カテゴリー「010 Faces」の記事

2017/08/06 Sun *心の港 / Rod Stewart

20170806vagabondheart


浮いて。
沈んで。
揉まれて。
そんな。
揺れる心。

そいつが。
ふと。
何気なく。
気軽に。
寄れるところ。

そんなものが。
あるのと。
ないのでは。
まったくもって。
大違いで。

どんなに。
浮かぼうが。
沈もうが。
揉まれようが。
揺れようが。

何かで。
何処かで。
ふと。
思い出して。
気づいて。

寄ってみれば。
そいつで。
それだけで。
見失っていたものを。
もう一度、この手にと。

『Vagabond Heart』'91年リリース。
ロッド・スチュワートの17枚目(?)となるソロ・アルバム。
'80年代以降のロッドのアルバムとしては数少ない聴く価値のあるアルバム。
『Unplugged』等の企画ものを除けば、あの『Foot loose & Fancy Free』以降としては。
唯一、ロッドの真摯な歌心を感じられるアルバムと言っても過言ではないかなと。
そう、中途半端なフランク・シナトラ擬きではないロッドがここにはいます。
ロッドの魅力は。何と言ってもあの歌声と、そしてカヴァーのセンスにあるのですが。
どうにも一時期から、何を勘違いしたのかすっかりスーパー・スター気取りで。
否、スーパー・スターであることは疑う余地もないのですが。それはそれとして。
やたら大袈裟と言うか、装飾過多な生き方がそのまま歌い方にも伝播してしまって。
歌心が微塵も感じられない、駄作を連発し続けていたロッド。迷走もいいところでしたが。
前年に亡くなった父親に捧げられたこのアルバムでは。思うところもあったのか。
サウンドこそ、まだ多分に余計なものが削ぎ落されてはいないなと感じられますが。
その歌声は、その対象である楽曲に真摯に向き合い、真摯に表現するものとなっています。
ここまで迷いの無い、ここまで真っ直ぐなロッドの歌声。そう、その気になれば。
凡百のヴォーカリストなどは寄せ付けない、それだけの傑物であるのです。
「Broken Arrow」「It Takes Two」「Have I Told You Lately」「Downtown Train」と。
そのカヴァーの選曲、そしてその解釈、見事に自らのものにしてしまうその咀嚼力。
その底力が遺憾なく発揮されているのも、真摯な姿勢、思いがあってこそのことで。
それが故に、ティナ・ターナー、テンプテーションズと言ったゲストを迎えたナンバーも。
ただの顔見世に終わらない、魅力的な出会いとなっているのです。
揺れる、流離う。そんな心、思い。それがあるべきところ、あるべき港に戻ったのだと。
そんなことを感じさせるアルバムなのです。まぁ、また直ぐに迷走しだすのですけれどねぇ・・・

浮いて。
沈んで。
揉まれて。
そんな。
流離う心。

そいつが。
ふと。
無意識に。
気を置かず。
拠れるところ。

そんなものを。
知っているのと。
ないのでは。
まったくもって。
大違いで。

どんなに。
浮かぼうが。
沈もうが。
揉まれようが。
流離おうが。

何かで。
何処かで。
ふと。
誘われる様に。
感じるままに。

拠ってみれば。
そいつで。
それだけで。
見失っていたものを。
もう一度、この胸にと。

また。
襲われて。
また。
繰り返して。
何回目になるのか。

何回。
何十回。
何百回。
襲われるままに。
繰り返すままに。

浮いて。
沈んで。
揉まれて。
そんな。
揺れる心。

浮いて。
沈んで。
揉まれて。
そんな。
流離う心。

どんなに。
どれだけ。
浮かんでも。
沈んでも。
揉まれても。

そう。
どんなに。
どれだけ。
揺れても。
流離っても。

寄れる。
拠れる。
そんな。
ところがある。
港がある。

それを。
知っているから。
見失っても。
いつでも、この手にと。
いつでも、この胸にと。

心の港がある限りはね。



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2017/06/05 Mon *もどかしい / Faces

20170605longplayerdef


どうにも。
こうにも。
その。
この。
あぁ、何と言うか。

悪くはない。
ぶれてもいない。
通じてはいる。
そいつは。
確かだと思うのだけど。

なにか。
噛み合わない。
どこか。
ずれている。
それが引っ掛かる。

もっと。
いけるはず。
できるはず。
そいつも。
確かだと思えるだけに。

あと少し。
もう少し。
踏み出せれば。
共振できれば。
もっと転がせる筈だと。

あぁ。
この感じ。
なんとも。
歯痒くて。
そう、もどかしいのだ。

『Long Player』'71年リリース。
なんとも愛すべき、フェイセスの2枚目となるアルバム。
レーベル面が見える特殊ジャケットでリリースされたのですが。
こんな、メンバーの後ろ姿を用いたジャケットも存在したのですね。
恐らくは。オリジナルのジャケットではどこのバンドかわからない・・・とか。
そんなことをレコード会社が考えたのかな。単なる再発盤の可能性もありますが。
さて。ラフで、ルーズで、そしてリリカルでもあって。そんな雑多さも魅力なフェイセス。
このアルバムにはライヴを含めて4種類の音源が収録されていて。
ストーンズ所有のモービル・ユニットを利用した録音もあり。塑像するに。
綿密な計画を立てての制作と言うよりは、いつでも思いついた時に録音して。
ある程度の量になったらアルバムでもリリースするかと。そんな緩い感じだったのではと。
そんな取り組み方、歩き方が。千鳥足のロックンロール・バンド、フェイセスらしいかなと。
真摯に歌うことを楽しんでいるロッド・スチュワートのヴォーカル。
決してテクニシャンではなく、ヘタウマとも言えるギターを陽気に聴かせるロン・ウッド。
そんな2人に、ロニー・レーン、イアン・マクレガン、ケニー・ジョーンズが絶妙に絡むと。
結構、スカスカなサウンドなのですが。その穴だらけ、間の多いところがご機嫌で。
フリーとはまた別なのですが。弾くばかり、埋めるばかりが能じゃないのだよと。
そんなロックンロールの事実、真実を教えてくれる、感じさせてくれるフェイセスなのです。
特にライヴの2曲「Maybe I'm Amazed」と「I Feel So Good」がその真骨頂かなと。
ライヴならではのグルーヴを遺憾なく発揮した、フェイセス流のロックンロール。
「恋することのもどかしさ」なる邦題でも知られる「Maybe I'm Amazed」なんて絶品で。
常に。ある意味では。いま一つ、あと一歩が足りない、もどかしいとも思えるフェイセス。
でも。その、もどかしさが残るところ。その塩梅が愛すべきものだったのだなと。そう感じるのです。

どうにも。
こうにも。
そこが。
ここが。
う~ん、何と言うか。

まずくはない。
間違ってもいない。
開きかけている。
そいつは。
確かだと思うのだけど。

なにか。
しっくりこない。
どうも。
腹落ちしない。
それが気に掛かる。

もっと。
いかなくては。
やらなくては。
そいつも。
確かだと思えるだけに。

あと少し。
もう少し。
飛び込めれば。
共感できれば。
きっと転がり始める筈だと。

あぁ。
この感じ。
痒いところに。
手が届かない。
そう、もどかしいのだ。

悪くはない。
まずくもない。
通じてはいる。
開きかけてもいる。
そいつは。確かなのだけど。

もっと。
あと少し。
もう少し。
いけるはず。できるはず。
そいつも。確かなので。

どうにも。
こうにも。
あぁ、何と言うか。
う~ん、何と言うか。
もどかしい。

なんとも。
歯痒くて。
痒いところに。
手が届かない。
もどかしい。

噛み合わない。
ずれている。
しっくりこない。
腹落ちしない。
もどかしい。

踏み出して。
共振を。
飛び込んで。
共感を。
転がせる様、始められる様。

焦らずに。
少し時間をかけて。
絶妙な塩梅の。
距離感をみつけて。
それからだと思いつつも。

もどかしい。



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2017/05/15 Mon *実感を / Ron wood

20170515gimmesomeneckukorg


なんでもいい。
否。
なんでもよくはないが。
少しばかりの。
幾つかの。

何かが。
そう。
きっかけになる様な。
何かが。
手に入れられれば。

この。
どうにも。
漠然とした。
浮遊している様な。
現実感を喪失した様な。

そんな。
状態から。
逃れられて。
生々しい。
臨場感が得られて。

生き生きと。
嬉々として。
地面を踏みしめて。
地面を蹴って。
毎日を過ごせるのにと。

今日を。
明日を。
一週間を。
生の実感と共に。
駆け抜けていたいのだ。

『Gimme Some Neck』'79年リリース。
ロン・ウッドの3枚目となるソロ・アルバム。
『Some Girls』とほぼ同時進行で録音されていたとの話もあって。
チャーリー・ワッツはほぼ全曲でドラムスを叩いていたりもします。
キース・リチャーズやミック・ジャガーも参加しているのですが。
この時期のロンはストーンズとは言わばアルバイト契約だったと思われるのですが。
それにしては随分と待遇が良かったのだなと。そう感じたりもするのですよね。
何せ、このアルバムと共にニュー・バーバリアンズとしてツアーにまで出ていますからね。
キースもニュー・バーバリアンズの一員として嬉々としてプレイしていたし。
ミックの時とはえらいちがいだなぁと。まぁ、そこがロンの人柄の成せる業なのかな。
イアン・マクレガン、ボビー・キーズにデイヴ・メイソンなど豪華なゲストを迎えて。
ラフで、タフで、ファンキーな。ロンならではのロックンロールをブチかましていて。
「Come To Realise」なんて何とも生き生きとしていて痛快だったりします。
ボブ・ディランがエリック・クラプトンに贈って断られた「Seven Days」を頂いて。
ものの見事に自らのものとして聴かせている、その味わいのある風情もロンならではで。
後にボブがライヴでセルフ・カヴァーする際にはロンのヴァージョンを手本にしたとか。
昔ロッド・スチュワートのアルバムでよく聴かせていたインストの小品もあって。
その「Delia」におけるロンのドブロが絶品で。それがまた堪らなくもあるのです。
ギターもヴォーカルも。技巧派ではないロン。しかしその味わいは格別なものがあって。
それは、その陽性な生命力。生き生きと、嬉々として、クッキリと足跡を残す歩みなのです。
その歩みが。近頃のストーンズの中では今一つ元気がないかなとも思われて。
このアルバムの様な、臨場感に溢れた、生き生きとしたロンの姿をまた聴きたいなとも思うのです。

なんでもいい。
否。
そうともいかないが。
いくばかりかの。
様々な。

何かが。
そう。
火種になる様な。
何かが。
手に入れられれば。

この。
どうにも。
曖昧とした。
離脱している様な。
現実感が消失した様な。

そんな。
状態から。
脱して。
息苦しいまでの。
臨場感に包まれて。

生き生きと。
嬉々として。
路上を踏みしめて。
路上を蹴って。
毎日を過ごせるのにと。

今日を。
明日を。
一週間を。
生を痛感しながら。
駆け抜けていきたいのだ。

この。
地面の上で。
路上の上で。
息をしている。
生きている。

この。
地面から。
路上から。
離れるのではなく。
浮くのではなく。

漠然と。
曖昧に。
現実感を。
喪失した様な。
焼失した様な。

そんな。
影の薄い。
影も残せない。
死んだ様な。
時間は過ごしたくない。

息苦しいまでに。
生々しい。
そんな。
臨場感の中で。
時を刻んでいたいのだ。

だから。
きっかけになる様な。
導火線に火を付ける様な。
何かを。
手に入れるのだ。

今日を。
明日を。
一週間を。
生の実感と共に。
駆け抜けていたいのだ。

今日を。
明日を。
一週間を。
生を痛感しながら。
駆け抜けていきたいのだ。

実感を、感じていたいのだ。



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2017/02/17 Fri *手探り / Faces

20170217firststepukorg


手探り。
そう。
先ずは。
そんなもの。
そこから。

探りながら。
少しずつ。
目指す。
形を。
見定めて。

探りながら。
少しずつ。
歩む。
道を。
切り拓いて。

互いの。
感覚。
持ち味。
そんなものも。
探りながら。

行きつく先。
落としどころ。
そんなものを。
見つけようと。
初めの一歩を踏み出す。

不安では。
あるものの。
実はこの瞬間。
そいつこそが。
一番、楽しかったりもする。

『First Step』'70年リリース。
フェイセスの記念すべきファースト・アルバム。
スティーヴ・マリオットが脱退したスモール・フェイセスに。
ジェフ・ベック・グループを解雇されたロン・ウッドが加入して。
更にはベックと仲違いしたロッド・スチュワートも誘われるままに。
決してスモールではないロンとロッドの参加でスモールをバンド名から外したと。
(米国ではスモール・フェイセス名義でこのアルバムはリリースされましたが)
そんな寄り合い所帯で始まったのがフェイセスだったのですね。
スモール・フェイセスからの3人は未だ、スモール・フェイセスに未練があって。
ロンも本当はローリング・ストーンズからの誘いを待っていたとか。
ロッドはソロとして別のレコード会社と契約を結んでいてと。寄り合い所帯、呉越同舟。
なので。このアルバムには後のアルバムの様な、一体感みたいなものはなくて。
あの酔いどれの、千鳥足のロックンロールも未だ全開にはなっていなくて。
手探り状態で。それぞれが、バンドの姿、歩き方、目的地を探っている感じが強いかなと。
オリジナル・ナンバーはロンとロニー・レーンが中心となって書いていて。
ロニーも後のスリム・チャンス時代を彷彿とさせる個性を発揮し始めていますが。
一番張り切っているのは、ロンで。この頃からあのスライドを弾きまくっています。
ジャケットでギターの教則本を手にしているにはベックへの当てつけかとも思われて。
ベースに転向させられていた鬱憤を一気に晴らしている、その弾けぶりが楽しいかな。
ジャケットでは隅で大人しくしているロッドは、確かに控えめにしていたのかも。
しかし。そこはロッドですから。あの歌声で一気に雰囲気を変えてしまうと。
手探りで、お互いの感覚や嗜好も探り合ってで。纏まりには欠けるものの。
その探り合い、パスを交換し合っている様に、様々な可能性が感じられて、いいなと。
恐らくは、その可能性をお互いが信じたからこそ、フェイセスとして活動を継続したのかな。
その為には、この模索状態の第一歩は必要だったのだなと腑に落ちるのですね。

手探り。
そう。
先ずは。
それでいい。
そこから。

探りながら。
少しずつ。
目指す。
画を。
見定めて。

探りながら。
少しずつ。
歩む。
先に。
辺りをつけて。

互いの。
嗜好。
得手不得手。
そんなものも。
探りながら。

目指す先。
目標とするところ。
そんなものを。
固めていこうと。
初めの一歩を踏み出す。

不安では。
あるものの。
実はこの瞬間。
そいつこそが。
一番、面白かったりもする。

残った。
手を挙げた。
声を掛けられた。
他になかった。
それぞれで。

最初から。
途中から。
長い。
短い。
それぞれで。

養殖。
天然。
流れもの。
暇つぶし。
それぞれで。

感覚。
持ち味。
嗜好。
得手不得手。
それぞれで。

計算か。
感性か。
それぞれが。
それぞれに。
探り合い。

手探り。
そう。
だから。
楽しくて。
面白くて。

その。
可能性に。
それだけで。
暫くは。
遊んでみようと思うのだな。



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2016/12/01 Thu *千鳥足で / Rod Stewart & Faces

20161201coasttocoastovertureandbegi


どうやら。
今日も。
今夜も。
足下が。
おぼつかない。

二日酔い。
たぶん。
否。
間違いなく。
未だ酔っぱらっている。

酒に。
それだけでなく。
色々なものに。
様々なものに。
酔いしれているのだ。

気づくと。
振り返ると。
何かに。
何ものかに。
酔っていない時など。

禁断の。
箱を。
開けた。
その瞬間から。
一度もないかもしれない。

いつも。
いつでも。
千鳥足で。
綱渡り。
そいつが堪らない。

『Coast To Coast Overture And Beginners』'74年リリース。
前年の全米ツアーでのアナハイム公演で収録されたフェイセスのライヴ・アルバム。
ロニー・レインに代わって加入したテツ山内が参加した唯一のアルバム。
そしてベスト・アルバムを除けば解散前にリリースされた最後のアルバムでもあって。
ソロ活動を活発化させていたロッド・スチュワート。ロッドを売り出したいレコード会社。
その思惑が絡み合ってロッド・スチュワート&フェイセス名義となり。
英国ではロッドがソロとしていたマーキュリーからリリースされることになってと。
(それ以外の国ではフェイセスの所属であるワーナーからのリリースでした)
どうにも。往生際が悪くズルズルとしたままに解散に至ったフェイセスの最期を象徴する。
そんなイメージもあるアルバムではあるのですが。その内容は実にご機嫌だったりします。
世界一アルコール消費量が多いバンドとして名を馳せたフェイセス。
その千鳥足のロックンロールがこれでもかと鳴り響いているのです。
リズムがよれたり、チューニングも怪しかったり、そんなラフでルーズなロックンロール。
弾けて、揺れて、転がって。そしてフェイセスならではの絶妙な間。それが堪らないのです。
レインが不在なだけに。フェイセスの魅力の一面を成していた朴訥とした繊細さ。
それは感いられないのですが。そこはライヴですからね。とことん陽気で楽しいフェイセス。
そいつが十二分に発揮されている。それで、それだけでいいのです。
フェイセスのライヴではロッドのソロ・アルバムに収められていたナンバー。
それもフェイセスのナンバーと共に演奏されるのですが。それがまったく違和感がなくて。
すっかりフェイセスのナンバーと同化していて。すっかり酔いどれのナンバーに。
なんだかんだで。ロッドも含めてフェイセスと言うのは仲が良かったのだろうなと。
まぁ、酒の取り持つ酔っ払い同士の連帯感だったのかもしれませんが。
それ故の。常に千鳥足で、瞬間、瞬間を楽しむ姿勢、心意気。それこそがフェイセスです。

どうにも。
今日も。
今夜も。
真っ直ぐ。
歩けない。

宿酔い。
たぶん。
否。
間違いなく。
未だ酔っぱらったまま。

酒に。
それに限らず。
色々なものに。
様々なものに。
酔いどれているのだ。

気づけば。
思い浮かべれば。
何かに。
何ものかに。
酔っていない時など。

禁断の。
扉を。
開けた。
その瞬間から。
ひと時もないかもしれない。

いつも。
いまも。
千鳥足で。
線上を。
そいつが堪らない。

酔わなきゃ。
やっていられるか。
否。
酔わずに。
やっても駄目なのだ。

何ものも。
何もかも。
酔うほどに。
やらなければ。
ものにもならない。

酔って。
酔っぱらって。
酔いしれて。
酔いどれて。
そのままに。

弾けて。
揺れて。
転がって。
千鳥足で。
ステップを踏みながら。

陽気に。
楽しもう。
面白がろう。
何ものも。
何もかも。

いつも。
いつでも。
酔って。
千鳥足の。
二日酔い。

いつも。
いまも。
酔って。
千鳥足で。
宿酔い。

千鳥足で。
線上を。
綱渡り。
そいつが堪らない。
そいつが楽しくてやめられない。



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2016/08/27 Sat *ここ、いま / Ronnie Lane's Slim Chance

20160827lane


知らない街で。
知らない時間を。
偶には。
そんな日が。
そんな時間が。

あってもいい。
否。
あったほうがいい。
そうでないと。
凝り固まってしまう。

ここが。
いまが。
総てではない。
正しくもない。
それは当然の筈なのに。

日々の。
暮らしに。
時間に。
埋没している内に。
忘れてしまうものだから。

視線を。
歩調を。
変えられる。
そんな機会は。
逃さないほうがいい。

時間など。
あるようで。
無いもの。
それもまた。
当然のことなのだから。

『Ronnie Lane's Slim Chance』'75年リリース。
ロニー・レーンが率いるスリム・チャンスの2ndアルバム。
前作から大幅にメンバーが入れ替わっていて。同じバンドとは言い難い顔触れに。
しかしサウンドには殆ど変化がなくて。ほんわかと、軽やかに、温かく、切なくてと。
まぁ、ロニーの目指すところに共感して、共鳴するメンバーであれば自然とそうなるかな。
アルコール消費量世界一の、千鳥足のロックンロール・バンドから足を洗ったロニー。
実は、そのフェイセスのナンバーをカヴァーしたり、改作したりもしているのですが。
当然のことながら、曲調・・・肌触り、風合いはかなり異なるものとなっています。
どちらも緩いと言えば緩いのですが。肌理がより細かくなっている感じがあって。
そのせいか、ラフではあるものの。ほのぼのと牧歌的ですらあるのですよね。
元々はモッズの顔役で、スモール・フェイセス時代には気性の激しさでも知られていて。
フェイセスの中でも一、二を争う酒豪、陽気で豪快な酔っ払いだったロニーです。
ロックンロール・ライフを謳歌していた筈なのですけどね。何がきっかけだったのか。
そんな放蕩三昧の日々に背を向けて。農村に移り住んで農場の経営を始めて。片手間に(?)。
気が向いたら、気の合うメンバーを集めて。テントと共に気ままにツアーをする生活と。
もう百八十度違う道を歩み始めてしまったと。確かにフェイセス時代から兆候はあって。
ロニーの手によるナンバーは情感に溢れていて。異彩を放ってはいたのですけどね。
ロニーの脱退は大きなショックだったらしく。それはロッド・スチュワートも例外ではなく。
脱退を告げられた夜にロッドや他のメンバーが泥酔している有名な写真が残っています。
それでも。ロニーは己の選択を変えなかったと。相当に頑固そうですからねぇ。
きっと。それまでとは別の風景を見たくなった、別の時間を過ごしたくなった。
そうなったら、もう止まらなかったのでしょうね。そんな芯の強さがあるからこそ。
ただ緩いだけの音楽になっていなくて。深い味わいを感じさせるものがあるのですよね。
偶に。ロニーが辞めていなかったら、フェイセスは、そしてストーンズはどうなったのかと。
そんな思いが過るのですが。ロニーには迷っている時間はなかったのですよね。
生前のロニーは、フェイセスを辞めてから(共作を除き)4枚のアルバムしか遺せなかったのですからね・・・

見知らぬ街で。
異なる時間を。
偶には。
そんな日が。
そんな時間が。

あってもいい。
否。
あったほうがいい。
そうでないと。
見失ってしまう。

ここだけ。
いまだけ。
そこしかない。
それしかない。
それが誤りなのはわかっているのに。

日々の。
営みに。
流れに。
囚われている内に。
勘違いしてしまうものだから。

視界を。
行動範囲を。
変えられる。
そんな機会は。
逃してはならない。

時間など。
あるようで。
無いもの。
それもまた。
忘れてしまいがちなのだから。

ここに。
いまに。
慣れてもいいが。
馴れてはいけない。
惰性で過ごしてはならない。

偶には。
ここを。
いまを。
疑って。
問いただしてみるのがいい。

知らないもの。
異なるもの。
触れられるなら。
身を置けるのなら。
試してみるのがいい。

視線も。
歩調も。
いつも、いつも。
同じである必要などない。
変えてみるのがいい。

視界も。
行動範囲も。
固定しているなと感じたら。
誘いにでも乗って。
揺さぶってみるのがいい。

ここが。
いまが。
総てになって。
揺るぎもしない。
それはおかしいと。
そう思うのがいい。

ここ。
いま。
それだけ。
それは。
勿体ないことなのだ。

時間など。
現在進行形で減っていくのだから。
ここ。
いま。
囚われている暇などないのだ。



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2016/05/02 Mon *噂を信じちゃいけないよ / Rod Stewart

20160502ohnonotmybaby


噂を信じちゃいけないよ。

そうだね。
そうしたいね。
悪い噂。
嫌な予感。
信じたくないね。

まさか。
そんなことは。
無いだろうと。
誤りだろうと。
そう信じたいけどね。

しかし。
どうしても。
否定しきれない。
肯定できない。
そんなものがあるならば。

その状況を。
その情勢を。
冷静に。
分析をして。
覚悟を決めておく。

そいつも。
必要になると。
願う一方で。
叶わない時の。
備えもしておかねばならないと。

噂を信じちゃいけないよ・・・なのだけど。

『Oh ! No Not My Baby』'78年リリース。
ロッド・スチュワートのマーキュリー時代のベスト・アルバム。
この頃、既にロッドはワーナーに移籍した後で。大ヒットを連発していて。
それに便乗した古巣のマーキュリーは、これでもかってほどに。
ほぼ、毎年の様に手を変え、品を変えで。何枚ものベスト・アルバムをリリース。
このアルバムはその中でもわりと後発の一枚だったと記憶しています。
目玉はアルバム・タイトルにもなっている「Oh ! No Not My Baby」の収録で。
ゴフィン=キングの古いナンバーのカヴァーで。英国ではTOP10ヒットを記録。
しかしながら。何故かオリジナル・アルバムには未収録だったものを初収録したと。
元々は彼の悪い噂は信じないって歌詞の彼を彼女に置き換えて歌っています。
ロッドと言えば。その歌声と共に。カヴァーの選曲の良さと、咀嚼力の高さが魅力で。
このアルバムにもテンプテーションズ、ジミ・ヘンドリックス、チャック・ベリー、エタ・ジェイムス・・・
更にはサム・クック、ティム・ハーディンのカヴァーが収められていて。
「(I Know I'm Losing You」「Angel」「Sweet Little Rock 'N Roller」「I'd Rather Go Blind」...
「Twistin' The Night Away」そして「Find A Reason To Believe」と。そのどれもが素晴らしいのですが。
「Oh ! No Not My Baby」も素晴らしいそれらに負けず劣らずの出来となっているのです。
ワーナーに移籍後、大西洋を渡った後のロッドも。三枚目くらいまでは素晴らしかったけど。
やはり。マーキュリー時代の熱く真摯に歌に向き合っているロッドがより魅力的だなと。
こうしてまとめて聴くと。改めてそうしみじみと感じてしまうかな。詮無い事だけど。
ところで。「Oh ! No Not My Baby」をヒットさせたのは'73年のことなのですけど。
このアルバムの前年には、例のブリック・エクランドとの別れ話で世間を騒がせていて。
それを考えると。今更の様に。「Oh ! No Not My Baby」を改めて世に出したってところに。
ロッドに袖にされたマーキュリーの意趣返しの意図を感じなくもないかな・・・

噂を信じちゃいけないよ。

そうだな。
そうしたいけど。
悪い噂。
嫌な予感。
信じたくないけど。

きっと。
そんなことには。
ならないだろうと。
読み違いだろうと。
そう信じたいけどね。

しかし。
どうにも。
拭いきれない。
風向きを感じられない。
そんなものがあるならば。

その現状を。
その動向を。
沈着に。
解析をして。
腹積もりをしておく。

そいつも。
必要とされると。
祈る一方で。
叶わない時の。
計も立てておかねばならないと。

噂を信じちゃいけないよ・・・なのだけど。

噂。
悪い噂。
嫌な予感。
そいつは。
大概のところ。

願いや。
祈りとは。
反対に。
真実で。
当たったりする。

信ずる者は。
救われるとは限らない。
信じない者も。
また然り。
そんなものだったりする。

噂。
悪い噂。
嫌な予感。
信じたくない。
当たってほしくない。

悪ければ。
悪いほど。
嫌なら。
嫌なほど。
そう思うのだが。

その実。
悪い噂。
嫌な予感。
それが。
どういうものなのか。

そいつは。
よく分かっていて。
分かっているから。
だから。
信じたくないと思うので。

噂を信じちゃいけないよ。

でもね。
煙どころか。
炎が。
メラメラと。
燃え上っているのだよねぇ・・・



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2016/03/03 Thu *ポジション / Rod Stewart

20160303leadvocalist


元々は。
そんなつもりは。
毛頭なくて。
他のポジションに。
憧れていて。

今でも。
好きなのは。
惹かれるのは。
そのポジション。
それは変わらなくて。

だけど。
適性と言うか。
才能と言うか。
そいつが。
どうにも欠けていて。

更には。
勝ち取る為の。
努力とか言うのが。
大の苦手だったりもして。
そうなると他のポジションへと。

そこでも。
どうも。
いま一つ。
マッチしないと言うか。
フィットしないと言うか。

それで。
流れ流れて。
何とか。
辿り着いただけ。
だったり、するのだけど。

『Lead Vocalist』'93年リリース。
ロッド・スチュワートの実に変則的なアルバム。
何が変則的かと言うと。A面がベスト・アルバムでB面がカヴァー・アルバムみたいな。
当時は何で、こんな中途半端なアルバムをリリースするのかと不思議だったのですが。
当初は『Once In A Blue Moon』なるタイトルのカヴァー・アルバムの企画だったもので。
それが、ロン・ウッドやイアン・マクレガンをゲストにしたアンプラグドの評判が良くて。
そちらをリリースすることを優先した結果、この変則的なアルバムに辿り着いたと。
その節操の無さと言うか、安易なところが如何にもロッドらしいなと妙に納得したりして。
確かに『Unplugged』は'90年代以降のロッドのアルバムの中では一番魅力的ですけどね。
だったら。このアルバムは没にしても良かったのではと。契約の問題でもあったのかな。
さて。A面にはジェフ・ベック・グループ、フェイセズ、ソロから1、3、3で7曲を収録。
ロッドのキャリアを駆け足で振り返る・・・駆け足過ぎてねぇ。なんじゃ、こりゃだな(笑)。
売りはB面でスティーヴィー・ニックス、ローリング・ストーンズ、ロイCに。
コントゥアーズときて、最後がトム・ウェイツの「Tom Traubert's Blues」の5曲を収録。
カヴァーのセンス、そしてその咀嚼力には定評のあるロッドですが、一貫性は無いかな。
それでも、そこはロッド。あの歌声と歌唱力で聴かせてしまうところが憎らしいところで。
'80年代以降目立ち始めた過剰な表現が顔を覗かせて。サウンドも華美に過ぎるとは言え。
「Tom Traubert's Blues」なんかは、やっぱり胸に募るものがあったりもします。
やっぱり。あの歌声は、その存在感はロッドならではの特別な味わいがありますからね。
結局ここでのカヴァーが、その後のシナトラの真似事みたいな路線のきっかけになったと。
それを考えると。複雑な思いもあるのですけどね。あの路線は無いよなと。
そう。実はA面の7曲のロッドこそが、ロッドだろうよと。そう思ってしまうので。
でも、まぁ。プロのフットボーラーを目指して。実際に短期間とは言えプロになって。
しかし挫折して。放浪の旅の末に。歌い始めたロッドのキャリアを思い起こせば。
このアルバム、そこまでの道程、そこからの道程。総てがありなのだろうなとは思えるかな。

元々は。
そんな主旨の。
企画じゃなくて。
いつも通りにと。
思っていて。

今でも。
それで。
そのままで。
その企画でいいかなとの。
そう思わないでも無いけれど。

だけど。
のせられたと言うか。
のってしまったと言うか。
それもまた。
悪くは無いかななどと。

要は。
断る程の。
熱意も無いと言うか。
実は好きだったりもして。
そうなると主旨も何もなくて。

そうだな。
もう。
こうなったら。
のせられてしまえと思い切って。
自らのってしまうことを望んで。

それで。
流れの中で。
勢いのせいにして。
言い訳しながら、楽しみにしている。
そんなところ。だったり、するのだけど。

ギタリストに憧れて。
手にして。
弾いてはみたものの。
とても。
モノには出来なかった。

ならばと。
弦を減らして(笑)。
ベースに持ち替えて。
弾いてはみたものの。
モノには出来なかった。

そんな。こんなの。
繰り返しで。
流れ流れて。
ひょんなきっかけで。
皿回しに辿り着いて。

そこに。
どうやら。
落ち着いて。
楽しんで。
十年以上の時は流れて。

ベースと。
皿回しの。
間に。
遊び心だけで。
やっていたポジション。

もう。
二度と。
やるまいと。
思ってはいたのだが。
のっちゃったのだから仕方がない。

一度だけ。
一夜だけ。
そのポジションに。
復帰してみるのも。
面白くはあるなよと。

はい。
そう言うことで。
近々。大胆不敵にも。
リード・ヴォーカリストとして。
皆様とお目にかかることと相成りそうです・・・



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2015/12/09 Wed *わかっちゃいる / Faces

20151209anodsasgoodasawinktoablindh


わかっちゃいる。
いるけど。
だからと言って。
その通りにするかと言うのは。
また、別の話なのだな。

おっしゃる通り。
そうなのだろう。
だからと言って。
それに従うかと言うのは。
これまた、別の話なのだな。

そうね。
そうだね。
そうなのだろうね。
それが。
正しいのだろうね。

俺に。
必要なもの。
俺に。
欠けているもの。
あんたがたが指摘する通り。

だとしても。
俺には。
俺の歩き方がある。
俺の転がり方がある。
そいつが何よりも大切なのさ。

だから。
何を言われても。
何をおっしゃられても。
右から左で。
千鳥足のまま進んでいくだけなのだよな。

『A Nod's As Good As A Wink...To A Blind Horse』'71年リリース。
『馬の耳に念仏』の邦題で知られるフェイセスの3rdアルバム。
原題は古くからの英国の諺で、大意は邦題の日本の諺と同じらしいです。
意味がない、言っても無駄、放っておけ・・・実にフェイセスらしいなと思えるかな。
ラフでルーズ、リズムやテンポの多少の崩れなど気にも留めない。それよりも。
楽しく、ご機嫌にやれるか。その一点だけを大切にしてロックンロールをやっている。
世界一飲酒量の多いバンドとして名を馳せた、フェイセスならではの千鳥足のロックンロールです。
未だにストーンズと比較され、その文脈で語られることも多いフェイセスですが。とんでもありゃしないと。
フェイセスはフェイセス。ストーンズにもこの千鳥足の真似は出来ないぞと言いたいかな。
誕生の経緯からして。スティーヴ・マリオットに置いてきぼりにされた三人のところに。
ジェフ・ベックに解雇されたロン・ウッドが加わって。それでボチボチやろうかなと。
そこへベックと仲違いしたロッド・スチュワートまでが転がり込んできてしまって。
仕方が無いから面倒見るかと。で、ロンとロッドが“スモール”じゃ無かったからフェイセスに改名と。
そんな緩い感じで始まったのですからね。ロッドはロッドでソロと掛け持ちしているしと。
そのいい加減さ、その自由な雰囲気。それがサウンドにいい塩梅に反映されているのがフェイセスならではで。
集まって、音を出して。楽しめたら、ご機嫌になれたら、そいつを録音した、その感覚を最優先した。
それ以外のことは、後回し、どうでも良かった・・・そんな気がしてならないんですよね。
そして。そのことに関してだけは梃子でも譲らなかった頑固さも勿論あって。
故に、緩い共同体でありながら硬い絆をも感じさせてくれる。その破天荒な温かさが堪らないのですよね。
「Stay With me」「Too Bad」「That’s All You Need」とヒット曲、代表曲もあって。
更にはロニー・レインの個性が光る「Last Order Please」「Debris」も収録されていて。
なのに、どこか決め切れていない。止めを刺せていない。そんなもどかしさが付きまとうのも確かですが。
そのもどかしさ、意地でも陽気な千鳥足のままで歩み続けた。それでこそフェイセスかもねと感じるかな。

わかっちゃいる。
いるけど。
だからと言って。
軌道修正をするかと言うのは。
また、別の話なのだな。

おっしゃる通り。
そうなのだろう。
だからと言って。
服従するかと言うのは。
これまた、別の話なのだな。

そうね。
そうだね。
そうなのだろうね。
それが。
普通なのだろうね。

俺に。
いるもの。
俺に。
足りないもの。
あんたがたが分析する通り。

だとしても。
俺は。
俺の歩き方が好きだし。
俺の転がり方が楽しくて。
そいつが一番大切なのさ。

だから。
何と言われても。
何とおっしゃられても。
馬耳東風で。
千鳥足のまま進んでいくだけなのだよな。

言ってくれるのは。
仰ってくれるのは。
ありがたい。
感謝している。
嘘じゃない。本当さ。

指摘も。
分析も。
的外れではない。
見えないものも見えた。
気付けないものに気づけた。

それでも。
ありがたくても。
感謝しても。
新たな何かが開けても。
そうだとしても。

俺は俺。
何を好きになるか。
何を好きにはならないか。
何を必要とするか。
何には手を出さないか。

そいつは。
俺が決めるだけ。
あんたがたにとって。
正しくなかろうが。
普通じゃなかろうが。

認められないものは。
認めない。
譲れないものは。
譲らない。
それで。遠回りしようが。損をしようが。

千鳥足だろうが。
己が心に真直ぐであれば。
それでいい。
陽気に。楽しく。
歩んでいくだけ。

だからさ。
そうだな。
あまりに足がもつれそうな。
そんな時に。
共にあって手を取ってくれる。それだけで十分なのさ。



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2015/11/06 Fri *独りなのだから / Ron Wood

20151106ivegotmyownalbumtodo


その思いは。
その考えは。
今も。
変わることなく。
自分の根源にある。

独りなのだと。

何処でも。
いつでも。
誰といても。
とどのつまりは。
独りなのだと。

どんなに。
心安らぐ空間であっても。
どんなに。
気の置けない間柄であっても。
消えるのだと。いなくなるのだと。

いつもの夜。
いつもの会話。
いつもの笑顔。
じゃぁ、またねと。
扉を閉めた。

その時には。もう決意していたのだろう。
またね、の。そのまたは。その日は。
二度と訪れることは無いと。
これが永遠の別れになると。
なんて、残酷な。またね、だったのだろう。

共にあって。
共に心安らいで。
共に気を置けないで。
それでも。そんな別れもあるのだ。できるのだと。
そうか。やっぱり。俺は間違っていなかったと思い知らされた。

独りなのだと。

『I’ve Got My Own Album To Do』'74年リリース。
邦題『俺と仲間』がなんとも、その内容を言い当てているロン・ウッドの1stソロ・アルバム。
当時はフェイセスのメンバーだったロン。ストーンズとの親交も既に深くて。
そのフェイセス、ストーンズのメンバーが大挙して参加。ミックとロッドはロンとデュエットを披露し。
キースに至っては、他人様のアルバムでリード・ヴォーカルをとると言う暴挙(?)に出ています。
何でもデヴィッド・ボウイも参加していて。ストーンズの「It’s Only Rock ‘N Roll」の原曲はその際に録音されたとか。
録音はロンの自宅だかスタジオで行われて。キースなんかは居座っちゃって。スタジオ代より酒代が嵩んだと。
そんな。如何にも陽性な、誰からも好かれる、誰をも仲間にしてしまうロンの人柄が素直に表れたアルバムで。
針を落とすと。ロックンロールだ、ソウルだとか言う前に。その居心地の良い空気の匂い。
心安らぐ空間で、気の置けない連中が集まって音楽を楽しんでいる。その匂いが堪らないアルバムなのです。
そうそう。後にその名を轟かす、ウィリー・ウィークスとアンディ・ニューマーク。そのリズム隊も。
このアルバムでの録音時で初めて組んでいるのですよね。あの御機嫌なうねりと弾みの生みの親はロンだったと。
このアルバムを聴いてスティーヴ・ウィンウッドが自身のソロ・アルバムで起用して名声が広まったと。
キースに言わせると、ロンは最高のカウンセラーで、死にたい奴はロンに会えばその気も失せるらしいですが。
何の根拠もありませんが。このアルバムを聴いていると。そうかも知れないなと感じたりもして。
大体、アルバム・タイトルでやっと俺のアルバムを創ったぜと、そう高らかに宣言しながらも。
キースにリード・ヴォーカルをとらせてしまう。普通はしないよなと、思いつきもしないよなと。
それだけ。ロンにとっても。録音の過程が、本当に楽しくてしかたのないアルバムだったのだろうなと。
スタジオ代と酒代を考えると。恐ろしくもなるのですが(笑)、そんなことなど問題外だったのでしょうね。
決して、ロック史に残る名盤とか傑作ではありませんが。ロック史上、これだけ陽気で御機嫌なアルバムも無いだろうと。
記録では無くて、聴く者の心に、記憶に残り続けるアルバムであると。そう確信して止まないのです。
一度、針を落とすと。いつまでも、その空気に、匂いに包まれていたくなってしまうのです。

その思いは。
その考えは。
この先も。
変わることなく。
自分の根源にあり続けるだろう。

独りなのだと。

何処へ行っても。
いつであっても。
誰と出逢っても。
とどのつまりは。
独りなのだと。

どんなに。
心安らぐ空間を見つけても。
どんなに。
気の置けない間柄になったとしても。
消えるのだと。いなくなるのだと。

ある夜。
いつもの会話。
いつもの笑顔。
じゃぁ、またねと。
扉を閉めて。手を振って。

その時には。わからなくても。
またね、の。そのまたは。その日は。
二度と訪れることは無いこともあるのだと。
それが永遠の別れになることもあるのだと。
なんて、残酷な。またね、が存在することを。

共にあって。
共に心安らいで。
共に気を置けないで。
それでも。そんな別れもあるのだ。起きてしまうのだと。
そうさ。やっぱり。俺は間違っていないのだと確信してしまっている。

独りなのだと。

消えるのだ。
いなくなるのだ。
ある日突然。
何の前触れも無く。
空間も、人も、空気も、匂いも。

そして。
その残り香の中に。
とり残されて。
もがき苦しむのだ。
苛まれ続けるのだ。

独りなのだと。

その残り香が。
強ければ強いほど。
どうしようもなく。
打ちのめされて。
蹲ってしまう。

誰にも誰かの代わりはできない。
残された匂いは。
失われた欠片は。
抉られた傷口は。
他の誰にも埋められはしないのだ。

残り香の中。
歪に欠けた心を抱えて。
傷口から血を流し続けて。
年を経る程。歳を重ねる程。
堪えられなくなっている。

独りなのだ。

なのに。
悪戯好きの何ものかが。
偶然を装って。
必然の出逢いを。
忘れた頃に、また仕組みやがる。

心、安らげば、安らぐほど。
気、置けなければ、置けないほど。
愛すれば、愛するほど。
ふと、慄然とするのだ。
また、新たな喪失の始まりに過ぎないではないかと。

独りなのだ。

それでも。
性懲りも無く。
その仕組まれた悪戯に。
乗ってしまう。
そうさ、もうここまで来てしまったのだ。

濃厚な残り香の中で。
最後の一片になって崩れ落ちて。
溢れ出た血だまりの中で溺れて。
朽ち果てる。その覚悟を決めていればいいのだから。
独りなのだから。



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