カテゴリー「001 British Rock」の記事

2017/05/18 Thu *出しなさい / The Kinks

20170518thegreatlostkinksalbum


どうして。
こうも。
出てこないのかと。
思ったら。
そう言うからくりだったのかと。

まったく。
そりゃね。
何も。
一から十まで。
杓子定規にとは言わないが。

やってはいけない。
掟破りと言うか。
それをやったらお終いよとか。
そんなこともあると。
どうして分からないのかな。

欲しいのは。
あなただけじゃない。
困るのも。
あなただけじゃない。
皆、同じなのだから。

公平かどうか。
そいつはともかく。
公正には。
それだけは。
担保しなきゃならないのさ。

だから。
隠しているだろ。
出しなさい。
囲い込みなんて。
下手な手を打つなよと。

『The Great Lost Kinks Album』'73年リリース。
米国のリプリーズから突如リリースされたキンクスの編集アルバム。
パイ時代後期の没になったナンバーやら、TVや映画で使われたナンバーやら。
それまでは公式にリリースされなかったレアなナンバーを集めたアルバムです。
その収められているナンバーの数々が実にキンクスらしい、レイ・デイヴィスらしい。
特にTVや映画で使われたナンバーの出来が良くて。どうにもキンクスなのですね。
なんで。こんなに素敵で、こんなに素晴らしくて、こんなに繊細で、こんなにひねくれて。
これはもう、本当にキンクスの世界以外の何ものでもないのですね。
しかし、リリース直後に突如回収されて。その後は再リリースされることも無く。
何故か・・・ここにもあの男、アレン・クラインが権利に絡んでいたのですね。
ストーンズ、ビートルズだけでなく。キンクスまで食い物にしていたとは・・・
そんなことで。長らくはこのアルバムでしか聴けない14曲はキンクス・ファンの羨望の的。
お陰で、何とか市場に出回ったアルバムには一時はとんでもないプレミアがついていたと。
本当にね。隠すなよ、囲い込むなよ。開放しろよって話なのですけれどね。
この10年くらいで殆どのナンバーは様々なCDのボーナス・トラックとかに収録されて。
漸く、それなりに落ち着いた価格で入手が可能になったのでした。
実は未だこのアルバムでしか聴けないナンバーが2曲はあったりもするし。
そもそもこのアルバムのフォーマットではCD化は実現していないので。
殆どオリジナル・アルバムと言ってもいい様な絶妙な曲順で聴く為に入手する価値はある。
そんな素晴らしいアルバムだったりするのです。本当にいいのですよ、これが。
当時キンクスが所属していたRCAからリリースしていた何枚かのアルバムよりも・・・
まぁ、流石にそれは言わない約束だろうって話だとは思いますけどね。
埋もれた財宝とも言うべきものを発掘し、開放しようとしたリプリーズの姿勢には拍手を送りたくなるのです。

どうして。
こうも。
見つからないのかと。
思ったら。
そう言う企みがあったのかと。

まったく。
そりゃね。
何も。
頭から爪先まで。
謹厳実直にとは言わないが。

やってはいけない。
文化の醸成と言うか。
それをやったら蔑まれるよとか。
そんなこともあると。
どうして気づかないのかな。

求めているのは。
あなただけじゃない。
不安になるのも。
あなただけじゃない。
皆、同じなのだから。

公平かどうか。
そいつは運にもよるけれど。
公正にことを運ぶ。
それだけは。
譲るわけにはいかないのさ。

だから。
隠しているだろ。
出しなさい。
出し渋りなんて。
下手な手はお見通しだよと。

材も。
限られている。
財も。
限られている。
そう資源は潤沢ではないのさ。

でも。
機会は。
落ちている。
広がっている。
そいつを見過ごすわけはいかないのさ。
需要と供給。
供給を待って。
需要に応える。
そんなに甘くはない。
そんなに待ってはくれない。

だから。
材を。
隠すな。
囲い込むな。
包み隠さず出しなさい。

ましてや。
財を。
隠すなど。
囲い込むなど。
言語道断。出しなさい。

探すぞ。
掘るぞ。
抉じ開けるぞ。
鵜呑みにしないぞ。
疑ってかかるぞ。

もっと。
いいのを。
上玉を。
隠しているだろう。
出しなさい。



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2017/05/17 Wed *夜空の向こう / David Bowie

20170517spaceoddity


いま。
この時。
そう。
いま。
いまこそ。

宇宙の。
彼方で。
何か異変でも。
起きないかと。
起きてはくれないかと。

星など。
殆ど見えない。
夜空を見上げながら。
そんな事を。
ふと考えてみる。

宇宙の。
彼方から。
その異変を受けて。
何ものかが。
飛来してはくれないかと。

そんな。
存在でも。
なければ。
意識しなければ。
そうでもしなければ。

この星は。
この地上は。
いつまでも。
まとまりはしないのではと。
夜空の向こうを見つめてみる。

『Space Oddity』'72年リリース。
デヴィッド・ボウイの2枚目となるアルバム。
内容的には事実上のデビュー・アルバムとも呼べるもので。
当初は'69年にフィリップスより『David Bowie』のタイトルでリリースされ。
(米国ではマーキュリーより『Man Of Words / Man Of Music』としてリリース)
その後に、RCAから再発されることとなりジャケットも新装されたのでした。
その際に、「Don't Sit Down」なるナンバーが外されて全9曲ともなりました。
さて。何と言ってもタイトル・ナンバーでもある「Space Oddity」です。
あの『2001年宇宙の旅』そしてアポロ11号の月面着陸によって。
世界中が、宇宙に興味を抱き、宇宙時代の到来とも呼ばれていたあの頃の空気を。
今に伝える、今も瞬時に蘇らせることができるのが「Space Oddity」なのです。
当時BBCのアポロ11号の特番にも使用されたらしく。ボウイにとっては初のヒットに。
尤も。そこで歌われるのは何らかの異変に寄り宇宙を彷徨ことになるトム少佐の物語で。
それが特番の内容に相応しかったのかは些か違和感を抱いたりもするのですけれどね。
それは兎も角。今でも広大な、遥かなる宇宙を想起させるこのナンバーを。
あの時代に創って、世に出してみせた。そこに類まれなるボウイの才能とセンスを感じます。
ボウイの才能とセンス。特にセンスはやはり独特なもので。どうにもロック的では無くて。
どちらかと言えば。演劇に近いものを感じるのですよね。もっと言うと音楽的でも無いと。
まるで台詞を喋るが如く、あるいは詩を朗読するが如く。そうだな、詠唱とでも言うのか。
それがボウイならではのメロディを産み出している気がするのですよね。
広大で、遥かで。そして暗く、深い宇宙空間に永遠に流れるボウイの詠唱。
そんな不思議な感覚が他のナンバーにもあって。故に今も些かも変わることなく響き続け。
そして。このアルバムに針を落とすと夜空の向こうが、宇宙が思われ。
そして。夜空の向こう、宇宙を思うと、彼方からボウイの歌声が聴こえてくるのです。

いま。
この時。
そう。
いま。
いまこそ。

宇宙の。
彼方で。
何か異変でも。
起きないかと。
起きてはくれないかと。

星など。
殆ど見えない。
夜空を見上げながら。
そんな事を。
ふと考えてみる。

宇宙の。
彼方から。
その異変を受けて。
何ものかが。
飛来してはくれないかと。

そんな。
存在でも。
なければ。
意識しなければ。
そうでもしなければ。

この星からは。
この地上からは。
いつまでたっても。
争いなど無くなりはしないのではと。
夜空の向こうに問いかけてみる。

いつかの日。
宇宙の彼方。
そこに。
とり残された。
何ものかが。

いつかの日。
宇宙の彼方。
そこで。
言われなき迫害を受けた。
何ものかが。
そんな。
なにものかが。
ある日。
宇宙の彼方から。
戻って来て。やって来て。

いつまで。
経っても。
変わらない。
変わろうともしない。
この星を変えてくれないか。

いつまで。
経っても。
学ばない。
学ぼうともしない。
この星を目覚めさせてくれないか。

そうでもしなければ。
この星は。
まとまりもせず。
争いを止めもせず。
やがて、否、そんなに遠くない日に。

消えてしまう。
壊れてしまう。
失われてしまう。
そんな思いを胸に。
夜空の向こうに耳を澄ませてみる。



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2017/05/16 Tue *川原乞食の魂 / Taste

20170516liveattheisleofwightukorg


優劣など。
どうでもいい。
ましてや。
勝負など。
するつもりもない。

ただ。
やるからには。
どうせなら。
誰よりも。
目立ちはしたい。

そう。
やるからには。
楽しみたい。
盛り上げたい。
空気を揺らしたい。

観てくれている。
聴いてくれている。
ならば。
笑顔になってもらいたい。
楽しんでもらいたい。

勝負手は。
技量でも。
器量でも。
知名度でも。
なんでもなくて。

心意気。
度胸。
見得とハッタリ。
それだけを武器の。
川原乞食の一夜舞台。

『Live At The Isle Of Wight』'71年リリース。
ロリー・ギャラガーを擁したテイストのワイト島でのライヴ・アルバム。
ロリーのブルージーなギターを売りものとしていたテイスト。
2枚のスタジオ・アルバムをリリース。英国を中心に精力的にライヴも行い。
このアルバムが収録されたワイト島フェスティヴァルにも出演と。
順調にキャリアを重ねるも。マネジメントとのトラブルが原因で解散してしまって。
ソロに転向したロリーがヒットを放つと。便乗して2枚のライヴ・アルバムがリリース。
このアルバムは、その2枚目にあたるアルバムで。全6曲が収録されています。
伝説となったワイト島フェスティヴァル。運営には様々なトラブルがあったものの。
ザ・フーやフリー、そしてジミ・ヘンドリックスの熱演はよく知られるところですが。
このテイストのライヴも相当に熱くて。一説にはアンコールが5回もかかったとか。
確かに。ロリーの熱く真っ直ぐなギターを中心としたその一丸となったライヴ。
その熱量、その迫力。それは聴く者をどんどんと引き込むが如くの勢いがあります。
既にマネジメントと揉めていて。メンバー間にも亀裂が走り始め。起死回生を狙ったのか。
その緊張感を背景とした度胸一発の勝負。そんな後が無い思いがいい方向に出たのかな。
ソロに転向後もそうですが。ロリーは考え過ぎると駄目なのですよね。迷いが出るから。
兎に角。ギターが大好きで、ブルースが大好きで、ロックが大好きで。もう、それだけと。
そんな開き直った時にこそ。ロリーの真摯で純粋な魅力が伝わってくるのですよね。
そんな時のロリーは本当に魅力的で。このアルバムでも3曲が10分を超える長尺ですが。
些かも弛まないし、飽きるという事が無いのですよね。余計なものが無くタイトでね。
そう考えると。ライヴ向きではあったのかな。ソロの代表作もライヴ・アルバムが多いし。
ギターが弾ければ、ブルースがやれれば、ロックがやれれば。もう、それでいいのだと。
そんな。開き直った川原乞食の魂みたいなもの。それを発揮した時のロリーは最高にご機嫌なのです。

優劣など。
関係ない。
ましてや。
勝負など。
気にもならない。

ただ。
やるからには。
どうせなら。
誰よりも。
沸かせはしたい。

そう。
やるからには。
楽しまなければ。
盛り上げなければ。
空気を震わせたい。

観てくれている。
聴いてくれている。
ならば。
笑顔になってもらわなければ。
楽しんでもらわなければ。

技量でも。
器量でも。
知名度でも。
勝負にはならないのなら。
開き直り。

意気地。
矜持。
見得とハッタリ。
それだけを武器の。
川原乞食の一夜芝居。

別に。
たいしたものじゃない。
大袈裟でもない。
構える必要もない。
ただの遊び。

だからこそ。
真剣に。
真面目に。
誰よりも。
遊んでみせたい。
楽しむから。
笑うから。
それだから。
楽しんでもらえる。
笑ってもらえる。

空気を揺らし。
空気を震わせ。
何かが伝わり。
笑顔が。
笑顔を生んでくれればいい。

技量でも。
器量でも。
知名度でも。
何にもなくても。
勝負は打てる。

心意気。
度胸。
見得とハッタリ。
それだけが武器の。
川原乞食の開き直り。

意気地。
矜持。
見得とハッタリ。
それだけを武器の。
川原乞食の魂。

そいつが面白い、止められない。



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2017/05/15 Mon *実感を / Ron wood

20170515gimmesomeneckukorg


なんでもいい。
否。
なんでもよくはないが。
少しばかりの。
幾つかの。

何かが。
そう。
きっかけになる様な。
何かが。
手に入れられれば。

この。
どうにも。
漠然とした。
浮遊している様な。
現実感を喪失した様な。

そんな。
状態から。
逃れられて。
生々しい。
臨場感が得られて。

生き生きと。
嬉々として。
地面を踏みしめて。
地面を蹴って。
毎日を過ごせるのにと。

今日を。
明日を。
一週間を。
生の実感と共に。
駆け抜けていたいのだ。

『Gimme Some Neck』'79年リリース。
ロン・ウッドの3枚目となるソロ・アルバム。
『Some Girls』とほぼ同時進行で録音されていたとの話もあって。
チャーリー・ワッツはほぼ全曲でドラムスを叩いていたりもします。
キース・リチャーズやミック・ジャガーも参加しているのですが。
この時期のロンはストーンズとは言わばアルバイト契約だったと思われるのですが。
それにしては随分と待遇が良かったのだなと。そう感じたりもするのですよね。
何せ、このアルバムと共にニュー・バーバリアンズとしてツアーにまで出ていますからね。
キースもニュー・バーバリアンズの一員として嬉々としてプレイしていたし。
ミックの時とはえらいちがいだなぁと。まぁ、そこがロンの人柄の成せる業なのかな。
イアン・マクレガン、ボビー・キーズにデイヴ・メイソンなど豪華なゲストを迎えて。
ラフで、タフで、ファンキーな。ロンならではのロックンロールをブチかましていて。
「Come To Realise」なんて何とも生き生きとしていて痛快だったりします。
ボブ・ディランがエリック・クラプトンに贈って断られた「Seven Days」を頂いて。
ものの見事に自らのものとして聴かせている、その味わいのある風情もロンならではで。
後にボブがライヴでセルフ・カヴァーする際にはロンのヴァージョンを手本にしたとか。
昔ロッド・スチュワートのアルバムでよく聴かせていたインストの小品もあって。
その「Delia」におけるロンのドブロが絶品で。それがまた堪らなくもあるのです。
ギターもヴォーカルも。技巧派ではないロン。しかしその味わいは格別なものがあって。
それは、その陽性な生命力。生き生きと、嬉々として、クッキリと足跡を残す歩みなのです。
その歩みが。近頃のストーンズの中では今一つ元気がないかなとも思われて。
このアルバムの様な、臨場感に溢れた、生き生きとしたロンの姿をまた聴きたいなとも思うのです。

なんでもいい。
否。
そうともいかないが。
いくばかりかの。
様々な。

何かが。
そう。
火種になる様な。
何かが。
手に入れられれば。

この。
どうにも。
曖昧とした。
離脱している様な。
現実感が消失した様な。

そんな。
状態から。
脱して。
息苦しいまでの。
臨場感に包まれて。

生き生きと。
嬉々として。
路上を踏みしめて。
路上を蹴って。
毎日を過ごせるのにと。

今日を。
明日を。
一週間を。
生を痛感しながら。
駆け抜けていきたいのだ。

この。
地面の上で。
路上の上で。
息をしている。
生きている。

この。
地面から。
路上から。
離れるのではなく。
浮くのではなく。

漠然と。
曖昧に。
現実感を。
喪失した様な。
焼失した様な。

そんな。
影の薄い。
影も残せない。
死んだ様な。
時間は過ごしたくない。

息苦しいまでに。
生々しい。
そんな。
臨場感の中で。
時を刻んでいたいのだ。

だから。
きっかけになる様な。
導火線に火を付ける様な。
何かを。
手に入れるのだ。

今日を。
明日を。
一週間を。
生の実感と共に。
駆け抜けていたいのだ。

今日を。
明日を。
一週間を。
生を痛感しながら。
駆け抜けていきたいのだ。

実感を、感じていたいのだ。



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2017/05/14 Sun *家族とか / Plastic Ono Band

20170514johnlennon


家族とか。
血の繋がりとか。
そんなものが。
好きじゃなかった。
好きになれなかった。

家族。
その二文字が。
絶対で。
何にでも勝る。
何にでも優先される。

その。
窮屈さが。
理不尽さが。
どうにも。
我慢がならなかった。

血が繋がっている。
それだけで。
疑いも無く。
総てが同じ。
総てが分かり合える。

その。
傲慢さが。
傍若無人さが。
どうにも。
耐えがたかった。

まぁ。
今も。
根本的には。
たいして。
変わってはいないけれども。

『John Lennon/Plastic Ono Band』'70年リリース。
『ジョンの魂』の邦題でも知られるジョン・レノンの実質上、初めてのソロ・アルバム。
このアルバムの制作前に。ヨーコと共に心理療法を受けていたジョン。
原初療法とも呼ばれるもので。幼少期にまで遡って忘れていた心の苦痛を総て吐き出す。
その経験によって。初めて幼くして母親を亡くした時の痛みなどと向き合ったジョン。
そのあまりにも赤裸々な、剥き出しの。まさにジョンの魂が歌っているかのアルバムです。
ビリー・プレストンとフィル・スペクターがそれぞれ1曲ずつピアノで参加している以外は。
ジョンと、クラウス・フォアマン、それにリンゴ・スターの3人だけによる演奏で。
そのシンプルなサウンドが、ジョンの叫びを際立たせて真っ直ぐに胸に突き刺さります。
「Mother」「God」など。衝撃的とも言える内容をもつ内面を吐露したナンバーもあれば。
「Love」の様なあまりに純粋なラヴ・ソングもあれば。
「Working Class Hero」「Well Well Well」と言った社会的なナンバーもあり。
ありとあらゆる問題に関心を、興味を抱いて表現したジョンの姿がここにも表れています。
それにしても。なんと生々しく、痛々しく、そして刺々しく、弱々しいことかと。
ビートルズとして世界を制した、あのジョンが。こんなアルバムを制作し、リリースした。
その事実こそが。ジョンが何者であるかを証明し、そしてジョンを信用させているのです。
あのジョンは。我々と同じ様に。誰かを憎みもすれば、誰かを愛しもする1人の人間で。
我々と同じ様に。どうしようもない喜怒哀楽の感情に苦しむ1人の人間であったのです。
その事実を隠しもせずに表に出して。しかも超一流の作品に仕上げてしまう。
このアルバムには、ジョンの凄さ、その凄味の何たるかが余すところなく表されています。
そして。痛切に泣き叫び、強烈に牙を剥き毒づきながらも。その根底にあるのは。
あまりにも大きく、深く、そして強い愛なのです。母親を思慕し、神や様々なものを否定し。
社会や世界に噛みつく。そこに。どうしようもなく誰かを愛し、誰かに愛されることを求めるジョンがいるのです。
そんなジョンを前にすると、そんなジョンの歌声を耳にすると。剥き出しの、素の自分に戻ってしまうのです。

家族とか。
血の繋がりとか。
そんなものに。
素直じゃなかった。
素直になれなかった。

家族。
その二文字が。
絶対だとは。
何にでも勝とは。
何にでも優先されるとは。

今でも。
思わないし。
窮屈で。
理不尽だと。
そう思うけれど。

血が繋がっていても。
総てが同じではないし。
総てが分かる筈もない。
そいつは。
疑いようもないのだと。

今でも。
傲慢さや。
傍若無人さには。
どうにも。
耐えがたいけれど。

そう。
今も。
根本的には。
ほとんど。
変わってはいないけれども。

我慢が。
ならなかった。
窮屈さの
理不尽さの。
その裏側に。

忍耐が。
ならなかった。
傲慢さの。
理不尽さの。
その裏側に。

ひょっとして。
思いもよらなかった。
考えもしなかった。
別の思いが。
あったのかもしれないと。

ひょっとして。
言葉とか。
態度とか。
そこには表れないものが。
あったのかもしれないと。

その。
大きく。
深く。
強い。
ものが生まれる源泉に。

家族とか。
血の繋がりとか。
そんなものが。
存在していた。
あったのかもしれないと。

だから。
ふと。
思いついて。
柄でもなく。
花など送ってみたりして。

いつになく。
弾んだ声を。
受話器の向こうに聞けば。
そいつも。
悪くはないかとも。

家族とか。
血の繋がりとか。
そんなものは。
今でも。
好きにはなれないけれど。



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2017/05/02 Tue *予知夢、覚醒夢 / Kate Bush

20170502thedreaming


夢。
そう。
ただの夢。
たかが夢。
されど夢。

夢の中。
起きている事。
追っているもの。
追われているもの。
その生々しさ。

そいつが。
張りついて。
纏わりついて。
何かを呼び覚ます。
何かを掘り起こす。

夢。
夢の中。
それ故に。
無自覚で。
無防備で。

隠していた。
忘れていた。
不安や。
恐怖が。
顔を出す。

そいつが。
夢の中。
それだけで。
済むのであれば。
いいのだけれど。

『The Dreaming』'82年リリース。
ケイト・ブッシュの4枚目となるアルバム。
当時最新鋭だった72トラックを駆使して録音されたと話題を呼んで。
更には2回に渡って録音をやり直して3度目の正直で完成させたとかで。
もともと、その気はあったと思われるケイトの偏執狂的な制作への姿勢が顕わにと。
美しくも、妖しくそして恐ろしくすらあるジャケットもそれを象徴しているかな。
アルバム・タイトル、そしてタイトル・ナンバーである「The Dreaming」は。
所謂、予知夢、覚醒夢を主題にしているとかで。その摩訶不思議な感覚が。
アルバム全体に渡って漂っている・・・貫かれていて。何とも言えない世界になっていて。
それについていけるかどうかが、好みの別れるところなのでしょうが。
ケイトの。その美貌、あの歌声。それに魅せられた、魅入られた者としては抗い様が無いと。
誘われるままに、手招きされるままに、夢の中へと堕ちていくことになるのですね。
元々、現と夢。生々しさと虚しさ。血に匂いと清らかさ。そんな相反するものの鬩ぎ合い。
そんなものがケイトの表現の根本にはあったと思うのですが。
そんな表現を極限まで突き詰めるそんな技術的環境が整ったことによる進化と深化。
それがこのアルバムの最大の特徴で。多重録音で幾重にも重ねられた歌とサウンド。
重ねれば重ねるほど純化されて、住んでいく様でもありながら。
その狂気の重層化がより生々しく迫ってくる様でもあり。あまりに禍々しく魅惑的かなと。
そして。恐らくはケイト自身にとっても魅惑的であった筈で。深く夢みてしまったのか。
このアルバムを世に出した後、精神が衰弱して入院したとも言われたのでした。
その真偽は兎も角として。この後、その創作ペースは段々と落ちていくので。
ケイトの中で何かが一区切りついたアルバムだったのかもしれません。
ケイトが見せてくれる夢の生々しさ、禍々しく魅惑的な甘美さ。精神を擦り減らしても見る価値があるかな・・・

夢。
そう。
ただの夢。
それは夢。
それも夢。

夢の中。
繰り広げられる事。
求めているもの。
求められているもの。
その禍々しさ。

そいつが。
こびりついて。
絡みついて。
何かを誘い出す。
何かを招き寄せる。

夢。
夢の中。
それ故に。
無遠慮で。
無作法で。

隠そうとした。
忘れた振りをした。
邪念や。
我欲が。
顔を出す。

そいつが。
夢の中。
そこだけで。
終わるのであれば。
いいのだけれど。

夢。
そう。
ただの夢。
たかが夢。
されど夢。

夢の中。
その。
生々しさ。
その。
禍々しさ。

追って。
追われて。
求めて。
求められて。
夢の中。

走り。
駆けずり回り。
もがき。
のたうち回り。
夢の中。

伸ばす手は。
虚空を掴み。
延ばされた手に。
襟を掴まれ。
夢の中。

夢の中。
その。
魅惑的な。
その。
甘美さ。

夢。
そう。
ただの夢。
たかが夢。
されど夢。

予知夢。
覚醒夢。
目覚めても。
纏わりつく。
絡みつく。



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2017/05/01 Mon *公報とさせて / Dire Straits

20170501communique


ここに。
公式に。
表明します。
今日も。
明日も。

営業は。
致しません。
活動も。
致しません。
何も致しません。

ただ。
5月の。
初夏の。
風の中。
空気の中。

その中に。
身を置いて。
その中に。
心を委ねて。
そのままで。

そうだな。
憧れの土地でも。
夢想しながら。
のんびりと。
ゆっくりと。

細やかな。
贅沢な。
そんな時間を。
過ごすことを。
公報とさせて頂きます。

『Communiquē』'79年リリース。
ダイアー・ストレイツの2枚目となるアルバム。
ミュージシャンを目指すもなかなか芽の出なかったマーク・ノップラー。
様々な職業を転々としながら機会を待って。これが最後と結成したのが。
ダイアー・ストレイツで。断崖絶壁との意味があるのだとか。
「Sultans Of Swing」の大ヒットもあって起死回生。一躍トップ・バンドとなって。
その勢いを駆って前作から僅か半年のインターバルでこのアルバムをリリース。
所属していたワーナー・ブラザーズ・レコードも相当に力が入っていたと思われて。
ジェリー・ウェクスラーとバリー・ベケットが共同でプロデュースに当たり。
バハマのコンパス・ポイント・スタジオで録音されて。
マッスル・ショールズで最終的なミキシングが行われています。破格の条件と思われて。
ダイアー・ストレイツもさぞかし力が入っていたのかと思われるのですが。
それが。それを感じさせない。自然体のスタイル、サウンドを貫いているところ。
それこそがダイアー・ストレイツ、マーク・ノップラーらしいところかなと。
穏やかで、静かな空気。その中を滑らかに、伸びやかに鳴り響くマークのギター。
このギター、その響き。その乾いた中にも色気を感じさせる音色、トーンがいい塩梅で。
これがある限り。ダイアー・ストレイツはダイアー・ストレイツなのですよね。
地味と言えば、あまりにも地味で。そのゆったりと流れる時間を思わせるところ。
前作の大ヒットで生まれた余裕。それを徒に力んで、大袈裟にとか、豪華にするのではなく。
その余裕のままに、広がった余裕の中をスタンスは変えずに自由に過ごすのを楽しむ。
何があっても。自分たちのスタンス、過ごし方。そんなものは変わらないとの表明。
それが共感を呼んだからこそ。この地味なアルバムもまた大ヒットを記録したのだろうと。
そんな中でキャッチーな「Lady Writer」が一際心地よく響いてくるのですよね。

ここに。
公式に。
表明します。
今日も。
明日も。

営業は。
致しません。
活動も。
致しません。
何も致しません。

ただ。
5月の。
初夏の。
風の中。
空気の中。

その中に。
身を置いて。
その中に。
心を委ねて。
そのままで。

そうだな。
憧れの土地でも。
夢想しながら。
のんびりと。
ゆっくりと。

細やかな。
贅沢な。
そんな時間を。
過ごすことを。
公報とさせて頂きます。

世間が。
どうであろうと。
世界が。
どうであろうと。
そいつに関わらず。

世間の。
流れとか。
世界の。
動きとか。
そいつにも関わらず。

自分は。
自分の。
歩き方。
立ち位置。
そいつは変わらない。

自分は。
自分の。
スタイルで。
スタンスで。
そいつは変えられない。

その。
風の中。
空気の中。
いつもの様に。
鳴り響くものがある。

そいつに。
耳を傾けて。
身を置いて。
心を委ねて。
そのままで。

細やかな。
贅沢な。
そんな時間を。
過ごすことを。
公報とさせて頂きます。



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2017/04/30 Sun *斜め後ろ辺り / Nick Lowe

20170430jesusofcool


斜めから。
そう。
何事も。
どんな事も。
少し距離を置いて。

斜めから。
そう。
斜め後ろ辺りから。
見てみると。
本質が見えてくる。

徒に。
熱くならずに。
無暗に。
巻き込まれずに。
その愚は避けて。

さりとて。
醒め過ぎない様に。
離れ過ぎない様に。
ちょうどいい塩梅の。
距離を保って。

それとなく。
囃すことも。
茶化すことも。
出来る様な。
そんな位置から見てみる。

そんな。
斜めからの。
斜め後ろからの。
視線みたいなものを。
忘れずにいたい。

『Jesus Of Cool』'78年リリース。
ニック・ロウの英国でのソロとしてのデビュー・アルバム。
米国ではタイトルに問題有りとされて。
タイトルと、収録曲の一部を変更してリリースされました。
まったく。米国と言うのは。どうにも融通とか愛嬌に欠ける時があるなと。
さて。ブリンズリー・シュオーツ時代から、その才気を遺憾なく発揮していたニック。
レコーディング契約の関係からか。解散後直ぐにソロ・デビューとはいかずに。
変名でベイ・シティ・ローラーズの応援歌をリリースするなどしながら。
プロデューサーとしてドクター・フィールグッズやダムド、グラハム・パーカー。
更にはエルヴィス・コステロ、そして盟友であるデイヴ・エドマンズ等を手掛けて。
そして。満を持して。このアルバムで待望のソロ・デビューとなったのでした。
極上のポップ・センスと、独特の軽妙にして皮肉の効いたユーモア。
米国音楽への強い憧憬を抱きながらも、どうにも英国的なものから逃れられないその世界。
ブリンズリー時代から変わらぬ、そしてこの後のソロとしての活動でも変わらなかった。
そんなニックの根底にあるもの。その総てがこのアルバムにはぎっしりと詰まっています。
英国を代表するポップの才人であるニックです。決して小難しいことをするでもなく。
さりとて声高に叫ぶでもなく。なのに。聴く者の胸の内にするりと忍び込んでしまう。
この絶妙な距離感と言うか、立ち位置の取り方はもはや芸術的な職人技とも言うべきか。
どうしようもなく聴く者の胸の内を揺さぶり、震わせながら。その様を眺めて笑っている。
そうだろう。そうなのだよと。少し離れたところで、しめしめと笑っている。
そんなニックの、斜めからの視線を感じながらも。それが愛しくて堪らなくなってしまうと。
もう。その立ち位置、世界の虜になってしまって。ニックのポップ無しでは生きられないのです。

斜めから。
そう。
いつでも。
どんな時も。
少し距離を置いて。

斜めから。
そう。
斜め後ろ辺りに。
立ってみると。
本質が感じられる。

徒に。
従わずに。
無暗に。
踊らされずに。
その愚は避けて。

さりとて。
見失ってしまわない様に。
置き去りにされてしまわない様に。
ちょうどいい塩梅の。
距離を保って。

それとなく。
戒めることも。
知らしめることも。
出来る様な。
そんな位置に立ってみる。

そんな。
斜めからの。
斜め後ろからの。
感覚みたいなものを。
無くさずにいたい。

潮流だとか。
潮目だとか。
そいつに。
囚われ過ぎて。
読んでいるつもりが。

気づいたら。
巻き込まれて。
流されて。
意思とは関係無しに。
もう戻れない。

そんな。
憂き目に。
会いたくないのなら。
熱くならずに。
騒がずに。

従う。
踊らされる。
その前に。
自分の立ち位置。
そいつを確認して。

一歩でも。
半歩でも。
離れて。
人の振りを見てみる。
人の揺れを感じてみる。

右向け右、なら。
左を、見てみる。
前へ倣え、なら。
後ろを、見てみる。
そんな一呼吸、余裕が持てる。

斜めから。
そう。
斜め後ろ辺り。
その辺りの。
立ち位置に立っていたいのだ。



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2017/04/29 Sat *猥雑な幸福 / Kilburn & High Roads

20170429wotabunch


猥雑な幸福。

幸せは。
喜びは。
畏まった。
静寂の中になんか。
ありはしない。

煩くて。
ごちゃごちゃで。
わちゃわちゃで。
兎に角。
訳もわからないけれど。

賑やかで。
滅茶苦茶で。
支離滅裂で。
それでも。
底抜けに陽気な。

そんな。
空気の中にこそ。
あるのだと。
そんなものだと。
だからいいのだと。

酒と煙草の。
匂いが立ち込めて。
笑い声が絶えなくて。
躁状態だとすら思える。
その坩堝にこそ幸福はあるのだと。

猥雑な幸福。

『Wotabunch!』'78年リリース
イアン・デュリーが在籍していたキルバーン&ザ・ハイローズ。
イアンがブレイクしたのをきっかけに発掘された1stアルバム。
元々は'74年に録音されたもののレコード会社が倒産してお蔵入りになって。
その後、移籍してリリースされたものの。殆どが再録音されていて。
それがオーバー・プロデュースで評判が芳しくなかったらしく。
オリジナルの音源が。漸く、待望のリリースで陽の目を見ることになったと。
イアンを始めとする後のブロックヘッズのメンバーに後の999のメンバーもいて。
何とも煩く、如何わしく。そして緩さもあるファンキーなサウンドが聴けます。
イアンもブレイク後程には毒々しくは無くて。どちらかと言うとほのぼのしているかな。
そうは言うもののイアンですからね。十分に胡散臭さは発揮していますが。
その胡散臭さの中から立ち上る温かさ、そして親しみやすさ、人懐っこさ。
そんなものが独特の賑やかさを醸し出していて。それがとても、何とも幸せなのですね。
鋭さや、強靭さには欠けるものの。ファンキーだと感じさせるのはその幸福感故かな。
既にレゲエやラテンへの接近も試みていて。この進取の気質を感じさせる雑食性。
その旺盛な食欲故の、雑多で猥雑な世界。その生命力が魅力的なのですね。
兎に角。何は無くても。煩く、賑やかで、陽気で。そこにこそ幸せがあるのだなと。
アルバムとして考えれば。滅茶苦茶で、支離滅裂で。整合性など微塵もありませんが。
それがどうした。それが何だと言うのだと。そんなイアン達の心意気、鼻息を感じます。
見せかけではない。本物の逞しさ。そんなものがあるから真にファンキーであれると。
そのファンキーさの中に、そこに飛び込んで、そこで生きる。その覚悟さえあれば。
大概のことは何とかなる、何とでもなる。そう思わせてくれる出会い。それはやはり幸福なのです。

猥雑な幸福。

幸せは。
喜びは。
気どった。
様式の中になんか。
ありはしない。

煩くて。
ごったごったで。
わやも、いいところで。
兎に角。
訳なんてありはしなくて。

賑やかで。
無茶苦茶で。
不規則で。
それでも。
底抜けに陽気な。

そんな。
風景の中にこそ。
あるのだと。
そんなものだと。
だからいいのだと。

酒と煙草の。
匂いが消えなくて。
嬌声が絶えなくて。
躁状態としか思えない。
その坩堝にこそ幸福はあるのだと。

猥雑な幸福。

混沌。
混乱。
乱雑。
そして。
猥雑。

そんな。
空気。
そんな。
風景。
その中にこそ。

酒と煙草と。
涙と汗と。
笑いと叫びと。
そんなものが。
飛び交うところ。

煩くて。
賑やかで。
滅茶苦茶で。
支離滅裂で。
底抜けに陽気で。

煩くて。
賑やかで。
無茶苦茶で。
不規則で。
どこまでも陽気で。

そんな。
ごちゃごちゃで。
わちゃわちゃで。
ごったごったで。
わやも、いいところ。

そんな坩堝にこそ。
そんなところにこそ。
何とも言えない。
何ものにも代え難い。
幸福はあるのだと。

猥雑な幸福。



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2017/04/28 Fri *海賊の旗に憧れて / The Pirates

20170428skullwarsukorg


体ひとつ。
魂ひとつ。
剣一本。
それだけを。
友として。

信じる。
旗を掲げて。
どこでも。
いつでも。
勝負してみせる。

そんな。
気持ちが。
心意気が。
堪らなく。
好きなのさ。

今日は。
今日で。
明日は。
明日で。
それだけのこと。

港から港へ。
その日暮らしで。
海原を渡っていく。
頼りになるのは。
己の腕一本。

そんな。
稼業に。
そんな。
生き方に。
そうさ。今も憧れている。

『Skull Wars』'78年リリース。
パブ・ロックの隆盛と共に再評価されたパイレーツ。
再結成後の2枚目となるアルバムです。
英国盤と米国盤では選曲が異なっていて。こちらは英国盤。
全12曲中、スタジオ録音が4曲でライヴ録音が8曲と言う構成で。
スタジオ録音はロックフィールド・スタジオでの録音が中心で。
ライヴ録音はあのホープ&アンカーでの録音が中心となっています。
スタジオ、ライヴ共に。ミック・グリーンの鉈でぶった切る様なギター。
そのザクザクと刻むギターが特徴的で。ウィルコ・ジョンソンへの影響の大きさ。
それを改めて感じさせられるギターが実に心地よいのです。
どうせなら、スタジオはスタジオで。ライヴはライヴで。纏めてもらって。
それぞれ単独、あるいは2枚組でリリースしてくれれば良かったのにとも思いますが。
それは贅沢な要望ってことになるのかな。これはこれで十分にご機嫌ではあります。
ギター、ベース、ドラムス。最低限のトリオ編成によるシンプルなロックンロール。
その響きには、ある種の心地良さがあるのですよね。余計なものは何もいらないと言う。
己が体、己が魂、己が腕一本。それだけでどこでも、いつでも勝負してやるぜとの。
その心意気が、何ともね、カッコ良いと言うか、魅力的と言うか。響いてくるのですね。
それこそ。髑髏の旗を掲げて、その旗の下で自由に生きている、まさに海賊の様な。
そんな心意気が反映されたロックンロールなのですよね。その潔さが堪らないかな。
恐らくは。米国の市場も意識していたと思われて。若干ポップに過ぎるかなとも。
そう感じさせられる瞬間もあるのですけれどね。それは表層の些細な事でしかなくて。
芯にある、図太い海賊の魂、自由を愛する心意気が刻まれる様が痛快なのですよね。

体ひとつ。
魂ひとつ。
剣一本。
それだけが。
あればいい。

誇れる。
旗の下で。
どこでも。
いつでも。
勝負に挑む。

そんな。
気概が。
意気地が。
堪らなく。
好きなのさ。

現在は。
現在で。
未来は。
未来で。
それだけのこと。

海から海へ。
その日暮らしで。
七つの海を股にかけ。
頼むところは。
己の腕一本。

そんな。
生活に。
そんな。
生き様に。
そうさ。今も憧れている。

錨を上げて。
帆を張れば。
後は。
風任せの。
波任せで。

何が。
起きようが。
何に。
出会おうが。
泰然自若。

何が。
起きようが。
何に。
出会おうが。
己の気持ちひとつ、腕一本。

何処へ。
向かおうが。
何処へ。
辿り着こうが。
鷹揚自若。

何処へ。
向かおうが。
何処へ。
辿り着こうが。
己の胸の内ひとつ、腕一本。

信じる。
誇れる。
そんなものが。
あるならば。
その旗を掲げて。

信じる。
誇れる。
その旗の下。
剣一本で。
勝負するだけのこと。

海賊の旗に憧れて。



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