カテゴリー「009 The Beatles」の記事

2017/05/14 Sun *家族とか / Plastic Ono Band

20170514johnlennon


家族とか。
血の繋がりとか。
そんなものが。
好きじゃなかった。
好きになれなかった。

家族。
その二文字が。
絶対で。
何にでも勝る。
何にでも優先される。

その。
窮屈さが。
理不尽さが。
どうにも。
我慢がならなかった。

血が繋がっている。
それだけで。
疑いも無く。
総てが同じ。
総てが分かり合える。

その。
傲慢さが。
傍若無人さが。
どうにも。
耐えがたかった。

まぁ。
今も。
根本的には。
たいして。
変わってはいないけれども。

『John Lennon/Plastic Ono Band』'70年リリース。
『ジョンの魂』の邦題でも知られるジョン・レノンの実質上、初めてのソロ・アルバム。
このアルバムの制作前に。ヨーコと共に心理療法を受けていたジョン。
原初療法とも呼ばれるもので。幼少期にまで遡って忘れていた心の苦痛を総て吐き出す。
その経験によって。初めて幼くして母親を亡くした時の痛みなどと向き合ったジョン。
そのあまりにも赤裸々な、剥き出しの。まさにジョンの魂が歌っているかのアルバムです。
ビリー・プレストンとフィル・スペクターがそれぞれ1曲ずつピアノで参加している以外は。
ジョンと、クラウス・フォアマン、それにリンゴ・スターの3人だけによる演奏で。
そのシンプルなサウンドが、ジョンの叫びを際立たせて真っ直ぐに胸に突き刺さります。
「Mother」「God」など。衝撃的とも言える内容をもつ内面を吐露したナンバーもあれば。
「Love」の様なあまりに純粋なラヴ・ソングもあれば。
「Working Class Hero」「Well Well Well」と言った社会的なナンバーもあり。
ありとあらゆる問題に関心を、興味を抱いて表現したジョンの姿がここにも表れています。
それにしても。なんと生々しく、痛々しく、そして刺々しく、弱々しいことかと。
ビートルズとして世界を制した、あのジョンが。こんなアルバムを制作し、リリースした。
その事実こそが。ジョンが何者であるかを証明し、そしてジョンを信用させているのです。
あのジョンは。我々と同じ様に。誰かを憎みもすれば、誰かを愛しもする1人の人間で。
我々と同じ様に。どうしようもない喜怒哀楽の感情に苦しむ1人の人間であったのです。
その事実を隠しもせずに表に出して。しかも超一流の作品に仕上げてしまう。
このアルバムには、ジョンの凄さ、その凄味の何たるかが余すところなく表されています。
そして。痛切に泣き叫び、強烈に牙を剥き毒づきながらも。その根底にあるのは。
あまりにも大きく、深く、そして強い愛なのです。母親を思慕し、神や様々なものを否定し。
社会や世界に噛みつく。そこに。どうしようもなく誰かを愛し、誰かに愛されることを求めるジョンがいるのです。
そんなジョンを前にすると、そんなジョンの歌声を耳にすると。剥き出しの、素の自分に戻ってしまうのです。

家族とか。
血の繋がりとか。
そんなものに。
素直じゃなかった。
素直になれなかった。

家族。
その二文字が。
絶対だとは。
何にでも勝とは。
何にでも優先されるとは。

今でも。
思わないし。
窮屈で。
理不尽だと。
そう思うけれど。

血が繋がっていても。
総てが同じではないし。
総てが分かる筈もない。
そいつは。
疑いようもないのだと。

今でも。
傲慢さや。
傍若無人さには。
どうにも。
耐えがたいけれど。

そう。
今も。
根本的には。
ほとんど。
変わってはいないけれども。

我慢が。
ならなかった。
窮屈さの
理不尽さの。
その裏側に。

忍耐が。
ならなかった。
傲慢さの。
理不尽さの。
その裏側に。

ひょっとして。
思いもよらなかった。
考えもしなかった。
別の思いが。
あったのかもしれないと。

ひょっとして。
言葉とか。
態度とか。
そこには表れないものが。
あったのかもしれないと。

その。
大きく。
深く。
強い。
ものが生まれる源泉に。

家族とか。
血の繋がりとか。
そんなものが。
存在していた。
あったのかもしれないと。

だから。
ふと。
思いついて。
柄でもなく。
花など送ってみたりして。

いつになく。
弾んだ声を。
受話器の向こうに聞けば。
そいつも。
悪くはないかとも。

家族とか。
血の繋がりとか。
そんなものは。
今でも。
好きにはなれないけれど。



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2017/02/20 Mon *この旅 / The Beatles

20170220magicalmysterytourusmono


行先も。
道程も。
ある様で。
見えている様で。
その実は。

行ってみなければ。
進んでみなければ。
どこへ行けるのか。
どう行くのか。
わからない。

それでも。
取り敢えず。
旅立つ。
歩き出す。
その一歩が大切だと。

そう。
誰よりも。
自分自身に。
言い聞かせて。
旅に出る。

さてと。
もう。
引き返せない。
戻ることなど。
ありはしない。

ならば。
このあてのない。
道草も許される。
この旅を。
楽しむだけのこと。

『Magical Mystery Tour』'67年リリース。
同名映画のサウンドトラックとも言えるビートルズの米国での編集アルバム。
英国では2枚組のEP盤に映画で使用されたナンバーだけを収めてリリース。
米国では既にEP盤と言うフォーマットが時代遅れになっていた為に。
キャピトルは米国独自にアルバムとしてのリリースを決めて。
シングル盤のみでリリースされていたナンバーも収録して編集したのでした。
その実。英国でもこのアルバムが重宝されて輸入盤として結構売れたのだとか。
(英国ではビートルズの解散後に正式にリリースされています)
さて。映画は正直、評価が難しいと言うか。面白いとは言い難い点もありましたが。
このアルバムは選曲の良さもあってか。なかなかに聴き応えがあるかなと。
A面に映画で使用されたナンバー、B面にシングル盤のナンバーを収めていて。
「Magical Mystery Tour」「Fool On The Hill」「I Am The Walrus」ときて。
「Strawberry Fields Forever」「Penny Lane」「All You Need Is Love」までも。
まさに『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』を除く'67年のビートルズ。
その魅力、その総てがこのアルバムに収められていると言っても過言ではないと。
翌年の『The Beatles』が4人のソロの集合体とも感じられるもので。
実際にレコーディング時にリンゴ・スターが一時脱退していることを考えると。
編集アルバムですが。バンドとしてのビートルズの最初のラスト・アルバムかとも。
そして。実にその行く末を示唆するが如くの、バラエティに富んだ内容で。
何が出るか、何が起きるかわからない。どこへ行くのかわからない様は。
それこそが不思議で神秘な旅行とも言えるものかもと思われるのです。
米国ではモノラル盤でもリリースされた最後のアルバムでもあって。
そのモノラル音源で聴くと、また不思議な味わいがあるアルバムでもあるのです。

行先も。
道程も。
一応は。
決まっている様で。
その実は。

行ってみなければ。
進んでみなければ。
本当に辿り着けるのか。
道が正しいのか。
わからない。

だからこそ。
取り敢えず。
旅立つ。
歩き出す。
その意思が大切だと。

そう。
自分自身に。
周囲にも。
言い聞かせて。
旅に出る。

さてと。
もう。
引き返さない。
戻ることなど。
考えもしない。

されば。
この正解のない。
軌道修正も許される。
この旅を。
楽しむだけのこと。

あっちから。
こっちから。
集まった。
道連れと共に。
旅に出て。

あっちで。
こっちで。
声を掛けて。
道連れを増やして。
旅を続ける。

行先も。
道程も。
思いつくまま。
気の向くまま。
旅を続ける。

道草しながら。
軌道修正しながら。
行先を探して。
道程を探して。
旅を続ける。

自分に。
言い聞かせて。
周囲にも。
言い聞かせて。
旅を続ける。

旅だった。
歩き出した。
もう。
戻れない。
戻りはしないと。

だから。
厳しいけれど。
不安もあるけど。
自由なこの旅を。
楽しむだけのこと。

それだけのこと。



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2016/12/08 Thu *ちゃんと / John Lennon

20161208wonsaponatime


ちゃんと。
付き合う。
その為には。
ちゃんと。
向き合おう。

まぁ。
そうすると。
きれいごと。
それだけじゃ。
済まなくなるかも。

正面から。
それだけじゃなく。
側面から。
時には。
裏面からも。

見なくちゃならない。
聞かなくちゃならない。
話さなくちゃならない。
そう。
向き合わなくちゃならない。

そこで。
見えてくるもの。
聞こえてくるもの。
語られるもの。
それを受け止めなくちゃいけない。

それには。
時間もかかる。
手間もかかる。
それでも。
疎かにするのは止めよう。

『Wonsaponatime』'98年リリース。
同年にリリースされた『John Lennon Anthology』のダイジェスト・アルバム。
100曲近いナンバーが収録されていた中から厳選された21曲のナンバー。
それらがアナログ盤では2枚組に収められています。かなり大胆と言えば大胆な試み。
しかしながら、『John Lennon Anthology』は高価なうえにかなりのボリュームで。
相当なマニア向けとも言えるので、このアルバムにもそれなりの価値があるかと。
否、むしろ。このボリュームでジョン・レノンの世に出ていなかった面に触れられる。
その価値、その意義は実のところ、かなりのものだったのではとも思われます。
'70年~'80年の間に行われた様々なセッションで録音されたもの、そしてデモなど。
未発表テイクもあれば、またくの未発表だったナンバーも含まれていて。
ジョンの制作過程、創造過程が垣間見えて。非常に興味深いものがあります。
正規テイクとして世に出たものが作品としてはあくまでも正統的なものだとは思いますが。
例えば「God」のかなり初期と思われるテイクなどはそのシンプルさ故に。
ジョンの辛辣で、そして悲痛な叫びがよりストレートに胸に突き刺さってくる感じがして。
「How Do You Sleep ?」での生々しい歌声にはポールへの毒が溢れていて。
世に出すにあたって。それなりのフィルターが掛けられたのだとわかるのです。
一方でチープ・トリックのメンバーが参加した「I'm Losing You」では。
現役バリバリの面子にブランクのあったジョンが押されている感があったりもして。
それで、このカッコいいテイクを没にせざるを得なかったのかなとか。
リンゴ・スターに勧めるための仮歌らしいプラターズの「Only You」のカバーなんかでは。
おいおい、これ『Rock 'N' Roll』に入れれば良かったのにと。お人好しだなとも思われて。
ジョンの様々な側面が、愛と平和だけでないジョンが見えてくる、感じられるのです。
決して偉大なだけでなく、カッコいいだけでなく。だから愛しいのだと思うのです。

ちゃんと。
響き合う。
その為には。
ちゃんと。
向き合おう。

まぁ。
そうすると。
上辺だけ。
それだけじゃ。
済まなくなるかも。

表面。
それだけじゃなく。
一皮むいて。
時には。
幾重にもはがして。

見なきゃならなくなる。
聞かなくちゃならなくなる。
話さなくちゃならなくなる。
そう。
向き合わなくちゃならなくなる。

そこで。
見えてきたもの。
聞こえてきたもの。
語られたもの。
それを受け止めなくちゃいけない。

そいつには。
時間もかかる。
手間もかかる。
それでも。
疎かにしてはならない。

誰かと。
ちゃんと。
付き合いたいなら。
ちゃんと。
向き合おう。

きれいごと。
それだけじゃ。
済まされない。
上辺だけを。
見てもいられない。

あらゆる面で。
見なきゃいけない。
聞かなきゃいけない。
話さなきゃならない。
向き合わなきゃならない。

一皮も。
幾重にも。
むいて。
はがして。
さらけださなきゃならない。

目を背けずに。
耳を塞がずに。
話を逸らさずに。
ちゃんと。
向き合おう。

それを。
受け止めて。
受け容れられない。
受け容れられない。
そんな時もあるだろう。

それも。
含めて。
誰かと。
付き合いたいなら。
響き合いたいなら。

時間を惜しまず。
手間も惜しまず。
疎かにせず。
恐れずに。
向き合おう。

共鳴、共感。そいつはきれいごとではないのだから。



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2016/11/16 Wed *会いたい、君に会いたい / The Beatles

20161116meetthebeatlesusmono


会いたい。
出会いたい。
会いたい。
君に。
会いたい。

面白いもの。
楽しいもの。
そんなものに。
会いたい。
出会いたい。

新しかろうが。
古かろうが。
珍しかろうが。
普通だろうが。
そんなことは構わない。

奇想天外だろうが。
平凡だろうが。
規則性が無かろうが。
法則に則っていようが。
そんなことは関係ない。

柔軟で。
風通しが良くて。
興味を惹く。
好奇心を刺激する。
ワクワクさせてくれる。

会いたい。
出会いたい。
会いたい。
君に。
会いたい。

『Meet The Beatles』'64年リリース。
ビートルズの実質的な米国での1stアルバム。
ビートルズの英国での所属はパーロフォン・レーベルで。
親会社にあたるEMIは米国での提携先であるキャピトルに話を持ち掛けて。
しかしキャピトルは興味を示さず。インディのヴィージェイが当初は権利を獲得。
しかし。やがてビートルズの人気が高まるに連れて慌ててキャピトルもリリースを決断。
ヴィージェイからのアルバムがさほど売れていなかった為に。
このアルバムが多くの米国人にとってはビートルズとの出会い、入り口となったと。
ジャケットが示している様に英国盤、『With The Beatles』を基本としながらも。
ヒット中だったシングル・ナンバー、「I Want To Hold Your Hand」をA面の頭に配して。
続く2曲目には「I Saw Her Standing There」を持ってきています。
この辺りは勢いで一挙に聴き手を引き付けようとの意図が明らかになっているかなと。
更に当時の米国にはおかしな税法があって。1枚のアルバムの曲数は12曲までだと。
それを超えると税率が加算されるとかで。このアルバムも12曲収録となっています。
(英国にはそんな法律は無いので『With The Beatles』の収録曲は14曲です)
後に、この法律による制限を逆手にとってキャピトルはアルバムを乱発するのですが。
そのきっかけともなったアルバムでもあるのですね。収められた12曲。
その選曲には。それこそ様々な意見があるのでしょうが。まぁ、悪くは無いかなと言うか。
生きのいい、ブリティッシュ・ビート・バンド、ロックンロール・バンド。
そんなビートルズとの出会いのアルバムとしては、ワクワクさせられる感があるかなと。
多少、物足りない。もっと聴きたいと思わされると言う点も含めてですけれどね。
因みに、このアルバムはモノラル盤で聴くことをお勧めします。ステレオ盤は・・・です。

会いたい。
出会いたい。
会いたい。
君に。
会いたい。

面白いこと。
楽しいこと。
そんなことに。
会いたい。
出会いたい。

新しくても。
古くても。
珍しくても。
普通でも。
面白ければ、楽しければいい。

奇想天外でも。
平凡でも。
規則性が無くても。
法則に則っていても。
面白ければ、楽しければ問題ない。

臨機応変で。
気風が良くて。
嗜好を惹いて。
冒険心を刺激して。
ワクワクさせてくれればいい。

会いたい。
出会いたい。
会いたい。
君に。
会いたい。

いつでも。
いつまでも。
そんな。
出会いを。
求めている。

どこでも。
どんな時でも。
そんな。
出会いを。
求めている。

まだまだ。
面白いもの。
面白いこと。
楽しいもの。
楽しいこと。

そいつを。
欲している。
探している。
面白くするために。
楽しくするために。

知らないもの。
知らないこと。
ひょっとしたら。
そこに。
出会いがあるかもしれない。

好奇心を。
刺激してくれる。
冒険心を。
刺激してくれる。
ドキドキ、ワクワクさせてくれる。

会いたい。
出会いたい。
会いたい。
君に。
会いたい。



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2016/10/02 Sun *単純に、簡単に / Paul McCartney

20161002unpulugged


単純に。
簡単に。
考え過ぎずに。
まぁ。
やってみる。

兎に角。
手を出してみる。
足を踏み出してみる。
それ以外は。
後から考えてみる。

難しい理屈も。
たいそうな目的も。
いりはしない。
何故かなんて。
後づけでいい。

楽しめれば。
面白くなれば。
それで。
それだけで。
いいではないかと。

それくらい。
単純に。
簡単に。
えいやと。
そんなやっつけ仕事。

何事も。
そんな。
程度で。
力むことなく。
臨むくらいがいい。

『Unplugged』'91年リリース。
一世を風靡したMTVのアンプラグド企画。
そのポール・マッカートニー出演時の模様を収録したアルバム。
演奏された22曲の中から17曲が収録されています。
このアナログ盤は時代を考えると結構レアな存在かもしれません。
ビートルズ時代や、ソロになってからのナンバー。
それにロックンロールやカントリーのカバーからなる選曲。
気心の知れた当時のバンドを従えてのリラックスした演奏。
A面頭が「Be-Bop-A-Lula」であったことが話題になったりもしました。
(理由はわかりますよね?わからない人は考えてみましょうかね)
エルヴィス・プレスリーも歌った「Blue Moon Of Kentucky」などはポールらしいかな。
ビートルズのナンバーではそれまでライヴではセルフ・カヴァーしなかった3曲。
「We Can Work It Out」「She's A Woman」「And I Love Her」が目玉だったかなと。
シンプルなサウンドをバックに、シンプルに歌われることで。
それらのナンバーのメロディの骨格も明らかになって。その良さがハッキリとわかると。
トミー・タッカーの「Hi-Hell Sneakers」での、楽しそうな様子には素顔も覗けるようです。
大体において。ポールと言うのは。サービス精神が旺盛すぎると言うか。
どうにも。これもできます、あれもできますと。過剰になり過ぎる傾向がある気がして。
乗りがいいのは兎も角、盛り過ぎちゃって、本来の良さが分かり辛くなってしまう。
それがどうにも玉に瑕かなと。故に、これくらい力が抜けているのがいいかなと。
聴かせようとか、喜ばせようとか。元を取らせよう(?)とか。そんなことは考えずに。
単純に。簡単に。考え過ぎずにやってくれると。より魅力的なのだよなと。
そう感じてしまうので。つけ焼き刃的なこのアルバムに愛着があったりするのです。

単純に。
簡単に。
考え過ぎずに。
さて。
やってみる。

兎に角。
手に取ったら。
歩き始めてしまう。
それ以外は。
後から考えてみる。

難しい理屈も。
たいそうな目的も。
邪魔になるだけ。
何故かなんて。
考えなくてもいい。

まずは。
自分が。
楽しめれば。
面白くなれば。
いいではないかと。

その程度の。
単純で。
簡単な。
取り敢えずの。
そんなやっつけ仕事。

何事も。
そんな。
程度で。
考え込まずに。
挑むくらいがいい。

考えれば。
考えるほどに。
深みに嵌って。
脱け出せなくなる。
そんなもの。

言葉を。
重ねれば。
重ねるほどに。
焦点がぼやけてしまう。
そんなもの。

喜ばせよう。
喜んでもらおうと。
策を弄すれば。
溺れてしまう。
そんなもの。

美しく。
見栄えよくと。
重ねれば。
崩れてしまう。
そんなもの。

そんなことで。
本当の。
本来の。
魅力が。
失われてしまうのなら。

単純に。
簡単に。
考え過ぎずに。
それがいい。
それでいい。

まぁ。
やってみるかと。
取り敢えず。
やっつけの。
つけ焼き刃。

そいつが。
案外と。
具合がいい。
塩梅がいい。
そんなもの。

単純に。
簡単に。
考え過ぎずに。
臨めばいい。
挑めばいい。



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2016/06/26 Sun *心の中に傘をさして / The Beatles

20160626numberfive


心の中に傘をさして。

いつも。
雨がふっている。
そう。
いつも。
いまも。

空模様の。
加減なんか。
関係なくて。
心の中には。
雨がふっている。

そうさ。
心には。
胸の内の。
深いところには。
雨がふっている。

だから。
目には見えなくても。
手にはしていなくても。
傘をさしているのだ。
いつも。いまも。

あの。
報せを。
聞いた時から。
しとしとと。
雨がふり続いているから。

心の中に傘をさして。

『Beatles No.5』'65年リリース。
日本独自編集のビートルズのアルバム。
タイトル通りに日本での5枚目となるアルバムで。
ジャケットは米国独自編集の『Beatles '65』を流用していますが。
選曲は別物、あくまでも独自で。シングル盤でしか手に入らなかったナンバー中心で。
目玉としては「Sie Liebt Dich」と「Komm, Gib Mir Deine Hand」の2曲。
そう、ドイツ語版の「She Loves You」と「I Wanna Hold Your Hand」の収録で。
おそらく、このアルバムが日本での初出だったのではないかと思われます。
シングル盤まで手の回らないファンをターゲットに。さらにはシングル盤を揃えていても。
手を出したくなる曲を入れてと。当時の東芝音楽工業もなかなかの戦略家だった様で。
ただし。これが最後の日本編集アルバムとなったのかな。それはそれで残念かなと。
やはり。国によって好みとかは異なったりするので。独自編集盤も面白いと思うのですけど。
尤も。この後のビートルズの場合は、英国オリジナル・アルバムの完成度に隙が無いので。
独自編集の余地が無くなっていたのも確かではあると思いますけどね。
このアルバムはモノラル盤しか存在していなくて。その礫が飛んでくる様な音もいいかな。
まぁ、今となってはその存在に意味や価値が見出しにくいアルバムではありますが。
「Long Tall Sally」「Anna」「Matchbox」「You've Really Got A Hold On Me」ときて。
「Chains」「Slow Down」とカバーの妙手としてのビートルズが味わえるのがなかなかで。
ジョンの名曲、「I Call Your Name」が収録されているのも自分としては嬉しいかな。
ジャケットの影響か。梅雨時とかに、思い出した様に針を落とすことが多いのですが。
ドイツ語バージョンやカバーでのはっちゃけ振りに、元気をもらえるアルバムかな。
しかし、「Slow Down」とか「I Call Your Name」とか。ジョンの歌声はやっぱりいいのだよなぁ。

心の中に傘をさして。

いまも。
雨がふっている。
そう。
いまも。
いつも。

天気図の。
前線なんか。
関係なくて。
心の中には。
雨がふっている。

そうさ。
心には。
胸の内の。
柔らかいところには。
雨がふっている。

だから。
目には見えないけれど。
手にはしていないけれど。
傘をさしているのだ。
いまも。いつも。

あの。
話を。
知った時から。
しとしとと。
雨がふり続いているから。

心の中に傘をさして。

上がらない。
雨はない。
晴れない。
日は続かない。
そうなのだろう。

だから。
心の中の。
雨も。
いつかは。
上がるのだろう。

だから。
胸の内も。
いつかは。
晴れる。
その日が来るのだろう。

でも。
いまは。
雨ふりで。
それで。
構わない。

ふり続いて。
くれて。
それでいい。
傘をさして。
歩いているから。

だって。
それが。
本音で。
本心で。
だから雨がふっている。

それでいい。
それがいい。
雨を見つめながら。
名前を呟いて。
思いを馳せる。

心の中に傘をさして。

もうすぐ。
きっと。
上がるだろう。
晴れるだろう。
その時を、その日を待ちながら。

心の中に傘をさして。



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2016/02/26 Fri *すぐ、もうすぐ / The Beatles

20160226thebeatlessecondalbumjp


すぐ。
もうすぐ。
そう。
すぐ。
もうすぐ。

やっと辿り着いた。
金曜日。
今週も色々あった。
長かった。
でも。ここまで来たら。

もう。
そこまで来ている。
もう。
そこまで見えている。
なんだけど。

ここからが。
案外と。
なかなかに。
簡単には。
いかなかったりもする。

そう。
ならない様にと。
願いながら。
仕上げにかかる。
落ち着かせにかかる。

すぐ。
もうすぐ。
そう。
すぐ。
もうすぐ。

『The Beatles'Second Album』'64年リリース。
独自に編集されたビートルズの日本での2ndアルバム。
『A Hard Day's Night』以降は英国オリジナル盤に準拠したアルバムとなった日本。
しかし。最初の2枚のアルバムは、ジャケットは米国盤を基本して加工して。
選曲は日本独自のものを収録したアルバムがリリースされていたのですね。
ここらは英国や米国でのリリースから遅れるのが当たり前だった当時の状況を味方にして。
更には今では考えられませんが。ビートルズでさえ各国で自由にアルバムを編集できたと。
そんないい時代だからこその産物だってことになるのでしょうね。いいよなぁ。
で、このアルバム。全14曲収録されているのですが。その選曲、曲順が素晴らしくて。
A面が、「Can't Buy Me Love」「Do You Want To Know A Secret」「Thank You Girl」
「A Taste Of Honey」「It Won't Be Long」「I Wanna Be Your Man」「There's A Place」で。
B面が、「Roll Over Beethoven」「Misery」「Boys」「Devil In Her Heart」「Not A Second Time」
「Money」「Till There Was You」ですからね。もう。何とも絶妙だなぁと。
曲名を書き連ねているだけで。何だか楽しくなってきますからね。聴けば尚更なわけで。
誰だかは存じ上げませんが。この選曲をした担当者の方のセンスには脱帽かな。
しかも当然の様にモノラル盤で。確かこのアルバムにはステレオ盤は存在しないのかな。
そこに拘りがあったかどうかはわかりませんが。それもね、嬉しかったりするわけですね。
自分が大好きな、ブリティッシュ・ビート・バンドとしてのビートルズの魅力。
荒々しく荒削りなサウンド、甘過ぎないメロディ、そして抜群のカヴァー・センス。
その三位一体攻撃にさらされていると。なんて幸せなことなのだろうと感じるのですね。
特に『With The Beatles』収録曲の「It Won't Be Long」と「Money」の位置が。
何とも言えないタイミングで出てくるところが、自分としては堪らなく好きだったりして。
まぁ、要はここぞ、のタイミングでジョンのヴォーカルが聴けるのが御機嫌ってことなのですけどね。

すぐ。
もうすぐ。
そう。
すぐ。
もうすぐ。

やっと辿り着いた。
日暮れ時。
今日も色々あった。
長かった。
でも。ここまで来たら。

もう。
ほんのそこまで来ている。
もう。
ほんのそこに見えている。
なんだけど。

ここからが。
存外と。
なかなかに。
無難とは。
いかなかったりもする。

そう。
ならない様にと。
祈りながら。
仕上げを進める。
まとめにかかる。

すぐ。
もうすぐ。
そう。
すぐ。
もうすぐ。

否。
本当に。
すぐ。
もうすぐ。
なんだよ。

否。
そうでないと。
そうとでも思わないと。
ラストスパートも。
利かないしさ。
すぐ。
もうすぐ終わるのだと。
すぐ。
もうすぐ始まるのだと。
そう言い聞かせるのさ。

もうすぐ。
今日も、今週のお勤めも終わる。
もうすぐ。
明日の、今週のお楽しみが始まる。
そうなのさ。

どんなに。
頼まれても。
大金を積まれても。
だからこれ以上は御免だね。
営業終了。

早く。
お楽しみの為の。
時間を始めたいのさ。
時は金なりだからさ。
だから。

すぐ。
もうすぐ。
そう。
すぐ。
もうすぐ。



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2015/12/25 Fri *有言実行 / John Lennon

20151225shavedfishgreen


人の力。
思う力。
願う力。
求める力。
確かにある。

でも。
もう。
それだけでは。
済まされない。
そこまできている。

そうなのだ。
転げ落ち。
瀬戸際。
追い詰められ。
袋小路。

だからこそ。
今まで以上に。
強く思おう。
強く願おう。
強く求めよう。

そして。
起とう。
動こう。
声にしよう。
行動で示そう。

この社会は。
この国は。
この世界は。
誰のものでもない。
好きにさせてたまるかと。

『Shaved Fish』'75年リリース。
ジョン・レノンの生前に編集された唯一のベスト・アルバム。
ジョンがショーンの育児に専念して主夫になったブランクの間に。
EMIとの契約履行の為もあって編集、リリースされたのかな。
このアルバムの次が『Double Fantasy』になるのですよね・・・
「Give Peace A Chance」のリプライズを含めての全12曲。
シングルとしてリリースされた曲のみの収録。特に貴重な音源もなく。
今では、そうだな。音源的な価値はあまり見いだせないアルバムなのだろうなと。
しかし。ジョンがどこまで関与したかはわかりませんが。その生前に編集、リリースされていたと。
そこには、なんらかの意志や、意図もあったであろうと。それだけで十分かなと。
一時期、毎年の様に12月になると新たなベスト・アルバムがリリースされ。以前のものは廃盤にされていて。
そこには。ジョンの音楽を世に広げようとの意志よりも、金の臭いを強く感じたからな。
勿論、このアルバムだけで。ジョンの総てがわかるわけもありませんが。
少なくとも、ロックが好きなら。音楽が好きなら。このアルバムくらいは聴いて欲しいかなとは。
当然「Imagine」も収録されていますが。「Cold Turkey」「Mother」「Woman Is The Nigger Of The World」と。
怒ったり、泣いたり、慄いたり、弱々しかったり、それでもやはり声を上げて闘ったり。
そんなジョンの、一筋縄ではいかない人間性の一端には触れることができるとは思うので。
パラノイアでさえあると思われるけど。それは人間、誰しも多かれ少なかれそんなもので。
それでも。それを隠さずに・・・まぁ、ジョンの場合は隠せなかったのだろうけれど。
それを。声にして、歌にして、世に投げかけつづけた。その意義、重さを考えたいなと。
残念ながら「Happy Xmas (War Is Over)」で歌われていることは未だ実現されていないのだから。
だからこそ、もう。その思い、願い、求めることは。歌うだけでなく行動に移さないとならないと。
有言実行の時代が来たと。そうしないと。自由に声に出すことさえ、歌う事さえ許されなくなってしまうぞとね。

人の力。
思う力。
願う力。
求める力。
確かにある。

でも。
もう。
秘めたままでは。
許されない。
そこまできている。

そうなのだ。
下り坂を。
暴走し。
ブレーキは効かない。
崖から真っ逆さま。

だからこそ。
今まで以上に。
強く思うなら。
強く願うなら。
強く求めるなら。

そいつと共に。
起つのだ。
動きだすのだ。
声をあげるのだ。
行動で示すのだ。

この社会は。
この国は。
この世界は。
一握りの奴等の為にあるのではない。
いつまでも好き勝手が通ると思うなよと。

声を上げよう。
歌を歌おう。
誰にも屈しないと。
誰にも属しないと。
脅しなど無意味だと。
声を上げよう。
歌を歌おう。
抑圧などされたくないと。
監視などされたくないと。
理不尽な思いなどしたくないと。

声で。
歌で。
行動で。
示そう。
自由でいたいのだと。

声で。
歌で。
行動で。
示そう。
誰も排除などしたくないのだと。

声で。
歌で。
行動で。
示そう。
誰も殺し合いなどしたくないのだと。

一人が。
起てば。
一人が。
動く。
そんな力が未だ残っているはずなのだ。

有言実行。

クリスマスの夜に。



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2015/12/08 Tue *誰のものでもありゃしない / The Beatles

20151208rubbersoulloudcut


誰のものでもありゃしない。

いま。
ここにいる。
自分は。
そう。
誰のものでもない。

自分の。
思いも。
考えも。
好きなものも。
嫌いなものも。

自分の。
歩き方も。
行き先も。
もどかしかろうが。
おかしかろうが。

自分が。
大切なものも。
そうでないものも。
守りたいものも。
そうでないものも。

万事が一時。
誰のものでもない。
誰にも決められない。
誰の指図も受けない。
自分で選んだものなのだ。

誰のものでもありゃしない。

そう。
それが。
その事実が。
それだけが。
真実なのだ。

『Rubber Soul』'65年リリース。
ビートルズの英国での6thアルバム。
前期ビートルズ、ブリティッシュ・ビート・バンドとしてのビートルズ。
それを締めくくった、とも言えるアルバムではないかなと。
今更、ここで多くを語るまでもなく。ビートルズの魅力、その才能の素晴らしさ。
ソングライティングと、それを仕上げるサウンド構築における発想の煌きと豊かさ。
特に。おそらくこの頃まではジョンにしろ、ポールにしろ。
ハッキリと各楽曲の構成や、ましてやアルバムの全体像を思い描いていたとは思えなくて。
閃きを、直感的に書き起こし。スタジオで奏でながら、また新たな閃きで彩っていったと。
ツアーだ、テレビ出演だ、映画だとの過密スケジュールの中で睡眠時間を削りながら。
その瞬間、その瞬間に集中したり、思索したり、あるいはボーッとしている中で。
沸き上がってきたものを、兎にも角にも。形にしていったのではないかと。
それでいて。これだけの多彩な楽曲を。1枚のアルバムとして温かくも輪郭のハッキリとしたものに昇華させる。
アコースティックな印象がありながらも、エレクトリックなロックンロールが根底で鳴り響いている。
そして。このアルバムまでは、間違いなくビートルズはロックンロールバンドだったのだと感じられる。
実は。そこがこのアルバムの一番、好きなところで。ジョンやポールの発想の広がりに。
未だスタジオの技術が追い付かなかったからなのかもしれませんが。それが幸いしたかなとも。
『Revolver』からは。それでももどかしさはあったでしょうが。スタジオの技術が発展していて。
それによって実現できたものもあれば。それによって振り回される様になったかの部分も感じられて。
ジョンやポールの思いや発想が、手作りの感触を伴って届けられた最後のアルバムである気がしていて。
「Norwegian Wood (This Bird Has Flown)」にしても「Nowhere Man」にしても「In My Life」にしても。
このアルバム、この時のビートルズだったからこその名曲であると。そう思えてならないのです。

誰のものでもありゃしない。

いま。
ここまできた。
自分は。
そう。
誰のものでもない。

自分の。
思いで。
考えで。
好きなものは好きと。
嫌いなものは嫌いと。

自分の。
歩き方で。
行き先へと。
道草も、寄り道もして。
躓こうが。這いずってでも。

自分が。
信じるものも。
そうでないものも。
失いたくないものも。
そうでないものも。

万事が一時。
誰のものでもなかった。
誰にも決められなかった。
誰の指図も受けなかった。
自分で選んで。ここまできたのだ。

誰のものでもありゃしない。

そう。
それが。
それだけが。
事実であること。
それが真実なのだ。

誰のものでもありゃしない。

誰のものにもなりゃしない。
自分の思いも。
自分の考えも。
誰の指図も受けはしない。
誰にも売る気もありはしない。

誰のものにもなりゃしない。
好きなものも。
嫌いなものも。
誰かの為に変えはしない。
誰かの為に嘘などつけない。

誰のものにもなりゃしない。
歩き方も。
行き先も。
誰にも矯正されない。
誰にも強制されない。

誰のものにもなりゃしない。
大切なものも。
守りたいものも。
信じるものも。
失いたくないものも。

誰のものでもありゃしない。

その覚悟さえあれば。それでいい。



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2015/10/16 Fri *穴 / The Beatles

20151016whitealbummono


この穴は。
何の穴だ。
どんな穴だ。
入ったら。
どうなるのだ。

何が。
待っているのか。
何が。
出てくるのか。
見極めないとならないが。

真っ白な。
キャンバスに。
描かれた。
幾つもの。
様々な穴、穴、穴、穴。

どれが。
何だか。
どうなっているのか。
見詰めれば、見詰めるほど。
わからなくなってきて。

えぇぃ。ままよと。
虎穴に入らなきゃ。
虎児は手に入らないのだろうと。
覚悟は。
決めてみたものの。

虎穴ならぬ。
墓穴だったら。
藪蛇で。
抜き差しならなくなるぞと。
躊躇する。

『The Beatles』'68年リリース。
『ホワイト・アルバム』の通称で知られるビートル初の2枚組アルバム。
初と言えばアップル・レコードから発売された初めてのビートルズのアルバムでもあって。
同時に。モノラル盤が製作された最後のビートルズのアルバムでもあると。
(つまりは。このアルバムまではモノラル盤で聴いてこそ、ビートルズの意図していたサウンドが聴けると)
そんな。様々な意味合いを持ち、様々な性格を帯びているアルバムでもあるのです。
兎に角。初の2枚組アルバムと言うこともあって。30曲ものナンバーが収録されていて。
それは。この頃にかけて急速に録音技術が進歩し、スタジオの設備も進歩したこと。
それとも深い関係があって。今まで技術や設備上の制約で出来なかったことが出来るぞと。
それで、各メンバーが溜っていたものを一気に噴出させた、そんな自由さにも繋がっていて。
しかし同時に。その進歩と向上は4人が同時に録音することの必要性さえも解放して。
4人がスタジオに居合わせる機会の現象と、4人が揃って参加しているナンバーも減少し。
サイケデリックの時代を通り抜け、シンプルなバンドとしてのビートルズの帰還と。
そう思われていたものが。実はそれぞれのソロとしてのナンバーの持ち寄り、集合体。
そんな意味合いが強くなっていたと。故に、ここが解散への分岐点だったとも言われます。
真偽のほどはともかくリンゴ・スターは一次的に、録音中に脱退まで表明しています。
(尤も。近頃は、このアルバムの録音は楽しかったとも語っている様ですが・・・)
特にリリースされた当初は脈絡が無いとか、整合性に欠けるとの批評もあった様ですが。
そうですね・・・確かにバンドとしてのビートルズは既に終わっていたのかとも思えて。
それは『Sgt. Peppers's Lonely Hearts Club Band』辺りから顕著になったジョン・レノンの変化。
明らかに以前と比較して、ビートルズに興味を失った、もしくは別の興味が大きくなった。
それが楽曲にも表れる様になってきた、表わせられる様になってしまったと。
何せジョンですからね。それとなくとか。気を遣うとかしないので。あからさまに。やりたい様にやっていると。
そこへいくとポール・マッカートニーは、同じ様にやりたい様にやってはいても。
従来のビートルズと続いて聴こえる様に配慮はしていると。この個性の違い。それが隠しようも無いと。
そして遂にジョージも第三男からの脱却を高らかではなくとも明確に宣言して。
こう書いてくると本当にバラバラでまとまりの無いアルバムだと思えてくるのですが。
何故かバラバラ故の奇妙な整合性。何が待ち受けているかわからないからこその楽しさ。
そんな様なものが。この凸凹で、様々な穴が待ち受けているアルバムに奇妙な纏まりを与えています。
びっくり箱的な、モグラ叩き的な歪で穴だらけの世界をも、一つの通奏低音で結び付けて聴かせてしまう。
結局。ビートルズの凄みって言うのはこんなところにもあるのだよなと思わされるアルバムでしょうか。

この穴は。
何の穴だ。
虎穴なのか。
墓穴なのか。
どっちなのだ。

虎穴なら。
入ってみれば。
入ってしまえば。
得るものもある筈だが。
墓穴だったら・・・

真っ白な。
平原に。
穿かれた。
無数の。
様々な穴、穴、穴、穴。

どれが。
どれだか。
虎穴なのか。墓穴なのか。
考えれば、考えるほど。
混乱をきたして。

えぇぃ。ままよと。
虎穴に入って。
虎児を手に入れればいいのだろうと。
決意は。
固めてみたものの。

万が一。
虎穴の振りをした墓穴だったら。
嵌められて。
掘り続けなきゃならなくなるぞと。
逡巡する。
しかも。
同じ虎穴でも。
相手によって。
姿形も。
気配も異なる。

そう。
同じ墓穴でも。
相手によって。
見え方も。
漂うものも異なる。

様々な虎穴と。
様々な墓穴との。
その。
何の規則性も。法則性も無い。
羅列された地平を前にして。

最終的に。
信じるものは。
頼るものは。
自分の経験と勘。
それしかない。

今までに。
幾つもの虎穴から。
虎児を浚ってきた。
幾つもの墓穴から。
瀬戸際で生還してきた。

そいつを。
信じて。
そいつを。
頼みに。
南無さんと・・・

まぁ。
温かく。潤んでいて。
時に優しく。
時に激しく。
絡みつき、締め付けてくる。

そんな。
穴なら。
例え墓穴だろうと。
いつだって。
喜んで入りたいんだけどねぇ(笑)。



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