カテゴリー「002 American Rock」の記事

2017/12/17 Sun *冷めやらぬ、醒めやらぬ / The Flying Burrito Brothers

20171217burritpdeluxeusorg


冷めやらぬ。
そんなものがある。
とうの昔に。
消え去った筈なのに。
未だ熱を放っているものがある。

燃え盛るわけでなく。
熱く滾るわけでもなく。
しかし。
確かに。
この身の内で熱を放っている。

ふと。
懐に手を入れて。
その熱を感じて。
我に戻って。
思いを新たにしたりもする。

そう。
一度灯した灯りは。
その熱は。
簡単には。
消えはしない、冷めはしない。

そいつと共に。
歩み。
転がり。
なんとか、かんとか。
ここまで来たのだと。

冷めやらぬ。
そんなものがあるから。
未だに。
諦めきれずに。
もがき続けているのだと。

『Burrito Deluxe』'70年リリース。
フライング・ブリトー・ブラザーズの2ndアルバム。
そしてグラム・パーソンズが参加している最後のアルバム。
バーズの乗っ取り(?)に失敗したグラムと同調したクリス・ヒルマン。
バーズを追われた2人が中心となり結成されたフライング・ブリトー・ブラザーズ。
前作のリリース後にメンバー・チェンジがあって。クリスがベースに転向。
そしてあのバーニー・レドンが新たにギタリストとして加わっています。
肝心のグラムですが。アルコールと薬物への耽溺が一層深まっていたとのことで。
ソングライティングにしろ、そのヴォーカルにしろ。やや精彩を欠いている感もあるかな。
もともと不安定で気まぐれで。その脆さこそが魅力のグラムなのですが。
レコーディングに全面的に参加できない程に。集中力を欠く状態だったとも。
それでも。そう、夢うつつの如きそのメロディと、その歌声には惹かれて止まないのですが。
さて。全編に渡ってそんなグラムの不調をバンドとしてフォローしようとの姿勢があって。
新たに加わったバーニーのギターがバンドを牽引して新風を吹かせてもいるかなと。
後のイーグルス時代よりも、このアルバムでのバーニーが生き生きしている様に思えます。
故に、明るく弾ける様なサウンドが前面に出ていて、それが心地よく響いてくるのです。
その中にあって。あのグラムの。陰り、不安、欠落、諦念・・・そして消せない希望。
世界に絶望して。破滅的な生を選びながらも、冷めない熱の様な希望への希求。
それが、やはりこのアルバムの根底を支える最大の魅力であり個性ではあるかなと。
特に「Wild Horse」における漂泊感、そして諦念を感じさせるヴォーカル、歌声の見事さ。
静かに、しかし確かに深いところから放たれる熱、決して冷めることの無い熱。
それが、聴く者には覚めることの無い夢を見せ続けるのだと思うのです。

覚めやらぬ。
そんなものがある。
いつかの日に。
敗れ去った筈なのに。
未だ彷徨っているものがある。

燃え上がるわけでなく。
声高に叫ぶわけでもなく。
しかし。
確かに。
この身の内で蠢いている。

ふと。
胸に手を当てて。
その動きを感じて。
我に返って。
思いが蘇ったりもする。

そう。
一度見た夢は。
その像は。
簡単には。
消えはしない、醒めはしない。

そいつと共に。
流れ。
流離い。
なんとか、かんとか。
ここに辿り着いたのだと。

醒めやらぬ。
そんなものがあるから。
未だに。
捨てきれずに。
足掻き続けているのだと。

冷めない。
冷めようとしない。
熱が。
この身の内に。
あると言うこと。

醒めない。
醒めようとしない。
夢が。
この身の内に。
あると言うこと。

懐に手を入れて。
その熱を感じて。
胸に手を当てて。
その動きを感じて。
思い蘇り、思い新たに。

一度灯した灯りは。
その熱は。
一度見た夢は。
その像は。
冷めはしない、醒めもしない。

そいつと共に。
歩み。
転がり。
流れ。
流離い。

冷めやらぬ。
そんなものがあるから。
醒めやらぬ。
そんなものもあるから。
だから。

不安。
諦念。
絶望。
それでも消せない。
希望、希求。

もがき続けて。
足掻き続けて。
そう。
冷めやらぬ。
醒めやらぬ。



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2017/12/16 Sat *未来は奴等の手の中 / Canned Heat

20171216futurebluesusorg


認めたくは無いが。
冷静に考えれば。
もう既に。
未来は奴等の手の中。
そう言うことだ。

自分達の。
利益だけ。
それだけが。
守られれば。
それでいいと。

異なるものは。
認めない。
異なるものは。
除いてしまう。
それでいいと。

思想も。
信条も。
同じくするものだけを。
旗の下に集めて。
振りかざす。

そんな奴等が。
この世界の。
未来を手にしている。
未来を握っている。
絶望が頭上に覆いかぶさる。

そんな。
旗の下になど。
集いたくはない。
奴等の思い描く未来になど。
加わりたくはない。

『Future Blues』'70年リリース。
キャンド・ヒートの5枚目となるアルバム。
宇宙空間で上下逆さまになった星条旗を。
あの硫黄島の写真の如きポーズの宇宙服を着たメンバーが掲げようとしている。
このジャケットが問題視され。発売を見送るレコード店もあって商業的には低迷したと。
ベトナム戦争ただ中のあの時代。ブルース・マニア、ブルース一筋。
そんなキャンド・ヒートも時代とは無縁ではいられなかったと言うことか。
否、むしろ。古き良きブルースを愛するキャンド・ヒートだからこそ。
米国が、世界が失おうとしているもの、破壊しようとしているものにもの申せたのかも。
このアルバムが遺作となってしまったアル・ウィルソンはアポロ計画にも危惧を抱いて。
(逝去後にジョン・リー・フッカーとの共演アルバムがリリースされましたが)
米国が月までも破壊してしまうと警告を発していたのだとか。
思えば。ブルースは労働課であり、愛憎の歌であり、そして社会への抵抗の歌であり。
そんなブルースを骨の髄まで愛していたアルやボブ・ハイトです。
自然とその反骨の魂を引き継いでいたとしても何ら不思議では無いのですよね。
さて。ブルースのカヴァーをやりなら。マニアらしく、そのアレンジに個独特の個性が光る。
それこそがキャンド・ヒートなのですが。このアルバムでも随所に唸らされるものがあって。
スロー・ブルースをロックに。逆にオリジナルよりテンポを落としてアーシーにとか。
アルとボブのブルースに対する愛情の強さと、理解の深さが存分に伝わってくるのです。
ストーンズ・ファンにも馴染みヴ回ハーヴィ・マンデルがギターで参加しているのですが。
そのサイケデリックでスペーシーな感覚もあるプレイが新たな魅力を付加してもいます。
どんな時代、どんな世界になろうとも。どんな時代、そんな世界にされようとも。
己の愛するもの、信じるものは変わらない、渡しはしない。そんなキャンド・ヒートの矜持に胸を打たれます。

わかってはいたが。
歴史を振り返れば。
遥か昔から。
未来は奴等の手の中。
そう言うことだ。

自分達の。
権益だけ。
それだけが。
続いていけば。
それでいいと。

異なるものは。
許さない。
異なるものは。
消し去ってしまう。
それでいいと。

主義も。
信念も。
同じくするものだけを。
旗の下に集めて。
駆り立てる。

そんな奴等が。
この世界の。
未来を手にしている。
未来を握っている。
絶念が足下から這い上ってくる。

そんな。
旗の下でなど。
駆り立てられたくはない。
奴等の思惑通りの未来になど。
与するつもりなどない。

変わっていく。
壊れていく。
世界の形が。
失われていく。
崩れ去っていく。

加速する。
暴走する。
時代の流れが。
濁流となって。
総てを飲み込んでいく。

共感も。
共鳴も。
取り残され。
置き去りにされ。
行き場を見失っている。

拒絶と。
排除が。
わがもの顔で。
のし歩き。
席巻しようとしている。

異なるものは。
認められない。
除かれてしまう。
許されない。
消し去られてしまう。

思想も。
信条も。
主義も。
信念も。
同じくするものだけが。
同じ旗の下に集って、そこだけが世界だと言う。

未来は奴等の手の中。
もう既に。
遥か昔から。
そうだとしても。
それだからこそ。

そんな旗の下になど。
集いはしない。
そんな未来になど。
加わりはしない。
ただ、今、この時を生き続ける・・・



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2017/12/15 Fri *過ぎる浪漫に / Rickie Lee Jones

20171215rickieleejonesusorg


浪漫。
その地平から。
どうしても。
離れられない。
そつが困りもの。

そうだとしても。
浪漫に過ぎるとしても。
この思いから。
逃れられない。
そうならば。

今宵は。
ここにはいない。
あの娘のことを。
思わずにはいられない。
そう言うことだ。

傍に。
いられないのなら。
この思いだけ。
送ろうと。
届けばいいなと。

この身は。
自由にならなくても。
この心は。
いつも自由と共にある。
そうならば。

恋する心。
この思い。
浪漫にまみれても。
あの娘の下へと。
願いを込めて。

『Rickie Lee Jones』'79年リリース。
思わず見惚れてしまわずにはいられない。ため息をついて。
恋をせずにはいられない。そんなジャケットも魅力的な。
リッキー・リー・ジョーンズの記念すべき1stアルバム。
当時の邦題を『浪漫』と冠されていて。何とも素晴らしい邦題だなと。
リッキーのこの姿、そして歌声は。男の浪漫を掻き立てるのだよなと。
日本盤のライナーに載っているリッキーの写真がまた実に魅力的だったのですよね。
(今回、載せているのは米国盤で。アルバム・タイトルの色も日本盤とは異なっています)
シカゴ出身のリッキー。十代半ばには家出を繰り返して。その後、放浪生活へと。
ロサンゼルスに流れ着いて。トム・ウェイツと恋に落ちて。同棲生活を送って。
その頃から本格的に音楽活動を始めたのかな。ローウェル・ジョージの目に留まって。
ローウェルがソロ・アルバムでリッキーのナンバーを取り上げて。
それがきっかけでワーナー・ブラザースと契約。豪華なバックを従えてデビューしたと。
この時、リッキーは25歳だったのかな。どちらかと言うと遅咲きだったのですが。
それまでの様々な経験が生かされた実に魅力的で素晴らしいアルバムとなっています。
その、物憂げで、気怠くて。でも艶やかで、深く濃い色香の漂う歌声。
そしてジャージーで、ざらつく様で。でもその実、キャッチーでもあるメロディ。
ローウェルが取り上げた「Easy Money」も印象手的ですが。やはり「Chuck E's In Love」。
そう邦題「恋するチャック」が、何とも堪らなく耳に残るのですよね。
トムと同棲している頃に、つるんでいたクラヴの皿洗いをしていた実在の人物がいて。
その彼、チャックが落ちた恋の物語、その実話を下に書かれたと言うこのナンバー。
これ以降も魅力的なアルバムをリリースし続けているリッキーですが。
この一曲と言われたら。デビュー曲である「恋するチャック」かなと。何せ一目(?)惚れだったので。

浪漫。
その地平から。
どうしても。
飛び立てない。
そつが弱りもの。

そうだとしても。
浪漫に溺れているとしても。
この思いから。
遁げられない。
そうならば。

今宵も。
ここにはいない。
あの娘のことを。
思わずにはいられない。
それだけのことだ。

隣に。
いられないのなら。
この思いだけ。
遣わそうと。
届けばいいなと。

この身は。
自由が利かなくても。
この心は。
いつも自由で膨らんでいる。
そうならば。

恋する心。
この思い。
浪漫に囚われても。
あの娘の胸へと。
祈りを込めて。

目を閉じて。
耳を澄ませる。
それでいい。
それだけでいい。
後は思うだけ。

心を落ち着かせ。
感覚を呼び覚ます。
それでいい。
それだけでいい。
後は願うだけ。

手を伸ばして。
想像を羽ばたかせる。
それでいい。
それだけでいい。
後は祈るだけ。

この身に。
自由は無くても。
この心は。
自由の中にある。
そうならば。

浪漫に過ぎるとしても。
浪漫に溺れているとしても。
この思いから。
逃げはしない。
遁げもしない。

浪漫。
その地平から。
離れはしない。
飛び立ちもしない。
殉じても。

浪漫にまみれても。
浪漫に囚われても。
恋する心。
この思い。
あの娘へと。

過ぎる浪漫に溺れていたい・・・



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2017/12/14 Thu *その挑戦は / Jackie De Shannon

20171214jackie


その挑戦は。
なかなか。
理解されないかもしれない。
簡単には。
実を結ばないかもしれない。

何せ。
目立つものでも無いし。
地道なものになるだろうし。
その成果は。
目には見えにくいし。

その上に。
前例も無ければ。
取り除くべき。
障壁は多いし。
根回しも必要だし。

だから。
必要なことだと。
やらなければいけないと。
知りながら。
わかっていながら。

ここまで。
いままで。
誰も挑みもしなかった。
否、挑むことを。
誰も思いもしなかった。

それを。
やろうと。
成し遂げようというのだから。
その挑戦には。
意義があるのだ。

『Jackie』'72年リリース。
窓から差し込む陽光に照らされて横たわる。
そんな美しく、優しいジャケットも印象的な。
ジャッキー・デ・シャノンのアトランティックで初めてのアルバム。
ソングライターとして、シンガーとして長いキャリアを持つジャッキー。
この時点で既にデビューして十年以上の言わばベテランだったのですが。
新たな挑戦として。サザン・ソウルへの接近を試みることになって。
ジェリー・ウェクスラー、アリフ・マーディン、トム・ダウドがプロデュース。
録音はメンフィスのアメリカン・スタジオで手練れの面子を従えてと。
ジャッキー、そしてアトランティックの意気込み、力の入れ様が伺えます。
全12曲中、ジャッキーのナンバーは4曲。後はニール・ヤングやヴァン・モリソンなど。
他人のナンバーをカヴァーしていますが。どのナンバーも等しくジャッキーの色に。
ここらの統一感も、このアルバムに対する並々ならぬ思いが結実したものかと。
ソウル、カントリ、ゴスペル、そしてロック。それらが融合されてグルーヴを生んで。
そのグルーヴに乗って、何ともご機嫌で心地よい歌声を聴かせてくれるジャッキー。
サザン・ソウル、そしてスワンプ・ロックの傑作と呼びたくなる素晴らしさです。
ダスティ・スプリングフィールドや、ルルにも同様な試みのアルバムがあって。
それらと同じ低奏通音が流れていると言うか、相通じる香りがするアルバムでもあります。
残念ながらその内容の素晴らしさにも関わらず、商業的な成功は得られなかったのですが。
偶然レコード屋で耳にしたニールのカヴァーである「Only Love Can Break Your Heart」...
そのジャッキーの歌声に一瞬で恋に落ちてしまった自分としては。
どうにも応援せずにはいられないジャッキーの挑戦であり、愛さずにはいられないアルバムなのです。

その挑戦は。
なかなか。
共感されないかもしれない。
簡単には。
花が開かないかもしれない。

何せ。
華やかなものでも無いし。
地味なものになるだろうし。
その成果は。
定量では測れないし。

その上に。
先例も無ければ。
取っ払うべき。
関門は多いし。
駆け引きも必要だし。

だから。
肝心なことだと。
立ち上げなければいけないと。
知りながら。
わかっていながら。

いまの。
いままで。
誰も試みもしなかった。
否、試みることを。
誰も思いもしなかった。

それを。
やろうと。
やり遂げようというのだから。
その挑戦には。
意味があるのだ。

よく。
手を挙げてくれた。
乗り込んでくれた。
ついてきてくれた。
支えてくれた。

そして。
自ら。
歩き出し。
走り出し。
飛び込んで。

躓いても。
転んでも。
怯まずに。
立ち上がり。
諦めることなく。

笑顔と。
明るさと。
粘りと。
繊細さと。
豪胆さを武器に。

障壁を。
関門を。
一つ、一つ。
切り崩していこうと。
開放していこうと。

何よりも。
大いなる。
愛情、愛を以て。
成し遂げようと。
やり遂げようと。

地道なことを。
地味なことを。
厭いもせず。
歩み続ける。
その姿は。

応援せずにはいられない。
支援せずにはいられない。
共鳴せずにはいられない。
その挑戦は。
それだけの価値があるのだ。

ただ。
一つ。
その愛の強さ。
その愛の深さ。
それ故に傷つかないことを、願ってもいる。



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2017/12/13 Wed *いろいろ / Judy Collins

20171213inmylife


柔と剛。
それだけではなく。
様々な。
面を。
併せ持っている。

恐らく。
人間なんて。
みんな。
そんなもの。
そんなところ。

その時。
その場所。
それによって。
どの面が出るか。
どの面を出すか。

無意識だろうと。
意識していようと。
いずれにしろ。
そいつを。
使い分け、重ね合わせ。

そうして。
いままでも。
いまも。
これからも。
やっていく。

男も。女も。
誰でも。
人間いろいろ。
そいつが。
面白い。

『In My Life』'66年リリース。
ジュディ・コリンズの6枚目となるアルバム。
ジュディと言うと。「Both Sides Now」とか「Amazing Grace」の印象が強くて。
その「Both Sides Now」はこのアルバムの翌年にヒットを記録していますが。
従前はジョーン・バエズなどと共にフォークの世界の人とのイメージがあったのを。
このアルバムで、より幅広い層にアピールする方向へと向かい。
それが「Both Sides Now」のヒットへと繋がっていったのかなとも思われます。
ボブ・ディラン、レナード・コーエン、ランディ・ニューマン、ドノヴァン、ビートルズ。
更にはクルト・ワイルの作品までも取り上げて。多彩な歌声と表現で魅せてくれます。
どうしても。清楚で穏やかで、と言ったイメージを抱いてしまうのですが。
幅広い層、世界を見据えたかが故か。このアルバムでのジュディの歌声は力強くて。
決してシャウトするとか、声高に迫ると言ったことはないのですが。
その力強さには、芯の太さを感じさせるものがあって。そうなのだなと。
ジュディにも、様々な面があって当然だよなと。そんなことに気づかされもするのです。
そして。やはり包み込む様な温かさ、優しさも併せ持っていて。それがまたいいなと。
そんな様々な面、多彩な歌声と表現。その中でも白眉なのはやはり「In My Life」で。
数多あるこの名曲のカヴァーの中でも。これだけのものは、そうは無いかなと。
アコギとベース。それだけのシンプルなサウンドをバックに歌われていて。
ジュディの歌声の力強さ、温かさ、優しさ。そして美しさ。それらが凝縮されていて。
耳を傾けていると、自然と引き込まれてしまいます。夫々の人生の幾つかの場面。
そんなものを聴く者に想起させる。そんな力もジュディの歌声にはあるのです。

喜と怒。
それだけではなく。
様々な。
面が。
糾い訪れる。

恐らく。
人生なんて。
誰も。
そんなもの。
そんなところ。

その時。
その場所。
それによって。
笑えることもあれば。
昂ぶり震えることもある。

好もうと。
好まざると。
いずれにしろ。
そいつを。
繰り返し、積み重ね。

そうして。
いままでも。
いまも。
これからも。
巡っていく。

老いも。若きも。
誰もが。
人生いろいろ。
そいつが。
面白い。

表と裏。
それだけではなく。
様々な。
面を。
併せ持っている。

哀と楽。
それだけではなく。
様々な。
面が。
糾い訪れる。

恐らく。
人間なんて。
誰も。
そんなもの。
そんなところ。

恐らく。
人生なんて。
みんな。
そんなもの。
そんなところ。

老いも。若きも。
誰もが。
人間いろいろ。
そいつが。
面白い。

男も。女も。
誰でも。
人生いろいろ。
そいつが。
面白い。

人間いろいろ。
人生いろいろ。
それでいい。
そいつがいい。
だから面白い。



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2017/11/07 Tue *往々にして / Cheap Trick

20171107incolorusorg


表か。
裏か。
どちら側から。
見るのか。
見えているのか。

ものの。
見え方なんて。
感じ方なんて。
捉え方なんて。
それだけで、異なるもの。

表か。
裏か。
どちら側に。
立っているのか。
立とうとしているのか。

見たい方に。
感じたい方に。
捉えたい方に。
気づくと立っている。
人の心など、そんなもの。

どう。
見せたいのか。
感じさせたいのか。
捉えさせたいのか。
それが肝心で。でも。

どう。
見せたらいいのか。
感じさせたらいいのか。
捉えさせたらいいのか。
そいつは、存外にわからない。

『In Color』'77年リリース。
チープ・トリックの2ndアルバム。
所謂、パワー・ポップの元祖は何かと諸説がある様ですが。
わりと今の時代までダイレクトに繋がっている、その源はこのアルバム辺りかな。
プロデューサー、トム・ワーマンによる明るく弾けたサウンド。
そいつが、チープ・トリックのキャッチーなメロディ、エッジの効いたリフを引き立てて。
実に、爽快なで心地のよい、ある意味で肌触りのいいロックンロールに仕上がっていると。
そんなところが。特に日本では受けて。このアルバムで一足先にブレイクしたと。
ジャケットに、ロビン・ザンダーとトム・ピータソン、イケメンの二人のみを配置して。
自らと、バン・E・カルロスは(モノクロの)裏ジャケに回って、引き立て役(?)に回る。
策士、リック・ニールセンはこのサウンドがもたらす効果を十分に承知していたのではと。
「I Want You To Want Me」「Clock Strikes Ten」とキラー・チューンが収められていて。
他にも「Big Eyes」「Southern Girls」と粒揃いで。駆け抜けていく感じが堪りません。
この後、『Heaven Tonight』『Dream Police』とトム・ワーマンとの仕事が続いて。
そのクリアな音像と、チープ・トリックの相性は悪くはないかと思われていたのですが。
実は、特にリックは気に入らなかった模様で。相当な不満を溜め込んでいたと。
確かに整理され過ぎのきらいはあって。もっとざらついたサウンド、音像を求めていたと。
要は、1stを手掛けたジャック・ダグラスと再び仕事がしたかったのだと思うのですが。
遂には20年以上経過してからスティーヴ・アルビニのプロデュースで再録音に至ったと。
ところが、その音源は今に至るまで公式にはリリースされていないのですよね。
まぁ、本人が思っている理想の姿と、他の人々がその人に求める姿が異なると言うのは。
往々にしてよくあることで。ざらついた、ハードなチープ・トリックは好まれていないと。
自分としては1stアルバムの。歪んだ変態性が濃いチープ・トリックも好きなのですけど。
セルフ・プロデュースに長けているリックも。それだけはどうしようもなく、でも、我慢もできないのかな。

天然色か。
白黒か。
どのフィルターから。
見るのか。
見えているのか。

ものの。
見え方なんて。
感じ方なんて。
捉え方なんて。
それだけで、変わるもの。

天然色か。
白黒か。
どちら側に。
立っているのか。
立とうとしているのか。

見せたい方に。
感じさせたい方に。
捉えさせたい方に。
気づくと立っている。
人の心など、そんなもの。

どう。
見てほしいのか。
感じてほしいのか。
捉えてほしいのか。
それが肝心で。でも。

どう。
見たいのか。
感じたいのか。
捉えたいのか。
そいつは、存外に忘れがち。

何を。
見せたいのか。
感じさせたいのか。
捉えさせたいのか。
そいつは明確で。

その為に。
見せたい方に。
感じさせたい方に。
捉えさせたい方に。
立っている。

でも。
表の筈が。
裏が。
天然色の筈が。
白黒が。

見られてしまう。
感じられてしまう。
捉えられてしまう。
往々にして。
そんなもの。

どう。
見てほしいのか。
感じてほしいのか。
捉えてほしいのか。
そいつは明確で。

その為に。
見せたい方に。
感じさせたい方に。
捉えさせたい方に。
立ってはいる。

でも。
裏かと思えば。
表が。
白黒かと思えば。
天然色が。

喜ばれてしまう。
受け入れられてしまう。
求められてしまう。
往々にして。
そんなもの。

そんなもの。
でも。
そいつを。
どう受け止めて。
どう処していくのか。

そいつが肝心で、存外に難しい。



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2017/11/06 Mon *醒めた千鳥足 / The Fabulous Thunderbirds

20171106whwtstheword


酔い覚めの。
酩酊状態。
醒めているのに。
酔いしれてもいる。
そんな中途半端な感覚が。

落ち着かなくもあり。
心地よくもあり。
その境界線上で。
どちら側へ踏み出そうかと。
楽しんでいる。

例えば。
同じ言葉でも。
醒めて口にするのと。
酔いしれて言の葉にするのと。
その匙加減。

そいつの。
かなり際どくて。
危ういバランスを。
わざと崩してみたくもなる。
そんなところ。

人が悪いなと。
醒めた己が刺しもすれば。
面白いじゃないかと。
宿酔いの己が煽りもする。
そのせめぎ合いが好きなのか。

如何わしくて。
不敵で。
その実。
かなりの小心者で。
でも人の言葉には耳、貸さず。

『What's The Word』'80年リリース。
ファビュラス・サンダーバーズの2枚目となるアルバム。
確か、このアルバムがメジャーからは初めてのアルバムだったのかな。
それにしては。このジャケットは・・・売る気が無かったのか。
それとも、わざとその筋(どの筋?)だけを狙ってリリースされたのか。
あまりに安っぽい、まるで廉価盤の様な色使いもさることながら。
このターバンにサングラス。妖しい口髭に、密林の様な胸毛の男の写真。
いくらキム・ウィルソンが如何わしいからと言って。これは無いだろうと。
対比してジミー・ヴォーンを売り出す作戦か。しかしジミーもかなり微妙かなと。
まぁ、その実。このジャケットのいい加減さと如何わしさはらしくはあるのだけれど。
テキサスはオースティンのブルース・クラブのハコバンだったと言う叩き上げの経歴。
如何にもと思わせる、その実力者振り、そしてローカルな匂いが残るそのB級なところ。
その絶妙なバランス、その匙加減。そこがファビュラス・サンダーバーズの魅力かな。
マディ・ウォーターズやジョン・リー・フッカーのサポートもしたらしいので。
その点では。プロフェッショナルな、ある意味では醒めた感覚も持ちながら。
酔っ払い相手に盛り上げてなんぼの。商売人としての遊び心も持ち合わせていたと。
それを一番体現しているのがキムかなと。歌もハープもかなりの腕前にも関わらず。
それをストレートには表さないで。如何わしさでもって楽しませてみせると。
思わず、役者やの~と。そんな声を掛けたくもなる。ご機嫌なロックンロールなのです。
ジミーは言わずと知れたスティーヴィー・レイ・ヴォーンの実兄で。
あのスティーヴィーが心底尊敬していたギタリストで。その渋いプレイがまた堪りません。
特にスティーヴィー亡き後は、妙に神格化されたりもして。その実像が見え辛くなって。
このアルバムの、いなたさ、そいつはフレーズの端々に感じられるのが本来の姿かなと。
如何わしさと、いなたさ。その醒めた千鳥足。それこそがファビュラス・サンダーバーズの真骨頂かな。

酔い覚めの。
酩酊状態。
醒めたはずなのに。
残っている気もする。
そんなどっちつかずの感覚が。

微かな罪悪感もあり。
気持ちよくもあり。
その境界線上で。
どちら側へ堕ちてやろうかと。
楽しんでいる。

例えば。
同じ態度でも。
醒めて演じてみせるのと。
酔いしれて見得を切るのと。
その匙加減。

そいつの。
かなりギリギリで。
微妙なバランスを。
わざと傾けてみたくもなる。
そんなところ。

大概にしとけよと。
醒めた己が刺しもすれば。
こんなものじゃないだろうと。
宿酔いの己が煽りもする。
そのせめぎ合いが奮わせるのか。

如何わしくて。
不敵で。
その実。
かなりの臆病者で。
でも人の言葉には耳、貸さず。

酔っているのか。
醒めているのか。
その境界線上。
その微妙なところを。
歩いてみる。

抜けているのか。
残っているのか。
その境界線上。
その曖昧なところで。
踊ってみる。

右へ。
踏み出すのか。
左へ。
踏み出すのか。
それとも。

右へ。
堕ちるのか。
左へ。
堕ちるのか。
それとも。

それなりの。
かなり。
危ういバランスを。
崩してみたくもなる。
そいつを楽しんでいる。

それなりの。
かなり。
際どいバランスを。
傾けてみたくなる。
そいつを楽しんでいる。

酔い覚めの。
酩酊状態。
醒めた千鳥足。
その心地よさに。
結局は酔いしれている。



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2017/11/05 Sun *踊れ / John Cougar

20171105johncougar


踊れ。
踊りたいのなら。
この夜を。
この日々を。
踊ってしまえ。

そう。
本当は。
踊りたかったのだと。
気づいたのなら。
躊躇うことはない。

そう。
本当に。
楽しいのだと。
感じているのなら。
止めることはない。

思いのままに。
感じるままに。
そのままに。
踊ればいい。
踊り続ければいい。

長く。
曲がりくねった。
そんな路の上。
変わってしまった。
掛かってしまった。

それでも。
いま。
この場所に。
辿り着いた。
ならば、踊れ、踊ってしまえ。

『John Cougar』'79年リリース。
ジョン・クーガー、ジョン・メレンキャンプの4枚目となるアルバム。
デビュー時はジョニー・クーガーと名乗っていて。
このアルバムがジョン・クーガー名義では初めてとなるアルバム。
クーガーと言うのはデビュー時のマネージメントに強制された芸名で。
この後、成功を手にするにつれて。ジョン・クガー・メレンキャンプに改名。
更には、本名であるジョン・メレンキャンプへと改名しています。
ジョン・クーガーとしてのアルバムは結局3枚リリースされているのかな。
苦労人のジョン。発掘したのがデヴィッド・ボウイのマネジャーだったとかで。
最初の頃はメイクを施されて、グラム・ロック崩れみたいな路線だったりしたのだとか。
このアルバムで。漸くメイクを落として。ジョン本来の路線に戻ってきたと。
未だ、線が細くて。後の骨太な感じは薄いけれど。ロックンロールしていて。
あの『American Fool』へと続くもの、その原点となったアルバムではあるかなと。
確か、オーストラリアで最初に人気が出て。それが逆輸入されたらしいのですが。
この日本盤にはそのきっかけとなった「I Need A Lover」なるナンバーは未収録で。
恐らくは逆輸入前の、米国での初回盤に準拠しているのだと思われます。
「Night Dancin'」を始めとする軽快なロックンロールと。
「Taxi Dancer」に代表される切ない、哀感溢れるバラードと。その見事な対比。
それによって描き出されるのは。都会の夜の物語。それも夢を抱いて都会へ出てきた若者。
夢を追い求め。傷つき、夢、破れそうになりながらも。諦めずに踊り続けるその物語かなと。
そこに『American Fool』以降、故郷からの物語を描いたジョンの立ち位置の違いがあって。
そのどちらがより大きく広い共感を呼び起こしたか。そこがあの大ブレイクの鍵だったと。
そして。そう確かに線が細く、脆さもある。このアルバムのジョンの描く物語も好きだったりするのです。

踊れ。
踊れるのなら。
この夜も。
この日々も。
踊ってしまえ。

そう。
本当は。
踊らされているのだと。
気づいていても。
躊躇うことはない。

そう。
どれでも。
楽しいのだと。
感じられるのなら。
止めることはない。

心の赴くままに。
心の命じるままに。
そのままに。
踊ればいい。
踊り続ければいい。

遠く。
紆余曲折続きの。
そんな程の途。
逸れてしまった。
積もってしまった。

それでも。
いま。
この場所に。
立っている。
ならば、踊れ、踊ってしまえ。

そう。
まさか。
再び。
踊れるとは。
思っていなかった。

そう。
今さら。
また。
踊ることになるとは。
思っていなかった。

そう。
何の因果か。
何の悪戯か。
踊らされるとは。
思っていなかった。

でも。
そうさ。
気づいてしまった。
本当に。
踊りたかったのだと。

でも。
そうさ。
感じてしまった。
本当に。
楽しいのだと。

だから。
そうさ。
思いのままに。
感じるままに。
踊ればいい。

踊れ。
踊れるうちに。
この夜も。
この日々も。
踊ってしまえ。



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2017/11/04 Sat *消耗戦 / Tom Petty And The Heartbreakers

20171104tompettyandtheheartbreakers


消耗戦。
こんな社会で。
こんな日々を。
送っていれば。
そりゃ、疲れて。

身も。
心も。
思うようには。
ならない。
そんな夜もある。

動かない。
感じられない。
そいつが。
どうにも。
もどかしくて。

誰かに。
己に。
きつく。
当たってしまう。
そんな夜もある。

それも。
そんな夜の。
そんなもどかしさも。
そこにある思いも。
己なのだと。

腹を。
括ってしまえば。
そんな夜も。
あの夜と同じ様に。
何処かへと転がっていける。

『Tom Petty And The Heartbreakers』'76年リリース。
トム・ペティとハートブレイカーズの記念すべき1stアルバム。
今更ながらあのシェルター・レコードからのリリースだったのだなと。
尤も、もはやスワンプ・ロックの時代は終わり、役目を終えようとしている頃ですが。
このアルバムの制作、リリースに至るまでには苦労も多かったみたいで。
デニー・コーデルに見初められたトムが当時やっていたバンドで契約して録音するも。
出来がいま一つと判断されてお蔵入りに。レオン・ラッセルのお声掛りでソロに転向。
ところがレオンがトラブルを起こしてシェルター・レコードを去ってしまい。
再びデニーから新たなバンドをと言われ、マイク・キャンベルも加わってこのアルバムがと。
最初に契約してから二年以上の月日が流れていたのだとか。心が折れる夜もあったろうに。
このタフさは、その後のトムの活動や姿勢に通じるものがあるなと思わされます。
「Breakdown」「Anything That's Rock 'N' Roll」そして「American Girl」と。
シンプルで、ストレートで、軽快にして爽快なロックンロールが多く収録されていて。
その二分~三分に凝縮された叫びに、溜まっていた思いの丈が詰まっているかなと。
恐らくはスタジオ・ライヴに近い録音だったか。プロデューサーであるデニーの功績かなと。
それにしてもシンプルで短いナンバーの輝かせ方、そこにトムならではの才能を感じます。
短編小説の様な物語、それを一気に聴かせるキャッチーなメロディ。
そこにはトムが敬愛して止まないバーズの影響の色濃さも当然、聴きとることが出来ます。
そして軽快に聴く者を魅了する一方で、「Fooled Again (I Don't Like It)」の様に。
重心の低い、やるせなさを感じさせるナンバーでの沈み込む様なトムの歌声。
酸いも甘いもかみ分けた、そんな信用に足るロックンローラーであることがわかるのです。
社会との、世界との消耗する闘いを送る、総ての人の背中をこれからもトムの歌声が支えてくれるでしょう。

消耗戦。
こんな世界で。
こんな日々を。
送っていれば。
そりゃ、すり減って。

身も。
心も。
思いとは。
異なってしまう。
そんな夜もある。

外れる。
ずれている。
そいつが。
どうにも。
もどかしくて。

何かに。
何もかに。
手当たり次第で。
当たり散らしてしまう。
そんな夜もある。

それも。
そんな夜の。
そんなもどかしさも。
そこにある総ても。
己なのだと。

腹を。
括ってしまえれば。
そんな夜も。
いつかの夜と同じ様に。
何処までも転がっていける。

衰弱。
虚脱。
折れて。
崩れて。
身も心も。

ぎりぎりで。
耐えて。
堪えて。
持ちこたえて。
身も心も。

針の。
一穴から。
何かが。
少しだけ染み出す。
そんな夜もある。

グラスの。
表面から。
何かが。
少しだけ溢れる。
そんな夜もある。

わかっていても。
感じていても。
思うにまかせない。
もどかしさに。
苛まれて。

誰かに。
己に。
何かに。
何もかもに。
刃が向かう。

消耗戦。
こんな世界で。
こんな日々を。
送っていれば。
否応なし。

だから。
腹を括って。
何処かへと。
何処までもと。
転がっていく。それだけのこと。



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2017/11/03 Fri *蒼いまま / Bob Seger & The Silver Bullet Band

20171103nightmoves


そうさ。
あの頃は。
蒼かった。
いまだって。
大して変わらない。

夢中で。
がむしゃらに。
求めて。
追いかけて。
躓いて。

懲りずに。
何度も。
同じこと。
同じところ。
傷だらけ。

打ちのめされて。
黄昏もして。
でも。
直ぐに。
根拠もなく回復して。

なんとか。
できないかと。
ならないかと。
やれないかと。
あの夜の中で。

淡い希望で。
蠢いて。
冒険して。
絶望に襲われて。
甘酸っぱくて、切なくて。

『Night Moves』'76年リリース。
ボブ・シーガーが初めてブレイクを果たしたアルバム。
シルヴァー・バレット・バンドとの連名では2枚目で。
スタジオ・アルバムとしては初めてのアルバム。
実は'60年代初めから活動をしていたらしいボブ。
サイケデリックや、スワンプなナンバーやアルバムもあるらしいのですが。
あまりパットせずに。自らのルーツであるロックンロールに回帰して。
その路線での4枚目にあたる、このアルバムで遂にメイン・ストリートへと。
シングル「Night Moves」は初の全米TOP5入り、アルバムも初の全米TOP10入り。
その「Night Moves」に代表されるミィディアムで郷愁を誘う様なナンバー。
そして対照的に颯爽と駆け抜けていくナンバー。そのいずれもが聞き流されないのは。
ボブのタフで、ラフで、ソウルフルな歌声。その魅力によるところが大きいかなと。
逆に言ってしまえば。楽曲自体はかなりベタな感じは拭えなかったりするのですが。
そのベタさが、ボブが歌うと。胸を揺さぶり、心に沁みてくるのですよね。
自動車、夜の街、お酒、ロックンロール、そして女の娘と。ベタな世界なのだけれど。
そうだよな。確かにそうだったよなと。そして、いまもそんなものだよなと。
そのベタさ、蒼さに懐かしさを覚え、共感し、頷きたくなってしまうのですよね。
そして。そう言えば。あんなことも、こんなこともあったなと。自らの体験に置き換えて。
冒険して、謎解きに挑んで、玉砕して。夜の街の片隅で打ちひしがれていたよなと。
実に。何とも。昔、悪ガキだった男どもの共感を呼び起こすボブなのです。
スプリングスティーンの様に小難しくなることもなく、ルックスもむさいままで。
故に、特に日本では絶望的に評価も低ければ、人気もないボブですが。
その潔いまでのベタさ、蒼さはね。時に、無性に胸を掻き毟られるものがあるのです。

そうさ。
いまだって。
蒼いまま。
あの頃と。
大して変わらない。

不乱で。
ひたすらに。
求めて。
追いかけて。
転んで。

学ばずに。
未だに。
同じこと。
同じところ。
血だらけ。

打ちひしがれて。
やさぐれて。
でも。
直ぐに。
証左もなく回復して。

なんとか。
できるだろうと。
なるだろうと。
やれるだろうと。
この夜の中で。

淡い希望で。
蠕いて。
謎解きに挑んで。
玉砕して果てて。
甘酸っぱくて、切なくて。

蒼いまま。
尻尾の生えたまま。
そのまま。
こうして。
ここにいる。

蒼いまま。
懲りずに。
学ばずに。
ここまで。
きてしまった。

何度も。
躓いて。
転んで。
傷だらけ。
血だらけ。

回復するのに。
時間も。
根拠も。
証左も。
いらなくて。

何度。
打ちのめされても。
黄昏たりしても
打ちひしがれても。
やさぐれても。

何度も。
なんとか。
できると。
なると。
やれると。

絶望に襲われて。
玉砕して果てて。
それでも。
淡い希望に。
総てを賭ける。

蒼いまま。
そのままに。
とれない尻尾が。
消えない蒙古斑が。
いまでも俺を駆り立てる。



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