カテゴリー「002 American Rock」の記事

2017/06/29 Thu *玩具箱 / Aerosmith

20170629toysintheatticusorg


ただの。
玩具。
我楽多。
そんなものに。
囲まれて。

雑然と。
混沌と。
うず高く。
積み上げられた。
山の中。

あっちにも。
こっちにも。
散乱して。
足の踏み場も。
ありはしない。

他の。
誰かには。
価値の無い。
二束三文の。
世界の中心。

そこでのみ。
浮かぶものがある。
そこでのみ。
生まれるものもある。
そういうことらしい。

いつも。
いまも。
いつまでも。
玩具箱を。
抱いて生きている。

『Toys In The Attic』'75年リリース。
『闇夜のヘヴィ・ロック』なる邦題でも知られるエアロスミスのアルバム。
原題とは無縁に思われる邦題ですが。内容を考えると言いえて妙かなとも思われます。
デビュー以来、ヒットとは無縁だったエアロスミスですが。地道なツアーを続けて。
その成果を名匠ジャック・ダグラスが見事に捉えてみせたこのアルバムで遂に飛翔します。
ラフで、タフで、ルーズで。そしてデンジャラスでエロティックなエアロスミス。
雑然として。そして混乱もそのままに。一気に駆け抜けていくかの如き危うさも魅力的です。
そうだなぁ、この起ちっ放し、いきっ放しの絶倫なところがエアロスミスなのですよね。
制限速度も無視、警告音は鳴りっ放し。メーターは常にレッド・ゾーンみたいなね。
そこが凡百の下らない産業ロックとの決定的な違いかな。更に言ってしまえば・・・
復活、再結成後のエアロスミスが物足りないのも、そこがね。どうも違うのだなと。
兎に角。フルスロットルで、アクセル踏みっ放しで、いきまくりのアルバムなのです。
曲調は意外と幅広くて。ブルージーなナンバーや、スロー・バラードもあるのですが。
それでも。全編を通して。それこそ息苦しいまでの疾走感に溢れているところが堪らないと。
極論してしまうと。自分がエアロスミスに求めるものは総てこのアルバムにあるかなと。
それこそ玩具箱をひっくり返したかの様な、取り散らかした様な楽しさにも溢れていて。
スティーヴン・タイラーや、ジョー・ペリー、メンバーがガキの頃から大好きだった。
ロックンロール、ブルース、R&B、それらへの愛着、愛情をぶちまけている様でもあって。
その躁状態ともとれる陽気な様がまた、危うさ、妖しさを増してもいるのかな。
たかがロックンロール、されどロックンロール。そんな玩具に、我楽多に総てを賭けている。
そんなガキの頃のままの心意気が、ストレートに反映されているのが堪らないのだろうな。
「Toys In The Attic」「Walk This Way」「Big Ten Inch Record」「Sweet Emotion」と。
綺羅星の如く輝くナンバーがいっぱいで。本当に、このエアロスミスは最高なのです。

所謂。
玩具。
我楽多。
そんなものに。
埋もれて。

雑多に。
混然と。
うず高く。
積み上げられた。
山の麓。

あっちでも。
こっちでも。
崩壊して。
生活導線も。
定かではない。

他の。
誰にも。
認められない。
塵芥の。
世界の中心。

そこでのみ。
感じられるものがある。
そこでのみ。
生み出されるものもある。
そういうことらしい。

いつも。
いまも。
いつまでも。
玩具箱を。
引き摺って生きている。

あの頃。
あの時。
玩具が。
我楽多が。
世界の総てだった。

その頃。
その時。
玩具が。
我楽多が。
救ってくれた、開いてくれた。

それから。
いつも。
玩具と。
我楽多と。
遊びながら。

玩具箱を。
引き摺って。
引っ繰り返して。
何かを探して。
何かを見つけて。

玩具の中で。
我楽多の中で。
何かを感じて。
何かが浮かんで。
何かが生まれて、生み出して。

いつも。
いまも。
いつまでも。
そこが。
世界の中心。

たかが。
玩具箱。
されど。
玩具箱。
捨てるなんてあり得ないのさ。



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2017/06/28 Wed *燃えている / Kiss

20170628rockandrolloverusorg


心は。
胸の内は。
燃えている。
燃え滾っている。
ただ、抑えているだけ。

単純に。
素直に。
好きなものは。
好きなのだと。
それだけで。

それだけで。
もう。
焦がれて。
この身を焼き尽くすほど。
燃えている。

色々と。
考えて。
混乱して。
躊躇いもして。
でも結局のところは。

単純に。
素直に。
心の声に従うと。
好きなものは。
好きだと。

こいつは。
どんな名医にも。
治せるものでもないと。
抑えながらも。
燃えている。

『Rock And Rock Over』'76年リリース。
『地獄のロックファイアー』なる邦題で知られるキッスのアルバム。
これがキッスにとっては5枚目のオリジナル・アルバムで。
前作である『Destroyer』、そう『地獄の軍団』でスケール・アップしたものの。
その緻密に創り込まれ、構成された世界、ボブ・エズリンの手法は窮屈だったらしく。
『Alive !』、あの『地獄の狂獣』を手掛けたエディ・クレイマーをプロデューサーに迎えて。
スタジオではなく、劇場を借り切ってライヴ形式で録音したのだとか。
またゲストは一切加えずにメンバー4人だけでのシンプルなサウンドに拘ったとも。
(まぁ、キッスですからね。影武者が参加しているナンバーもありそうですが・・・)
ポール・スタンレーが、やりたいのはストレートなロックンロール…ただそれだけだと。
このアルバムのリリース時に語っていたそうですが。まさにそのままの内容で。
言わば、初期の3枚のアルバムで聴かれたキッスの原点に戻ったのだと。
それも大ブレイクした後だけに。サウンドは切れ味鋭くも、厚みを増していると。
そのサウンドで、ストレートなロックンロールをこれでもかとぶつけてきているので。
それはもう。聴いている側としても、燃えないわけがない。ただただ燃えるだけなのです。
やっている側も楽しいだろうなと。ヘヴィ・メタルなビートルズの真骨頂です。
このアルバムを引っ提げて初来日。日本中のロック好きなガキどもの度胆を抜く訳ですが。
全国でどれだけのガキが箒や、テニス・ラケットを手にロックンロールしたことかと(笑)。
ピーター・クリスが歌う「Hard Luck Woman」なんて名曲もありますが。
このナンバー、元々はポールがロッド・スチュワートに歌ってほしくて書いたのだとか。
それにしてもA面の頭が「I Want You」でB面の最後が「Makin' Love」ですからね。
「Calling Dr. Love」やら、何やら。徹頭徹尾、愛の、アレのナンバーばかりで。
それをガキどもに大合唱させてしまう。やっぱりキッスは熱く燃える、恐るべき地獄の使者なのですね。

心は。
胸の底は。
燃えている。
燃え滾っている。
ただ、控えているだけ。

単純に。
素直に。
欲しいものは。
欲しいのだと。
それだけで。

それだけで。
もう。
火照って。
この身が燃え尽きるほど。
燃えている。

色々と。
思って。
困惑して。
制御しようともして。
でも結局のところは。

単純に。
素直に。
心の声に従うと。
欲しいものは。
欲しいのだと。

こいつは。
どんな名医でも。
匙を投げるだろうと。
控えながらも。
燃えている。

そう。
初めて。
点火した。
あの時から。
あの日から。

そう。
初めて。
種火が灯った。
あの時から。
あの日から。

心は。
胸の内は。
心は。
胸の底は。
燃えている。

抑えても。
控えても。
結局のところは。
燃え滾っている。
燃えている。

混乱して。
躊躇いもして。
困惑して。
制御しようともして。
燃えている。

単純に。
素直に。
心の声に従うと。
好きなものは。
好きだと。

単純に。
素直に。
心の声に従うと。
欲しいものは。
欲しいのだと。

燃えている・・・燃えているのだよなぁ・・・



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2017/06/27 Tue *夜の生き物 / Patti Smith Group

20170627easterusorg


どうしてかって。
それは。
そう。
そうさ。
この時を待っていたからさ。

この時に。
この時間に。
ならないと。
スイッチが入らない。
そうなのだ。

どうにも。
眩い。
明るい。
温かい。
陽光とやらは。

苦手と言うか。
似合わないと言うか。
くすぐったいと言うか。
その下じゃ。
生きている感じがしない。

だから。
帳が下りて。
漆黒に染められて。
闇が支配する。
この時を待っていたのさ。

そう。
闇の中。
そこでだけ。
生きている実感が湧いてくる。
夜の生き物なのさ。

『Easter』'78年リリース。
パティ・スミス・グループの3rdアルバム。
ロバート・メイプルソープによるジャケットが印象的で。
凛とした柔らかさ。そんなものを感じさせて。
それがこのアルバムの内容、そして前作までとの違いを表しているかなと。
そう。このアルバムでパティは明らかに変化、変容していて。
それは角がとれたとか、丸くなったとか。そんな次元とは違うところで。
表現に対する姿勢、表現に向かう姿勢、そして表現方法が自然な流れで変わり始めて。
それを素直に受け容れ、真摯に向き合い。それを届けようとするパティの在り様。
それが、しなやかな猫科の肉食獣を、その気高さと優雅さと獰猛さを思わせるのです。
研ぎ澄まされた爪と牙は隠したまま。静かに穏やかに、その時を待ち。
その時が来るや、爪と牙を剥き出しにして、一撃で止めを刺してしまう様な。
そんな美しい危うさ、攻撃性を感じ。それに魅入られてしまうのです。
アルバム・タイトル、タイトル曲「Easter」に。そして「Because The Night」にも。
そんな危険で美しい獣へと変わりゆく己に対するパティの思い、覚悟を感じるのです。
ポップになったとの一言では済まされない。ロックンロールとしてのパワーが増していて。
それはパティのヴォーカル、そしてバンドのサウンドの成長故の成せる業なのか。
表層的には穏やかながら。その実、底知れない様な凄味を身につけていて。
「Because The Night」はそんなパティとバンドだからこそ成り立っているかなと。
スプリングシティーンが歌っていたら。凡庸なヒット曲で終わっていたと思わせてしまう。
そんなパティの深い歌声には、やはり痺れ、そして魅入られるしかないのです。
そして、その歌声に。夜の、闇の。そこにしか存在しない温かさを感じもするのです。

どうしてだって。
それは。
そう。
そうさ。
この時しかないからさ。

この時が。
この時間が。
やってこないと。
目が醒めない。
そうなのだ。

どうにも。
陽気で。
華やぐ。
平和に過ぎる。
お天道様とやらは。

不得手と言うか。
そぐわないと言うか。
もどかしいと言うか。
その下じゃ。
生きている心地がしない。

だから。
逢魔が過ぎて。
墨が流れ、溢れ。
暗が闊歩する。
この時でないと駄目なのさ。

そう。
暗の中。
そこでだけ。
生きた心地でいられる。
夜の生き物なのさ。

眩い。
明るい。
温かい。
陽光とやらが。
支配する。

その時は。
その間は。
隠れて。
密やかに。
潜ったままで。

陽気で。
華やぐ。
平和に過ぎる。
お天道様とやらが。
闊歩する。

その時は。
その間は。
逸らして。
装って。
偽ったままで。

帳が下りて。
漆黒に染められて。
闇が支配する。
スイッチが入る。
その時を待って。

蠢き。
這い出し。
舌なめずりをしながら。
動き出す。
動き回る。

逢魔が過ぎて。
墨が流れ、溢れ。
暗が闊歩する。
その時を待ち侘びて。

震え。
脱け出し。
胴震いをしながら。
駆けだす。
駆け回る。

そう。
闇の中でだけ。
変化し、変容し。
己を取り戻せる。
夜の生き物なのさ。



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2017/06/26 Mon *こいつでなきゃ / Lou Reed

20170626rockandrollheart


あれでもない。
それでもない。
そうなのだ。
こいつでなきゃ。
駄目なのだ。

あれもいい。
それもいい。
でも。
やっぱり、こいつが。
最高なのだ。

理屈でもなく。
理由などもなく。
言葉にしようと思えば。
できるのだろうが。
意味はない。

小難しく。
考えてみようと思えば。
考えられないこともない。
しかし、そいつは。
お門違いで。

この。
身体に。
染みついてしまっている。
その。
感覚を信じるだけ。

この。
精神の。
柔らかいところに宿ってしまっている。
その。
思いを信じるだけ。

『Rock And Roll Heart』'76年リリース。
ルー・リードのアリスタ移籍第一弾となったアルバム。
ルーと言うとRCAのイメージが強くて。
また後にはRCAに復帰してもいるのですが。
当時のルーはRCAに対して相当に腹に据えかねていた様で。
そのRCAから解放されて、これからは自由にやれるのだとの喜びに溢れたアルバム。
溢れすぎてしまって、詩的でない、哲学的でない、詰めが甘いとの批評もある様ですが。
どうなのでしょう。確かに高い文学性、冷静な視線。それがルーの魅力ではありますが。
それと同じくらいに、ロックンローラーとしてのルーも魅力的なのは間違いがないので。
ここは、ルーと一緒に素直に喜んで。そのロックンロールに酔いしれればいいと。
そう思うのですが。どうもルーのファンと言うのは難解なことが高尚だと勘違いしている。
そんなタイプが多い様で。そんなファンには簡単に過ぎる、単純だってことなのかな。
さて。ルーのロックンロールと言っても。ストレートな所謂ロックンロールばかりでなく。
シンプルなコードを用いながら、曲調はバラエティに富んでいたりするのですが。
その総てに共通しているのが。通奏低音として流れているのが解放感と喜びで。
聴いていると。本当にRCAからの解放が嬉しくて堪らなかったのだろうなと。
総てのナンバーのギターをルーが一人で弾いているのが、このアルバムの特徴でもあって。
ルーの他のアルバムには必ずギタリストが参加しているのだとか。弾きたかったのだなと。
ルーのアルバムにしては各曲が比較的なコンパクトなところにも。
兎に角。作りたい、歌いたい、弾きたい。その希求、欲求が溢れている様が表れていて。
突き動かされるまま、衝動のまま。そこにルーの身体と精神の根底にあるもの。
その本質が感じられる気がするのです。己が根幹には揺るぎのないロックンロールへの思いがあるのだとね。

あれではない。
それではない。
そうなのだ。
こいつでなきゃ。
面白くないのだ。

あれはいい。
それはいい。
でも。
やっぱり、こいつが。
ご機嫌なのだ。

理屈でも。
理由でも。何でも。
語ろうと思えば。
語れるのだろうが。
意味もない。

高尚に。
見せようと思えば。
見せられないこともない。
しかし、そいつは。
見当違いで。

この。
身体に。
染みついてしまっている。
その。
匂いを信じるだけ。

この。
精神の。
深いところに宿ってしまっている。
その。
愛しさを信じるだけ。

外見とか。
形式とか。
そんなものは。
どうでも。
よいこと。

理屈とか。
理論とか。
そんなものも。
どうでも。
よいこと。

言葉になろうが。
なるまいが。
語れようが。
かたれまいが。
どうでもよくて。

小難しさ。
そんなものとは無縁で。
高尚さ。
そんなものは必要なくて。
そんなもので。

この身体に。
染みついているか。
この精神に。
宿っているか。
それだけ。

その。
感覚を。匂いを。
思いを。愛しさを。
信じるだけ。
だから。

あれでもない。
それでもない。
そうなのだ。
こいつでなきゃ。
駄目なのだ。



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2017/06/25 Sun *達観など / Iggy Pop

20170625lustforlife


どうにも。
こうにも。
どうなったところで。
達観など。
できそうもない。

ここが。
いまが。
正念場。
乗り越えられるか、どうか。
そんな時だと。

わかっていても。
その事実を。
突き付けられて。
嫌と言うほど。
身に沁みてはいても。

あらゆる。
欲望から。
切り離されることなど。
解き放たれることなど。
捨て去れることなど。

できない。
できそうもない。
できる筈もない。
生臭く。
生々しく。

欲望に。
忠実に。
その命ずるままに。
這い回る以外に。
生き方を知らないのだ。

『Lust For Life』'77年リリース。
イギー・ポップの2枚目となるソロ・アルバム。
前作である『Idiot』も同年のリリースで。兄弟アルバムと言うか。
同時に録音されたものを2枚のアルバムに分けたのではないかと思うのだけれど。
デヴィッド・ボウイの指揮の下。カルロス・アロマーにセイルズ兄弟も参加して。
イギーとボウイの蜜月であるベルリン時代を代表するアルバムであると。
まぁ、実際にボウイの影響力は大きいと言うか。ボウイ絡みでなければ。
ここでイギーがシーンに再浮上することはなかったのだろうけれど。
それは飽くまでも。きっかけと言うか。触媒に過ぎないのでは無いかと思われて。
恐らくは共作とされているナンバーのソングライティングも、無機質なサウンド作りも。
主導権を握っているのはボウイで。そのフィールドはボウイに寄っているのですが。
イギーのヴォーカルは、歌声は。それをものともしないと言うか。我、関せずと言うか。
その生々しさ。その強烈な匂い、その圧倒的な存在感。イギーはイギーでしかなく。
決してそこまでラウドでもヘヴィでもないのに。凄まじい破壊力を放っていて。
何だか。言い方は悪いのですが。ボウイの計算が小賢しく感じられてしまうかなと。
勿論。イギーとしても。ボウイと組むことがチャンスであること。それは意識していて。
でも。歌い始めると。もう。計算とか意識とかではなくて。その身に沁みついている。
歌うという事。それだけに向かってしまう。その欲求に、欲望に対して正直である様。
その様の圧倒的な生々しさが放つ匂いが、それ以外の総てを凌駕してしまっていると。
このアルバムからのナンバーを後にボウイも自らやっていますが。正直、毒にも薬にもで。
そして。そのことは恐らくはボウイ自身も自覚していただろうなと。
ボウイはイギーに憧れを抱いていた部分があったと思われて。それがイギーの匂い。
どうしても消せない、拭えない、その生々しい匂い。それに自分も魅せられているのです。
ここまで。いつまでも。どこまでも。表現欲求に正直で素直である。そんなイギーが堪らなく魅力的なのです。

どうしても。
こうしても。
どうしたところで。
達観など。
できるものでもない。

いま。
既に。
期限を。
切られてしまって、どうにも。
そんな時だと。

わかっていても。
その事実は。
受け容れていても。
否が応でも。
思い知らされていても。

総ての。
欲望を。
切り離すことなど。
封じ込めることなど。
捨て去ることなど。

できない。
できそうもない。
できる筈もない。
生臭くても。
生々しくても。

欲望に。
素直に。
その求めるままに。
のたうち回る以外に。
生き方を知らないのだ。

切り離され。
解き放たれ。
捨て去られ。
諦念と。
忘却の内に。

何も。
追わず。
求めず。
惑わされず。
見送るだけ。

切り離し。
封じ込め。
捨て去り。
脱却と。
忘我の内に。

何も。
見ず。
聞かず。
感じず。
動かされず。

限られた。
時の中で。
乗り越えねばならない。
壁を前に。
達観できれば。

苦もなく。
何もなく。
静かに。
穏やかに。
過ごせるものの。

どうにも。
こうにも。
どうなったところで。
達観など。
したくもない。

匂う限り。
香る限り。
感じる限り。
追い続ける。
求め続ける。

生臭くて。
構わない。
どこまでも。
生々しく。
その限りを尽くして。

欲求に。
欲望に。
忠実に。
素直に。
這い回り、のたうち回る。

ここに及んでも。
どこに及んでも。
そんな生き方しか知らない。
達観など知る筈もない。
達観などしたくもない。



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2017/06/11 Sun *飄々と虎視眈々 / Grin

20170611allout


にやりと。
軽妙な。
笑みを浮かべながら。
そろそろと。
ぶらぶらと。

力まず。
声高にならず。
身を躱しながら。
さらりと。
受け流しながら。

四角四面は。
遠慮して。
杓子定規に。
陥らない様に。
そこには気を配りつつ。

その実。
そのことには。
その一点には。
全力投球で。
挑んでみる。

飽くまでも。
素知らぬ振り。
そいつを。
気取る。
余裕だけは忘れずに。

飄々と。
虎視眈々。
そんな姿勢で。
そんな足どりで。
挑んでみる。

『All Out』'72年リリース。
ニルス・ロフグレン率いるグリンの3rdアルバム。
飄々とした感もある、フットワークの軽さ。
そんなギター、そして活動のスタイルが魅力的なニルス。
若くしてニール・ヤングのアルバムにも参加していて。
クレイジー・ホースのギタリストにとの勧誘もあったそうですが。
それはそれ。これはこれ。自らの活動の主軸はこのグリンに置いていたと。
またグリンがあったからこそ、ニールとの活動でも妥協することは無かったと。
しなやかでありながら、したたかでもある。そんなニルスの佇まいがいいなと。
ニールに限らず、様々なミュージシャンから引っ張りだこだったと思われますが。
それには感謝しつつも。自らを見失うことは無い様にと。
グリンなどと言う、人を食ったバンド名、そしてこのアルバムのジャケット。
そのユーモアの影に潜む、骨太な覚悟のほど。それこそがニールの本質かなと。
故に。アコースティックなナンバーが多いこのアルバムも、実にロックンロールで。
その小気味よさ、気風のよさ。それがストレートに反映されるギター。
そのサウンド、そのメロディが実に何とも風通しがいいのですね。
この風通しのよさは、グリンの、そしてニルスのソロ・アルバムにも共通していて。
ニールも、そしてスプリングスティーンもそんなニルスを必要としたのだろうなぁ。
このアルバムにはキャシー・マクドナルドがゲストとして参加していて。
そのシャウトとニルスのギターの絡みが、独特の魅力を生み出してもいて。
そのセンスにニルスの才能、そして飄々としているだけではない策士振りを感じもします。
なかなか評価されない存在ですが。決して忘れることのできない、グリン、そしてニルスなのです。

にたりと。
意味深な。
笑みを浮かべながら。
ぶらぶらと。
そろそろと。

硬くならず。
固くもならず。
身を翻しながら。
さらりと。
受け渡しながら。

既定路線は。
遠慮して。
固定観念に。
陥らない様に。
そこには目も配りつつ。

その実。
あることには。
ある一点には。
全力投球で。
臨んでみる。

飽くまでも。
余興の範囲。
そう。
嘯く。
芝居だけは忘れずに。

飄々と。
虎視眈々。
そんな佇まいで。
そんな足並みで。
臨んでみる。

笑みに。
目元に。
口元に。
本音は。
出さずに。

笑みで。
目元で。
口元で。
本質は。
秘めて。

そろそろと。
ぶらぶらと。
身を躱しながら。
さらりと。
受け流しながら。

ぶらぶらと。
そろそろと。
身を翻しながら。
さらりと。
受け渡しながら。

飽くまでも。
余興の範囲と。
素知らぬ素振りで。
装いながら。
嘯きながら。

その実。
このことには。
この一点には。
全力投球で。
挑んでみる。臨んでみる。

飄々と。
虎視眈々。
そんな。
身構え。心構え。
そいつが好きなのだ。



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2017/06/10 Sat *魂の辺土で / Janis Joplin

20170610joplininconcert


恋をせずにはいられない。

わかっている。
駄目なのだと。
無理なのだと。
否、何よりも。
危ういのだと。

そう。
手を伸ばしても。
届く筈も無い。
伸ばした指の先を歩いている。
その差は縮まらない。

そう。
叫んでも。
聞こえる筈も無い。
枯らした声の先で笑っている。
その間は埋まらない。

初めて。
その姿を目にした時。
その声を耳にした時。
瞬時に。
その絶望を理解したのだ。

それでも。
伸ばしてしまう。
叫んでしまう。
追いかけてしまう。
惹かれてしまったのだから。

恋に落ちずにはいられない。

『Joplin In Concert』'72年リリース。
その死後に編集されたジャニス・ジョプリンの2枚組ライヴ・アルバム。
あの『Cheap Thrills』は実は疑似ライヴだとの説が有力らしいので。
ジャニスのライヴ音源としてはこのアルバムが初めて公式にリリースされたもの。
1枚がビッグ・ブラザー・ホールディング・カンパニーとのライヴで。
もう1枚がフル・テイルト・ブギー・バンドとのライヴとなっていて。
その対比、そのどちらの魅力も堪能できる編集となっています。
よく知られる様に。ビッグ・ブラザー・ホールディング・カンパニーは学生ノリで。
その演奏はお世辞にも上手いとは言えなくて。そのぎこちなさが味ではあると。
一方、フル・テイルト・ブギー・バンドは腕利きのミュージシャンの集まりで。
その演奏技術の高さ、奏でられるサウンドのレベルはかなりのものがあると。
どちらを従えて歌うジャニスが好きかと言うのは、昔から色々と言われてきていますが。
ビッグ・ブラザー・ホールディング・カンパニーとのが、楽しそうだと言う声もあれば。
あまりにもジャニスが頭幾つも抜き出ていて。バック・バンドとして機能していないとも。
フル・テイルト・ブギー・バンドをバックにしたジャニスは十二分に実力を発揮していると。
ただ、どうにもその関係がドライで一体感を感じられないと言う声もあったりします。
結論。どちらもいい。どちらでもいい。どちらを従えてもジャニスはジャニスなのです。
このアルバム(に限りませんが)に針を落とすと。いつも感じるのはジャニスの特異性。
そのあまりにも圧倒的で、独特で。そして天性のものとしか思えない唯一無二の歌声。
その心のあり様、そして魂の求めるまま、そのままを歌にしてしまっている様。
特に女性シンガーの例えとしてよく使われるジャニスですが。とんでもない間違いで。
ジャニスはジャニス一人。ジャニスはジャニスでしかないのです。それを痛感するのです。
だから。確かにフル・テイルト・ブギー・バンドのが、力量を引き出していたとしても。
申し訳ないけれど。そんなことは些細なことで。ジャニスが歌っている。それが総てだと。
ジャニスの歌声が聴こえる、それだけで心の中が、魂の辺土が、揺さぶられ、震える。
それは実のところ、恐ろしいことでもあるのだけれど。魅せられずにはいられないのです。ジャニスに恋をせずにはおられないのです。

恋をせずにはいられない。

わかっている。
いけないのだと。
あり得ないのだと。
否、何よりも。
脆いのだと。

そう。
伸ばした手の先は。
何も掴むことは無いと。
伸ばした指は宙を泳ぐだけ。
虚しく泳ぐだけ。

そう。
声を枯らした叫びは。
その背中にも届きはしないと。
枯れた声は宙に響くだけ。
虚しく響くだけ。

初めて。
その笑顔を目にした時。
その歌声を耳にした時。
瞬時に。
その絶望を理解したのだ。

それでも。
伸ばしてしまう。
叫んでしまう。
追いかけてしまう。
魅入られてしまったのだから。

恋に落ちずにはいられない。

手にしたいとも。
得ようとも。
思わない。
手にする、得る。
それだけが総てではない。

勝敗でも。
白黒でも。
ありはしない。
そんなものじゃない。
それを超えるものもある。

届かないなら。
縮まらないなら。
埋まらないなら。
止めておけばいい。
諦めてしまえばいい。

掴めないなら。
泳ぐだけなら。
響くだけなら。
止めておけばいい。
諦めてしまえばいい。

それでも。
その。
絶望を理解しながら。
惹かれてしまったのだ。
魅入られてしまったのだ。

優等生なら。
偽善者なら。
傍観者なら。
何も感じることも無い。
何かを受け容れることも無い。

そんな奴には。
なりたくない。
そんな奴には。
なれもしない。
だから。

声には出さず。
心の中で。
魂の辺土で。
恋をせずにはいられない。
恋に落ちずにはいられない。



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2017/06/09 Fri *人は見た目が / The J. Geils Band

20170609thejgeilsbandukorg


雁首揃えて。
つまらなさそうな顔で。
眠たそうな顔で。
頭は回らず。
頭は固く。

そんな。
顔からは。
頭からは。
面白いことなど。
生まれて気はしない。

既成概念も。
固定概念も。
ブッ飛ばそう。
ぶっ壊そう。
そこから始めよう。

先ずは。
顔を洗って。
頭を切り替えて。
そんな一撃を。
ぶち込んで。

目を覚まして。
頭を働かせて。
身も心も。
再生させて。
生まれ変わらせて。

その。
顔つきを。
顔ぶれを。
生き生きと。
輝かせよう。

『The J. Geils Band』'70年リリース。
J.ガイルズ・バンドの記念すべき1stアルバム。
この。顔つき。顔ぶれ。もう、これで勝負ありと言いたくなるかな。
そうです。人は見た目が100%、総てなのだと。そんなところで。
これで。内容が悪いわけないだろうと。そう断言できてしまうカッコ良さ。
男の、野郎の顔は、こうでなきゃいけないと。その見本が集まっているかな。
オリジナルが5曲。ブルースやR&Bのカバーが6曲の全11曲。
収録時間35分弱に凝縮された黒光りするロックンロール。そいつが堪らないのです。
何よりも、カッコいいこと。伊達で粋であることを貫いたJ.ガイルズ・バンド。
その姿勢は、このアルバムで既に確立されていて、変わることは無かったのだなと。
EMI移籍後はセス・ジャストマンが変な色気を出し過ぎたきらいはありますが。
アトランティック時代のJ.ガイルズ・バンドはもう、本当にご機嫌なのです。
「Homework」「First I Look At The Purse」と続く当たりなんて失神もので。
その軽快で、シンプルにしてソウルフルなビートは、誰にも真似できないかな。
改めてJ.ガイルズのギター。その小難しいことを一切排除したセンスに殺られます。
そして「Ice Breaker」「Sno-Cone」と2曲のインストで吹き荒れるブルース・ハープ。
そのカッコ良さ、凄まじさ。マジック・ディックには誰も敵わないよなと。
そんなメンバーがいてこそ。ピーター・ウルフの気障な歌声も冴えわたるのですよね。
衣装が汚れるからとウッドストック出演のオファーを断ってしまったJ.ガイルズ・バンド。
その拘り、その意気地。それがこのジャケットに。そしてサウンドに表れているのです。
好きなものは、とことん好きで。決めたことは、ぶれずに貫き通す。その覚悟のほど。
それが伊達で、粋で。カッコいいと。そんなロックンロールが面白くない訳が、ご機嫌でない訳はありません。

雁首揃えて。
つまらなさそうな顔で。
眠たそうな顔で。
頭を回す気もなければ。
頭の固さにも気づかない。

そんな。
顔とは。
頭とは。
おさらばしない事には。
生きている意味もない。

前例とかも。
慣習とやらも。
ブッ飛ばそう。
ぶっ壊そう。
そこから始めよう。

先ずは。
顔を作ろう。
頭も整えよう。
そんな一撃を。
ぶち込んで。

目を見開いて。
頭を回転させて。
身体と精神の隅々まで。
再生させて。
生まれ変わらせて。

その。
顔つきを。
顔ぶれを。
ギラギラと。
輝かせよう。

カッコから。
入ろう。
カッコを。
つけてみよう。
そこから始めよう。

古い。
疲れた。
草臥れた。
顔も頭も。
身も心も。

脱いでしまおう。
捨ててしまおう。
ブッ飛ばそう。
ぶち壊そう。
再生させよう。

見得でも。
ハッタリでも。
伊達でも。
構いはしない。
思いっきり決めて。

いい顔をしよう。
いい顔になろう。
そうすれば。
何かが変わる。
何かが生まれる。

いい顔つき。
いい顔ぶれ。
そこには。
何かが寄ってくる。
何かが惹きつけられる。

人は見た目が。
大切だ。
人は見た目が。
物語る。
そいつは侮れない。

ギラギラと。
黒光りして。
殺気を放って。
面白いことを。
生み出そう。



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2017/06/08 Thu *交差点に立つ / Santana

20170608caravanserai


ものが。
人が。
情報が。
行き交う。
その中心。

あっちから。
来るもの、来る人。
こっちから。
行くもの、行く人。
交わされる情報。

出会い。
触れ合い。
すれ違い。
それぞれの場所から。
それぞれの場所へ。

止まらず。
澱まず。
されど。
交わり。
混ざり。

新たな。
何ものかを。
生み出す。
その。
契機とするべく。

行路の。
交差路の。
宿主として。
結合点として。
交差点に立つ。

『Caravanserai』'72年リリース。
サンタナがその世界を広げた、4枚目となるアルバム。
メンバーの交代や、新たなメンバーの加入。
そして何よりも、カルロス・サンタナの意識の変化。
それらが、相互に作用し合い、影響を及ぼし、新たなものを生み出した。
そんな生命力、活力に溢れている、そして穏やかに語りかけてくるアルバム。
元々はサンタナ・ブルース・バンドと称して、ブルースの影響が色濃く。
そこにマリアッチの父を持つカルロスが率いたからこそのラテンへの接近があり。
所謂ラテン・ロックの雄として大人気を博していたサンタナ。
しかし、そこに止まることなく。更に新たなものを貪欲に取り入れて。
サウンド的には、ジャズやフユージョンへの接近を試みていて。
その背景には、精神世界へ興味を抱き積極的に宗教にも傾倒していくカルロスの姿勢。
それがあったのだと思われます。バディ・マイルスと共演、マイルス・ディヴィスとも接近。
アルバムに針を落とすと虫の声が聴こえてきて。サックスやウッド・ベースが奏でられる。
あの、怒涛の、情熱のラテン・ロックは何処へいったのだと戸惑うのですが。
実のところ、カルロスの情熱は些かも衰えても、変わってもいなくて。
ただ、その表現に新たな要素が加わり、また表現するものも新たになっていったと。
この、何でもありに近い。雑多なものを次々に取り込んでいく積極的な交雑性。
それこそがサンタナの最大の魅力なのだろうなと思われるのです。
あらゆる音楽が行き交う、その交差点に立って。積極的に交流して咀嚼して整理して。
年齢も出自もそれぞれの雑多とも言えるメンバーを結び付けて率いて新たな世界へと。
たぶんに。ヒッピー文化や、フラワー・ムーブメンとへの失望からの反動。
それにより精神世界へと歩み寄ってしまった側面もありながら。神さえも取り込んでしまう。そこがらしいかな。

ものが。
人が。
情報が。
集まってくる。
その真ん中。

あっちから。
来たもの、来た人。
こっちから。
行ったもの、行った人。
交わされた情報。

出会って。
触れ合って。
すれ違いながら。
それぞれの世界から。
それぞれの世界へ。

止まらせず。
澱ませず。
されど。
交わらせ。
混ぜて。

新たな。
何ものかを。
生み出す。
その。
契機を創るべく。

行路の。
交差路の。
宿主となり。
結合点となり。
交差点に立つ。

流れを止めず。
澱みを作らず。
新たな。
流れの。集まりの。
契機を。

怯まず。
怯えず。
拒まず。
追わず。
あらゆるものを。

出会わせ。
触れ合わせ。
取り込んで。
咀嚼して。
整理して。

交差する。
雑多な。
ものも。
人も。
情報も。

受け止め。
受け容れ。
されど。
混沌とした。
坩堝にはならぬ様。

ものが。
人が。
情報が。
行き交う。集まる。
その中心。その真ん中。

行路の。
交差路の。
宿主としてありながら。
結合点としてありながら。
交差点に立つ。立ち続ける。



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2017/06/07 Wed *風に吹かれている / Eagles

20170607ontheborderusorg


あそこと。
ここ。
向こうと。
こちら。
その境目。

その上に。
立って。
行くか。
戻るか。
そんなことを。

考えて。
暫し。
右へ。
左へ。
ふらふらと。

境目。
そいつを。
越えるべきか。
止まるべきか。
そいつが問題で。

でも。
その実。
答えなど。
決まっていて。
選択の余地はない。

あそこへ。
向こうへ。
越境しなくては。
生きられない。
そんな境界線の上で。

『On The Border』'74年リリース。
イーグルスの転換点ともなった3枚目のアルバム。
米国を代表するロック・バンド、イーグルス。それに異は無いけれど。
初期のイーグルスの視線は明らかに英国を向いていて。
その活動も英国に重きを置いていて。録音も英国で行われていたと。
それが。このアルバムにおいて、その制作過程で変化が表れて。
プロデューサーがグリン・ジョーンズからビル・シムジクに交代となり。
録音もロンドンからロサンゼルスへと変更され。新たにドン・フェルダーが加入して。
新たな地平への境界線の上に立ち。そして越境していく様が捉えられているアルバム。
商業的にはなかなか上昇気流を捉えずいたイーグルスが漸く飛翔し始めるのもここからで。
初期のカントリーの香りが濃厚なナンバーと、ハードにロックするナンバー。
その対比と、同居。それによって生まれるメリハリの強さが新たな魅力となっている。
ただ。得たものがあれば、失われたものもあって。成功の階は、また崩壊の始まりでもあり。
既に。このアルバムには、それまでのイーグルスにあった絶妙なバランス。
民主的な共同体の幻想とでも呼ぶべきものが、崩れ始めているのが感じられたりもする。
夢が失われつつあった時代に。敢えて夢を、幻想を抱かせようとしたものの。
自らがそれに殉ずることが出来なくなり、現実を受け入れることで、現実に受け入れられる。
それを妥協と呼ぶのか、覚悟と称えるのか。それは難しいところではるのだが。
境界線から向こう側へと、止まらずに踏み出す。それを成しえた者だけが手にできるもの。
表現できるものがあるのであろうと。そんな緊張感が心地よく響くのは事実なのだろう。
ややも、すれば。甘さに過ぎそうな「The Best Of My Love」が素晴らしいのは。
その緊張感が故の、束の間の安らぎの様なものを見事に表現しているからにほかならなく。
転換点にあった。まさに越境する瞬間のイーグルスだけが持ちえた魅力の産物なのである。

あそこか。
ここか。
向こうか。
こちらか。
その境目。

その上に。
座って。
行けるのか。
やめておこうか。
そんなことを。

考えて。
暫し。
首を回して。
脚をばたつかせて。
ぶらぶらと。

境目。
そいつを。
越えられるのか。
越えられないのか。
そいつが問題で。

でも。
答えなど。
初めから。
決まっていて。
選択の権利などない。

あそこへ。
向こうへ。
越境しなければ。
朽ちるのみ。
そんな境界線の上で。

今のまま。
このまま。
それも。
それでも。
悪くはない。

でも。
今のまま。
このまま。
そこには。
先はない。

緩やかに。
穏やかに。
朽ちて。
やがては。
死に至る。

座して。
死を待つ。
死んだ様に。
生きる。
そいつを望まないのなら。

あそこへ。
向こう側へ。
境目を。
越えて。
踏み出すしかない。

選択の。
余地も。
権利も。
ありはしない。
越えていくしかない。

あそこへ。
向こうへ。
越境する為に。
やってきた。
そんな境界線の上で。

風に吹かれている・・・



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