« 2019/02/12 Tue *なすがまま / The Beatles | トップページ | 2019/02/16 Sat *ノイズ、そんなもの / The Who »

2019/02/13 Wed *代償 / The Rolling Stones

20190213leiitbleedukorgmono


何を得たのか。
何かを得たのか。
その総てが。
判然としている。
そんな訳でもないが。

確かに。
何某かは。
この手にしたものも。
あるのだろう。
そんなところか。

そう。
満足だなどと。
思いはしない。
思ったことなど。
ありはしないが。

多少なりとも。
手応え。
そんなものがあるから。
いま、ここで。
未だ前を向いているのだろう。

手応え。
それに比して。
随分と。
脛が傷だらけ。
そんな気がしないでもないが。

代償。
そいつを必要としない。
そんなものなど。
端から欲してはいない。
そう言うことだ。

『Let It Bleed』'69年リリース。
言を待たない、ローリング・ストーンズの傑作、傑物。
ブライアン・ジョーンズとミック・テイラー。その軌跡が交差し。
多くのゲストによりもたらされた実り。それを有無をも言わせずに簒奪し。
新たな時代の扉を抉じ開けて、蹴破って前進するその様、その姿。
その力技で突破を図る凄味にこそストーンズの本質を感じるアルバムです。
いつだかのインタビューで、キースはこのアルバムには血の匂いがする。
それこそマスター・テープには血糊が付着していると語っていたと記憶していますが。
あの混乱と騒乱の時代。それに殉じることなく生き延びることを選択した強い意志。
それを貫く為には、生贄が必要であり。自らもその返り血を浴びるに任せ。
また、更には自らの身を切り、血を流す必要があったのだと。そんなことを思わせる程に。
このアルバムに針を落とすと。独特な匂い、まさに血の匂いを感じる時があります。
それは続く『Sticky Fingers』には明らかに隠されている匂いであって。
更に言えば『Beggars Banquet』では未だそこまで濃厚ではなかった匂いでもあって。
平和と希望が打ち砕かれて、混乱と騒乱のうちに絶望が支配し始めたその中で。
真に向かい合い苦闘し。言わば手段を選ばずに生き延びた。その代償として染みついた。
そんな拭い去れないものであり。故にこのアルバムは傑物として永遠の生を得ていると。
些か感傷に過ぎるかも知れませんが。それだけのものを帯びているアルバムなのです。
ストーンズが、ストーンズだけが何故、生き延びられたのか。それは代償を払ったから。
血で血を洗う、それ程の思いで。ロックンロールとブルースから逃げなかったからなのです。
息苦しいまでの生々しい存在感。それを音盤に刻み付けることができたその奇跡。
それは特に英国オリジナルのモノラル盤に針を落とすとまざまざと感じられます。
そこまでの代償、その覚悟。何事かを成す、生き延びると言うのはそれ程のものなのかと震えがきます・・・

何を失ったのか。
何かを失ったのか。
その総てが。
判然としている。
そんな訳でもないが。

確かに。
何某かは。
この手から漏れたものも。
あるのだろう。
そんなところか。

そう。
絶望だなどと。
気休めに。
言葉にすることも。
あるにはあるが。

何かしらの。
不完全さ。
そんなものがあるから。
いま、ここで。
未だ先を見ようとしているのだろう。

疼痛み。
それに比して。
いつの間にか。
手を汚している。
そんな気がしないでもないが。

代償。
そいつが必要とされても。
それだからこそ。
どうしても欲しいものがある。
そう言うことだ。

いつも。
いまも。
不安に。
苛まれて。
きたのだ。

いつも。
いまも。
焦燥に。
追い立てられて。
きたのだ。

立ちはだかる。
覆いかぶさる。
そんなものの。
大きさに。
震えてきたのだ。

蔑む。
阻害する。
そんなものの。
不気味さに。
慄いてきたのだ。

それでも。
この手にしたい。
ものがあるから。
前を向き。
己なりに歩んできたのだ。

それでも。
この胸に抱きたい。
ものがあるから。
先を見て。
己なりに転がり続けてきたのだ。

代償。
傷つき、汚れて。
流れ続け、止まらない血。
その匂いに噎せ返る時こそ。
闘いの、生の実感に微笑みが毀れるのだ。



web拍手 by FC2

|

« 2019/02/12 Tue *なすがまま / The Beatles | トップページ | 2019/02/16 Sat *ノイズ、そんなもの / The Who »

001 British Rock」カテゴリの記事

008 The Rolling Stones」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 2019/02/13 Wed *代償 / The Rolling Stones:

« 2019/02/12 Tue *なすがまま / The Beatles | トップページ | 2019/02/16 Sat *ノイズ、そんなもの / The Who »