
この世界に。
ふたりだけ。
取り残されて。

喜びよりも。
不安がまさる。
そんな俺の。
指先に触れて。
あの娘が微笑む。

その瞳。
その輝き。
待っていたのだと。
惹き込まれていく。
ふたりぼっち。

『Alone Together』'70年リリース。
デイヴ・メイソンの初めてとなるソロ・アルバム。
トラフィックからの脱退、復帰を経て。終にトラフィックは解散。
実はトラフィックに参加する前にも渡米して米国南部の音楽に触れていて。
解散後は迷うことなく再び渡米して。レオン・ラッセルやデラニー&ボニーに声を掛けて。
この初めてのブリティッシュ・スワンプとも呼ぶべきアルバムを録音したメイソン。
その出来に手応えを得て。自らデラニー&ボニー&フレンズの一員となって。
デラニー&ボニー、そしてレオンを英国へと呼び寄せて。そのツアーが評判を呼んで。
デラニー&ボニーの『On Tour』、そしてレオンの1stアルバムを生むことになったと。
これ程、ブリティッシュ・スワンプの誕生、そしてスワンプ・ロックそのものの隆盛。
そこに多大な貢献をしたにも関わらず。その功績はクラプトンとジョジーに奪われたと。
と言うのも。このアルバム、録音からリリースまで一年以上掛かってしまっていて。
その間に。コンセプトを丸々と頂いたクラプトンの1stアルバムが先にリリースされて。
新興のブルー・サムからのリリースだったのが祟ったのか。何とも運が無かったかなと。
どうにもメイソンと言う人は先見の明もあり、積極的に行動するも詰めが甘いところがね。
そんな儚さもある故か。このアルバムに針を落とすと、その逞しくも、切ない様。
豊潤な米国南部の音楽に身も心も投じて吸収しながら。ふと漂う英国の残り香みたいな。
その熱く温かなサウンドと、心地のよい優しく哀感のあるメロディ。その絶妙な塩梅。
弾き過ぎないギタリスト、歌い過ぎないヴォーカリスト。メイソンの魅力が十二分にと。
異なるものに魅せられて、臆することなく飛び込んで、忌憚なく受け容れて、共鳴して。
自らを、そして関わった周囲も。新たな高み、深みへと誘う様な、そんな素晴さがあります。
一方で。アルバム・タイトルに象徴される様に。開放的な様で実は内省的でもあり。
そう。ごく親しい人と二人でいる空間、時間。その濃密で、穏やかで、優しい空気に満ちた。
そんな、とても私的な雰囲気を感じさせるアルバムでもあり。その親密な感じが。
どうにも、こう胸の柔らかいところの憧憬を刺激して止まなくなったりもするのです・・・

誰もいない。
振り返っても。
その気配もない。
本当に。
誰もいない。

そう。
あの娘と。
俺と。
それだけ。
ふたりだけ。

何故。
何で。
思ってはみるものの。
答えなど。
欲してはいない。

ただ。
どうやら。
この世界に。
ふたりだけ。
放り出されて。

不安よりも。
まさる喜びを抑える。
そんな俺の。
腕を引き寄せて。
あの娘が見つめる。

その瞳。
その輝き。
信じていいのだと。
溶き解されていく。
ふたりぼっち。

広い。
世界に。
ただ。
ふたりだけ。
その不安、それよりも。

この。
世界に。
そう。
ふたりだけ。
その喜び、それでいい。

触れている。
指先が。
そこだけが。
微熱を放ち。
温もりを帯びている。

引き寄せられた。
腕が。
そこだけが。
燃える様に。
熱を放っている。

微笑む。
見つめる。
その瞳の輝き。
待っていたのだと、信じていいのだと。
惹き込まれ、溶き解されていく。

濃密で。
穏やかで。
優しくて。
親密で。
もう離れられない。

触れる指先。
引き寄せられた腕。
震える胸。
覚悟を求める唇。
そして・・・

夢ならば。
夢だとしても。
覚めないで。
いつまでもと。
ふたりぼっち・・・



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