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2019/02/21 Thu *何がどうでも / Wilson Pickett

20190221thesoundofwilsonpickettjp


例えば。
踊り明かしてでも。
何処かへ繰り出してでも。
そう。
何がどうでも。

何かを変える。
空気を。
流れを。
一気に攫って。
掴んでしまう。

そんな。
有無を言わさぬ様な。
力業が。
必要とされる。
そんな時もあるのだからと。

割りきって。
螺子を巻いて。
馬力を上げて。
さぁ、いくぞと。
決めてはみても。

どうにも。
こうにも。
身も心も。
ついてこない。
そこまでの何かが生まれない。

もどかしさ。
スイッチを入れる。
引爪を弾く。
何がどうでも。
そんな何かが聞こえてこないかと。

『The Sound Of Wilson Pickett』'67年リリース。
ウィルソン・ピケット、アトランティックでの4枚目のアルバム。
絶好調だった、乗りに乗ったピケットのソウルが炸裂しています。
このジャケットは日本盤独自のもので。オリジナルの黄色地に青いスーツのピケット。
それとは随分とイメージが異なりますが。この地色の赤もピケットには似合っているかな。
録音はマッスル・ショールズのフェイム・スタジオ。名うての手練れ達がこぞって参加。
そのご機嫌で極上のサウンドを従えて、これでもかと生き生きと歌うピケット。
この人もまた、音楽そして歌を愛して、音楽そして歌に愛された人なのだと感じるのです。
針を落とすと、「Soul Dance Number Three」「Funky Broadway」とたて続けに。
グイ乗りのダンス・ナンバーで迫ってくるピケット。その絶妙な切り込み、強烈なシャウト。
最初から、胸倉を掴まれて。引き寄せられて。そして踊らされてしまうのです。
そして続くのが。ファルコンズ時代のナンバーのセルフ・カヴァー、「I Found A Love」で。
実は2回目となるカヴァー。今回は二部構成で実に熱く甘く胸に募らせるものがあると。
そんなスローに続いては「You Can't Stand Alone」、邦題は「ダンスでゴー・ゴー」で。
軽快なアップ・テンポのナンバーを豪快に歌い飛ばすと。この緩急も実に見事かな。
そしてB面では。盟友となるボビー・ウォマックの手になるナンバーが素晴らしくて。
特に「I Found The One」「I'm Sorry About That」と、この2曲のバラードが絶品で。
語りかける様な、時にはすすり泣く様な。その歌声、その感情表現。堪りません。
豪快なシャウターとのイメージが強いピケットですが。それだけではないのだぞと。
それにしても。ボビーはよほどピケットと相性が良かった。その魅力を熟知していたなと。
最後はラスカルズのカヴァー、「Love Is a Beautiful Thing」を軽快に歌い上げてしめてと。
ここらは同じレーベルのラスカルズがピケットをカヴァーした、それへの返礼かな。
何にしろ。アップ、ミディアム、スローと。バラエティに富んだナンバーを歌いながら。
何がどうでも。己の歌声、己のソウル、その世界として豊潤な果実を実らせてしまう。
30分弱で、その果実を思う存分に堪能させてしまう。その力業、力量には感服するしかないのです。

例えば。
謝罪の言葉を口にしても。
世界への愛を唱えても。
そう。
何がどうでも。

何か惹きつけられる。
空気も。
流れも。
一気にものにして。
納得させてしまう。

そんな。
四の五の言わせぬ様な。
力業が。
必要とされる。
そんな時があるのだからと。

思いきって。
気合を入れて。
浮力を溜めて。
さぁ、いくぞと。
決めてはみても。

どうしても。
こうしても。
身も心も。
踏ん張れない。
そこまでの何かが生まれない。

やるせなさ。
モードを変える。
導火線に火をつける。
何がどうでも。
そんな何かが響いてこないかと。

このまま。
だらだら。
そいつは。
どうにも。
宜しくない。

そのまま。
ずるずる。
そいつも。
それでなどと。
宜しくない。

いまのまま。
澱んだ。
空気や流れ。
厭だなと。
感じられるうちに、

いまのまま。
馴れた。
空気や流れ。
堕ちてもいいと。
そうなる前に。

螺子は切れ。
気合は漏れて。
発条も伸び切り。
力点も擦り減って。
それでも。

スイッチを入れて。
モードを変えて。
引爪を弾いて。
導火線に火をつけて。
何がどうでも。

空気を。
流れを。
一気に味方に。
一気に我がものに。
何がどうでも。



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