2007/07/13 Fri *ここに / Badfinger

20070713wishyouwerehere


迎え火。
見えてるかな。
降りてきてるかな。
帰ってきてるかな。
あの人も。あの人も。あの人も。
ねぇ。
ついこの間まで。
いることが。いてくれることが。
あたり前だったのに。
いつも。いつまでもと。
思っていたのに。
ねぇ。
ここだよ。ここだよ。

『Wish You Were Here』'74年リリース。
バッドフィンガーにとって6枚目の、そして事実上のラスト・アルバム。
ワーナーに移籍して2枚目、そして前作から4ヶ月という短いインターバルのリリース。
バンドを取り巻く複雑で混沌とした状況。期待に反して冷たい市場の反応と。
追い詰められていたのか、せきたてられるかの様に制作された感も強いのですが。
従来のに比較して。ギターが前面に出ているせいか。エッジの効いたハードな感触のサウンドで。
新たな一歩を踏み出そうと。新たな道を選ぼうと。そんな姿勢が感じ取れるたりもして。
そして相変らず。どうにも堪らない、甘酸っぱさを醸し出すピート・ハムのメロディーがあって。
その融合に確かに新たな可能性も見えていたのではと思います・・・思いたいのですが。
結局は、このアルバムを最後に解散。そしてあのピートの悲劇が訪れることになってしまいます。
アルバム・タイトルからしていかにもなのですが。どうしてもバッドフィンガーに纏わりついて離れないもの。
言葉にはし難い。心を捉えて放さない。切なさ。その切なさが魅力なのですが。それに殉じてしまったかなとも。

迎え火。
見えてたよね。
降りてきてるよね。
帰ってきてるよね。
あの人も。あの人も。あの人も。
ねぇ。
ついこの間まで。
いることが。いてくれることが。
あたり前だったんだもの。
ほんの。ひと時だとしても。
お帰りなさい。
ねぇ。
ここだよ。ここだよ。

迎え火。
切ないから。
やりきれないから。
今夜も一人で。
ここで献杯してるんだ。
あなたも。あなたも。あなたも。
ここに帰ってきてるのかな。
あなたも。あなたも。あなたも。
ここにいてくれたらな。
ここに。ここに。
ここにいてくれたらな。

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2007/06/04 Mon *この指とまれ / Badfinger

20070604magicchristianmusic


この指とまれ。

どうですか。
いいでしょう。
面白そうでしょう。
じゃぁ、一緒にやりますか。
一緒に漕ぎ始めましょうか。
やっと。
同じ舟に乗ってもいいかなって。
同じ舟に乗せてもいいかなって。
そんな面子がボチボチとね。
でも。
まだまだ。
漕ぎ手が足りませんかね。

この指とまれ。

『Magic Christian Music』'70年リリース。
アップルと契約してデビューしたもののパッとせずに。アルバムも英米では発売されずに。
そのまま自然消滅してしまいそうだったアイビーズ。窮状を見かねたポール・マッカートニーが手を貸して。
リンゴ・スター主演映画の主題歌として提供されたポール作の「Come And Get It」が起死回生の一発となって。
心機一転、バンド名もバッドフィンガーと改めて。その映画の公開に合わせてリリースされた1stアルバムです。
収録曲の半分、7曲はアイビーズとしてリリースしたアルバムからの再収録曲となっています。
そのアイビーズ時代と比較すると新たに収録された曲はよりロックに、よりバンドらしくなっている気がしますが。
なんと言ってもバッドフィンガーの魅力はそのメロディーから滲み出る切なさにつきるかなと思うのですが。
「Carry On Till Tomorrow」なんてもう、その。この曲を聴く度に。その切なさにおいてはFAB4を越えてたかなと。
まぁ、たぶんに。バッドフィンガーの悲劇的な運命を知っているが故の感傷によるところもあるのですが。
このアルバムではようやく世界へと漕ぎ出せた。その喜びがそこかしこに感じられるから余計にまぁ、しんみりと。

この指とまれ。

どうですか。
いいでしょう。
面白そうでしょう。
さぁ、一緒にやりましょう。
さぁ、皆でオールを握って。
やっと。
同じ舟に乗ってもいいかなって。
同じ舟に乗せられてもいいかなって。
そんな気にフラフラとね。
さぁ。
まだまだ。
漕ぎ手が集まりますかね。

この指とまれ。

えっと。
この指にとまるとね。
ちょっと痛いし。
逃げられないんだけどね(苦笑)。

でも。
明日に向って進むなら。
この指とまれ。

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2006/11/25 Sat *胸が痛い / Badfinger

20061125badfinger


まだかな。
どうしてるかな。
なにかあったのかな。
電話が繋がらない。
メールも返ってこない。
わかってる。
わかってるけど。
心配になる。
不安が頭をもたげる。
胸が痛い。

『Badfinger』'74年リリース。
アップルを離れてワーナー・ブラザーズからリリースされたバッドフィンガーの5thアルバム。
タイトルにバンド名を冠したところにも新たな出発に掛ける意気込みが感じられます。
結果的には商業的には成功は収められず。アルバムの評価も芳しくは無かった様ですが。
アルバムの基調をなしている、そのある種美しくもある切なさはバッドフィンガーならではです。
「I Miss You」「Shine On」「Lonley You」・・・締め付けられるかの様に、胸が痛くなります。
ピート・ハムのあまりにも繊細な感性が感じられて。後年自ら命を絶ってしまったピートを思うとまた・・・
反面ポップなナンバーはやはりあまりにもビートルズの影が見え隠れしてしまって。
そこにはアップルを離れても払拭出来なかった、バッドフィンガーの宿業も感じてしまいます。

まだかな。
どうしてるかな。
なにかあったのかな。
電話が繋がらない。
メールも返ってこない。
わかってる。
わかってるけど。
心配になる。
不安が頭をもたげる。
胸が痛い。

わかってる。
わかってるけど。
泣きだしたくなる。
叫びだしたくなる。
胸が痛い。

あっ・・・
たった一本の電話で。
僅か数行のメールで。
そして。
その笑顔だけで。
心配も、不安も霧散する。
嬉しくて。
泣きだしたくなる。
叫びだしたくなる。
それもまた。
胸が痛くはあるけれど。

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2006/10/10 Tue *こんな朝だから / Badfinger

20061010straightup


空は青く澄んで。
陽射しも風も心地良くて。
こんな朝だから。
いつもよりゆっくりと。
少しだけ遠回りをして。
歩いてみよう。
こんな素敵な朝だから。

『Straight Up』'72年リリース。
前作『No Dice』と並んで代表作とされるバッドフィンガーの3rdアルバム。
どうにもそのキャリアを通じてトラブルの多かったバッドフィンガー。
このアルバムでもジョージ・ハリスンがプロデュースを務めていたものの。
例の“バングラディッシュ”で多忙になり断念。トッド・ラングレンが引継いだり。
それでもその楽曲の素晴しさがそれぞれのプロデューサーに生かされていて。
最大の持ち味である“切なさ”に加えて。ポップな側面も引き出されて。
瑞々しい魅力に溢れた何とも美しく優しいバッドフィンガーの世界が広がっています。
「Baby Blue」「Sweet Tuesday Morning」「Day After Day」…
切なさを描かせたら、歌わせたら。バッドフィンガーが一番だなと。

空は青く澄んで。
陽射しも風も心地良くて。
こんな朝でも。
これから始る一日は。
これから始る一週間は。
いろんなことがあるだろう。
いろんなことが起きるだろう。
そんな気は無いのに。
何かを押し付けたり。押し付けられたり。
そんなつもりは無いのに。
誰かを傷つけたり。傷つけられたり。
そんないつもの光景が繰り返されるのだろう。
仕方ないね。
でも切ないね。

だから。
少しだけ遠回りをして。
歩いてみよう。
こんな素敵な朝だから。
切なさを噛み締めながら。
切なさを感じられることに。
未だ心が震える瞬間があることに。
ささやかな幸福を感じながら。
歩いてみよう。

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