カテゴリー「014 Badfinger」の記事

2015/01/07 Wed *悲しき願いと知りながら / Badfinger

20150107badfingerwishyouwerehere


叶わぬことと。
詮無きことと。
知りながら。
解かっていながら。
それでも。

叶わぬが故。
詮無きが故。
だからこそ。
それだからこそ。
心を過ぎる。

そんな。
願いが。
ふと。
頭を過ぎる。
その瞬間。

思いに囚われ。
立ち止り。
時は止まり。
風景は色も音も失う。
ただ。その声だけが聞える。

悲しき願いと知りながら。

『Wish You Were Here』'74年リリース。
バッドフィンガーのワーナー移籍2枚目にして実質的なラスト・アルバム。
トラブル続きだったアップルを離れてワーナーに移籍したものの。
悪徳マネージャーのせいで状況は改善されず。この頃には既に創作意欲も失っていたと。
そんな話もあり。バッドフィンガーのアルバムの中でも話題になることの少ないアルバムですが。
ところが。どうして。ワーナーに移籍してからも。バッドフィンガーはバッドフィンガーだったのです。
むしろ。その演奏技術はアップル時代よりも向上してるし。楽曲も粒ぞろいで。
ピート・ハムのソングライティングの素晴らしさは言うに及ばず。他の3人の手によるものも遜色なく。
バンドとしてのバランスを考えると。実はこのアルバムが一番良かったのかなとさえ思えます。
なのに。なぜ売れなかったのか。偏にマネージメントの問題だったんですよねぇ。
確かワーナーの2枚のアルバムも。何故か'75年以降長い間廃盤状態に置かれていたし・・・
バッドフィンガーの悲劇について語り始めると限が無いし、腹も立ってくるので。
そのポップでキャッチーなメロディーの素晴らしさ。切なさの一点においてはFAB4も凌いだかなと。
自分としては評価しているのですが。加えてこのアルバムのサウンドには重みが加わってきて。
時にはヘヴィーで、ハードですらあるサウンドと。リリカルなメロディーの対比が素晴らしいなと。
そうなんです。やっぱり。ビートルズの弟バンドの一言で終わらせちゃいけないんだよなぁ。
サウンドの変化にはプロデューサーのクリス・トーマスの手腕も大きかったのかな。
クリスらしい英国的な力強さのあるサウンドに仕上がっています。
クリス絡みで言えば、加藤和彦から寝取っちゃったあのミカの日本語のダイアローグが聞けたりもします。
それにしても。これだけのバンドが真っ当に評価されず、報酬も支払われず。メンバー2人が自死だなんて・・・
悲しき願いと知りながら。いまも、バッドフィンガーがいてくれたらなぁと願わずにはいられないのです。

叶わぬことと。
詮無きことと。
知っている。
諦めてもいる。
それでも。

叶わぬが故。
詮無きが故。
だからこそ。
それだからこそ。
心に蘇る。

そんな。
願いが。
ふと。
胸に蘇る。
その瞬間。

思いに囚われ。
蹲り。
時は歩を止め。
風景は空気を失い。
ただ。その匂いだけが漂う。

悲しき願いと知りながら。

あの人が。
あなたが。
あいつが。
いま。
ここにいてくれたならと。

あの人は。
あなたは。
あいつは。
なぜ。
ここにいないんだろうと。

自分の。
世界の一部は。
永遠に失われ。
なのに。
意識下には残ったまま。

失われる部分は。
年々広がっていく。
意識下に残るものも。
年々増えていく。
やがて。世界が崩壊するまで。

悲しき願いと知りながら。

あの人が。
あなたが。
あいつが。
いま。
ここにいてくれたならと。



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2014/03/21 Fri *ぼちぼちとしか / Badfinger

20140321thebestofbadfinger


春分。
お彼岸。
お墓参り。
花を供えて。
線香上げて。

掌を合わせて。
目を閉じて。
語りかける。
こんにちは。
ご無沙汰してすいません。

どうなんだ。
どうなんでしょうね。
よくないのか。
そうでもないかな。
悪いのか。
そうとも言えないかな。

じゃぁ。
えぇ。
変わらずに。
そう。変わらずに。
ぼちぼちなんですかね。

『The Best Of Badfinger』'95年リリース。
バッドフィンガーの2枚組ベスト・アルバム。
ワーナー以降の音源のベスト・アルバムは以前にもありましたが。
アップル時代のベスト・アルバムとしてはこれが初めてのアルバムでした。
アップルに残した4枚のオリジナル・アルバムから均等に選曲されて。
ヒット曲、代表曲も漏れなく網羅した全21曲が収録されています。
個人的には他にも入れてほしかったナンバーがあったりはしますが。
まぁ、バッドフィンガーのベスト・アルバムとしては未だにこれが一番いいかな。
しかし。こうして針を落として。耳を傾けてると。改めていいなぁと。
最近は簡単に元祖パワー・ポップの一言で片づけられることも多くて。
一時期のやたらとその悲劇性ばかり強調されてた頃よりはいいかなと思いながらも。
そんな単純なもんじゃないだろうと。そもそもパワー・ポップってなんなんだよと。
これだけ繊細で煌いて。骨太さもあって。そして何よりも切ない。そんなの他には無いだろうよと。
これだけのものを、一言で済ませてんじゃないよと。昔から愛してきたものとしては思うのです。
反する様ですが。決して突き抜けてはいないし、爆発力もないし。スター性も無かったんだろうなと。
でも。だからこそ愛おしくて。何も特別でなくても。普通であったとしても。
その中で。これだけの音楽は創れるんだ、生み出せるんだと。もう、そこが愛しくてならないのです。
そう。誰もがビートルズになれるわけじゃない。そしてビートルズにならなくてもいいんです。
「Without You」は二ルソンでも、マライアでも無く。バッドフィンガーが歌うから胸に響くのです。

春分。
お彼岸。
お墓参り。
目を開けて。
頭を上げて。

顔が浮かんで。
微笑が浮かんで。
語りかける。
帰ります。
また、来ますから。

ゆっくりな。
それでいいですかね。
焦らずやりなさい。
そうもいかないかも。
いかないものは仕方がないだろう。
そう。そうですね。

じゃぁ。
あぁ。
変わらずに。
そう。変わらずに。
ぼちぼちやっていきます。

空は青く。
陽は明るく。
空気は澄んで。
でも。時に。
風は冷たく。

その中を。
急ぐでもなく。
遅れるでもなく。
歩いていく。
ただ。歩いていく。

特別でもなく。
何でもなく。
よくもなく。
悪くもなく。
そんな凡庸な日々にも。

それなりに。
色々あったり。
色々起きたり。
色々起したり。
それなりに混乱もするけれど。

ぼちぼちとしか。
歩めない。
ならば。
ぼちぼちと。
楽しんでいられる様に。

ぼちぼちとしか。
進めない。
ならば。
ぼちぼちと。
なんとかなる様に。

しかし。
ほんと。
ぼちぼちとしか。
言い様が。
ないんだよなぁ・・・



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2013/02/01 Fri *第二章も / Badfinger

20130201shineon


思わぬ。
予想以上の。
手応えに。
ひょっとしたら。
ひょっとしてと。

未だ。
微かな。
萌しに過ぎぬこと。
承知しながらも。
少し胸高鳴らせてみる。

もし。
これで。
このまま。
幕開けまで辿り着けたら。
それはそれで。

悪くはないかもね。

『Shine On』'90年リリース。
その第二章、ワーナー時代の2枚のアルバムから選曲されたバッドフィンガーの編集アルバム。
当時、バッドフィンガーはCD化が遅れていて。アップル時代の音源もワーナー時代の音源も入手困難で。
その中で、ようやく正式に再発された、その最初の試みがこのアルバムだったんですよね。
(アップル時代のアナログ盤も当時はとんでもない高値がつけられてましたし・・・)
さて。バッドフィンガーと言えばアップル時代ってのが定説で。確かにアップル時代は素晴らしいのですが。
殆ど顧みられることの無いワーナー時代も悪くないんだよと、いやいやなかなかのものなんだよと。
そんなことを教えてくれたのがこのアルバムでした。なんて美しく、切ないメロディーを聴かせてくれるのかと。
誇張ではなく。それこそ衝撃をうけたのでした。一方で。アップル時代への期待が一層高まりもしましたが(笑)。
「I Miss You」「Shin On」「Lonely You」と。この3曲だけで。完全にバッドフィンガーの虜になったのでした。
ワーナーでの1枚目『Badfinger』からのナンバーがA面、2枚目『Wish You Were Here』からのナンバーがB面。
大まかに言うとそんな構成で。キャッチーながらも切なさに満ちていたのが、徐々に力強さも全面に出て来てと。
その変化、その成長の様も捉えられる様になっています。残念ながら商業的には成功を収めることは敵わず。
マネージメントに翻弄されたまま解散。そしてその後、数々の悲劇を生んでしまうんですけどね・・・
パワー・ポップなんて言葉が生まれるその遥か以前に。それを体現していたのがバッドフィンガーで。
その輝きは今も色褪せることは無いなと。そして。是非、この第二章にも耳を傾けて欲しいなと思うのです。

思わぬ。
予想以上の。
展開に。
ひょっとしたら。
ひょっとするかなと。

未だ。
小さな。
一歩に過ぎぬこと。
確認しながらも。
少し胸躍り始めている。

もし。
これで。
このまま。
幕開けを迎えられたら。
それはそれで。

いいのかもね。

一度は。
自ら幕を下ろした。
暫くの。
間が空いた。
思わぬことで。
再び。
その地に足を運び。
顔をそろえた。

一度は。
自ら舞台を去った。
恐らくは。
戻ることも無いと。
思っていたけど。
再び。
役は違えども。
同じ舞台に立つことになるのか。

もし。
そうなったら。
そうなっても。
悪くはないかもね。
いいのかもね。

第二章も。
あってもいい・・・かな!



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2012/10/16 Tue *こんな朝が、こんな一日が / Badfinger

20121016straightup


気持ちよく。
朝を迎えて。
今日一日に。
ワクワクできそうな。
予感に包まれて。

こんな朝が。
こんな一日が。

今日だけでなく。
明日も。
明後日も。
迎えられたら。
いいのになと。

こんな朝が。
こんな一日が。

そうはないことを。
知っているけれど。
そうする為には。
それなりに。
色々とあることも解っているけれど。

『Straight Up』'72年リリース。
どうしても。その悲劇的なイメージで語られることの多いバッドフィンガーの3rdアルバム。
正統的なブリット・バンドとしての、そして元祖パワー・ポップ・バンドとしての魅力を評価されて。
アップル・レコードとの契約を勝ち取ったバッドフィンガー。それが世に出るきっかけとなって。
そして。それなりの成功も手にした訳ですが。そのアップル所属であったことが、ビートルズに近すぎたことが。
逆に悲劇の始まりだったのかもと。そのサウンド、そのメロディー、どうしたって比較されるわけですし。
また確かに。明らかに影響されてる部分もあって。それはね、避けられないことだったんでしょうが。
それが、どうにも。真っ当な評価を妨げてるかなと。難しいところではあるんですけどね。
このアルバムは途中までジョージ・ハリスンがプロデュースしていて。もろにジョージの世界だったりもして。
中にはジョージがギターを弾いてるナンバーもあるんだとか。それでも。そのメロディーはバッドフィンガーで。
後を引き継いだトッド・ラングレンのプロデュースによるナンバーでは尚更、その魅力が輝いていて。
ピート・ハム、トム・エヴァンス、ジョーイ・モランドと3人が曲を書けた強みも活かして(ビートルと同じか・・・)。
その美しく、力強くも、儚く、脆く、切ない、バッドフィンガーの世界が全面的に展開されているかなと。
「Sweet Tuesday Morning」とか「Day After Day」なんて。もう、涙、毀れるほどの名曲です。
こと、切なさの一点に関してはビートルズを超えてる瞬間もあったかなと。それが切なさだったのがねぇ・・・
でも、本当に。いいバンドで。いいナンバーで。これでマネージャーがまともだったらなぁ・・・

心地良い。
朝を迎えて。
今日一日に。
ドキドキできそうな。
予感に包まれて。

こんな朝が。
こんな一日が。

今日だけでなく。
明日も。
明後日も。
毎日続いたら。
いいのになと。

こんな朝が。
こんな一日が。

そうはないことなど。
知ってるから。
続けようと思ったら。
それこそ。
色々と、まぁねとも。重々承知だから。

だから。
こんな朝の。
こんな一日の。
大切さを。
幸せを。
感じながら。

その。
美しさの裏の。
儚さ。
脆さ。
切なさを。
抱きしめながら。

こんな朝が。
こんな一日が。
毎日続けばいいのになって、ね。



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2011/12/10 Sat *星空の彼方 / Badfinger

20111210airwaves


外へ出て。
寒さに震えながら。
夜空を見上げる。
月が。
お月様が。
欠けていく。

いつもより。
静かな。
暗い。
夜空に。
目を凝らしていたら。
気づいたことがある。

この。
街でも。
意外に。
星の瞬きを。
観ることが。
感じることが。
出来るんだなと。

あっ。
あそこに。
観えてるのは・・・

『Airwaves』'79年リリース。
ジョーイ・モランドとトム・エヴァンスにドラマーを加えた3人によるバッドフィンガーのアルバム。
元々はジョーイの新たに始めたバンドのセッションにトムが加わったものだったとかで。
バッドフィンガーを名乗ったのは果たして2人の意向だったのか。それともレコード会社だったのか。
レコーディングにはニッキー・ホプキンス等も参加していて。ポップで存外に力強いサウンドになっています。
如何にもジョーイらしいメロディーもあって。パワー・ポップのアルバムとして考えれば悪くないアルバムです。
ただ。バッドフィンガーを名乗ってしまったことで。自ら思いっきりハードルを上げちゃったよなと。
バッドフィンガーですからね。確かにジョーイもトムもいるけど。マイク・ギビンズは叩いてないし。
何よりも。そう。ピート・ハムの不在は埋めようが無いでしょうと。それは2人にも十分に解ってたと思いますが。
それでも。名乗った。そこには商売的なもの以外にも。弔い合戦じゃないけれど。届けたいものがあったのだと。
既に。空の上。星空の彼方へ旅立ってしまっていたピートに届けたい何ものかがあったんだろうなと。
そう信じたいのですけどね。力入れて創ってはいるし。くどいけど決して悪くはないですから。
ただ。結果的に。ピートがいないと。バッドフィンガーには成り得ないことも証明してしまったかなと。
あの切なさは。バッドフィンガーだけがもっていた切なさはピート無しではどうしても生まれてこなかったんだなと。
そう言う意味では。聴くのが辛くなることもあるアルバムで。そしてジョーイとトムもやがて袂を分つことになって。
そして。トムはまるで数年前のピートを追うかの如く自らその人生に終止符をうってしまうのです。
しかもその方法までピートと同じだなんて。空の上から。星空の彼方から呼ばれてしまったのかな・・・
あまりにも悲劇的なバッドフィンガーの軌跡です。その音楽の素晴らしさに比して何と残酷なことかと。
数年前にはマイクも病死してしまって。ジョーイ、あなただけは元気で音楽を続けてくれよと。星に願うのです。

外で。
寒さに震えながら。
夜空を見上げてる。
月が。
お月様が。
姿を隠した。

いつもより。
静かになった。
暗くなった。
夜空に。
目を凝らしていたら。
見えてきたものがある。

この。
街でも。
意外に。
星の瞬きを。
観ることが。
感じることが。
出来るんだなと。

あっ。
あそこに。
観えてるのが・・・

オリオンの三ツ星で。
そこを中心に。
周囲を探したら。
そうだ。
あそこで。
輝いているのが。
オリオン座だと。
好きなんだよなと。

星空の彼方。

久し振りに。
ゆっくりと。
静かに。
見上げていたら。

星空の彼方へ。
何かを届けられそうで。
星空の彼方から。
何かが届けられそうで。
聴こえてきそうで。

ゆっくりと。
静かに。
深呼吸して。
目を閉じて。

聴こえてくるものに。
挨拶をして。
そっちはどうだい。
こっちはぼちぼち。
いや、ちょっとあれかな。
でも、もう少し。
いや、もう暫く。
転がってみるから。
それまでさ。
待っててくれたら。
嬉しいなと。

星空の彼方。

皆が笑ってる・・・



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2010/06/10 Thu *僕たちの苺畑 / Badfinger

20100610nodice_3


さてと。
御無沙汰の挨拶は。
仕事の話は。
ここまで。

それでは。
久し振りに。
一杯飲みながら。
旨い肴でもつまみながら。
つもる話を。

どこに行きます。
あそこどうですか。
違うだろうあそこは。
わかってないなぁ。
相変わらずだね。
店を探して。
この街をつるんで歩く。
それだけで。
懐かしい空気が。
甦る。

あの頃の。
僕たちの。
苺畑が。
そこにある。

『No Dice』'70年リリース。
バッドフィンガーのアイヴィーズから数えての3枚目、バッドフィンガーとしての2ndアルバム。
最近でこそそれなりの知名度もあって。パワー・ポップの元祖としての評価もあるバッドフィンガーですが。
元々はそのデビューの経緯や、その音楽性もあってかビートルズの弟バンド的な扱いに甘んじていて。
しかも。マネージャーとのトラブルが原因でリーダーのピート・ハムが自殺に追い込まれて。
その後も。再結成をしたものの。今度はピートと並ぶソングライターであったトム・エヴァンスまでも自殺して。
その悲劇の影に飲み込まれたが如く。ひっそりと表舞台から消えてしまったのでした。
個人的にはある側面においてはビートルズも及ばない、いやそもそもバッドフィンガーはバッドフィンガーだと。
その魅力に囚われていたので。一時期の知名度の無さ、評価の低さには忸怩たるものがあったのです。
そのバッドフィンガーの魅力とは何か。確かにパワー・ポップの元祖としての魅力もあっるのですが。
何と言っても。その切なさ。隠そうとしても隠しきれない。滲みでる情感と哀感こそがバッドフィンガーだと。
それはシングル・カットされヒットした「No Matter What」の様なポップなナンバーでも感じられるし。
そしてそして。「Without You」...このあまりにも切なすぎる畢生の名曲こそがバッドフィンガーなのだと。
ニルソン、そしてマライア・キャリーのカヴァーがヒットして。そのヴァージョンで知られているのですが。
間違いなく。ここで聴けるバッドフィンガーのオリジナル・ヴァージョンに勝るものは無いと断言できます。
なんでも。ニルソンのカヴァーがヒットした為にバッドフィンガーは意地でもライブで演奏しなかったとか。
またニルソンはカヴァーするに際してジョン・レノンの作品だと思い込んでいただとか。様々な逸話もあるらしく。
その拘りの強さも好きだし。そうだよなと。特にピートは運が悪かっただけで。煌く才能の持ち主だったんだよと。
そしてそして。松村雄策の唯一の小説にして傑作≪苺畑の午前五時≫の。あの素晴らしいラスト・シーンには。
このバッドフィンガーの「Without You」こそが相応しいと。もうそれだけで涙が溢れてくるのです。
実際に「Without You」を聴きながらラスト・シーンを執筆したのだと、本人がロッキン・オンに書いてましたし。
バッドフィンガーを聴いたことが無く、≪苺畑・・・≫を読んだことも無かったら。人生の幾許かは損してるかなとか。
いや、実際に。それくらいのものだと。個人的には本当にそう思っているんですけどね。

さてと。
再会を祝して乾杯したら。
遠慮も敬語も。
ここまで。

それでは。
久し振りに。
昔の様に呼び合って。
つもる話をつまみにしながら。
杯を重ねよう。

どうしてたの。
相変わらずだよ。
でもやっぱりお互いに。
成長してるとこも少しはあるかな。
それは微妙だけどね。
あいつは元気なの。
元気だよ。それからあの娘も。
そうなんだ。そう言えば。
覚えてるかな。ほらあの時にさ。
あった。あった。あれは笑ったね。
変わらずに。
会話が弾む。
ボケる。突っ込む。
それだけで。
懐かしい匂いが。
甦る。

あの頃の。
僕たちの。
苺畑が。
ここにある。

聴いてる。
聴いてるよ。
好きだね。
好きだなぁ、変わらずにね。
いいよね。
いいよね。

あの頃の。
僕たちの。
苺畑が。
甦る。
あの曲が。
聴こえてくる。

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2010/01/08 Fri *明日になれば / Iveys

20100108iveys_2


もう。
どうにも。
こうにも。

いや。
悪いけど。
悪いとは思うけど。

もう。
今日は。
今週は。
おしまい。
閉店。

いや。
頭も。
体も。
そして心も。
働かないもんね。

いや。
明日になれば。
明日になればなんだけど。
そうなんだけど。
ほら。
明日はね。

『Maybe Tomorrow』'69年リリース。
あのバッドフィンガーの前身として知られるアイビーズの1stにして唯一のアルバム。
リリース直前になって所属していたアップル・レコードの判断で英国でのリリースが見送られてしまって。
米国でもお蔵入り。結局、当時の西ドイツとオランダと。そして日本でのみリリースされました。
アップルがアイビーズを積極的に売ろうとしなかったのは無個性でセールス・ポイントに欠けていたからだとか。
まぁ、確かに。線が細いと言えば細いのですが。この線の細さからくる切なさがアイビーズの。
そしてひいてはバッドフィンガーの最大の魅力だと思っていて。そこに魅せられている自分にとっては。
このアルバムも充分に魅力的なんですけどね。タイトル・ナンバーに滲み出る切なさなんて。もう涙がね。
そう感じたのは自分だけではなかったみたいで。このナンバーは西ドイツやイタリアではヒットしたんですけどね。
英国的、欧州的な哀感に満ちた切ないメロディーで。英国で何故ヒットしなかったのかは不思議なんですが。
他にもいいナンバーが多くて。既に後のバッドフィンガーとしての魅力は充分に感じられるアルバムです。
現に(時間的な制約もあったでしょうが)バッドフィンガーとしての1stアルバムに7曲が再収録されています。
個人的には。ジャケットの屈託の無いメンバーの笑顔にも胸締め付けられて。忘れ難いアルバムでもあります。

もう。
どうしても。
こうしても。

いや。
気になるし。
後ろ髪は引かれるけど。

もう。
今日は。
今夜は。
いいじゃん。
さようなら。

いや。
頭も。
体も。
そして心も。
此処にはいないから。

いや。
明日になれば。
明日になればなんだけど。
そうなんだけど。
ほら。
明日はね。

明日は。
お休みじゃない。
やっと。やっとの。
お休みじゃない。
だから。

明日になれば。
頭も。
体も。
そして心も。
元気になると思うんだ。
元気になるに決まってるんだ。
だから。

今日は。
今夜は。
今週は。
もう。
おしまい。
いいじゃん。

だからさ。
早く。
明日になってくれい(笑)。

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2007/07/13 Fri *ここに / Badfinger

20070713wishyouwerehere


迎え火。
見えてるかな。
降りてきてるかな。
帰ってきてるかな。
あの人も。あの人も。あの人も。
ねぇ。
ついこの間まで。
いることが。いてくれることが。
あたり前だったのに。
いつも。いつまでもと。
思っていたのに。
ねぇ。
ここだよ。ここだよ。

『Wish You Were Here』'74年リリース。
バッドフィンガーにとって6枚目の、そして事実上のラスト・アルバム。
ワーナーに移籍して2枚目、そして前作から4ヶ月という短いインターバルのリリース。
バンドを取り巻く複雑で混沌とした状況。期待に反して冷たい市場の反応と。
追い詰められていたのか、せきたてられるかの様に制作された感も強いのですが。
従来のに比較して。ギターが前面に出ているせいか。エッジの効いたハードな感触のサウンドで。
新たな一歩を踏み出そうと。新たな道を選ぼうと。そんな姿勢が感じ取れるたりもして。
そして相変らず。どうにも堪らない、甘酸っぱさを醸し出すピート・ハムのメロディーがあって。
その融合に確かに新たな可能性も見えていたのではと思います・・・思いたいのですが。
結局は、このアルバムを最後に解散。そしてあのピートの悲劇が訪れることになってしまいます。
アルバム・タイトルからしていかにもなのですが。どうしてもバッドフィンガーに纏わりついて離れないもの。
言葉にはし難い。心を捉えて放さない。切なさ。その切なさが魅力なのですが。それに殉じてしまったかなとも。

迎え火。
見えてたよね。
降りてきてるよね。
帰ってきてるよね。
あの人も。あの人も。あの人も。
ねぇ。
ついこの間まで。
いることが。いてくれることが。
あたり前だったんだもの。
ほんの。ひと時だとしても。
お帰りなさい。
ねぇ。
ここだよ。ここだよ。

迎え火。
切ないから。
やりきれないから。
今夜も一人で。
ここで献杯してるんだ。
あなたも。あなたも。あなたも。
ここに帰ってきてるのかな。
あなたも。あなたも。あなたも。
ここにいてくれたらな。
ここに。ここに。
ここにいてくれたらな。

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2007/06/04 Mon *この指とまれ / Badfinger

20070604magicchristianmusic


この指とまれ。

どうですか。
いいでしょう。
面白そうでしょう。
じゃぁ、一緒にやりますか。
一緒に漕ぎ始めましょうか。
やっと。
同じ舟に乗ってもいいかなって。
同じ舟に乗せてもいいかなって。
そんな面子がボチボチとね。
でも。
まだまだ。
漕ぎ手が足りませんかね。

この指とまれ。

『Magic Christian Music』'70年リリース。
アップルと契約してデビューしたもののパッとせずに。アルバムも英米では発売されずに。
そのまま自然消滅してしまいそうだったアイビーズ。窮状を見かねたポール・マッカートニーが手を貸して。
リンゴ・スター主演映画の主題歌として提供されたポール作の「Come And Get It」が起死回生の一発となって。
心機一転、バンド名もバッドフィンガーと改めて。その映画の公開に合わせてリリースされた1stアルバムです。
収録曲の半分、7曲はアイビーズとしてリリースしたアルバムからの再収録曲となっています。
そのアイビーズ時代と比較すると新たに収録された曲はよりロックに、よりバンドらしくなっている気がしますが。
なんと言ってもバッドフィンガーの魅力はそのメロディーから滲み出る切なさにつきるかなと思うのですが。
「Carry On Till Tomorrow」なんてもう、その。この曲を聴く度に。その切なさにおいてはFAB4を越えてたかなと。
まぁ、たぶんに。バッドフィンガーの悲劇的な運命を知っているが故の感傷によるところもあるのですが。
このアルバムではようやく世界へと漕ぎ出せた。その喜びがそこかしこに感じられるから余計にまぁ、しんみりと。

この指とまれ。

どうですか。
いいでしょう。
面白そうでしょう。
さぁ、一緒にやりましょう。
さぁ、皆でオールを握って。
やっと。
同じ舟に乗ってもいいかなって。
同じ舟に乗せられてもいいかなって。
そんな気にフラフラとね。
さぁ。
まだまだ。
漕ぎ手が集まりますかね。

この指とまれ。

えっと。
この指にとまるとね。
ちょっと痛いし。
逃げられないんだけどね(苦笑)。

でも。
明日に向って進むなら。
この指とまれ。

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2006/11/25 Sat *胸が痛い / Badfinger

20061125badfinger


まだかな。
どうしてるかな。
なにかあったのかな。
電話が繋がらない。
メールも返ってこない。
わかってる。
わかってるけど。
心配になる。
不安が頭をもたげる。
胸が痛い。

『Badfinger』'74年リリース。
アップルを離れてワーナー・ブラザーズからリリースされたバッドフィンガーの5thアルバム。
タイトルにバンド名を冠したところにも新たな出発に掛ける意気込みが感じられます。
結果的には商業的には成功は収められず。アルバムの評価も芳しくは無かった様ですが。
アルバムの基調をなしている、そのある種美しくもある切なさはバッドフィンガーならではです。
「I Miss You」「Shine On」「Lonley You」・・・締め付けられるかの様に、胸が痛くなります。
ピート・ハムのあまりにも繊細な感性が感じられて。後年自ら命を絶ってしまったピートを思うとまた・・・
反面ポップなナンバーはやはりあまりにもビートルズの影が見え隠れしてしまって。
そこにはアップルを離れても払拭出来なかった、バッドフィンガーの宿業も感じてしまいます。

まだかな。
どうしてるかな。
なにかあったのかな。
電話が繋がらない。
メールも返ってこない。
わかってる。
わかってるけど。
心配になる。
不安が頭をもたげる。
胸が痛い。

わかってる。
わかってるけど。
泣きだしたくなる。
叫びだしたくなる。
胸が痛い。

あっ・・・
たった一本の電話で。
僅か数行のメールで。
そして。
その笑顔だけで。
心配も、不安も霧散する。
嬉しくて。
泣きだしたくなる。
叫びだしたくなる。
それもまた。
胸が痛くはあるけれど。

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