2009/10/22 Thu *会う時にはいつでも / The Who

20091022whosingls


会う時には。
いつでも。
他人の二人。
ではないけれど。

昨日と今日。
昨夜と今朝。
僕も君も。
別の顔。別の人。
別の役割。別の関係。

どちら様でしたっけ?
なんてね。

『The Singles』'84年リリース。
’82年の1回目の解散をうけて英国で編集されたザ・フーのベスト・アルバム。
’65年から'81年までに英国でリリースされたシングルA面曲から16曲が選ばれています。
基本的にシングル・ヴァージョンやエディット・ヴァージョンを収録しているのですが。
何曲かは何故かこのアルバムでしか聴けないステレオ・テイクやミックス違いもあったりして。
制作時のミスとのことなのですが。どうなんでしょうか。ザ・フーのベスト・アルバムにはよくあることとか(?)。
それはともかく。「Won't Get Fooled Again」は3分半程のエディット・ヴァージョンが収められていますが。
さすがにそれだけはあまりにも端折り過ぎで、迫力が今ひとつ、ふたつ、みっつ伝わってきませんが。
それ以外は基本的に駄作の無いザ・フーですので。「Substitute」から「You Better You Bet」まで。
ヒット曲を中心としたザ・フーの魅力は堪能できます。しかし、本当にいい曲が多いなと毎度思います。
で、毎回何故か耳に留まる曲は違うのですが。今回は「5.15」と、そして「Who Are You」かな。
同名アルバムのタイトル曲だった「Who Are You」・・・キース・ムーンの衰えが目立ってしまったそのアルバム。
その中では一際力強かったこの曲。何故かこの曲にだけかってのザ・フーの匂いを強く感じていたのですが。
このアルバムのライナーでピート・タウンゼンドがこの曲は「Won't Get~」直系の曲だと語っていて。
なるほどなと。キース存命時のザ・フーによる最後のロック・アンセムだったんだなと改めて感じたりもして。

会う時には。
いつでも。
他人の二人。
ではないけれど。

あそことここ。
あの時とこの時。
僕も君も。
異なる顔。違う人。
異なる役割。違う関係。

どちら様でしたっけ?
なんてね。

そう。
昨日は昨日。
夕べは夕べ。
そこでの出来事も。
そこでの時間も。
そこでの思いも。
解っている。
感じている。
信じている。

だから。
今日は今日。
今朝は今朝。
ここでの出来事も。
ここでの時間も。
ここでの思いも。
解っている。
感じている。
信じている。

だから。
会う時には。
いつでも。
他人の二人。
ではないけれど。

どちら様・・・ってもういいか(笑)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/09/03 Thu *ちょっとお疲れ / The Who

20090903magicbus


ちょっとお疲れ。
回らない。響かない。
返せない。浮かばない。
あらら。
ちょっとやばいね。

頭も。心も。
言葉も。思考も。
ちょっとお疲れ。
あらら。
ちょっとやばいね。
油でも注すかな。
錆でも落とすかな。

ちょっとお疲れ。
でも。
まだまだ。
終われない。
終点にはまだ遠い。
だから。
まだまだ。

『Magic Bus (The Who On Tour)』'68年リリース。
なんとも時代を感じさせるサイケなジャケットも美しいザ・フーの米国編集アルバム。
オン・ツアーなんて謳ってますがライブ・アルバムでは無くて。シングルや米国未発表ナンバーを集めています。
まぁ、言ってしまえば。好評だった同年の全米ツアーに便乗した寄せ集めのアルバムだったりするのですが。
そこはザ・フーなんで。捨て曲なんてあるはずも無く。ちゃんと聴き応えがあるのが素晴しいなと。
「Bucket T.」なんて遊んでる曲もありますが。これはこれでキース・ムーンの個性が出てて良いかなと。
勿論「Magic Bus」とか「Pictures Of Lily」とか。「Call Me Lightning」とか。ピート・タウンゼンドの煌めく才能。
その冴え渡る様は鮮烈で見事で。勿論そこにピートの苦悩や疲労感、そして繊細さも垣間見れますが。
やっぱりねぇ、カッコいいなぁと。そのカッコ良さに対する痺れの方が先に来てしまうのはやむを得ないかなと。
この魅力的なジャケットともども。その魔法の様な輝きは今も色褪せずに。その魔力は続いているのだなと。

ちょっとお疲れ。
回るかな。響くかな。
返せるかな。浮かぶかな。
あらら。
ちょっとやばいね。

頭も。心も。
言葉も。思考も。
ちょっとお疲れ。
あらら。
ちょっとやばいね。
刺激を与えて。
目を覚まさせて。

ちょっとお疲れ。
でも。
まだまだ。
終りじゃない。
途中下車なんかしたくない。
だから。
まだまだ。

切り替えて。傾けて。
投げてみて。玩んで。
ちょっと間をおいて。
ちょっと呼吸を読んで。
ちょっと斜めったら。
おっ、おっ、おっ、おっ~!

回り始めて。響いてきて。
返す傍から次から次へ・・・
まではいかなくても浮かんでくる。

ちょっとお疲れ。
でも。
まだまだ。
ささやかな魔力は。
なんとか生きてるみたいです。
一つ一つ。
停留所に停まりながらでもね(苦笑)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/06/21 Sun *買出し / The Who

20090621sellout


どんな日でも。
どんな時にも。
例えばこんな。
一日中雨が降っていて。
閉じ込められたまま暮れていく。
そんな週末、そんな日曜日でも。
そんな日曜日の夕暮れだからこそ。
さぁ、気合を入れて。
さぁ、リュックを背負って。
ちょっと先のスーパーまで。
さぁ、買出しに出かけよう。

『Sell Out』'67年リリース。
ピート・タウンゼンドのポップ感覚がサイケの時代と相俟って見事に開いた感のあるザ・フーの3rdアルバム。
ジャケットもポップと言うか何と言うかですが。何でも本物の広告を掲載する予定もあって交渉もしていたとか。
このキッチュな感覚もフーの、ピートの個性の一つですが。その発露はジャケットだけに止まっていなくて。
中身も。曲間にジングルを挟んだりして。架空のラジオ局のラジオ・ショーにも聴こえる様になっていたり。
この演出はザ・フーもその恩恵を被っていた海賊ラジオ局へのオマージュとの側面もあったみたいです。
とかなんとか。様々な意匠を凝らしながら。大きなテーマは無くとも。キラキラと輝くナンバーを集めて。
まとめて一つの商品として更に質を高めて、更に魅力的に見せてしまう。実に鮮やかなピートの手腕です。
こんなラジオ・ショーがあったら御機嫌だろうなと。実にカッコいい「I Can See For Miles」を聴きながら思うのです。
デビューして2、3年。次のアルバムが『Tommy』ですから。物凄い進化、いや深化だったのだなとも。
ところで。このジャケット。英米ともピートの隣はロジャーなのですが。この日本盤ではキースになっています。
これって。キースが日本で人気だったってこと?(ロジャーが不人気だったとか)それとも単なるミスでしょうか・・・

こんな日でも。
こんな時にも。
例えばそう。
そぼ降る雨のせいだけじゃなく。
なんとなく消化不良のまま終わろうとする。
そんな週末、そんな日曜日でも。
そんな日曜日の夕暮れだからこそ。
さぁ、気合を入れて。
さぁ、カートを押して。
こっちの棚からあっちの棚まで。
こっちの売場からからあっちの売場まで。
さぁ、買出しだ。

あの広告のはどこだろう。
あっ、これも安いから。
おっ、これは珍しいよね。
そうそう、これそろそろ無くなりそうだったよね。
どれどれ、これさぁ、試してみない。

さぁ、気合を入れて。
さぁ、リュックに入るだけ。
さぁ、買出しだ。

広告見て。チラシ読んで。
セール品は必ずチェック。
買出し・・・好きなんですよねぇ(笑)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/03/18 Wed *見失って / The Who

20090318twosmissing


あらっ。
見失ったんですか。
それで。
行方不明ですか。
まったく。
ここまできてるのに。
ここで決めるはずなのに。
困っちゃうなぁ。
こっちまで。
焦るじゃないですか。
疑うじゃないですか。
ちゃんと。
見てなきゃ駄目ですよ。

『Two's Missing』'87年リリース。
'85年にリリースされた『Who's Missing』に続いて編集されたザ・フーのレア音源を集めたアルバム。
先ずはジャケットのキース・ムーンのターゲット・マークがデザインされたポロ・シャツがいいなと。
作られたモッズだったとは言え。やっぱり世界一ターゲット・マークが似合うバンドだなと思うのです。
アメリカのみのリリースで。アメリカではアルバムに収録されなかったナンバーで構成されているので。
「I'm A Man」「Heat Wave」なんて我々には珍しくないカヴァーも収録されていますが。
「Under My Thumb」「The Last Time」と言ったドラッグ裁判支援をした時のストーンズのカヴァーがあったり。
そして「My Wife」の'71年ライブ・ヴァージョンと「Goin' Down」の'72年ライブ・ヴァージョンが素晴しくて。
この2曲は今でもこのアルバムでしか聴くことができないはずです。いや、本当にカッコ良いライブ・テイクです。
フレディ・キング、ジェフ・ベック・グループ、チキン・シャック等で有名なドン・ニックス作の「Goin' Down」ですが。
ザ・フーも演奏していたとは。このナンバーがとにかく好きな自分にとっては嬉しい驚きでした。
ジャケットのセンスも含めて。行方不明で終わりそうな宝物を見つけて届けてくれたMCAレコードには感謝です。

あれっ。
見失った・・・かな。
これは。
行方不明・・・かな。
まったく。
ここまできてるのに。
ここで決めるはずなのに。
困ったなぁ。
こっちまで。
焦っちゃったかな。
信じきれなかったかな。
ちゃんと。
見てなきゃ駄目だよな。

あっちも。
こっちも。
先が見えたことに。
陽気がいいことに。
浮かれた訳では。
緩んだ訳では。
無いけれど。

見失って。
今日のところは。
行方不明。

明日は。
見つけないとね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/03/08 Sun *エア・ポケット / Pete Townshend Ronnie Lane

20090308roughmix


せっかくの週末。
なのに。
お互いに忙しくて。
仕事やら。何やら。
共に過ごせる時間が短くて。
それでも。
どうにか。こうにか。
昼下がり。
ひと時。
いつもの様に。
一緒にブランチを。

ほっ。

『Rough Mix』'77年リリース。
ザ・フーの活動に嫌気を覚えていたピート・タウンゼンドとスリム・チャンスを解散させたロニー・レイン。
かなり真剣に引退を考えてもいたらしいピートと、この後実際に一時期引退状態になるロニーが組んで。
フェイセズ脱退後は自らの好きな音楽を悠々とやっていたロニー。それに惹かれたのがピートだったのか。
カントリーやトラッドをベースにしたサウンドをリラックスして楽しげに、飄々と演奏しています。
チャーリー・ワッツ、イアン・スチュワート、エリック・クラプトン、ラビットなどが参加したセッションを。
その和気藹々とした雰囲気もそのままに。本当にそのままに収めただけの、その感じに和みます。
ピートにとって。そしてロニーにとっても。暫し様々な柵や面倒な諸々を忘れてただただ演ってみた。
そのエア・ポケットにはまったかの様な。暫しの、ひと時の心安らぐ様な。緩い流れがなんともいいのです。

せっかくの週末。
なのに。
お互いに忙しくて。
仕事やら。何やら。
共に過ごせる時間が短くて。
それでも。
どうにか。こうにか。
真夜中。
ひと時。
いつもの様に。
一緒に珈琲を。

ほっ。

忙中。
エア・ポケットにはまったかの様な。
暫しの。
ひと時の。
心安らぐ。
緩い流れが愛しくて。

いいなぁ。
エア・ポケット。

ほっ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009/01/16 Fri *小粒でも / The Who

20090116happyjack


景気悪いですね。
ちょっと酷いよね。
そろそろ。
洒落にならなくなってきたかな。
お客さんの予算も削られるし。
やりたいことはあってもね。
お金も人も掛けられないって。
あんなに構想は大きかったのになぁ。
どんどん縮小されて。
なんかこじんまりとした話で終わりそうで、かな。
でも。だからこそ。色々と盛り込んでみようかと。
そうそう。色々と工夫して。密度を濃くしてね。

『Happy Jack』'67年リリース。
英国での2ndアルバムから1曲収録曲を差し替えタイトルも変更されたザ・フーの米国での2ndアルバム。
マーサ&ザ・ヴァンデラスのカヴァー「Heatwave」を外してタイトルにもなった「Happy Jack」を収録しています。
結果として総てのナンバーがメンバーの手によるオリジナル曲となっています。
ジョン・エントウィッスルの代名詞ともなったオドロオドロしくもユーモラスな「Boris The Spider」とか。
GS風でポップなキース・ムーンの「I Need You」もカッコよくて(どこかのGSがカヴァーしてたっけ?)。
そしてやはりピート・タウンゼンドの創作意欲が輝く「Run Run Run」とか「So Sad About Us」とか。
ジャケットにも顕著ですがスウィンギング・ロンドンを象徴するかの如くポップでキッチュな世界が広がります。
そしてそして。9分あまりの組曲となっている「A Quick One While He's Away」で繰り広げられる目くるめく世界。
ロック・オペラの原点ともされるナンバーですが。そういう意味で言えば。僅か9分間とも言える訳で。
小粒ながらも。ピートが持てるものをあれやこれやとぶち込んで。一気に聴かせてしまう密度の濃さがあります。
旦那のいない隙を慌しく狙った間男の歌(?)で。そのシニカルでいてユーモラスなセンスも楽しいのです。

景気悪いですね。
調子でないかな。
そうですね。
でもこんな時こそ腕のみせどころでしょ。
予算がなぁ、もう少しあればなぁ。
それは言っても詮無いでしょ。
お金も人も限られるんですよ。
それを有効に活用してみせましょ。
まぁ縮小版ではあるけれど。
単にこじんまりとした話では終わらせない、でしょ。
そうですね。色々と盛り込んでみせますか。
そうそう。色々と工夫して。密度を濃くしてね。そして・・・
そして?
楽しく、面白くも忘れずに。

小粒でも。
ピリッと。クスッと。ニコッと、決めたいね(笑)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/12/10 Wed *至福と悲劇 / Pete Townshend

20081210anotherscoop


その目に何を映しているのか。
その耳に何が響いているのか。
明らかに異なる光を宿し。
明らかに異なる気を纏い。
周囲のなにものとも交わらぬ。
周囲のなにものにも侵されず。
その輝きの眩さに目を奪われ。
その彩りの禍々しさに目を逸らし。
天賦の才か。狂気の業か。
その胸のうちぞ誰が知る。

『Another Scoop』'87年リリース。
『Scoop』の好評を受けて再びデモや未発表曲を集めて編集されたピート・タウンゼンドの2枚組アルバム。

(『Scoop』に関してはこちらの日記もご覧下さい↓)
http://jumpintacflash.cocolog-nifty.com/decembers_childrenand_eve/2008/10/20081017-fri-fd.html

『Scoop』にも驚かされましたが。今回もまたザ・フーの原石とも呼べる作品群の煌めきに圧倒されます。
初期のデモは弾き語り、後期は完成度の高いもの。その違いはあれどどれも正にザ・フーの世界そのものです。
個人的にはやはり「The Kids Are Arlight」「Pinball Wizard」「Substitute」「Long Live Rock」が興味深くて。
ピートの頭の中で、その視界に映し出されたものに音と言う色彩を与えることでその世界が創造されて行く。
その過程をザ・フーとしての完成ヴァージョンと比較しながら聴くことで想像できたりもするのです。
以前にも書きましたがザ・フーには捨て曲や駄作が殆ど無く。そこにやはりピートの圧倒的な才能を感じます。
そして時にあまりにも美しく、あまりにも狂おしいその世界には狂気の影も過ぎって見えるのですが。
ピートの凄さはその狂気を冷静に対象化して普遍的な作品に昇華できるところではないかと。
そしてその凄さ故に。同じく狂気を宿したキース・ムーンやジョン・エントウィッスルの様に破滅することも出来ず。
生き残った意味を見つめつつ、重みを背負いつつ、演りつづけるしかないと、生き続けるしかないと。
その覚悟を宿した目に。その覚悟を纏った姿に。天才であるが故の至福と裏腹な宿命的な悲劇があるのだと。
映画《Amazing Journey》を観て、改めてこのアルバムに針を落として。そんな思いに囚われてしまいました。

その目に映るものに。
その耳に鳴り響くものに。
新たな眩い光を与え。
新たな凛たる気を与え。
周囲のなにものとも交わらす。
周囲のなにものにも侵されず。
眩い輝きを放つその世界。
禍々しい彩りを纏うその世界。
天賦の才か。狂気の業か。
その胸のうちぞ誰が知る。

唯一無比であること。
孤高の才であること。
そこにある。
至福と悲劇。
それを思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/11/19 Wed *物語は終わらない / The Who

20081119thestoryofthewho


膝が震える。
握り締めた拳も震えてる。
背筋を電流が駆け上がる。
鳥肌が立つ。
天に向って思いきり叫ぶ。

これだ。
これだ。
これだ。

これを。
観たかった。
聴きたかった。
感じたかった。

すごい。
すげぇ。
すご過ぎる。
まったく。
大した奴等だぜ!

『The Story Of The Who』'76年リリース。
英国でのレーベル移籍に伴ってリリースされたザ・フーの2枚組編集アルバム。
当時の新作『Who By Numbers』のヒットやツアーの影響もあってか英国では2位まで上がる大ヒット。
なんと「Substitute」をシングル・カットして。これまた全英7位まで上がるリバイバル・ヒットになったとか。
特徴としてはC面が全曲『Tommy』からのナンバーで構成されていてダイジェスト版(?)として楽しめるかなと。
「Heat Wave」や「Bargain」なんかは渋い選曲かな。特に「Heat Wave」は個人的に大好きだったりして。
モータウンのマーサ&ヴァンデラスのカヴァーですが。このナンバーを選ぶセンスがいいなと思うのです。
そして。やはり『Live At Leeds』と『Who's Next』からのナンバーを集めたD面のド迫力。これは堪りません。
「Summertime Blues」「Baba O'Riley」「Behind Blue Eyes」そして「Won't Get Fooled Again」・・・
まったくもって。どいつもこいつも。まったく大したナンバーばかりで。とても冷静ではいられません。
今夜の武道館でもロジャーと一緒に絶叫してしまった「Won't Get Fooled Again」・・・凄いの一言です。

膝が震えたよね。
握り締めた拳も震えてさ。
背筋で身体が痺れてさ。
鳥肌が立ったよ。
天に向って思いきり叫んだんだ。

これだ。
これだ。
これだってね。

これを。
観たかったんだ。
聴きたかったんだ。
感じたかったんだってね。

すごい。
すげぇ。
すご過ぎる。
まったく。
大した奴等だったよ!

二人になっちゃったけどね。
それでも。
ピートが刻んで。ロジャーが叫べば。
それだけで。
特別な磁場になるんだな。
それでけで。
何かが弾けるんだな。
何かが変わるんだな。

でも。
でも?
できれば三人のフーを。
できれば四人のフーを観たかったな。
それは。
言っても仕方ないけど。
それでも。
もっと何かが変わってたかもね。

でも。
でも?
だからとことん。
とことん?
あの二人に付き合おう。
あの二人に負けない様に。
とことんロックしよう。
いつまでも楽しんでやろう!

まだまだ続く。
物語は終わらない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/11/14 Fri *怒れるジジイに / The Who

20081114kidsandpunks


言葉を失い。
目頭が熱くなって。
慌てて。
拳を天に突き上げて。
声にならない叫びを上げる。

これだ。
これだ。
これだ。

これを。
観たかった。
聴きたかった。
感じたかった。

どうだ。
どうだ。
どうだ。
どんなもんだい!

『Meaty,Beaty,Big & Bouncy』'71年リリース。
デヴュー曲「I Can't Explain」から'70年の「The Seeker」迄のシングル中心に編集されたザ・フーのアルバム。
リリース当時は初めて在籍していた三つのレーベルでの音源が纏めて聴けることになったアルバムでした。
フーのこの手のアルバムにはよくあることですが。このアルバムでも既出とは異なるヴァージョンがあって。
「Magic Bus」がちょっと長かったり、「I'm A Boy」にはフレンチ・ホルンみたいな音が入っていたりします。
個人的にはなんと言ってもメンバーがガキの頃の自分達を見ているって構図のこのジャケットが大好きで。
裏ジャケットでは逆にガキの頃のメンバーが大人になった自分達を見ていたりするのですが。
どっちもどっち。このガキが。このオヤジが。なんて言いつつも。愛情が感じられたりもして。如何にもフーだなと。
とにかく。奇跡的に駄作のないフーのナンバーの中でも勢いと輝きにおいては群を抜いている。
そんな初期のビート・ナンバーを中心に選りすぐられているので。悪いわけが無く。ひたすらにカッコいいのです。
「The Kids Are Alright」「I Can See For Miles」「My Generation」「Pinball Wizard」「Substitute」・・・
圧倒的な存在感と表裏一体の危ういまでの性急さ。いつもフル・ヴォリュームで駆け抜けていくのです。
これが。これが。これが。ロックなのです。どうだ。どうだ。どうだ。どんなもんだい!と叫んでしまうのです。

言葉を失い。
目頭が熱くなって。
慌てて。
拳を天に突き上げて。
声にならない叫びを上げる。

これだ。
これだ。
これだ。

これを。
観たかった。
聴きたかった。
感じたかった。

どうだ。
どうだ。
どうだ。
どんなもんだい!

この圧倒的な圧力。
この強靭に弾むビート。
臓腑を抉られる如く。
急きたてられるが如く。
いまそこに。
奴等がいる。
いまここに。
自分がいる。

初めて手にしたエレキ・ギター。
ピートの真似をしてボディにナンバー・ステッカーを貼った。
雨に煙るブライトンをモッズ・パーカーで歩き回った。
いつもフーが聴こえていた。

奴等の様に。
怒れるガキだった。
奴等の様に。
怒れるオヤジになっちまった。
ここまできたら。
奴等の様に。
怒れるジジイになってやる。
ロックなジジイになってやる!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/11/03 Mon *もう幾つ寝ると / The Who

20081103americantour


もう幾つ寝ると。
お正月・・・じゃなくて。
いや、別にお正月になってもいいけど。
あっ、やっぱり駄目だな。
このままお正月になられたら困るな。
やっと。そう。やっと。
観れる。聴ける。会えるんだから。
もう4年振りになるんだな。
あの日は暑かったよなぁ。

『American Tour 1973』'89年リリース。
待望の単独来日公演がいよいよ迫ってきたザ・フーの'73年のライブを収めた海賊盤。
ラーゴのキャピトル・センターでの収録となっていますが、実際はどうなんでしょう?
音源はサウンド・ボードなので悪くはありませんが、やや厚みに欠けるかなとも思います。
KBFHとかの放送用音源なのでしょう。アナログ1枚ものなので当然完全収録ではありません。
私が持っているのは黄色がかった半透明のカラー・レコードなのですが結構盤質が厳しくて。
ブチブチ、バリバリ言ってますが(苦笑)。それでもここのところヘヴィー・ローテーション入りしている理由。
それはもう。なんと言っても。「The Real Me」のライブが収録されている。それに尽きます。
しかもA面の頭に。もう針を落とす瞬間からドキドキで。始った瞬間に血管が切れそうになります。
いや、性急で蒼くて切なくて。醒めているつもりなのに抑え切れない・・・あぁ、これがザ・フーだよなぁと。
いや、本当にね。大好きなんです。「The Real Me」が。来日公演で演ってくれないかなぁ、あぁ・・・
他にも「Summertime Blues」「My Generation」「Pinball Wizard」「Won't Get Fooled Again」と。
美味しいところは一通り押さえられたアルバムではあります。でもやっぱり「The Real Me」!

もう幾つ寝ると。
そう寝るとね・・・寝れないなぁ。
いや、指折り数えたりしてたら。
あっ、やっぱり駄目だな。
昂ぶって。震えがきて。目が冴えてしまった。
だって。そう。だって。
観れる。聴ける。会えるんだから。
もう4年振りになるんだな。
あの日も熱かったよなぁ。

ピートが腕をグルグル回して。
ロジャーがマイクをぶん回して。
ピートがギターを叩きつけてぶっ壊して。
豪快で爽快で圧倒的で。
キースとジョンも・・・いたんだよ、ね。

声を嗄らして。声を失って。
ただただそこに立ち尽くして。
でも。そこに。確かに。
自分もいたんだ。
ただのロック馬鹿な自分が、そこにいたんだ。

もう幾つ寝ると。
そう。あの瞬間が。
覚束無い不確かな自分の影が。
明確な輪郭を描くあの瞬間が。
やってくるんだ。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008/10/17 Fri *素描 / Pete Townshend

20081017scoop


公と私。
表と裏。
建前と本音。
普段は見えない。
普段は見せない。
笑みが浮かぶ。
影が過ぎる。
その。
素顔の一端が。
思いの欠片が。
見えた気がした。

『Scoop』'83年リリース。
前年にザ・フーとしての活動に幕を下ろしたピート・タウンゼンドから届けられた2枚組アルバム。
古くはデヴュー直後から、’80年代に入ってまでのデモ・ヴァージョンから未発表曲が集められています。
弾き語りの正しくデモといったものから、ほぼ完成形に近いヴァージョンまで。そのサウンドの手触りは様々です。
それでいて2枚組のアルバムとしての統一感も感じられて。そこはやはりピートの世界、王国なのです。
ザ・フーとしてのアルバムや楽曲を聴いていても。ギタリストとして、ソングライターとして、プロデューサーとして。
多方面に渡るピートの才能の豊かさは十分に感じられるのですが。言わば素描集であるこのアルバムでは。
その骨格が、素材が剥きだしであるが故か。より一層そのソングライターとしての才能の煌めきに圧倒されます。
誤解を恐れずに言えば。やはりピートこそがザ・フーなのだなと。そんな思いを強くしてしまうのです。
ロジャー・ダルトリーも。ジョン・エントウィッスルも。キース・ムーンも。このピートの世界、王国に。
彩を加え、命を吹き込み、そして叩き壊す役割を演じさせられていたのだなと。勿論誰にでもできることでなく。
ロジャーだからこそ。ジョンだからこそ。そしてキースだからこそ。ピートと共にザ・フー足りえたのですが。
このアルバムの通奏音である。ヒリヒリするような痛みを伴った繊細で傲慢な自意識。
そこに。ザ・フーの、ピートの素顔が垣間見えるのです。あまりにも。あまりにも。ロックな素顔です。
弾き語りによる「Bihind Blue Eyes」の美しさには言葉もありません。この悲しいほどの切なさがロックなのです。

公と私。
表と裏。
建前と本音。
普段は見えない。
普段は見せない。
笑みが浮かぶ。
影が過ぎる。
その。
素顔の一端が。
思いの欠片が。
見えた気がした。

見てよかったのか。
見てはいけなかったのか。
見たかったのか。
見たくなかったのか。
わからない。
わからないけれど。

公だけが。
表だけが。
総てではないことを。
それだけでは語れないことを。
知っているから。
時に。
誰かの素描を。
その世界を。
覗いてみたくなるのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008/09/08 Mon *ジャンプ / The Who

20080908whosbest


跳べ。
跳んでしまえ。
見る前に。
考える前に。
固まってしまう前に。

とにかく。
ここから。
そこから。
いまから。
いつから。

少しでも。
僅かでも。
できる限り。
跳び上がれ。

『Who's Better, Who's Best』'88年リリース。
結成25周年を記念してリリースされた(同名のビデオ作品も制作されました)ザ・フーの編集アルバム。
デビュー曲である「I Can't Explain」からケニー・ジョーンズを迎えたの「You Better,You Bet」までと。
リリース時点でのフーのキャリアがアルバム1枚で(かなり駆け足ですが)追体験できる内容となっています。
フーは捨て曲の殆ど無いバンドなので。収録されたどのナンバーを聴いても心が躍り、血が騒ぐのですが。
逆に言うと。何であれは入ってないんだ?あれも外しちゃ駄目だろうと。ついつい愚痴ってしまいます。
やっぱり「Summertime Blues」とか「The Real Me」とかはねぇ。まぁ、贅沢と言えば贅沢ですが。
アナログ時代の編集アルバムからは除外されがちな「The Kids Are Alright」が選ばれてるのはいいなと。
そして。なによりも。このジャケットがカッコいいじゃないですか。このカッコ良さがフーでしょう、やっぱり。
股を広げて跳び上がるピート・タウンゼンドに、マイクをぶん回すロジャー・ダルトリー。これでしょう。
孤独で繊細な世界観を描きながらもステージではワイルドなピート、大見得と力技で対抗するロジャー。
混乱したり不安に押しつぶされそうになることがあっても、膝が震えても。拳を握り締めてとにかく立ち向かう。
そんなある意味では青臭くて滑稽ですらあって。でもそんなフーだからカッコいいのです。跳んでみれば解るって。
待望の単独来日。そんなフーに。ピートにロジャーに会える日が待ち遠しいのです。

跳べ。
跳んでしまえ。
見る前に。
考える前に。
固まってしまう前に。

とにかく。
ここから。
そこから。
いまから。
いつから。

少しでも。
僅かでも。
できる限り。
跳び上がれ。

蹲ってしまうくらいなら。
踏み出せなくなってしまうくらいなら。
声を失ってしまうくらいなら。
思いを捨ててしまうくらいなら。

形なんてどうでもいい。
姿なんてどうでもいい。
無様でもなんでもいいから。
震える膝に力を込めて。
拳を握りしめて。
跳べ。
跳んでしまえ。

ジャンプ!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/12/03 Mon *瞳の陰で / The Who

20071203next


その瞳の陰で。
何を考えているのか。
何に思いを巡らせているのか。
微かな波紋が過ぎる。
その瞳の陰に。
潜んでいるものを。
秘められているものを。
覗いてみたくなる。
暴き出してみたくなる。

『Who's Next』'71年リリース。
スタジオ録音としては5枚目となるフーのアルバム。
今ではよく知られていることですが。元々は『Tommy』に続くロック・オペラ『Lifehouse』として制作に着手して。
ところがピート・タウンゼンドの構想が膨らみすぎて破綻をきたして。制作も膠着して頓挫してしまって。
まぁ、いささか頭でっかちになってしまったピートと。肉体派(?)の他のメンバーとの軋轢もあったのでしょう。
結局は完成していたナンバーから選んで。ジョン・エントウィッスルのナンバーも加えてと。
実はそんな妥協の産物とも言えるアルバムだったりするのですが。それがかえって幸いしたのか。
緊張感に満ち溢れた、そして捨て曲が1曲も存在しない。そんな素晴しいアルバムとなっています。
生き急ぐような、やせ我慢しながら巨大な何かに立ち向かっていくような。そんな性急で劇的な世界観。
そんな従来からあったピートの世界観に、更にふてぶてしさと透き通った諦念のようなものが加わって。
他のなにものとも比べようの無い。そんなフーだけが、ピートだけが創り出せる孤高の世界へ辿り着いています。
「Baba O'Riley」「Won't Get Foooled Again」そして「Behind Blue Eyes」・・・背筋を電流が駆け抜けます。

その瞳の陰で。
何を企んでいるのか。
何に狙いを定めているのか。
密やかな張力を湛えた。
その瞳の陰に。
潜んでいるものを。
秘められているものを。
覗いてみたくなる。
暴き出してみたくなる。

その瞳の陰で。
何を。
その瞳の陰に。
何が。
笑っていない。
その瞳が語りかけるものが。
気になるのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/06/22 Fri *しぶとく / The Who

20070622oddsandsods


転んでも。
ただでは起きない。
そりゃそうだろう。
こんなところで。
転んだまま。
跪いたまま。
俯いたまま。
それじゃ、しょうがないだろう。
土でも。草でも。空気でも。
何でもいいから掴んで。握り締めて。
立ち上がったら。
何もなかった顔をして。
前よりも自信のある顔をして。
しぶとくいこう。

『Odds & Sods』'74年リリース。
切れ込み(破れ目?)の入った特殊ジャケットとメンバーの不敵な面構えが印象的なフーのアルバム。
映画版『Tommy』の制作に忙しくて新作が制作できず。さりとてレコード会社との契約でアルバムは必要で。
結局ジョン・エントウィッスルがそれまでの未発表曲等を選曲やリミックスして編集盤をリリースすることに。
ハイ・ナンバーズを名乗っていた初期のナンバーから幻となった『Lifehouse』に収められるはずだったナンバーも。
時代も制作の背景も異なるナンバーがそれこそ寄せ集められているのですが。不思議と違和感は無くて。
ここらはジョンのセンスに依るところと。フーならではの、ピート・タウンゼンドの世界観が背景にあるからかなと。
社会との、世界との埋めがたい距離と消せない違和感。それらを目の前にしながら徒手空拳で立ち向かう。
そんな馬鹿馬鹿しくも悲壮な青臭さと。青臭いが故のしたたかさ。それこそがフーだったりするのです。
そんなフーだから「Long Live Rock」なんて、ベタベタで。だからこそ感動的なアンセムが歌えるのです。
(アルバムと「Long Live Rock」の邦題が「不死身のハードロック」ってのは・・・まぁ、いいか)

ピンチでも。
簡単には参らない。
そりゃそうだろう。
こんなところで。
転んだまま。
跪いたまま。
俯いたまま。
それじゃ、しょうがないだろう。
頭をフル回転。心を奮い立たせて。
何でもいいから掴んで。思い込んで。
心を決めたら。
何でもないよって顔をして。
チャンス到来って顔をして。
しぶとくいこう。

ロックと同じ様に。
こっちもしぶとく。
不死身の様に。
なんどでも。なにがあっても、ね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/05/20 Sun *眠りの内に / The Who

20070520thekidsarealright


好きなものに囲まれて。
好きなものに包まれて。
好きなものに抱かれて。
ふわふわと。すやすやと。
眠りの内に過ごしましょう。
いい夢を見ながら過ごしましょう。

『Tke Kids Are Alright』'79年リリース。
同名映画のサウンドトラックとしてリリースされたフーの2枚組編集アルバム。
まぁ、先ずは映画(DVD)を観ないと話しにならないかなとは思います。
フーとは、そしてロックとは何か。それを語って余り無い稀代の傑作ドキュメンタリーです。
うん。もし観ても何も感じない人がいたとしたら、たぶん友達にはなれないと思います。
で、勿論ですが音だけでも、このアルバムだけでも充分にフーの凄味が伝わってくるのですが。
とにかく映画に使用されなかったトラックも含めて。正にライブにおけるフーの集大成と言った感があって。
'65年から'78年までの様々なシュチェーションから選りすぐられたその演奏を前にして。
ただただその迫力に、その生々しさに。問答無用の存在感に。快哉を叫ばずにはいられないのです。
そして。結果として唯一無比のドラマー、キース・ムーンの最後の勇姿を留めることとなった、このアルバム。
そのアルバムのジャケットがユニオン・ジャックに包まれて眠るメンバー達であるところが何とも言えず。
心地良い眠りの内に。今では夢幻の如き全盛期のフーの姿が永遠に記憶されたことに感謝したくなるのです。
このジャケットと20Pに及ぶブックレット。やはりアナログ盤で持ってなきゃです。

好きなものに囲まれて。
好きなものに包まれて。
好きなものに抱かれて。
ふわふわと。すやすやと。
眠りの内に過ごしましょう。
いい夢を見ながら過ごしましょう。

眠って。
レコードを聴いて。
眠って。
旨いものを食べて。
眠って。
美味しい酒を飲んで。
眠って。
誰かと安らかな時を過ごして。
眠って。
お気に入りの店で買い物して。
眠って。
気の置けない店で寛いで。

起きてても。
眠っていても。
総ては心地良い眠りの内にある様な。
そんな夢幻の如き週末も偶にはいいものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/04/11 Wed *好きなもの / The Who

20070411unionjack


私の好きなもの。

御機嫌なR&R。
心揺さぶるソウル。
明るく助平なブルース。

美味しいお酒。
旨い肴。
居心地の良いカウンター。

縦縞。
ベロ・マーク。
そして・・・
ユニオン・ジャック。

『Who's Greatest Hits』'83年リリース。
前年のフェアウェル・ツアーの成功により企画されたと思われるフーの編集盤。
初期から後期まで万遍無く選曲されています・・・1枚ものなので無理矢理詰めこんだ感じではありますが。
「Won't Get Fooled Again」と「Love Reign O'er Me」はエディット・ヴァージョンで収録されていたりします。
こうして思い切り駆け足でその軌跡を辿る度に思うのですが。終始一貫してある種の青臭さがあって。
その脆さや弱さを隠しながら、抱えながら。精一杯背伸びして、拳を握り締めて。やせ我慢して立ち向かう。
そんなヒリヒリした肌触りこそが、やはりフーであり、ピート・タウンゼンドなんだなと。それが好きなんだなと。
で、何と言っても。このアルバムはジャケットに尽きるなと。このジャケットだけで手に入れる価値はあるなと。
世界中で一番ユニオン・ジャックの似合うバンドはねぇ、そりゃぁ、やっぱりフーですからねぇ。

私の好きなもの。

ダウン・ジャケットも。
Tシャツも。
ベルトも。

ソックスも。
スニーカーも。
サンダルも。

ウォレットも。
ピン・バッチも。
ステッカーも。
そうさ・・・
ユニオン・ジャック。

ユニオン・ジャックが好きなんだ。

そして。
なによりも。

独りで過ごす夜に。
物思いに耽ってしまう夜に。
絶妙なタイミングで。
熱い思いを届けてくれる。
温かい思いを届けてくれる。

そんな。
御機嫌で。
心揺さぶる。
明るく助平な。
連中がね・・・大好きなんだ(笑)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007/02/08 Thu *リアル / The Who

20070208quadrophenia


確かに。
そう。
いま。ここに。
こうしているんだ。
ここから見ているんだ。
ここから聴いているんだ。
ここで語っているんだ。
ここで思っているんだ。
そう。
でも。なぜ。
ここで。こうして。
ここから見ているんだ?
ここから聴いているんだ?
ここで語っているんだ?
ここで思っているんだ?

ヒリヒリするんだ。
ズキズキするんだ。
訳も解らず駆け出したくなるんだ。
意味もなく叫びたくなるんだ。
ここは何処なのだろう。
何処から来て、何処へ行くのだろう。

『Quadrophenia』'73年リリース。
モッズの若者ジミーを主役として、'65年の英国の夏を舞台とした物語を描き出したフーの2枚組アルバム。
モッズ・パーカーを羽織りスクーターに跨るジミー。バックミラーにはフーの4人のメンバーの姿が。
ジミーを支配する四つの人格、それを象徴するテーマが夫々のメンバーに与えられて物語は進んで行きます。
もっとも実は総てがピート・タウンゼンドの体験から生まれてきた、ピートの自叙伝の様な気もするのですが。
それを決してただの個人の呟きに終わらせずに、普遍的な作品へと創りあげている辺りがピートならではで。
誰もが過ごした退屈で鬱屈した日々と。そこから生まれるやり場などない思いとどうしようもない痛みと。
それらがヒリヒリとズキズキと。実にリアルに描かれていて。そう、あまりにリアルで。
過ごしてきた日々の情景や空気や、抱いていた思いや。自分の、誰かの呼吸や体温まで蘇ってきそうで。
思わず両腕で両肩を抱きすくめて。屈んだままで。襲ってくるなにものかをやり過してしまいたくなるのです。
そして実は。過ごしてきたはずなのに、過ぎ去ったはずなのに。未だ何も明確な答えが出ていないことに。
それだけが確かであることに。そのリアルさに。呆然となりながら。それでも。そう、それでもと思うのです。
そのリアルさを描ききった、このアルバムにおける絶頂期のフーにはいつも、今も背筋がゾクゾクするほど痺れて。
もしロックが好きなら、そして未だにロックなんかに拘っているなら。このアルバムだけは聴いて欲しいななどと。

確かに。
そう。
いま。そこに。
そこにいるんだ。
そこから見られているんだ。
そこから聴かれているんだ。
そこで語られているんだ。
そこで思われているんだ。
そう。
でも。なぜ。
そこで。そうして。
そこから見ているんだ?
そこから聴いているんだ?
そこで語っているんだ?
そこで思っているんだ?

ヒリヒリするんだ。
ズキズキするんだ。
訳も解らず駆け出したくなるんだ。
意味もなく叫びたくなるんだ。
そこは何処なのだろう。
何処にあって、どうすれば届くのだろう。

ここにいること。
こにしかいられないこと。
そこがあること。
そこにはいられないこと。

それだけが。
いつも、今も。
リアルだったりするんだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/19 Sun *物足りなくもあり / The Who

20061119liveatleeds


週末なのに。
心待ちにしていた。
何とはなしに。
胸弾ませていた。
週末なのに。
少しばかり体調を崩して。
何だか天候も崩れて。
勿論、大人しくばかりはしていなかったけど。
物足りなくもあり。

『Live At Leeds』'70年リリース。
'70年2月24日のリーズ大学での圧倒的なステージを記録したフーのライブ・アルバム。
わざとブートレッグを模したジャケットが象徴するかの様に生々しく荒々しい演奏の凄まじさが魅力です。
あの『Tommy』のリリースの翌年でもあり。『Tommy』がフーの知性の証明であるならば。
このアルバムは正しくフーの肉体の証明。ただただそのライブの素晴しさをこれまでもかと突きつけてきます。
例えば「Summertime Blues」には色々なアーティストによる様々なヴァージョンがありますが。
このアルバムのフーのヴァージョンが一番、あの夏の苛立ちを嫌と言うほど感じさせるものがあります。
ご存知の様にCDの時代になってから25周年エディション、更にデラックス・エディションと拡張されていって。
いまでは全33曲に及ぶステージの全貌が明らかにされている訳で。勿論それらも素晴しくはあるのですが。
個人的には物足りなくもあり。もっと聴きたいぞって欲求不満をかきたてられる。
そんな僅か6曲に総ての思いを凝縮している様な。オリジナル・フォーマットのアナログ盤が愛しかったりします。

心待ちにしていた。
週末が。
何とはなしに。
胸弾ませていた。
週末だったのに。
体調を崩している間に。
天候も崩れている間に。
勿論、崩れっぱなしでは無かったけど。
物足りなくもあり。

珍しく。
大人しめの。
静かに時の流れた。
そんな週末の終りに。
それはそれで良かったかなと。
そんな思いを抱きつつも。
やっぱり欲求不満かなと。
物足りなくもあり。

一杯ひっかけに出かけようかな(笑)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006/11/12 Sun *きらきらひかる / Thunderclap Newman

20061112somethingintheair


晩秋から初冬へと。
抜けるような青空の下。
澄みきった冷たい空気の中を。
ゆっくりと歩を進めていく。
ふと目の前で。
何かが陽光に煌めいて。
きらきらひかっている。

『Hollywood Dream』'70年リリース。
ピート・タウンゼンドの盟友スピーディ・キーンが結成したサンダークラップ・ニューマン。
稀代の名曲「Something In The Air」のヒットを受けて急遽制作された唯一のアルバム。
後にウイングスに加わるジミー・マッカロックがギターで参加。ピートもベースを弾いて協力しています。
'60年代後半のスウィンギング・ロンドンの残り香をそこかしこに散りばめつつ。
どこか長閑で。そして透明感のある伸びやかなサウンドにはなんとも言えない心地良さがあります。
そしてとにもかくにも「Something In The Air」この一曲のなんと素晴しいことか。
姿も形も無いけれど。確かにそこに感じられる。そこできらきらと煌めいている。そんな輝き。
冷たい空気の中で深呼吸をした時に、胸の中に沁みこんでくる、えも言われぬものを感じさせてくれます。

晩秋から初冬へと。
抜けるような青空の下。
緑に囲まれた芝の上に。
腰を下ろして土の温もりを感じる。
ふと身の回りで。
何かが陽光に煌めいて。
きらきらひかっている。

きらきらひかる。
その何ものかの。
声にならない声を聴きながら。
長閑さに包まれて。
なんだか自分が透明になっていく様な。
そんな心地良さに浸ってみる。
あぁ、このまま眠ってしまいたいなぁ・・・

| | コメント (0) | トラックバック (0)